JPH0444909B2 - - Google Patents

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JPH0444909B2
JPH0444909B2 JP60153358A JP15335885A JPH0444909B2 JP H0444909 B2 JPH0444909 B2 JP H0444909B2 JP 60153358 A JP60153358 A JP 60153358A JP 15335885 A JP15335885 A JP 15335885A JP H0444909 B2 JPH0444909 B2 JP H0444909B2
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JP
Japan
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liquid
group
recording head
monomer
recording
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JP60153358A
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English (en)
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JPS6216154A (ja
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Hiromichi Noguchi
Tadaki Inamoto
Emi Munakata
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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Priority to US06/881,821 priority patent/US4688056A/en
Priority to EP86109444A priority patent/EP0209803B1/en
Priority to DE86109444T priority patent/DE3689090T2/de
Publication of JPS6216154A publication Critical patent/JPS6216154A/ja
Publication of JPH0444909B2 publication Critical patent/JPH0444909B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/027Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds
    • G03F7/032Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds with binders

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、液体噴射記録ヘツド、詳しくは、イ
ンク等の記録用液体の小滴を発生させ、それを紙
などの被記録材に付着させて記録を行なう液体噴
射記録方式に用いる記録用液体の小滴発生用の記
録ヘツドに関する。 〔従来の技術〕 インク等の記録用液体の小滴を発生させ、それ
を紙などの被記録材に付着させて記録を行なう液
体噴射記録方式は、記録時の騒音の発生が無視で
きる程度に極めて小さく、かつ高速記録が可能で
あり、しかも普通紙に定着などの特別な処理を必
要とせずに記録を行なうことのできる記録方式と
して注目され、最近種々のタイプのものが活発に
研究されている。 液体噴射記録方式に用いられる記録装置の記録
ヘツド部は、一般に、記録用液体を吐出するため
のオリフイス(液体吐出口)と、該オリフイスに
連通し、記録用液体を吐出するためのエネルギー
が記録用液体に作用する部分を有する液体通路
と、該液体通路に供給する記録用液体を貯留する
ための液室とを有して構成されている。 記録の際に、記録用液体を吐出するためのエネ
ルギーは、液体通路の一部を構成する記録用液体
に吐出エネルギーを作用させる部分(エネルギー
作用部)の所定の位置に配設された発熱素子、圧
電素子等の種々のタイプの吐出エネルギー発生素
子によつて発生されるものが多い。 このような構成の液体噴射記録ヘツドを製造す
る方法としては、例えば、ガラス、金属等の平板
に切削やエツチング等によつて、微細な溝を形成
し、更にこの溝を形成した平板に他の適当な板を
接合して液体通路を形成する工程を含む方法、あ
るいは例えば吐出エネルギー発生素子の配置され
た基板上に硬化した感光性樹脂の溝壁をフオトリ
ソグラフイー工程によつて形成して、基板上に液
体通路となる溝を設け、このようにして形成され
た溝付き板に、他の平板(覆い)を接合して液体
通路を形成する工程を含む方法が知られている
(例えば特開昭57−43876号)。 これらの液体噴射記録ヘツドの製造方法のなか
では、感光性樹脂を使用した後者の方法は、前者
の方法に対して、液体通路をより精度良く、かつ
歩留り良く微細加工でき、しかも量産化が容易で
あるので、品質が良く、より安価な液体噴射記録
ヘツドを提供することができるという利点を有し
ている。 このような記録ヘツドの製造に用いる感光性樹
脂としては、印刷版、プリント配線等におけるパ
ターン形成用として用いられてきたもの、あるい
はガラス、金属、セラミツクス等に用いる光硬化
型の塗料や接着剤として知られているものが用い
られており、また作業能率などの面からドライフ
イルムタイプの樹脂が主に利用されてきた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 感光性樹脂の硬化膜を用いた記録ヘツドにおい
