JPH0444578B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0444578B2
JPH0444578B2 JP60153356A JP15335685A JPH0444578B2 JP H0444578 B2 JPH0444578 B2 JP H0444578B2 JP 60153356 A JP60153356 A JP 60153356A JP 15335685 A JP15335685 A JP 15335685A JP H0444578 B2 JPH0444578 B2 JP H0444578B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
group
recording head
jet recording
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60153356A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6216152A (ja
Inventor
Hiromichi Noguchi
Tadaki Inamoto
Emi Munakata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP15335685A priority Critical patent/JPS6216152A/ja
Priority to US06/881,821 priority patent/US4688056A/en
Priority to EP86109444A priority patent/EP0209803B1/en
Priority to DE86109444T priority patent/DE3689090T2/de
Publication of JPS6216152A publication Critical patent/JPS6216152A/ja
Publication of JPH0444578B2 publication Critical patent/JPH0444578B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/027Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds
    • G03F7/032Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds with binders
    • G03F7/033Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds with binders the binders being polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. vinyl polymers

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、液体噴射記録ヘツド、詳しくは、イ
ンク等の記録用液体の小滴を発生させ、それを紙
などの被記録材に付着させて記録を行なう液体噴
射記録方式に用いる記録用液体の小滴発生用の記
録ヘツドに関する。 〔従来の技術〕 インク等の記録用液体の小滴を発生させ、それ
を紙などの被記録材に付着させて記録を行なう液
体噴射記録方式は、記録時の騒音の発生が無視で
きる程度に極めて小さく、かつ高速記録が可能で
あり、しかも普通紙に定着などの特別な処理を必
要とせずに記録を行なうことのできる記録方式と
して注目され、最近種々のタイプのものが活発に
研究されている。 液体噴射記録方式に用いられる記録装置の記録
ヘツド部は、一般に、記録用液体を吐出するため
のオリフイス(液体吐出口)と、該オリフイスに
連通し、記録用液体を吐出するためのエネルギー
が記録用液体に作用する部分を有する液体通路
と、該液体通路に供給する記録用液体を貯留する
ための液室とを有して構成されている。 記録の際に、記録用液体を吐出するためのエネ
ルギーは、液体通路の一部を構成する記録用液体
に吐出エネルギーを作用させる部分(エネルギー
作用部)の所定の位置に配設された発熱素子、圧
電素子等の種々のタイプの吐出エネルギー発生素
子によつて発生されるものが多い。 このような構成の液体噴射記録ヘツドを製造す
る方法としては、例えば、ガラス、金属等の平板
に切削やエツチング等によつて、微細な溝を形成
し、更にこの溝を形成した平板に他の適当な板を
接合して液体通路を形成する工程を含む方法、あ
るいは例えば吐出エネルギー発生素子の配置され
た基板上に硬化した感光性樹脂の溝壁をフオトリ
ソグラフイー工程によつて形成して、基板上に液
体通路となる溝を設け、このようにして形成され
た溝付き板に、他の平板(覆い)を接合して液体
通路を形成する工程を含む方法が知られている
(例えば特開昭57−43876号)。 これらの液体噴射記録ヘツドの製造方法のなか
では、感光性樹脂を使用した後者の方法は、前者
の方法に対して、液体通路をより精度良く、かつ
歩留り良く微細加工でき、しかも量産化が容易で
あるので、品質が良く、より安価な液体噴射記録
ヘツドを提供することができるという利点を有し
ている。 このような記録ヘツドの製造に用いる感光性樹
脂としては、印刷版、プリント配線等におけるパ
ターン形成用として用いられてきたもの、あるい
はガラス、金属、セラミツクス等に用いる光硬化
型の塗料や接着剤として知られているものが用い
られており、また作業能率などの面からドライフ
イルムタイプの樹脂が主に利用されてきた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 感光性樹脂の硬化膜を用いた記録ヘツドにおい
ては、高度な記録特性、耐久性及び信頼性等の優
れた特性を得るために、記録ヘツドに用いる感光
性樹脂には、 (1) 特に、硬化膜としての基板との接着性に優れ
ている、 (2) 硬化した際の機械的強度及び耐久性等に優れ
ている、 (3) パターン露光を用いたパターンニングの際の
高度及び解像度に優れている などの特性を有していることが要求される。 ところが、これまでに知られている液体噴射記
録ヘツドの形成に用いられる感光性樹脂として
は、上記の要求特性を全て満足したものが見当た
らないのが現状である。 すなわち、記録ヘツド用の感光性樹脂として、
印刷版、プリント配線等におけるパターン形成用
として用いられているものは、高度及び解像度に
