JPH04443Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、例えばコイン貸出機や両替機など
において、遊技用コインや硬貨などを放出するた
めのコイン放出装置に関連する。

〈従来の技術〉 例えばスロツトマシンなどが設置してある遊技
場では、その適所にコイン貸出機が配備してあ
る。このコイン貸出機の内部には多数枚のコイン
を収容するホツパー装置が設けてあり、遊技者が
貨幣を投入すると、このホツパー装置が作動し
て、投入金額に応じた枚数のコインを放出する。
このコイン貸出機の接客面には、コイン切れを知
らせるランプが設けてあり、このランプが点灯し
たとき、係員はホツパー装置へコインの補給を行
つている。

この種のコイン貸出機の場合、コイン切れの発
生時点でランプが点灯するため、もし遊技者が貨
幣を投入する段階で、コイン切れになつていなけ
れば、貨幣の投入が受け付けられてコインの貸出
動作が開始されることになる。ところがホツパー
装置のコイン収容量が少なくなつている場合に
は、貸出動作の最中にコイン切れが生じてその動
作が中断し、これがトラブル発生の要因となる。

そこでコイン切れになる前の段階で、係員に対
しコインを補給すべき時期であることを知らせる
ことによつて、コインの放出動作の途中でコイン
切れが生じる虞れのないコイン放出装置が提案さ
れた（特開昭59−47686号）。このコイン放出装置
は、ホツパー底部と、ホツパー内面の所定の高さ
位置とに電極を配設し、これら電極間にホツパー
内の収容コインの介在により導通路を形成したも
のであつて、収容コインが不足して前記導通路が
遮断されたとき、これを電気的に検出してコイン
不足をランプで知らせるようにしている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながらこのコイン放出装置では、各電極
は表面がホツパー内壁面よりわずかに突出する構
造であるから、コインの姿勢によつてはコインが
電極と接触しないことがあり、しかもコインの放
出時にホツパー内の収容コインが移動すると、コ
インと電極とが接触と離反とを繰り返してチヤタ
リング現象が生じ、検出動作が不安定となるなど
の問題がある。

この考案は、上記問題に着目してなされたもの
で、前記電極の構造を工夫することより、常にコ
インとの良好な接触状態を保ち、安定した検出動
作を実現するコイン放出装置を提供することを目
的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案のコイン放出装置は、多数のコインの
収容が可能なホツパーの底部位置にコイン放出機
構が設けられたホツパー装置と、前記ホツパー内
の収容コインの不足を検出する検出回路部と、コ
イン不足の状態を表示する表示部とから成るもの
である。

前記ホツパーは、金属製の底部と、前記底部上
に連接された合成樹脂製の胴部と、前記胴部の所
定の高さ位置に胴部内へ突出させて取り付けられ
た変形かつ復元動作可能なコインスプリングとを
有しており、前記底部とコイルスプリングとの間
にコインの介在により導通する導通路が形成され
ている。

前記検出回路部は、前記ホツパー内のコインの
収容量がコイルスプリングの位置を下回つたとき
前記導通路の遮断を検出して、その検出出力によ
り前記表示部を作動させる。

〈作用〉 ホツパー装置のホツパー内が十分な量のコイン
で満たされているとき、底部とコイルスプリング
との間の導通路は収容コインの介在により導通状
態にある。ところがコインが消費されてホツパー
内のコインが不足し、コインの量がコイルスプリ
ングの位置より下回ると、前記の導通路は遮断さ
れる。この導通路の遮断は検出回路部で検出さ
れ、その検出出力により表示部が作動する。

この場合にはコイルスプリングはコインの姿勢
や重なり状態に応じて自由に変形し、しかもコイ
ン放出時にホツパー内のコインが移動したときは
それに追従して変形するので、常に良好な接触状
態が保持される。そしてコインの収容量がコイル
スプリングの位置より下がつたときは、コイルス
プリングはその復元力で復帰動作し、コインとの
接触状態が瞬時に切れて導通路が遮断され、安定
した検出動作が実現される。

〈実施例〉 図面は、この考案を遊技場におけるコイン貸出
機に実施した例を示すが、この考案はこれに限ら
ず、両替機のような硬貨を放出する各種の機械に
適用実施できることは勿論である。

第１図は、複数台のスロツトマシン１が遊技場
の設置台２上に整列状態で設置された状態を示し
ており、隣合うスロツトマシン１，１の中間位置
に、この考案の一実施例にかかるコイン貸出機３
が配備してある。

このコイン貸出機３は、第２図に示す如く、縦
長形状のケース４を備え、このケース４の前面に
はコイン補給部５、硬貨投入口６、三個の表示ラ
ンプ７，８，９、コイン放出口１０、コイン放出
枚数表示器１１、紙幣投入口１２などが設けられ
ている。

コイン補給部５は、ケース４内部のホツパー装
置に対しコインを補給するための部分であり、開
閉扉の内側にコイン補給口並びにコイン補給路が
形成されている。硬貨投入口６や紙幣投入口１２
はコインの貸出を受けるに必要な金額の貨幣を投
入するための部分であり、コイン放出口１０は投
入貨幣の金額に応じた枚数のコインを放出するた
めの部分である。コイン放出枚数表示器１１はコ
イン放出口１０へ放出されたコインの枚数を数字
で表示するための部分である。

三個の表示ランプ７，８，９は、例えば発光ダ
イオードにより構成され、第１の表示ランプ７は
コインの貸出が停止状態にあるときに点灯し、ま
た第２の表示ランプ８はコインの貸出を行つてい
るときに点灯する。さらに第３の表示ランプ９は
ホツパー装置がコイン不足の状態となつて、コイ
ンを補給すべき時期がきたときに自動点灯する。

