JPH0444653B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、可動間仕切りの壁パネル（以下パ
ネルとする）において、金属製の両表板にパンテ
イング（小さな開け孔、以下同じ）を施し、内部
に吸音用の充填材を充填した両面吸音パネルの製
法に係る。

従来のこの種の両面吸音パネルにおける問題点
は、強度や意匠性及び製造コストの三点であつ
た。このことを図面第１図〜第３図によつて説明
すると、表面板１にはパンテイング２が多数施さ
れており、これを枠体３にとりつけるが、その場
合スポツト熔接４による方法と、接着フイルム５
による方法とがある。先ず前者の方法を述べる
と、スポツト熔接４により枠体３の四辺に沿つて
表面板１をとりつけ、寒冷紗６又は不織布７を表
面板１の裏面に当てがい、吸音材であるロツクウ
ール又はロツクウール材（以下これを、グラスウ
ール等８とする）をその寒冷紗６又は不織布７の
上及び枠体３間に充填し、裏面板９ではグラスウ
ール等８をおゝい枠体３に熔接してなる単板１０
を造る。その単板１０二枚を背中合わせに対向さ
せ、その接片１１，１１を熔接して一体の両面吸
音パネル１２とするものである。

後者の接着フイルム５の方法においては、パン
テイング２を多数施した表面板１の裏面にほぼ表
面板１大のシート状の接着フイルム５を当て敷
き、その上に枠体３を四周に当ておき、寒冷紗６
を枠体３の間に接着フイルム５上に敷き、その上
及び枠体３間にグラスウール等８を充填し、接着
フイルム５をそのグラスウール等８の上に当て敷
き、裏面板９でその上をおゝい、表面板１及び裏
面板９を熱押圧してなる単板１０を、二枚背中合
わせに対向させ、その接片１１，１１を熔接して
一体の両面吸音パネル１２とする。

この従来の製法によれば、前、後者の二法とも
単板１０，１０を背中合わせに貼り合わせる煩雑
さがあり、前者スポツト熔接４の方法において
は、強度の点では充分なものが得られる反面、パ
ネルの寸法が正確に出し難く、熔接のあとが醜く
パネル表面に残る大きな欠点がある。

後者の接着フイルム５の方法によつては、表面
板１及び枠体３、裏面板９は、接着フイルム５の
熱溶解による糊によつて互いに接着するが、接着
力は弱く、これを補うため接着フイルム５の糊が
寒冷紗６の粗い目を通し又は直接にグラスウール
等８の広い面に及び、表面板１や裏面板９と貼着
することになつている。接着フイルム５の糊は、
いずれの面においても面一にピツシリというわけ
にはいかず、又グラスウール等８は寒冷紗６を介
しており且つその繊維１３は長手方向に並列して
いるので、前記糊の効力はグラスウール等８の表
面部に及ぶのみである。このため、製造コストは
前者より安く仕上りまた前記寸法の出しが正確に
なされる利点がある反面、単板１０や両面吸音パ
ネル１２の強度は前者より劣り、例えば表面板１
が震動したり、凹凸を生じたりする弊がある。
又、寒冷紗６の粗い目から繊維１３がはみ出した
り、グラスウール等８を強く押圧することにより
パンテイング２の部分がふくらんだり或は逆に凹
んだりし、意匠的にも芳しくなかつた。

なお、後者の方法においては、寒冷紗６に代る
不織布７を用いることが出来ない。

以上の従来の単板１０及び両面吸音パネル１２
の問題点を、本判明は次のようにして解決した。
以下図面の第４図〜第７図により説明をすれば、
パネルとほヾ同じ大きさの平板に小孔であるパン
テイング２，２…を多数施してある金属製の表板
１４及び同形の裏板１５と、断面コ字形をなす金
属製縦長のフレーム材１６、不織布７及びグラス
ウール等８より本発明の対象とするパネルとな
る。この両面吸音パネル１２は、フレーム材１
６，１６…の先端面１８，１８…部を互に接近さ
せて形成される四角い額縁状のパネル枠１９に、
表、裏板１４，１５を表づけし、その内部の中空
部に不織布７，７で両面を挟んだグラスウール等
８を充填したもので、フレーム材１６のパネル枠
１９への組み方は縦方向の左右二本のフレーム材
１６，１６の上下に先端面１８，１８上に横方向
のフレーム材１６，１６をのせてなしてもよく、
又左右の二本の間に先端面１８，１８を嵌め込ん
だものとしてもよい。