ては、高度な記録特性、耐久性及び信頼性等の優
れた特性を得るために、記録ヘツドに用いる感光
性樹脂には、 (1) 特に、硬化膜としての基板との接着性に優れ
ている、 (2) 硬化した際の機械的強度及び耐久性等に優れ
ている、 (3) パターン露光を用いたパターンニングの際の
感度及び解像度に優れている などの特性を有していることが要求される。 ところが、これまでに知られている液体噴射記
録ヘツドの形成に用いられる感光性樹脂として
は、上記の要求特性を全て満足したものが見当た
らないのが現状である。 すなわち、記録ヘツド用の感光性樹脂として、
印刷版、プリント配線等におけるパターン形成用
として用いられているものは、感度及び解像度に
おいては優れているが、基板として用いられるガ
ラス、セラミツクス、プラスチツクフイルムなど
に対する接着性や密着性に劣り、しかも硬化した
際の機械的強度や耐久性が十分でない。そのた
め、記録ヘツドの製造段階において、または使用
にともなつて、例えば液体通路内の記録用液体の
流れを阻害したり、あるいは液滴吐出方向を不安
定にするなどして記録特性を低下させる等、記録
ヘツドの信頼性を著しく損なう原因となる樹脂硬
化膜の変形や基板からの剥離、損傷などが起き易
いという欠点を有している。 一方、ガラス、金属、セラミツクス等に用いる
光硬化型の塗料や接着剤として知られているもの
は、これらの材質からなる基板に対する密着性や
接着性に優れ、かつ硬化した際に十分な機械的強
度や耐久性が得られるという利点を有しているも
のの、感度及び解像度に劣るために、より高強度
の露光装置や長時間の露光操作が必要とされ、ま
た、その特性上、解像度良く精密な高密度パター
ンを得ることができないために、特に微細な精密
加工が要求される記録ヘツド用としては向いてい
ないという問題点を有している。 本発明は、このような問題点に鑑みなされたも
のであり、前述したような諸要求特性を全て満足
した樹脂硬化膜からなる液体通路壁を有し、安価
で精密であり、信頼性が高く、耐久性に優れた液
体噴射記録ヘツドを提供することを目的とする。 本発明の他の目的は、液体通路が精度良くかつ
歩留り良く微細加工された構成を有した液体噴射
記録ヘツドを提供することにある。 本発明の他の目的は、マルチオリフイス化され
た場合にも信頼性が高く、耐久性に優れた液体噴
射記録ヘツドを提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的は以下の本発明によつて達成するこ
とができる。 本発明は液体の吐出口に連通する液体通路と、
該液体通路内の液体を吐出させるためのエネルギ
ーを発生する吐出エネルギー発生素子とを有し、
前記液体通路の少なくとも1部が活性エネルギー
線によつて硬化する樹脂組成物の硬化領域で形成
されて成る液体噴射記録ヘツドにおいて、前記樹
脂組成物が (i) アルキルメタアクリレート、アクリロニトリ
ルおよびスチレンからなる群より選ばれた一種
以上のモノマーに由来する構造単位を主体とす
る幹鎖に、(A)水酸基含有アクリルモノマー、(B)
アミノもしくはアルキルアミノ基含有アクリル
モノマー、(C)カルボキシル基含有アクリルもし
くはビニルモノマー、(D)N−ビニルピロリドン
もしくはその誘導体、(E)ビニルピリジンもしく
はその誘導体および(F)下記一般式で表わされ
るアクリルアミド誘導体からなる群より選ばれ
た一種以上のモノマーに由来する構造単位を主
体とする枝鎖が付加されてなるグラフト共重合
高分子と、 (ただし、R1は水素または炭素原子数が1
〜3のアルキルもしくはヒドロキシアルキル
基、R2は水素または炭素原子数が1〜4のヒ
ドロキシ基を有してもよいアルキルもしくはア
シル基を表わす。) (ii) エチレン性不飽和結合を有する単量体と、 (iii) 分子内にエポキシ基を1個以上有する化合物
の少なくとも1種を含んでなるエポキシ樹脂
と、 (iv) 活性エネルギー線の照射によつてルイス酸を
発生する重合開始剤、 とを有してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物であることを特徴とする液体噴射記録ヘツドで
ある。 すなわち本発明の記録ヘツドは、基板と、少な
くとも液体通路となる溝を形成する樹脂硬化膜層
とを有してなり、記録ヘツドを構成する各部材の
耐久性及び各部材間での接着性に優れ、しかも樹
脂硬化膜層が精度良く微細加工されており、優れ
た記録特性を有し、信頼性も高く、使用に際して
の耐久性にも優れた記録ヘツドである。 以下、図面に従つて本発明の液体噴射記録ヘツ
ドを詳細に説明する。 第1図は本発明の液体噴射記録ヘツドの一例で
あり、第1図aはその主要部の斜視図、第1図b
は第1図aのC−C′線に添つた切断断面図であ
る。 この液体噴射記録ヘツドは、基本的に、基板1
と、該基板上に設けられ、所定の形状にパターン
ニングされた樹脂硬化膜3Hと、該樹脂硬化膜上
に積層された覆い7とを有してなり、これらの部
材によつて、記録用液体を吐出するためのオリフ
イス9、該オリフイスに連通し、記録用液体を吐
出するためのエネルギーが記録用液体に作用する
部分を有する液体通路6−2及び該液体通路に供
給する記録用液体を貯留するための液室6−1が
形成されている。更に、覆いに設けられた貫通孔
8には、記録ヘツド外部から液室6−1に記録用
液体を供給するための供給管10が接合されてい
る。尚、第1図aには、供給管10は省略してあ
る。 記録の際に、記録用液体を吐出するためのエネ
ルギーは、液体通路6−2の一部を構成する記録
用液体に吐出エネルギーを作用させる部分の所定
の位置に配設された発熱素子、圧電素子等の種々
のタイプの吐出エネルギー発生素子2に、これら
素子に接続してある配線(不図示)を介して吐出
信号を所望に応じて印加することにより発生され
る。 本発明の記録ヘツドを構成する基板1は、ガラ
ス、セラミツクス、プラスチツクあるいは金属等