おいては優れているが、基板として用いられるガ
ラス、セラミツクス、プラスチツクフイルムなど
に対する接着性や密着性に劣り、しかも硬化した
際の機械的強度や耐久性が十分でない。そのた
め、記録ヘツドの製造段階において、または使用
にともなつて、例えば液体通路内の記録用液体の
流れを阻害したり、あるいは液滴吐出方向を不安
定にするなどして記録特性を低下させる等、記録
ヘツドの信頼性を著しく損なう原因となる樹脂硬
化膜の変形や基板からの剥離、損傷などが起き易
いという欠点を有している。 一方、ガラス、金属、セラミツクス等に用いる
光硬化型の塗料や接着剤として知られているもの
は、これらの材質からなる基板に対する密着性や
接着性に優れ、かつ硬化した際に十分な機械的強
度や耐久性が得られるという利点を有しているも
のの、感度及び解像度に劣るために、より高強度
の露光装置や長時間の露光操作が必要とされ、ま
た、その特性上、解像度良く精密な高密度パター
ンを得ることができないために、特に微細な精密
加工が要求される記録ヘツド用としては向いてい
ないという問題点を有している。 本発明は、このような問題点に鑑みなされたも
のであり、前述したような諸要求特性を全て満足
した樹脂硬化膜からなる液体通路壁を有し、安価
で精密であり、信頼性が高く、耐久性に優れた液
体噴射記録ヘツドを提供することを目的とする。 本発明の他の目的は、液体通路が精度良くかつ
歩留り良く微細加工された構成を有した液体噴射
記録ヘツドを提供することにある。 本発明の他の目的は、マルチオリフイス化され
た場合にも信頼性が高く、耐久性に優れた液体噴
射記録ヘツドを提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的は以下の本発明によつて達成するこ
とができる。 本発明は、液体の吐出口に連通する液体通路
と、該液体通路内の液体を吐出させるためのエネ
ルギーを発生する吐出エネルギー発生素子とを有
し、前記液体通路の少なくとも一部が活性エネル
ギー線によつて硬化する樹脂組成物の硬化領域で
形成されて成る液体噴射記録ヘツドにおいて、前
記樹脂組成物が () アルキルメタアクリレート、アクリロニト
リルおよびスチレンからなる群より選ばれた一
種以上のモノマーに由来する構造単位を主体と
する幹鎖に、(A)水酸基含有アクリルモノマー、
(B)アミノもしくはアルキルアミノ基含有アクリ
ルモノマー、(C)カルボキシル基含有アクリルも
しくはビニルモノマー、(D)N−ビニルピロリド
ンもしくはその誘導体、(E)ビニルピリジンもし
くはその誘導体および(F)下記一般式で表わさ
れるアクリルアミド誘導体からなる群より選ば
れた一種以上のモノマーに由来する構造単位を
主体とする枝鎖が付加されてなるグラフト共重
合高分子と、 (ただし、R1は水素または炭素原子数が1〜
3のアルキルもしくはヒドロキシアルキル基、
R2は水素または炭素原子数が1〜4のヒドロ
キシ基を有してもよいアルキルもしくはアシル
基を表わす。) () 分子内にエポキシ基を1個以上有する化合
物の少なくとも1種を含んでなるエポキシ樹脂
と、 () 活性エネルギー線の照射によつてルイス酸
を発生する重合開始剤 とを有してなるものであることを特徴とする液体
噴射記録ヘツドである。 すなわち本発明の記録ヘツドは、基板と、少な
くとも液体通路となる溝を形成する樹脂硬化膜層
とを有してなり、記録ヘツドを構成する各部材の
耐久性及び各部材間での接着性に優れ、しかも樹
脂硬化膜層が精度良く微細加工させており、優れ
た記録特性を有し、信頼性も高く、使用に際して
の耐久性にも優れた記録ヘツドである。 以下、図面に従つて本発明の液体噴射記録ヘツ
ドを詳細に説明する。 第1図は本発明の液体噴射記録ヘツドの一例で
あり、第1図aはその主要部の斜視図、第1図b
は第1図aのC−C′線に添つた切断断面図であ
る。 この液体噴射記録ヘツドは、基本的に、基板1
と、該基板上に設けられ、所定の形状にパターン
ニングされた樹脂硬化膜3Hと、該樹脂硬化膜上
に積層された覆い7とを有してなり、これらの部
材によつて、記録用液体を吐出するためのオリフ
イス9、該オリフイスに連通し、記録用液体を吐
出するためのエネルギーが記録用液体に作用する
部分を有する液体通路6−2及び該液体通路に供
給する記録用液体を貯留するための液室6−1が
形成されている。更に、覆いに設けられた貫通孔
8には、記録ヘツド外部から液室6−1に記録用
液体を供給するための供給管10が接合されてい
る。尚、第1図aには、供給管10は省略してあ
る。 記録の際に、記録用液体を吐出するためのエネ
ルギーは、液体通路6−2の一部を構成する記録
用液体に吐出エネルギーを作用させる部分の所定
の位置に配設された発熱素子、圧電素子等の種々
のタイプの吐出エネルギー発生素子2に、これら
素子に接続してある配線(不図示)を介して吐出
信号を所望に応じて印加することにより発生され
る。 本発明の記録ヘツドを構成する基板1は、ガラ
ス、セラミツクス、プラスチツクあるいは金属等
からなり、発生素子2が所望の個数所定位置に配
設される。なお、第1図の例においては発生素子
が2個設けられているが、発熱素子の個数及び配
置は記録ヘツドの所定の構成に応じて適宣決定さ
れる。 また、覆い7は、ガラス、セラミツクス、プラ
スチツクあるいは金属等の平板からなり、融着あ
るいは接着剤を用いた接着方法により樹脂硬化膜
3H上に接合されており、また所定の位置に供給
管10を接続するための貫通孔8が設けられてい
る。 本発明の記録ヘツドにおいて、液体通路6−2
及び液室6−1の壁を構成する所定の形状にパタ
ーンニングされた樹脂硬化膜3Hは、基板1上
に、また覆い7上に設けた以下に説明する組成の
樹脂組成物からなる層をフオトリソグラフイー工
程によつてパターンニングして得られたものであ
る。なお、該樹脂硬化膜3Hは、以下に説明する
組成の樹脂組成物からなる覆いに一体化して、パ
ターンニングされたものであつても良い。 このような少なくとも液体通路となる部分を構
成するために基板上に設けられる樹脂硬化膜を形
成するために用いる樹脂組成物は、 () アルキルメタアクリレート、アクリロニト
リルおよびスチレンからなる群より選ばれた一
種以上のモノマーに由来する構造単位を主体と
する幹鎖に、(A)水酸基含有アクリルモノマー、
(B)アミノもしくはアルキルアミノ基含有アクリ
ルモノマー、(C)カルボキシル基含有アクリルも
しくはビニルモノマー、(D)N−ビニルピロリド
ンもしくはその誘導体、(E)ビニルピリジンもし
くはその誘導体および(F)下記一般式で表わさ
れるアクリルアミド誘導体からなる群より選ば
れた一種以上のモノマーに由来する構造単位を