上記両面吸音パネル１２においては、フレーム
材１６のパネル枠１９への組み立てや、パネル枠
１９と表、裏板１４，１５の接着には、スポツト
熔接４や接着フイルム５の方法を用いない。本発
明の両面吸音パネル１２の製造方法を次に述べる
と、本発明の前記接着には新たに開発された強力
な接着力を有する両面接着テープ２０を用いる。
この両面接着テープ２０は、金属接着用で両面に
カバー紙２２をとりつけてあるテープ状のもので
ある。

フレーム材１６の断面コ字形の二つの側辺２
１，２１の縦長の面全体に、カバー紙２２の一方
を取り除いて両面接着テープ２０を貼りつけ、フ
レーム材１６の一の側辺２１における両面接着テ
ープ２０のカバー紙２２を取り除き、表板１４の
裏面の所定の位置に貼り接着する。これを順次行
なつて表板１４の裏面に貼着形成されるパネル枠
１９となす。パネル枠１９はこのように容易且つ
正確に作製することが出来る。次にこのパネル枠
１９内において、不織布１７を表板１４の裏面に
敷き、その上にグラスウール等８の一パイに充填
し、更にその上に前記のものと同じ形状の不織布
７を敷いて、下へ押圧し、パネル枠１９における
フレーム材１６の他の側辺２１，２１…の両面接
着テープ２０のカバー紙２２，２２…を取り除い
て、パネル枠１９に裏板１５をかぶせ、カバー紙
２２を取り除いた両面接着テープ２０を介しパネ
ル枠１９と裏板１５を接着させ、両面吸音パネル
１２とするものである。

この製法によれば、両面吸音パネル１２は、正
しい寸法で製造出来ることは勿論、両面接着テー
プ２０のカバー紙２２の存在が巧みに利用され、
必要以上のものに粘着することのないため、作業
性は格段に向上した。接着フイルム５による場合
は、前記糊は接合物全面に行きわたらず、まだら
状となるのであるが、本発明における接着は、接
合物全面にビツシリと糊が存在するので、強い接
合となる。

又、この両面吸音パネル１２には、不織布７を
用いることにより、前記接着フイルム５による方
法の寒冷紗６の粗い目からグラスウール等８の繊
維１３がはみ出たり、凹凸を生じたりする、パン
テイング２部分の欠点が解消されることの外に、
不織布７の多種な色彩や模様が自由に選択出来る
ので、表、裏板１４，１５の色彩乃至模様に合わ
せて用いることにより、意匠的な（視覚上美観を
呈する）ものが得られ易い。そして、前記スポツ
ト熔接４の方法による両面吸音パネル１２の比敵
する強度を有しながら、その熔接のあとが人の視
線に触れるという最大の欠点を本発明は有してい
ない。製造コストは安いといわれる接着フイルム
５によるものと比べても、安いほどである。それ
は、従来のものが単板１０を二枚用いていたもの
を全く不要としたことにもよる。

なお、パネル枠１９は説明上四角い額縁状の中
あき形としたことが、この内部に横或は縦乃至は
十文字等を中間補強をなすフレーム材１６を配
し、同パネルの強度を増したり大型化すること
も、両面接着テープ２０を用いて可能であり、そ
の場合は前記他の方法によるものより容易になす
ことが出来る。

この両面吸音パネル１２は、表、裏板１４，１
５の両方面において、例えば一方を事務室とし他
方をコンピユーター室とする間の間仕切りに用い
るが、他の壁体の前に設置して一方面例えば表板
１４の部のみを用いてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のスポツト熔接４法による両面
吸音パネル１２の表面板１の立面図であり、第２
図は、その縦断面図であり、第３図は、従来の接
着フイルム５法による単板１０の、組立てを示す
一部切欠き斜視図であり、第４図は、本発明の対
象とする両面吸音パネル１２の表板１４又は裏板
１５の立面図であり、第５図は、同両面吸音パネ
ル１２の縦断面図であり、第６図は、同、横断面
図であり、第７図は、本発明の製法による組立て
を示す一部切欠き斜視図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フレーム材１６の両側辺２１，２１の全面に
   両面接着テープ２０，２０を貼着し、一の側辺２
   １におけるカバー紙２２を取り除いてフレーム材
   １６を表板１４の裏面に貼着し、このことを順次
   行つてパネル枠１９を形成し、パネル枠１９内の
   表板１４面に不織布１７を一杯に敷き、グラスウ
   ール又はロツクウール材を充填し、その上に前記
   と同形の不織布１７を敷き押圧し、パネル枠１９
   におけるフレーム材１６の他の側辺２１に貼られ
   ている両面接着テープ２０のカバー紙２２を全て
   取り除き、裏板１５をパネル枠１９に貼着させて
   なることを特徴とする両面吸音パネル１２の製造
   方法。