からなり、発生素子2が所望の個数所定位置に配
設される。なお、第1図の例においては発生素子
が2個設けられているが、発熱素子の個数及び配
置は記録ヘツドの所定の構成に応じて適宣決定さ
れる。 また、覆い7は、ガラス、セラミツクス、プラ
スチツクあるいは金属等の平板からなり、融着あ
るいは接着剤を用いた接着方法により樹脂硬化膜
3H上に接合されており、また所定の位置に供給
管10を接続するための貫通孔8が設けられてい
る。 本発明の記録ヘツドにおいて、液体通路6−2
及び液室6−1の壁を構成する所定の形状にパタ
ーンニングされた樹脂硬化膜3Hは、基板1上
に、あるいは覆い7上に設けた以下に説明する組
成の樹脂組成物からなる層をフオトリソグラフイ
ー工程によつてパターンニングして得られたもの
である。尚、この樹脂硬化膜3Hは、該樹脂組成
物で形成した覆い7と一体化してパターンニング
されたものであつてもよい。 このような少なくとも液体通路となる部分を構
成するために基板上に設けられた樹脂硬化膜を形
成するために用いる樹脂組成物は、 (i) アルキルメタアクリレート、アクリロニトリ
ルおよびスチレンからなる群より選ばれた一種
以上のモノマーに由来する構造単位を主体とす
る幹鎖に、(A)水酸基含有アクリルモノマー、(B)
アミノもしくはアルキルアミノ基含有アクリル
モノマー、(C)カルボキシル基含有アクリルもし
くはビニルモノマー、(D)N−ビニルピロリドン
もしくはその誘導体、(E)ビニルピリジンもしく
はその誘導体および(F)下記一般式で表わされ
るアクリルアミド誘導体からなる群より選ばれ
た一種以上のモノマーに由来する構造単位を主
体とする枝鎖が付加されてなるグラフト共重合
高分子と、 (ただし、R1は水素または炭素原子数が1
〜3のアルキルもしくはヒドロキシアルキル
基、R2は水素または炭素原子数が1〜4のヒ
ドロキシ基を有してもよいアルキルもしくはア
シル基を表わす。) (ii) エチレン性不飽和結合を有する単量体と、 (iii) 分子内にエポキシ基を1個以上有する化合物
の少なくとも1種を含んでなるエポキシ樹脂
と、 (iv) 活性エネルギー線の照射によつてルイス酸を
発生する重合開始剤、 とを有してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物であり、特に硬化膜とした際にガラス、プラス
チツク、セラミツクス等からなる基板に対して良
好な接着性を有し、かつインク等の記録用液体に
対する耐性及び機械的強度にも優れ、しかも活性
エネルギー線によるパターニングによつて精密で
高解像度のパターンを形成することができるとい
う液体噴射記録ヘツドの構成部材として優れた特
性を有するものである。更に、この樹脂組成物
は、ドライフイルムとして用いることができ、そ
の際にも上記の優れた特性が発揮される。 以下、この本発明の記録ヘツドの形成に用いる
活性エネルギー硬化型樹脂組成物の組成について
詳細に説明する。 この活性エネルギー硬化型樹脂組成物の必須成
分である(i)グラフト共重合高分子は、構造材料と
しての適性を有する比較的剛直な性状を有する幹
鎖に、親水性を有する上記(A)〜(F)のモノマーを主
体にし、基板への優れた密着性を発揮する枝鎖を
付加して成るものである。 上記グラフト共重合高分子を構成するに際し
て、その枝鎖を構成すべく用いる上記(A)〜(F)のモ
ノマーを具体的に示せば、(A)の水酸基含有アクリ
ルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート(以下、(メタ)アクリレート
と記す場合、アクリレートおよびメタアクリレー
トの双方を含むことを意味するものとする。)、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレ
ート、あるいは1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールとアクリル酸またはメタアクリル酸とのモノ
エステルなどが挙げられ、商品名アロニツクス
M5700(東亜合成化学(株)製)、TONE M100(カプ
ロラクトンアクリレート、ユニオンカーバイド(株)
製)、ライトエステルHO−mpp(共栄社油脂化学
工業(株)製)、ライトエステルM−600A(2−ヒド
ロキシ−3−フエノキシプロピルアクリレートの
商品名、共栄社油脂化学工業(株)製)として知られ
ているものや、二価アルコール類、例レば、1,
10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、
ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、
ビスフエノールAとエチレンオキシドまたはプロ
ピレンオキシドとの付加反応物等と(メタ)アク
リル酸とのモノエステル等を使用することができ
る。 (B)のアミノもしくはアルキルアミノ基含有アク
リルモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジt−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。 (C)のカルボキシル基含有アクリルもしくはビニ
ルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、フマ
ール酸、イタコン酸あるいは東亜合成化学(株)製品
の商品名アロニツクスM−5400、アロニツクスM
−5500等で知られるものが挙げられる。 (E)のビニルピリジンもしくはその誘導体として
は、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、
2−ビニル−6−メチルピリジン、4−ビニル−
1−メチルピリジン、2−ビニル−5−エチルピ
リジン、4−(4−ピペニリノエチル)ピリジン