主体とする枝鎖が付加されてなるグラフト共重
合高分子と、 (ただし、R1は水素または炭素原子数が1〜
3のアルキルもしくはヒドロキシアルキル基、
R2は水素または炭素原子数が1〜4のヒドロ
キシ基を有してもよいアルキルもしくはアシル
基を表わす。) () 分子内にエポキシ基を1個以上有する化合
物の少なくとも1種を含んでなるエポキシ樹脂
と、 () 活性エネルギー線の照射によつてルイス酸
を発生する重合開始剤、 とを必須成分として含有する活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物であり、特に硬化膜とした際にガ
ラス、プラスチツク、セラミツクス等からなる基
板に対して良好な接着性を有し、かつインク等の
記録用液体に対する耐性及び機械的強度にも優
れ、しかも活性エネルギー線によるパターニング
によつて精密で高解像度のパターンを形成するこ
とができるという液体噴射記録ヘツドの構成部材
として優れた特性を有するものである。更に、こ
の樹脂組成物は、ドライフイルムとして用いるこ
とができ、その際にも上記の優れた特性が発揮さ
れる。 以下、この本発明の記録ヘツドの形成に用いる
活性エネルギー硬化型樹脂組成物の組成について
詳細に説明する。 この活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の必須
成分である()グラフト共重合高分子は、構造
材料としての適性を有する比較的剛直な性状を有
する幹鎖に、親水性を有する上記(A)〜(F)のモノマ
ーを主体にし、支持体への優れた密着性を発揮す
る枝鎖を付加して成るものである。 上記グラフト共重合高分子を構成するに際し
て、その枝鎖を構成すべく用いる上記(A)〜(F)のモ
ノマーを具体的に示せば、(A)の水酸基含有アクリ
ルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート(以下、(メタ)アクリレート
と記す場合、アクリレートおよびメタアクリレー
トの双方を含むことを意味するものとする。)、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレ
ート、あるいは1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールとアクリル酸またはメタアクリル酸とのモノ
エステルなどが挙げられ、商品名アロニツクス
M5700(東亜合成化学(株)製)、TONEM100(カプ
ロラクトンアクリレート、ユニオンカーバイド(株)
製)、ライトエステルHO−mpp(共栄社油脂化学
工業(株)製)、ライトエステルM−600A(2−ヒド
ロキシ−3−フエノキシプロピルアクリレートの
商品名、共栄社油脂化学工業(株)製)として知られ
ているものや、二価アルコール類、例えば1,10
−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビ
スフエノールAとエチレンオキシドまたはプロピ
レンオキシドとの付加反応物等と(メタ)アクリ
ル酸とのモノエステル等を使用することができ
る。 (B)のアミノもしくはアルキルアミノ基含有アク
リルモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジt−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。 (C)のカルボキシル基含有アクリルもしくはビニ
ルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、フマ
ール酸、イタコン酸あるいは東亜合成化学(株)製品
の商品名アロニツクスM−5400、アロニツクスM
−5500等で知られるものが挙げられる。 (E)のビニルピリジンもしくはその誘導体として
は、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、
2−ビニル−6−メチルピリジン、4−ビニル−
1−メチルピリジン、2−ビニル−5−エチルピ
リジン、4−(4−ピペニリノエチル)ピリジン
等が挙げられる。 上記(A)〜(E)のモノマーは、その何れもが親水性
を有するものであり、本発明の組成物がガラス、
セラミツクス、プラスチツクなどの支持体に接着
する際に、強固な密着性を付与するものである。 (F)の一般式で表わされるアクリルアミド誘導
体としては、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、β−ヒドロキシエトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、α−ヒドロキシメチル−N−メチロ
ールアクリルアミド、α−ヒドロキシエチル−N
−ブトキシメチルアクリルアミド、α−ヒドロキ
シプロピル−N−プロポキシメチルアクリルアミ
ド、α−エチル−N−メチロールアクリルアミ
ド、α−プロピル−N−メチロールアクリルアミ
ド等の親水性で且つ熱架橋性を有するモノマーが
挙げられる。これらモノマー(F)は、親水性はもと
より加熱による縮合架橋性を有しており、一般に
は100℃以上の温度で水分子あるいはアルコール
が脱離し架橋結合し形成してグラフト共重合高分
子自体にも硬化後に網目構造を形成させ、硬化し
て得られるパターンの耐薬品性および機械的強度
等をより一層向上させ、本発明をより効果的なも
のとするものである。 また、上記(A)〜(F)のモノマーに、熱によつて開
環し、架橋するモノマー、例えばグリシジル(メ
タ)アクリレートを一部添加し枝鎖を構成するこ
とによつて、上記(F)におけると同様の効果が得ら
れるものである。 上記熱架橋の他、同様の目的で本発明における
樹脂硬化膜形成用の樹脂組成物に含まれるグラフ
ト共重合体の枝鎖の一部に光重合性の側鎖を導入
し、活性エネルギー線によつてグラフト共重合高
分子を架橋させることも有効である。このよう
な、枝鎖に光重合性を付与させるための方法とし
ては、例えば、 (メタ)アクリル酸等に代表されるカルボキ
シル基含有モノマー、またはアミノ基もしくは
三級アミン基含有モノマーを共重合させ、しか
る後にグリシジル(メタ)アクリレート等と反
応させる方法、 1分子内に1個のイソシアネート基と1個以
上のアクリルエステル基を持つポリイソシアネ
ートの部分ウレタン化合物と、枝鎖の水酸基、
アミノ基あるいはカルボキシル基とを反応させ
る方法、 枝鎖の水酸基にアクリル酸クロライドを反応
させる方法、 枝鎖の水酸基に酸無水物を反応させ、しかる
後にグリシジル(メタ)アクリレートを反応さ