第３図は、ケース４の内部に組み込まれたホツ
パー装置１３を示している。このホツパー装置１
３は、多数枚のコインを収容するためのホツパー
１４を備え、このホツパー１４の底部位置に設け
られたコイン放出機構（図示せず）が作動すると
き、ホツパー１４内に収容されたコインが１枚づ
つコイン通路１５へ放出されるものである。

前記ホツパー１４は、金属製の底部１６上に合
成樹脂製の胴部１７を連接した構造のものであ
り、前記胴部１７の所定の高さ位置にコイルスプ
リング１８を胴部１７内へ突出させて取り付け
て、容量検出部１９を構成してある。この容量検
出部１９は、ホツパー１４内のコインの収容量が
補給すべき状態まで減少したか否かを検出するた
めのものであり、電気的に導体である前記底部１
６とコイルスプリング１８との間には収容コイン
の介在により導通する導通路が形成されている。

前記コイルスプリング１８は、その位置より下
方のホツパー１４内に少なくとも１回または数回
の最大貸出枚数のコインが存在するようにその取
り付け位置が定めてある。このコイルスプリング
１８は変形かつ復元動作可能な弾性体であるか
ら、コインの向きや姿勢、重なり状態などに応じ
て自由に変形し、コインとの接触状態が常に良好
に保持される。しかもコインの収容量がコイルス
プリング１８の位置より下がつたときは、コイル
スプリング１８はその復元力で復帰動作し、コイ
ンとの接触状態が瞬時に切れて導通路が遮断さ
れ、安定した検出動作が実現される。

前記底部１６とコイルスプリング１８との間に
はリード線２０，２１を介して検出回路部２２が
接続してある。この検出回路部２２は、ホツパー
１４内に収容されたコインがコイルスプリング１
８と接触しなくなつて容量検出部１９の導通路が
遮断されたことを検出するためのもので、その検
出出力を点灯表示回路に与えて、前記の表示ラン
プ９を点灯動作させ、コイン不足の状態を知らせ
る。

なお上記実施例では、コイン不足をランプの点
灯により知らせているが、これに限らず、コイン
不足を文字表示をもつて知らせるようにしてもよ
い。

つぎにコイン貸出機３の動作を説明すると、ホ
ツパー装置１３のホツパー１４内が十分な量のコ
インで満たされているとき、収容されているコイ
ンの量はコイルスプリング１８の取付位置を越え
るため、コイルスプリング１８と底部１６との間
にはコインが重なり状態で介在して導通路は導通
した状態となる。

ところがコインが消費されてホツパー１４内に
収容されたコインの量がコイルスプリング１８の
位置より下回ると、コインがコイルスプリング１
８と接触しなくなつて、容量検出部１９の導通路
が遮断されることになる。この導通路の遮断を検
出回路部２２が検出すると、その検出出力により
表示ランプ９が点灯動作せられ、コインが不足し
て補給が必要となつたことを係員に知らせる。

〈考案の効果〉 この考案は上記の如く、金属製の底部に合成樹
脂製の胴部を連接してホツパー装置のホツパーを
形成すると共に、前記胴部の所定の高さ位置に変
形かつ復元動作可能なコイルスプリングを胴部内
に突出させて取り付け、コイルスプリングと底部
との間に収容コインの介在により導通する導通路
を形成したから、ホツパー内の収容コインの不足
により導通路が遮断されたとき、これを検出回路
部が検出して表示部を表示動作させることによ
り、係員はこの表示を見てコインの補給の必要性
を知ることができ、コイン切れになる前の段階で
コインの補給を行い得る。このためコイン放出動
作の途中でコイン切れが生じる虞れがなく、トラ
ブルの発生を未然に防止できる。

またコイン不足を検知する手段として変形かつ
復元動作可能なコイルスプリングを用いたから、
コインの姿勢や重なり状態、さらにはコインの移
動にかかわらず、コイルスプリングとコインとは
常に良好な接触状態が保持され、しかもコインの
収容量がコイルスプリングの位置より下がつたと
きは、コイルスプリングの復元力でコインとの接
触状態が瞬時に切れて導通路が遮断されるため、
安定した検出動作が実現される。

またコイルスプリングは、安価かつ容易に入手
できるから、ホツパー装置の製作コストを低減で
きるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はコイン貸出機の設置状態を示す正面
図、第２図はコイン貸出機の正面図、第３図はホ
ツパー装置の一部を破断した正面図である。 ３……コイン貸出機、９……表示ランプ、１３
……ホツパー装置、１４……ホツパー、１６……
底部、１８……コイルスプリング、１９……容量
検出部、２２……検出回路部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 多数のコインの収容が可能なホツパーの底部位
   置にコイン放出機構が設けられたホツパー装置
   と、前記ホツパー内の収容コインの不足を検出す
   る検出回路部と、コイン不足の状態を表示する表
   示部とから成るコイン放出装置であつて、 前記ホツパーは、 金属製の底部と、前記底部上に連接された合成
   樹脂製の胴部と、前記胴部の所定の高さ位置に胴
   部内へ突出させて取り付けられた変形かつ復元動
   作可能なコインスプリングとを有し、前記底部と
   コイルスプリングとの間にコインの介在により導
   通する導通路が形成されており、 前記検出回路部は、前記ホツパー内のコインの
   収容量がコイルスプリングの位置を下回つたとき
   前記導通路の遮断を検出して、その検出出力によ
   り前記表示部を作動させるコイン放出装置。