等が挙げられる。 上記(A)〜(E)のモノマーは、その何れもが親水性
を有するものであり、本発明に用いる樹脂組成物
がガラス、セラミツクス、プラスチツクなどの基
板に接着する際に、強固な密着性を付与するもの
である。 (F)の一般式で表わされるアクリルアミド誘導
体としては、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、β−ヒドロキシエトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、α−ヒドロキシメチル−2−メチロ
ールアクリルアミド、α−ヒドロキシエチル−N
−ブトキシメチルアクリルアミド、α−ヒドロキ
シプロピル−N−プロポキシメチルアクリルアミ
ド、α−エチル−N−メチロールアクリルアミ
ド、α−プロピル−N−メチロールアクリルアミ
ド等の親水性で且つ熱架橋性を有するモノマーが
挙げられる。これらのモノマー(F)は、親水性はも
とより加熱による縮合架橋性を有しており、一般
には100℃以上の温度で水分子あるいはアルコー
ルが脱離し架橋結合を形成してグラフト共重合高
分子自体にも硬化後に網目構造を形成させ、硬化
して得られるパターンの耐薬品性および機械的強
度等をより一層向上させ、本発明をより効果的な
ものとするものである。 また、上記(A)〜(F)のモノマーに、熱によつて開
環し、架橋するモノマー、例えばグリシジル(メ
タ)アクリレートを一部添加し枝鎖を構成するこ
とによつて、上記(F)におけると同様の効果が得ら
れるものである。 上記熱架橋の他、同様の目的でグラフト共重合
体の枝鎖の一部に光重合性モノマーを導入し、活
性エネルギー線によつてグラフト共重合高分子を
架橋させることも有効である。このような、枝鎖
に光重合性を付与させるための方法としては、例
えば、 アクリル酸等に代表されるカルボキシル基含
有モノマー、またはアミノ基もしくは三級アミ
ン基含有モノマーを共重合させ、しかる後にグ
リシジル(メタ)アクリレート等と反応させる
方法、 1分子内に1個のイソシアネート基と1個以
上のアクリルエステル基を持つポリイソシアネ
ートの部分ウレタン化合物と、枝鎖の水酸基、
アミノ基あるいはカルボキシル基とを反応させ
る方法、 枝鎖の水酸基にアクリル酸クロライドを反応
させる方法、 枝鎖の水酸基に酸無水物を反応させ、しかる
後にグリシジル(メタ)アクリレートを反応さ
せる方法、 枝鎖の水酸基と(F)に例示した縮合架橋性モノ
マーとを縮合させ、側鎖にアクリルアミド基を
残す方法、 枝鎖の水酸基にグリシジル(メタ)アクリレ
ートを反応させる方法、 等の方法を用いることができる。 グラフト共重合高分子の枝鎖が熱架橋性である
場合には、活性エネルギー線の照射によりパター
ンを形成した後に加熱を行なうことが好ましい。
一方、上記枝鎖が光重合性である場合にも、基板
の耐熱性の面で許容され得る範囲内で加熱を行な
うことは何ら問題はなく、むしろより好ましい結
果を与える。 尚、枝鎖は前記(A)〜(F)に例示したような親水性
モノマーのみに由来するものの他、その他の種々
の機能を発揮させる各種の疎水性モノマー等を0
〜約25重量%までの範囲内で共重合の成分として
用いて成る枝鎖であつてもよい。 グラフト共重合高分子の幹鎖を構成するモノマ
ーは、メチルメタアクリレート、エチルメタアク
リレート、イソブチルメタアクリレート、t−ブ
チルメタアクリレートなどのアルキル基の炭素数
が1〜4のアルキルメタアクリレート、アクリロ
ニトリルおよびスチレンである。 幹鎖は上記モノマーのみに由来するものの他、
例えば上記モノマーに、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート、n−ブチルメタアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタアクリレート、グリ
シジルメタアクリレート、酢酸ビニル等を0〜約
50重量%までの範囲内で共重合の成分として用い
て成る幹鎖であつてもよい。 本発明の記録ヘツドの形成に用いる樹脂組成物
において、上記幹鎖は該組成物に高い凝集強度を
与える。該組成物は、記録ヘツドの形成に際し
て、溶液状あるいは固形のフイルム状等、種々の
形状で使用されるが、ドライフイルムとして用い
るのであれば、該組成物をフイルム状で維持する
ために、約50℃以上のガラス転移温度を有する比
較的剛直な幹鎖を用いることが好ましい。この
際、用いる幹鎖はガラス転移温度の異なる二種以
上のものから構成されたものでもよい。また、該
組成物を溶液状にて用いるのであれば、該組成物
に柔軟性を与えるようなガラス転移温度の低い幹
鎖を用いることも可能である。しかしながら、こ
の場合にも、記録用液体に対する優れた耐性と高
い機械的強度を有するパターンを得るためには、
幹鎖をガラス転移温度の高いものとすることが好
ましい。 本発明における樹脂硬化膜形成用の樹脂組成物
に用いられるグラフト共重合高分子は、硬化性を
有しないもの、光架橋性のもの、および熱架橋性
のものに大別されるが、何れにしても該組成物の
硬化工程(すなわち、活性エネルギー線照射およ
び必要に応じての熱硬化)において、該組成物に
形態保持性を付与して精密なパターニングを可能
にするとともに、硬化して得られるパターンに対
しては優れた密着性、耐薬品性ならびに高い機械
的強度を与えるものである。 以上のようなグラフト共重合高分子は、公知の
方法によつて製造することが可能であり、具体的
には例えば「ポリマーアロイ基礎と応用」10〜35
頁(高分子学会編集、東京化学同人(株)発行、1981
年)に記載されているような種々の方法によつて
製造することができる。それらの方法を例示すれ
ば、連鎖移動法、放射線を用いる方法、酸
化重合法、イオングラフト重合法、マクロモ
ノマー法が挙げられる。本発明に用いるグラフト
共重合体は、枝鎖の長さがそろつている方が界面
活性効果が顕著となるので、、の方法を用い
るのが好ましく、中でものマクロモノマー法が