せる方法、 枝鎖の水酸基と(F)に例示した縮合架橋性モノ
マーとを縮合させ、側鎖にアクリルアミド基を
残す方法、 枝鎖の水酸基にグリシジル(メタ)アクリレ
ートを反応させる方法、 等の方法を用いることができる。 グラフト共重合高分子の枝鎖が熱架橋性である
場合には、活性エネルギー線の照射によりパター
ンを形成した後に加熱を行なうことが好ましい。
一方、上記枝鎖が光重合性である場合にも、支持
体の耐熱性の面で許容され得る範囲内で加熱を行
なうことは何ら問題はなく、むしろより好ましい
結果を与える。 尚、枝鎖は前記(A)〜(F)に例示したような親水性
モノマーのみに由来するものの他、その他の種々
の機能を発揮させる各種の疎水性モノマー等を0
〜約25重量%までの範囲内で共重合の成分として
用いて成る枝鎖であつてもよい。 グラフト共重合高分子の幹鎖を構成するモノマ
ーは、メチルメタアクリレート、エチルメタアク
リレート、イソブチルメタアクリレート、t−ブ
チルメタアクリレートなどのアルキル基の炭素数
が1〜4のアルキルメタアクリレート、アクリロ
ニトリルおよびスチレンである。 幹鎖は上記モノマーのみに由来するものの他、
例えば上記モノマーに、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート、n−ブチルメタアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタアクリレート、グリ
シジルメタアクリレート、酢酸ビニル等を0〜約
50重量%までの範囲内で共重合の成分として用い
て成る幹鎖であつてもよい。 本発明の記録ヘツドの形成に用いるこの活性エ
ネルギー線硬化型樹脂組成物において、上記幹鎖
は該組成物に高い凝集強度を与える。該組成物
は、記録ヘツドの形成に際して溶液状あるいは固
形のフイルム状等、使用目的に応じた種々の形状
で提供されるが、該組成物をフイルム状で維持す
るためには、約50℃以上のガラス転移温度を有す
る比較的剛直な幹鎖を用いることが好ましい。こ
の際、用いる幹鎖はガラス転移温度の異なる二種
以上のものから構成されたものでもよい。また、
該組成物を溶液状にて用いるのであれば、該組成
物に柔軟性を与えるようなガラス転移温度の低い
幹鎖を用いることも可能である。しかしながら、
この場合にも、優れた耐薬品性と高い機械的強度
を有するパターンを得るためには、幹鎖をガラス
転移温度の高いものとすることが好ましい。 本発明における樹脂硬化膜形成用の樹脂組成物
に用いられるグラフト共重合高分子は、硬化性を
有しないもの、光重合性のもの、および熱架橋性
のものに大別されるが、何れにしても本発明に用
いる樹脂組成物の硬化工程(すなわち、活性エネ
ルギー線照射および必要に応じての熱硬化)にお
いて、該組成物に形態保持性を付与して精密なパ
ターニングを可能にするとともに、硬化して得ら
れるパターンに対しては優れた密着性、耐薬品性
ならびに高い機械的強度を与えるものである。 以上のようなグラフト共重合高分子は、公知の
方法によつて製造することが可能であり、具体的
には例えば「ポリマーアロイ基礎と応用」10〜35
頁(高分子学会編集、東京化学同人(株)発行、1981
年)に記載されているような種々の方法によつて
製造することができる。それらの方法を例示すれ
ば、連鎖移動法、放射線を用いる方法、酸
化重合法、イオングラフト重合法、マクロモ
ノマー法が挙げられる。本発明に用いる樹脂組成
物に含有させるグラフト共重合体は、枝鎖の長さ
がそろつている方が界面活性効果が顕著となるの
で、、の方法を用いるのが好ましく、中でも
のマクロモノマー法が材料設計上有利であり、
特に好ましい。グラフト共重合体の重量平均分子
量は、約5000〜30万の範囲が好ましく、ドライフ
イルムとして用いる場合には、約3万〜30万の範
囲が好ましい。 本発明において樹脂硬化膜形成用として用いる
該樹脂組成物に含有させる1分子内にエポキシ基
を1個以上含む化合物の1種以上からなるエポキ
シ樹脂()とは、後述する重合開始剤()の
存在下に本発明に用いる該樹脂組成物に活性エネ
ルギー線による高感度で十分な硬化性を発揮さ
せ、これに加えて、該樹脂組成物を、ガラス、プ
ラスチツク,セラミツクス等からなる各種支持体
上に液体状で塗布してからこれを硬化させて硬化
膜として形成した際に、あるいはドライフイルム
の形で各種支持体上に接着して用いた際に該樹脂
組成物からなる硬化膜に、より良好な支持体との
密着性、耐水性、耐薬品性、寸法安定性等を付与
するための成分である。 このエポキシ樹脂()としては、1分子内に
エポキシ基を1個以上含む化合物の1種以上を用
いてなるエポキシ樹脂であれば、特に限定するこ
となく用いることができる。しかしながら、例え
ば記録ヘツドを形成した際のこの樹脂組成物を硬
化して得られた硬化樹脂膜の耐薬品性や機械的強
度、構造材料としての高い耐久性などを考慮した
り、あるいは該組成物の硬化膜からなる液体通路
となる溝を含むパターンを基板上に形成する際の
作業性や、形成されるパターンの解像度などを考
慮すると、1分子内にエポキシ基を2個以上含む
化合物の1種以上からなるエポキシ樹脂を用いる
ことが好ましい。 上記1分子内にエポキシ基を2個以上含むエポ
キシ樹脂としては、ビスフエノールA型、ノボラ
ツク型、脂環型に代表されるエポキシ樹脂、ある
いは、ビスフエノールS、ビスフエノールF、テ
トラヒドロキシフエニルメタンテトラグリシジル
エーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタ
エリスリトールトリグリシジルエーテル、イソシ
アヌール酸トリグリシジルエーテルおよび下記一
般式 (ただし、Rはアルキル基またはオキシアルキル
基、R0
【式】
〔発明の効果〕
本発明の液体噴射記録ヘツドは、該ヘツドの構
造部材である活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
として、該組成物に必須成分として含有されたエ
ポキシ樹脂()とルイス酸を発生する重合開始
剤()とによつて主に付与されたパターン形成
材料としての活性エネルギー線に対する非常に優
れた感度と解像度を有するものを用いたものであ
り、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用い
ることによつて、寸法精度に優れた液体噴射記録
ヘツドを歩留り良く得ることが可能になつた。 また、本発明に用いる樹脂硬化膜形成用の活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物は、必須成分とし
てのグラフト共重合高分子()及びエポキシ樹