材料設計上有利であり、特に好ましい。グラフト
共重合体の重量平均分子量は、約5000〜30万の範
囲が好ましく、ドライフイルムとして用いる場合
には、約3万〜30万の範囲が好ましい。 本発明における樹脂硬化膜形成用の樹脂組成物
に用いるエチレン性不飽和結合を有する単量体(ii)
とは、後に説明するエポキシ樹脂(iii)とともに、該
組成物に活性エネルギー線による硬化性を発揮さ
せ、とりわけ該組成物に活性エネルギー線に対す
る優れた感度を付与するための成分であり、好ま
しくは大気圧下で100℃以上の沸点を有し、また
好ましくはエチレン性不飽和結合を2個以上有す
るものであつて、活性エネルギー線の照射で硬化
する公知の種々の単量体を用いることができる。 そのような2個以上のエチレン性不飽和結合を
有する単量体を具体的に示せば、例えば1分子
中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキ
シ樹脂のアクリル酸エステルまたはメタアクリル
酸エステル、多価アルコールのアルキレンオキ
シド付加物のアクリル酸エステルまたはメタアク
リル酸エステル、二塩基酸と二価アルコールか
ら成る分子量500〜3000のポリエステルの分子鎖
末端にアクリル酸エステル基を持つポリエステル
アクリレート、多価イソシアネートと水酸基を
有するアクリル酸モノマーとの反応物が挙げられ
る。上記〜の単量体は、分子内にウレタン結
合を有するウレタン変性物であつてもよい。 に属する単量体としては、後述するエポキシ
樹脂(iii)に用いられるものとして例示されている多
官能エポキシ樹脂のアクリル酸またはメタクリル
酸エステルなどが挙げられる。 に属する単量体としては、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
トールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れ、商品名KAYARAD HX−220、HX−620、
D−310、D−320、D−330、DPHA、R−604、
DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−
120(以上、日本化薬(株)製)、商品名NKエステル
BPE−200、BPE−500、BPE−1300、A−BPE
−4(以上、新中村化学(株)製)等で知られるもの
を使用できる。 に属する単量体としては、商品名アロニツク
スM−6100、M−6200、M−6250、M−6300、M
−6400、M−7100、M−8030、M−8060、M−
8100(以上、東亜合成化学(株)製)などが挙げられ
る。に属し、ポリエステルのウレタン結合含有
するものとしては、商品名アロニツクスM−
1100、アロニツクスM−1200(以上、東亜合成化
学(株)製)等として知られるものが挙げられる。 に属する単量体としては、トリレンジイソシ
アナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサ
メチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアナート、リジンジイソシアナー
ト、ジフエニルメタンジイソシアナートなどのポ
リイソシアナートと水酸基含有アクリルモノマー
との反応物が挙げられ、商品名スミジユールN
(ヘキサメチレンジイソシアナートのビユレツト
誘導体)、スミジユールL(トリレンジイソシアナ
ートのトリメチロールプロパン変性体)(以上、
住友バイエルウレタン(株)製)等で知られるポリイ
ソシアナート化合物に水数基含有の(メタ)アク
リル酸エステルを付加した反応物などを使用でき
る。ここで言う水数基含有アクリルモノマーとし
ては(メタ)アクリル酸エステルが代表的なもの
で、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好まし
い。また、先に線状高分子の式で表わされるモ
ノマーを製造するためのものとして挙げた水数基
含有の他のアクリルモノマーも使用することがで
きる。 上記したような2個以上のエチレン性不飽和結
合を有する単量体の他、これ等と共に例えば以下
に列挙するようなエチレン性不飽和結合を1個だ
け有する単量体も用いることができる。そのよう
な1個のエチレン性不飽和結合を有する単量体を
例示すれば、例えばアクリル酸、メタアクリル酸
などのカルボキシル基含有不飽和モノマー;グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタアクリレー
トなどのグリシジル基含有不飽和モノマー;ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメ
タアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルメタアクリレート等のア
クリル酸またはメタクリル酸のC2〜C8ヒドロキ
シアルキルエステル;ポリエチレングリコールモ
ノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメ
タアクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメ
タアクリレート等のアクリル酸またはメタクリル
酸とポリエチレングリコールまたはポリプロピレ
ングリコールとのモノエステル;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル
酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル等のアクリル酸またはメタク
リル酸のC1〜C12アルキルまたはシクロアルキル
エステル;その他のモノマーとして、例えばスチ
レン、ビニルトルエン、メチルスチレン、酢酸ビ
ニル、塩化ビニル、ビニルイソブチルエーテル、
アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、アルキルグリシジルエーテルのアクリル
酸またはメタクリル酸付加物、ビニルピロリド
ン、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)ア
クリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、フエノキシエチルアクリ
レートなど;が挙げられる。 上記エチレン性不飽和結合を有する単量体(ii)を
使用することにより、本発明における樹脂硬化膜
形成用の樹脂組成物に活性エネルギー線に対する
高感度で十分な硬化性が付与される。 本発明における樹脂硬化膜形成用の樹脂組成物
に用いる1分子内にエポキシ基を1個以上含む化
合物の1種以上からなるエポキシ樹脂(iii)とは、前
述したエチレン性不飽和結合を有する単量体(ii)と
ともに、後述する重合開始剤(iv)の作用により該組
成物に活性エネルギー線による高感度で十分な硬
化性を発揮させ、これに加えて、該樹脂組成物
を、ガラス、プラスチツク、セラミツクス等から
なる基板上に液体状で塗布してからこれを硬化さ
せて硬化膜として形成した際に、あるいはドライ
フイルムの形で基板上に接着して用いた際に該樹
脂組成物からなる硬化膜に、より良好な基板との
密着性、耐水性、耐薬品性、寸法安定性等を付与
するための成分である。 本発明における樹脂硬化膜形成用の樹脂組成物
においては、1分子内にエポキシ基を1個以上含
む化合物の1種以上を用いてなるエポキシ樹脂で
あれば、特に限定することなく用いることができ
る。しかしながら、例えば該樹脂組成物を硬化し
て得られる硬化膜の耐薬品性や機械的強度、構造
材料として高い耐久性などを考慮したり、あるい
は該組成物の硬化膜からなるパターンを基板上に
形成する際の作業性や、形成されるパターンの解
像度などを考慮すると、1分子内にエポキシ基を
2個以上含む化合物の1種以上からなるエポキシ
樹脂を用いることが好ましい。 上記1分子内にエポキシ基を2個以上含むエポ
キシ樹脂としては、ビスフエノールA型、ノボラ
ツク型、脂環型に代表されるエポキシ樹脂、ある
いは、ビスフエノールS、ビスフエノールF、テ
トラヒドロキシフエニルメタンテトラグリシジル
エーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタ
エリスリトールトリグリシジルエーテル、イソシ
アヌール酸トリグリシジルエーテルおよび下記一
般式 (ただし、Rはアルキル基またはオキシアルキ
ル基、R0
【式】
〔発明の効果〕
本発明の液体噴射記録ヘツドは、該ヘツドの構
成部材である活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
として、該組成物に必須成分として含有されるエ
チレン性不飽和結合を有する単量体(ii)と、エポキ
シ樹脂(iii)およびルイス酸を発生する重合開始剤(iv)
とによつて主に付与されるパターン形成材料とし
ての活性エネルギー線に対する非常に優れた感度
と解像度を有するものを用いたものであり、該樹
脂組成物を用いることにより、寸法精度に優れた
液体噴射記録ヘツドを歩留り良く得ることが可能
になつた。 しかも本発明に用いる活性エネルギー線硬化型
樹脂組成物には、必須成分としてのグラフト共重
合高分子(i)及びエポキシ樹脂(iii)の特性が有効に活
されており、すなわち該樹脂組成物は、主に、グ
ラフト共重合高分子(i)によつて付与される優れた
基板との密着性及び機械的強度に加えて、主に、
エポキシ樹脂(iii)によつて付与される優れた耐薬品
性及び寸法安定性とを有しており、該組成物を用
いることによつて長期の耐久性を有する記録ヘツ
ドを得ることも可能になつた。 また、硬化性を有するグラフト共重合高分子を
用いる場合には、上記密着性、機械的強度あるい
は耐薬品性が特に優れた液体噴射記録ヘツドを得
ることが可能である。 〔実施例〕 以下、合成例および実施例により本発明を更に
詳細に説明する。 合成例 アニオン重合法で得られるリビングポリマー
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリ
ート/N−ビニルピロリドン(=90/10モル比))
とアクリル酸クロリドとを反応させて、分子鎖の
片末端にビニル基を持つ重量平均分子量約2500の
マクロモノマー(アクリル酸ポリ−3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピルメタクリート/N−ビニ
ルピロリドン)を得た。このマクロモノマー25重
量部、メチルメタアクリレート65重量部およびジ
メチルアミノエチルメタクリレート10重量部をメ
チルイソブチルケトン中で共重合した(重量平均
分子量6.5×104)。次いでこの共重合体100重量部
が溶解している重合体溶液中に、ヘキサメチレン
ジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリ
レートとをNCO基当量:OH基当量=2.0:1.1と
なるように反応させて得た部分ウレタン化合物の
11重量部を添加して反応させ、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピルメタクリート成分の30%をア
クリルウレタン化し、枝鎖に光重合性のアクリル
エステル基を有するグラフト共重合高分子(これ
をGP−3とする)を得た。なおこのGP−3の主
鎖を構成するメチルメタクリレートとジメチルア
ミノエチルメタクリレートの共重合鎖のガラス転
移温度は90℃である。このGP−3を用い、下記
の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し