脂()の特性が有効に活されており、すなわち
本発明の樹脂組成物は、主に、グラフト共重合高
分子()によつて付与される優れた支持体との
密着性及び機械的強度に加えて、主に、エポキシ
樹脂()によつて付与される優れた耐薬品性及
び寸法安定性とを有しており、該組成物を用いる
ことによつて長期の耐久性を有する記録ヘツドを
得ることも可能になつた。 更に、硬化性を有するグラフト共重合高分子を
用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を使用
した場合には、上記密着性、機械的強度あるいは
耐薬品性が特に優れた液体噴射記録ヘツドを得る
ことが可能である。 〔実施例〕 以下、合成例および実施例により本発明を更に
詳細に説明する。 合成例 1 アニオ重合法で得られるリビングポリマー(2
−ヒドロキシエチルメタアクリレート/ブチルア
クリレート(=80/20重量比))とp−ビニルベ
ンジルクロリドとを反応させて、分子鎖の片末端
にビニル基を持つ重量平均分子量約1800のマクロ
モノマー(p−ビニルベンジルポリ−2−ヒドロ
キシエチルメタアクリレート/ブチルアクリレー
ト)を得た。このマクロモノマー30重量部とメチ
ルメタアクリレート70重量部をメチルセロソルブ
中で溶液重合し、重量平均分子量7.0×144の熱可
塑性のクラフト共重合高分子(これをGP−1と
する)を得た。なおこのCP−1の主鎖を構成す
るポリメチルメタクリレート鎖のガラス転移温度
は100℃である。 このGP−1を用い、下記組成の活性エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物を調製した。 GP−1 100重量部 エピコート1001*1 50 〃 エピコート152*2 20 〃 セロキサイド2021*3 30 〃 トリフエニルスルホニウムテトラフルオロボレー
ト 10 〃 クリスタルバイオレツト 0.5 〃 ハイドロキノン 0.2 〃 トルエン 100 〃 メチルエチルケトン 200 〃 *1:油化シエルエポキシ(株)製のビスフエノール
Aタイプのエポキシ樹脂 エポキシ当量、450〜500 *2:油化シエルエポキシ(株)製のクレゾールノボ
ラツクタイプのエポキシ樹脂 エポキシ当量、172〜179 *3:ダイセル化学(株)製の脂環タイプのエポキシ
樹脂 エポキシ当量、128〜145 この組成物を16μmのポリエチレンテレフタレ
ートフイルム(ルミラーTタイプ)に乾燥後の厚
さが75μmとなるようにバーコーターで塗布し
た。その上に25μmのポリエチレンフイルムを加
圧ラミネートすることにより塗膜を保護し、これ
を以後の本発明の記録ヘツドの形成に使用した。 合成例 2 アニオン重合法で得られるリビングポリマー
(N−メチロールメタクリルアミド/2−ヒドロ
キシエチルメタアクリレート(=30/70重量比))
とp−ビニルベンジルクロリドとを反応させて、
分子鎖の片末端にビニル基を持つ重量平均分子量
約1500のマクロモノマー(p−ビニルベンジルポ
リ−N−メチロールメタクリルアミド/2−ヒド
ロキシエチルメタアクリレート)を得た。 このマクロモノマー30重量部とメチルメタアク
リレート70重量部をメチルセロソルブ中で溶液重
合し、重量平均分子量7.7×104の熱架橋性を有す
るグラフト共重合高分子(これをGP−2とする)
を得た。なおこのCP−2の主鎖を構成するポリ
メチルメタクリレート鎖のガラス転移温度は100
℃である。このGP−2を用い、下記組成の活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。 GP−2 160重量部 エピコート828*4 20 〃 セロキサイド2021 20 〃 ジフエニルヨードニウムテトラフルオロボレート
5 〃 パラトルエンスルホン酸 4 〃 クリスタルバイオレツト 0.5 〃 ハイドロキノン 0.1 〃 1,1,1−トリクロルエタン 200 〃 メチルセロソルブ 200 〃 *4:油化シエルエポキシ(株)製のビスフエノール
Aタイプのエポキシ樹脂 エポキシ当量、183〜193 この組成物を16μmのポリエチレンテレフタレ
ートフイルム(ルミラーTタイプ)に乾燥後の厚
さが75μmとなるようにバーコーターで塗布し
た。その上に25μmのポリエチレンフイルムを加
圧ラミネートすることにより塗膜を保護し、、こ
れを以後の本発明の記録ヘツドの形成に使用し
た。 合成例 3 アニオン重合法で得られるリビングポリマー
(ブトキシメチルアクリルアミド/2−ヒドロキ
シエチルメタアクリレート(=70/30重量比))
とアクリル酸クロリドとを反応させて、分子鎖の
片末端にビニル基を持つ重量平均分子量約3000の
マクロモノマー(アクリル酸ポリブトキシメチル
アクリルアミド/2−ヒドロキシエチルメタアク
リレート)を得た。 このマクロモノマー25重量部、メチルメタアク
リレート70重量部およびアクリロニトリル5重量
部をメチルセロソルブ中で重合し、重量平均分子
量6.8×104の熱架橋性を有するグラフト共重合高
分子(これをGP−4とする)を得た。なおこの
GP−4の主鎖を構成するポリメチルメタクリレ
ート鎖とポリアクリロニトリル鎖の共重合鎖のガ
ラス転移温度は105℃である。このGP−4を用
い、下記組成の活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物を調製した。 GP−4 40重量部 エピクロン828 80 〃 エピクロンN−730*7 80 〃 トリフエニルスルフオニウムテトラフルオロボレ
ート 12 〃 パラトルエンスルホン酸 4 〃 クリスタルバイオレツト 0.5 〃 ハイドロキノン 0.1 〃 メチルセロソルブ 300 〃 エタノール 50 〃 *7:大日本インキ化学工業(株)製のフエノールノ
ボラツクタイプのエポキシ樹脂 エポキシ当量、170〜190 この組成物を厚さ16μmのポリエチレンテレフ
タレートフイルム(ルミラーTタイプ)に乾燥後
の厚さが75μmとなるようにバーコーターで塗布
し、これを100℃で、10分間乾燥することにより、
膜厚75μmの活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
層を有するドライフイルムを形成し、以後の本発
明の記録ヘツドの形成に用いた。 合成例 4 合成例1で得られた熱可塑性のグラフト共重合
高分子GP−1を用い、活性エネルギー線硬化型
樹脂組成物が下記組成となるように調整する以外
は、合成例1と同様にして、活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物層を有するドライフイルムを形成
し、以後の本発明の記録ヘツドの形成に用いた。 GP−1 100重量部 エピコート828 60 〃 エピコート1001 50 〃 セロキサイド2021 40 〃 トリフエニルスルフオニウムヘキサフルオロアン
チモン 10 〃 パラトルエンスルホン酸 4 〃 クリスタルバイオレツト 0.5 〃 ハイドロキノン 0.1 〃 メチルセロソルブ 350 〃 合成例 5 合成例2で得られた熱架橋性を有するグラフト
共重合高分子GP−2を用い、活性エネルギー線
硬化型樹脂組成物が下記組成となるように調整す
る以外は、合成例2と同様にして、活性エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物層を有するドライフイルム
を形成し、以後の本発明の記録ヘツドの形成に用
いた。 GP−2 100重量部 エピコート1001 100 〃 ジフエニルヨードニウムテトラフルオロボレート
10 〃 パラトルエンスルホン酸 4 〃 クリスタルバイオレツト 0.5 〃 ハイドロキノン 0.1 〃 メチルセロソルブ 350 〃 実施例 1 合成例1で製造したドライフイルムを用い、先
に明細書中で説明した第1図〜第6図の工程に従
つて、吐出エネルギー発生素子として発熱素子
[ハフニウムボライド(HfB2)]10個のオリフイ
ス(オリフイス寸法;75μm×50μm、ピツチ
0.125mm)を有するオンデマンド型液体噴射記録
ヘツドの作成を以下のようにして実施した。尚、
記録ヘツドは、同形状のものを各30個宛試作し
た。 まず、シリコンからなる基板上に発熱素子の複
数を所定の位置に配設し、これらに記録信号印加
用電極を接続した。 次に、発熱素子が配設された基板面上に保護膜
としてのSiO2層(厚さ0.1μm)を設け、保護層の
表面を清浄化すると共に乾燥させた後、保護層に
重ねて、80℃に加温された合成例1で得たフイル
ムを、該フイルム上に設けられたポリエチレンフ
イルムを剥がしながらホツトロール式ラミネータ
(商品名HRL−24、デユポン(株)社製)を用い、ロ
ール温度80℃、1m/minの速度、1Kg/cm2の加
圧条件下でラミネートした。なお、この状態で、
基板上にラミネートされた活性エネルギー線硬化
型樹脂組成物からなる層上には、ポリエチレンテ
レフタレートフイルムが積層されている。 続いて、基板面上に設けたドライフイルム上
に、液体通路及び液室の形状に対応したパターン
を有するフオトマスクを重ね合わせ、最終的に形
成される液体通路中に上記素子が設けられるよう
に位置合せを行なつた後、このフオトマスクの上
部から照射表面での照度が8mW/cm2のデイープ
UVランプを用いた露光光源(商品名、PLA−
501、キヤノン(株)社製)を用いて150秒間ドライフ
イルムを露光した。 露光後、パターン露光された活性エネルギー線
硬化型樹脂組成物からなる層(ドライフイルム)
上からポリエチレンテレフタレートフイルムを剥
がし、露光済みのドライフイルムを、1,1,1
−トリクロルエタン/エタノール(=70/30重量
比)の混合液を用いた超音波洗浄機中で、35℃、
60秒間の現像処理を行ない、ドライフイルムの未
重合(未硬化)部分を基板上から溶解除去し、基
板上に残存した硬化ドライフイルム膜によつて最
終的に液体通路及び液室となる溝を形成した。 現像処理を終了した後、基板上の硬化ドライフ
イルム膜を、80℃で1時間加熱し、更に、これに
10J/cm2の後露光を実施した後、160℃で60分間加
熱して、更に十分に硬化させた。 このようにして、硬化ドライフイルム膜によつ
て液体通路及び液室となる溝を基板上に形成した
後、形成した溝の覆いとなるソーダガラスからな
る貫通孔の設けられた平板にエポキシ系樹脂接着
剤を厚さ3μmにスピンコートした後、予備加熱
してBステージ化させ、これを硬化したドライフ
イルム上に貼り合わせ、更に、接着剤を本硬化さ
せて接着固定し、接合体を形成した。 続いて、接合体の液体通路の下流側、すなわち
吐出エネエルギー発生素子の設置位置から下流側
へ0.150mmのところを液体通路に対して垂直に、
市販のダイシング・ソー(商品名;DAD2H/6
型、DISCO社製)を用いて切削し、記録用液体
を吐出するためのオリフイスを形成した。 最後に、切削面を洗浄したのち乾燥させ、更
に、切削面を研磨して平滑化し、貫通孔に記録用
液体の供給管を取付けて液体噴射記録ヘツドを完
成した。得られた記録ヘツドは、何れもマスクパ
ターンを忠実に再現した液体通路及び液室を有す
る寸法精度に優れたものであつた。ちなみに、オ
リフイス寸法は、50±5μm、オリフイスピツチ
は、125±5μmの範囲にあつた。 このようにして試作した記録ヘツドの品質及び
長期使用に際しての耐久性を以下のようにして試
験した。 まず、得られた記録ヘツドについて、次の各組
成からなる記録用液体中に、60℃で1000時間浸漬
処理(記録ヘツドの長期使用時に匹敵する環境条
件)する耐久試験を実施した。 記録用液体成分 (1) H2O/エチレングリコール/ジエチレング
リコール/プロピレングリコール/C.I.ダイレ
クトブラツク154*1/エマルゲン931*4(=64/
20/5/5/6/0.2重量部)PH=8.0 (2) H2O/トリエチレングリコール/グリセリ
ン/C.I.フードブラツク2*2/エマルゲン
931*4/PVP K−30*5 (=80/15/2/3/0.1/0.1重量部)PH=9.0 (3) H2O/エチレングリコール/ジエチレング
リコール/ポリエチレングリコール#300/N
−メチル−2−ピロリドン/C.I.フードブラツ
ク2*2/エマルゲン931*4 (=55/10/20/5/5/5/0.2重量部)PH
=7.0 (4) H2O/ジエチレングリコール/ポリエチレ
ングリコール#200/1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン/C.I.ダイレクトブルー
86*3/エマルゲン931*4/PVP K−30*5 (=62/15/15/5/3/0.1/0.1重量部)PH
=10.0 尚、(注) *1*3は、水溶性染料であり、PH
の調整には、カセイソーダを用いた。また、*4
商品名であり、花王石鹸(株)社製のポリオキシエチ
レンノニルフエニルエーテル、*5は商品名であり、
米国GAF社製のポリビニルピロリドンである。 耐久試験後、該試験を実施した各ヘツドにつき
基板及び覆いと硬化ドライフイルム膜の接合状態
を観察した結果、すべての記録ヘツドにおいて剥
離や損傷は全く認められず、良好な密着性を示し
ていた。 次いでこれとは別に、得られた記録ヘツドの10