た。 GP−3 100重量部 エピクロン840*5 20 〃 エピクロン830*6 20 〃 エピクロンN−730*7 20 〃 トリメチロールプロパンのトリグリシジルエー
テルのアクリル酸エステル 40 〃 ジフエニルヨードニウムテトラフルオロボレー
ト 10 〃 イルガキユア651 15 〃 クリスタルバイオレツト 1 〃 ハイドロキノン 0.2 〃 メチルセロソルブアセテート 300 〃 *5:大日本インキ化学工業(株)製のビスフエノ
ールAタイプのエポキシ樹脂 エポキシ当量,180〜190 *6:大日本インキ化学工業(株)製のビスフエノ
ールFタイプのエポキシ樹脂 エポキシ当量,170〜190 *7:大日本インキ化学工業(株)製のフエノール
ノボラツクタイプのエポキシ樹脂エポキシ当
量,170〜190 次いで、上記樹脂組成物を16μmのポリエチレ
ンテレフタレートフイルムにワイアーバーで塗布
し100℃で20分乾燥することにより、膜厚75μmの
樹脂組成物層を有する本発明に係わるドライフイ
ルムを作成した。 実施例 合成例で製造したドライフイルムを用い、先に
明細書中で説明した第1図〜第6図の工程に従つ
て、吐出エネルギー発生素子として発熱素子[ハ
フニウムボライド(HfB2)]10個のオリフイス
(オリフイス寸法;75μm×50μm、ピツチ0.125
mm)を有するオンデマンド型液体噴射記録ヘツド
の作成を以下のようにして実施した。尚、記録ヘ
ツドは、同形状のものを各30個宛試作した。 まず、シリコンからなる基板上に発熱素子の複
数を所定の位置に配設し、これらに記録信号印加
用電極を接続した。 次に、発熱素子が配設された基板面上に保護膜
としてのSiO2層(厚さ1.0μm)を設け、保護層の
表面を清浄化すると共に乾燥させた後、保護層に
重ねて、80℃に加温された合成例に示した膜厚
75μmのドライフイルムを0.4f/min.の速度、1
Kg/cm3の加圧条件下でラミネートした。 続いて、基板面上に設けたドライフイルム上
に、液体通路及び液室の形状に対応したパターン
を有するフオトマスクを重ね合わせ、最終的に形
成される液体通路中に上記素子が設けられるよう
に位置合せを行なつた後、このフオトマスクの上
部から12mW/cm2の強度の紫外線を用いて30秒間
ドライフイルムを露光した。 次に、露光済みのドライフイルムを、1,1,
l−トリクロルエタン中に浸漬して現像処理し、
ドライフイルムの未重合(未硬化)部分を基板上
から溶解除去して、基板上に残存した硬化ドライ
フイルム膜によつて最終的に液体通路及び液室と
なる溝を形成した。 現像処理を終了した後、基板上の硬化ドライフ
イルム膜を、150℃で1時間加熱し、更に、これ
に50mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射して更
に硬化させた。 このようにして、硬化ドライフイルム膜によつ
て液体通路及び液室となる溝を基板上に形成した
後、形成した溝の覆いとなるソーダガラスからな
る貫通孔の設けられた平板にエポキシ系樹脂接着
剤を厚さ3μmにスピンコートした後、予備加熱し
てBステージ化させ、これを硬化したドライフイ
ルム上に貼り合わせ、更に、接着剤を本硬化させ
て接着固定し、接合体を形成した。 続いて、接合体の液体通路の下流側、すなわち
吐出エネルギー発生素子の設置位置から下流側へ
0.150mmのところを液体通路に対して垂直に、市
販のダイシング・ソー(商品名;DAD 2H/6
型、DISCO社製)を用いて切削し、記録用液体
を吐出するためのオリフイスを形成した。 最後に、切削面を洗浄したのち乾燥させ、更
に、切削面を研磨して平滑化し、貫通孔に記録用
液体の供給管を取付けて液体噴射記録ヘツドを完
成した。得られた記録ヘツドは、何れもマスクパ
ターンを忠実に再現した液体通路及び液室を有す
る寸法精度に優れたものであつた。ちなみに、オ
リフイス寸法は、50±5μm、オリフイスピツチ
は、125±5μmの範囲にあつた。 このようにして試作した記録ヘツドの品質及び
長期使用に際しての耐久性を以下のようにして試
験した。 まず、得られた記録ヘツドについて、次の各組
成からなる記録用液体中に、60℃で1000時間浸漬
処理(記録ヘツドの長期使用時に匹敵する環境条
件)する耐久試験を実施した。 記録用液体成分 1 H2O/エチレングリコール/ジエチレング
リコール/ポリエチレングリコール#300/ポ
リエチレングリコール#400/N−メチル−2
−ピロリドン/C.I.フードブラツク2〓1 (=65/10/10/5/5/2/3重量部)PH=
8.0 2 H2O/ジエチレングリコール/グリセリ
ン/トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル/C.I.ダイレクトブルー86〓2/PVK K−
30〓4 (=72/5/5/15/3/0.1重量部)PH=9.0 3 H2O/トリエチレングリコール/ポリエチ
レングリコール#200/ポリエチレングリコー
ル#400/C.I.ダイレクトブラツク154〓3/エマ
ルゲン931〓5 (=67/15/5/8/5/0.1重量部)PH=7.0 4 H2O/エチレングリコール/ジエチレング
リコール/ポリエチレングリコール#400/プ
ロピレングリコール/C.I.ダイレクトブラツク
154/エマルゲン931 (=63/10/5/5/10/7/0.1重量部)PH
=10.0 尚、注)〓1〜〓3は水溶性染料、〓4は花王
石鹸(株)製のポリオキシエチレンノニルフエニルエ
ーテル、〓5は米国GAF製のポリビニルピロリ
ドンであり、PHの調整にはカセイソーダを用い
た。 各記録用液体について、それぞれ記録ヘツド各
5個を耐久試験に供した。 耐久試験後、該試験を実施した各ヘツドにつき
基板及び覆いと硬化ドライフイルム膜の接合状態
を観察した結果、すべての記録ヘツドにおいて剥
離や損傷は全く認められず、良好な密着性を示し
ていた。 次いでこれとは別に、得られた記録ヘツドの10
個について、各ヘツドを記録装置に取付け、前記