個について、各ヘツドを記録装置に取付け、前記
の記録用液体を用いて108パルスの記録信号を14
時間連続的に記録ヘツドに印加して印字を行なう
印字試験を実施した。何れの記録ヘツドに関して
も、印字開始直後と14時間経過後において、記録
用液体の吐出性能及び印字状態共に性能の低下が
殆ど認められず、耐久性に優れた記録ヘツドであ
つた。 実施例 2 合成例2で製造したドライフイルムを用いる以
外は実施例1と同様にして液体噴射記録ヘツドの
作成を実施した。 更に作成した記録ヘツドのそれぞれについて実
施例1と同様の耐久試験及び印字試験を行なつ
た。 耐久試験後、該試験を実施した各ヘツドにつき
基板及び覆いと硬化ドライフイルム膜の接合状態
を観察した結果、すべての記録ヘツドにおいて剥
離や損傷は全く認められず、良好な密着性を示し
ていた。 また、印字試験においても、何れの記録ヘツド
に関しても、印字開始直後と14時間経過後に、記
録用液体の吐出性能及び印字状態共に性能の低下
は殆ど認められず、何れの記録ヘツドも耐久性に
優れたものであつた。 実施例 3 合成例3で製造したドライフイルムを用い、こ
れをホツトロール式ラミネータ(商品名HRL−
24、デユポン(株)社製)を用い、ロール温度80℃、
ロール圧1Kg/cm2、ラミネートスピード1m/
minで基板上にラミネートした後、露光光源とし
て高圧水銀灯を用いて、照射表面において254n
m近傍の照度が34mW/cm2となるようにパターン
露光を行ない、更にパターン露光された活性エネ
ルギー線硬化型樹脂組成物からなる層(ドライフ
イルム)上からポリエチレンテレフタレートフイ
ルムを剥がしてから、これを1,1,1−トリク
ロルエタン/ブチルセロソルブ(=70/30重量
比)の混合液を、30℃で60秒間スプレーすること
によつて現像処理てから、基板上の硬化ドライフ
イルム膜を80℃で10分間加熱し、次に10J/cm2
後露光を実施した後、50℃で60分間加熱して、更
に十分に硬化させる以外は、実施例1と同様にし
て液体噴射記録ヘツドの作成を実施した。 更に作成した記録ヘツドのそれぞれについて実
施例1と同様の耐久試験及び印字試験を行なつ
た。 耐久試験後、該試験を実施した各ヘツドにつき
基板及び覆いと硬化ドライフイルム膜の接合状態
を観察した結果、すべての記録ヘツドにおいて剥
離や損傷は全く認められず、良好な密着性を示し
ていた。 また、印字試験においても、何れの記録ヘツド
に関しても、印字開始直後と14時間経過後に、記
録用液体の吐出性能及び印字状態共に性能の低下
は殆ど認められず、何れの記録ヘツドも耐久性に
優れたものであつた。 実施例 4及び5 合成例4及び5で得られたドライフイルムを
個々に用いる以外は、実施例1と同様にして液体
噴射記録ヘツドの作成を実施した。 更に作成した記録ヘツドのそれぞれについて実
施例1と同様の耐久試験及び印字試験を行なつ
た。 耐久試験後、該試験を実施した各ヘツドにつき
基板及び覆いと硬化ドライフイルム膜の接合状態
を観察した結果、すべての記録ヘツドにおいて剥
離や損傷は全く認められず、良好な密着性を示し
ていた。 また、印字試験においても、何れの記録ヘツド
に関しても、印字開始直後と14時間経過後に、記
録用液体の吐出性能及び印字状態共に性能の低下
は殆ど認められず、何れの記録ヘツドも耐久性に
優れたものであつた。 比較例 膜厚75μmの市販のドライフイルムVacrel(ド
ライフイルムソルダーマスクの商品名、デユポン
ド・ネモアース(株)製)、および膜厚50μmの市販
のドライフイルムPhotec SR−3000(商品名、日
立化成工業(株)製)を用いる以外は、実施例1と同
様にして、記録ヘツドを作成した。 これらの記録ヘツドについて、実施例1と同様
に耐久性試験を実施した。 耐久性試験の経過中、ドライフイルムとして
Vacrelを用いた場合は、100時間で(2)および(4)の
記録用液体で剥離が認められた。また、300時間
で、(1)および(3)の記録用液体で剥離が認められ
た。 一方、ドライフイルムとしてPhotec SR−
3000を用いた場合は、(1)〜(4)の各記録用液体で
300時間で剥離が認められた。 印字試験例 実施例1〜5および比較例で比較したヘツド
(各々10個ずつ)に先に(4)として挙げた組成の記
録液を充填し印字試験を行なつた。次に、記録液
が充填された状態の各ヘツドを温度80℃、湿度90
%の条件下で200時間保存後、先に行なつたのと
同様の印字試験を行なつた。その結果、実施例で
得られたヘツドのいずれも保存の前後で良好な印
字が得られたのに対し、比較例のヘツドのいずれ
においても印字不良が観察された。これらの印字
不良部を顕微鏡で観察すると、文字を構成する記
録液滴の位置のズレが観察された。また、印字不
良を起こした各ヘツドの吐出口付近を観察したと
ころ、その部分におけるドライフイルム硬化膜に
剥離が見られた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は本発明の液体噴射記録ヘツド
ならびにその製造方法を説明するための模式図で
ある。 1:基板、2:吐出エネルギー発生素子、3:
樹脂層、3H:樹脂硬化膜、4:フオトマスク、
4P:マスクパターン、6−1:液室、6−2:
液体通路、7:覆い、8:貫通孔、9:オリフイ
ス、10:供給管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 液体の吐出口に連通する液体通路と、該液体
    通路内の液体を吐出させるためのエネルギーを発
    生する吐出エネルギー発生素子とを有し、前記液
    体通路の少なくとも一部が活性エネルギー線によ
    つて硬化する樹脂組成物の硬化領域で形成されて
    成る液体噴射記録ヘツドにおいて、前記樹脂組成
    物が () アルキルメタアクリレート、アクリロニト
    リルおよびスチレンからなる群より選ばれた一
    種以上のモノマーに由来する構造単位を主体と
    する幹鎖に、(A)水酸基含有アクリルモノマー、
    (B)アミノもしくはアルキルアミノ基含有アクリ
    ルモノマー、(C)カルボキシル基含有アクリルも
    しくはビニルモノマー、(D)N−ビニルピロリド
    ンもしくはその誘導体、(E)ビニルピリジンもし
    くはその誘導体および(F)下記一般式で表わさ
    れるアクリルアミド誘導体からなる群より選ば
    れた一種以上のモノマーに由来する構造単位を
    主体とする枝鎖が付加されてなるグラフト共重
    合高分子と、 (ただし、R1は水素または炭素原子数が1〜