の記録用液体を用いて108パルスの記録信号を14
時間連続的に記録ヘツドに印加して印字を行なう
印字試験を実施した。何れの記録ヘツドに関して
も、印字開始直後と14時間経過後において、記録
用液体の吐出性能及び印字状態共に性能の低下が
殆ど認められず、耐久性に優れた記録ヘツドであ
つた。 比較例 膜厚75μmの市販のドライフイルムVacrel(ド
ライフイルムソルダーマスクの商品名、デユポン
ド・ネモアース(株)製)、および膜厚50μmの市販の
ドライフイルムPhotec SR−3000(商品名、日立
化成工業(株)製)を用いる以外は実施例と同様にし
て、記録ヘツドを作成した。 これらの記録ヘツドについて、実施例と同様の
耐久試験を実施した。 耐久試験の経過中、ドライフイルムとして
Vacrelを用いた場合、100時間で2)および4)
の記録用液体で剥離が認められた。また、300時
間で、1)および3)の記録用液体で剥離が認め
られた。 一方、ドライフイルムとしてPhotec SR−
3000を用いた場合は、1)〜4)の各記録用液体
で300時間で剥離が認められた。 印字試験例 実施例および比較例で作成したヘツド(各々10
個ずつ)に先に4)として挙げた組成の記録液を
充填し印字試験を行なつた。次に、記録液が充填
された状態の各ヘツドを温度80℃、湿度90%の条
件下で200時間保存後、先に行なつたのと同様の
印字試験を行なつた。その結果、実施例で得られ
たヘツドでは10個のヘツドのいずれも保存の前後
で良好な印字が得られたのに対し、比較例のヘツ
ドのいずれにおいても印字不良が観察された。こ
れらの印字不良部を顕微鏡で観察すると、文字を
構成する記録液滴の位置のズレが観察された。ま
た、印字不良を起こした各ヘツドの吐出口付近を
観察したところ、その部分におけるドライフイル
ム硬化膜に剥離が見られた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は本発明の液体噴射記録ヘツド
ならびにその製造方法を説明するための模式図で
ある。 1……基板、2……吐出エネルギー発生素子、
3……樹脂層、3H……樹脂硬化膜、4……フオ
トマスク、4P……マスクパターン、6−1……
液室、6−2……液体通路、7……覆い、8……
貫通孔、9……オリフイス、10……供給管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 液体の吐出口に連通する液体通路と、該液体
    通路内の液体を吐出させるためのエネルギーを発
    生する吐出エネルギー発生素子とを有し、前記液
    体通路の少なくとも1部が活性エネルギー線によ
    つて硬化する樹脂組成物の硬化領域で形成されて
    成る液体噴射記録ヘツドにおいて、前記樹脂組成
    物が (i) アルキルメタアクリレート、アクリロニトリ
    ルおよびスチレンからなる群より選ばれた一種
    以上のモノマーに由来する構造単位を主体とす
    る幹鎖に、(A)水酸基含有アクリルモノマー、(B)
    アミノもしくはアルキルアミノ基含有アクリル
    モノマー、(C)カルボキシル基含有アクリルもし
    くはビニルモノマー、(D)N−ビニルピロリドン
    もしくはその誘導体、(E)ビニルピリジンもしく
    はその誘導体および(F)下記一般式で表わされ
    るアクリルアミド誘導体からなる群より選ばれ
    た一種以上のモノマーに由来する構造単位を主
    体とする枝鎖が付加されてなるグラフト共重合
    高分子と、 (ただし、R1は水素または炭素原子数が1
    〜3のアルキルもしくはヒドロキシアルキル
    基、R2は水素または炭素原子数が1〜4のヒ
    ドロキシ基を有してもよいアルキルもしくはア
    シル基を表わす。) (ii) エチレン性不飽和結合を有する単量体とを有
    してなるものであることを特徴とする液体噴射
    記録ヘツド。 2 前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が前
    記(i)のグラフト共重合高分子20〜80重量部、およ
    び前記(ii)のエチレン性不飽和結合を有する単量体
    80〜20重量部を含有するものである特許請求の範
    囲第1項に記載の液体噴射記録ヘツド。 3 前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が前
    記(i)のグラフト共重合高分子及び前記(ii)のエチレ
    ン性不飽和結合を有する単量体の合計量100重量
    部に対して、0.1〜20重量%の光重合開始剤を配
    合して成るものである特許請求の範囲第1項また
    は第2項に記載の液体噴射記録ヘツド。 4 前記吐出エネルギー発生素子が発熱素子であ
    る特許請求の範囲第1項、第2項または第3項に
    記載の液体噴射記録ヘツド。
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EP86109444A EP0209803B1 (en) 1985-07-13 1986-07-10 Liquid jet recording head
DE86109444T DE3689090T2 (de) 1985-07-13 1986-07-10 Tintenstrahlauszeichnungskopf.

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60153361A (ja) * 1984-01-23 1985-08-12 Toshiba Corp 巻き取り装置
JPH0444572A (ja) * 1990-06-11 1992-02-14 Toto Ltd 太陽灯付ユニットバスルーム

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