    3のアルキルもしくはヒドロキシアルキル基、
    R2は水素または炭素原子数が1〜4のヒドロ
    キシ基を有してもよいアルキルもしくはアシル
    基を表わす。) () 分子内にエポキシ基を1個以上有する化合
    物の少なくとも1種を含んでなるエポキシ樹脂
    と、 () 活性エネルギー線の照射によつてルイス酸
    を発生する重合開始剤 とを有してなるものであることを特徴とする液体
    噴射記録ヘツド。 2 前記樹脂組成物が、前記()のグラフト共
    重合高分子の含有量をG重量部、前記()の樹
    脂の含有量をE重量部としたとき、G/(G+
    E)が0.2〜0.8の範囲にあるように、前記前記
    ()のグラフト共重合高分子及び前記()の
    樹脂を含有し、且つ前記()の重合開始剤を
    (G+E)の100重量部に対して0.2〜15重量部の
    範囲で含有したものである特許請求の範囲第1項
    に記載の液体噴射記録ヘツド。 3 前記()の重合開始剤が芳香族ハロニウム
    塩化合物、または周期率表第a族若しくは第
    a族に属する元素を含む光感知性を有する芳香族
    オニウム塩化合物から成るものである特許請求の
    範囲第1項または第2項に記載の液体噴射記録ヘ
    ツド。 4 前記吐出エネルギー発生素子が、発熱素子で
    ある特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに
    記載の液体噴射記録ヘツド。
JP15335685A 1985-07-13 1985-07-13 液体噴射記録ヘツド Granted JPS6216152A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15335685A JPS6216152A (ja) 1985-07-13 1985-07-13 液体噴射記録ヘツド
US06/881,821 US4688056A (en) 1985-07-13 1986-07-03 Liquid jet recording head having a layer of a resin composition curable with an active energy ray
EP86109444A EP0209803B1 (en) 1985-07-13 1986-07-10 Liquid jet recording head
DE86109444T DE3689090T2 (de) 1985-07-13 1986-07-10 Tintenstrahlauszeichnungskopf.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15335685A JPS6216152A (ja) 1985-07-13 1985-07-13 液体噴射記録ヘツド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6216152A JPS6216152A (ja) 1987-01-24
JPH0444578B2 true JPH0444578B2 (ja) 1992-07-22

Family

ID=15560671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15335685A Granted JPS6216152A (ja) 1985-07-13 1985-07-13 液体噴射記録ヘツド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6216152A (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60153357A (ja) * 1984-01-17 1985-08-12 Sharp Corp シ−ト材整列装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60153357A (ja) * 1984-01-17 1985-08-12 Sharp Corp シ−ト材整列装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6216152A (ja) 1987-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4688053A (en) Liquid jet recording head having a layer of a resin composition curable with an active energy ray
US4688056A (en) Liquid jet recording head having a layer of a resin composition curable with an active energy ray
US4688052A (en) Liquid jet recording head having a layer of a resin composition curable with an active energy ray
JPH0444573B2 (ja)
US4970532A (en) Liquid jet recording head
JPH04294148A (ja) 液体噴射記録ヘッド
US4839668A (en) Liquid jet recording head
US4839669A (en) Liquid jet recording head
JPS6355534B2 (ja)
JPS6332810B2 (ja)
JPH0444578B2 (ja)
JPH0444576B2 (ja)
JPH0444579B2 (ja)
JPH02131947A (ja) 液体噴射記録ヘッド
JPH0444574B2 (ja)
JPH0444572B2 (ja)
JPS6332811B2 (ja)
JPH0444909B2 (ja)
JPH0326683B2 (ja)
JPH0444910B2 (ja)
JPH0444577B2 (ja)
JPH0444575B2 (ja)
JPS6355533B2 (ja)
JPH1024571A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JPH04216955A (ja) 液体噴射記録ヘッド、その製造方法、及び液体噴射記録ヘッドを備えた記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term