JPH0444328B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は同心円状もしくは渦巻状の情報トラツ
クに情報が記録された情報記録担体から情報を光
学的手段を用いて非接触に読み出す光学情報再生
装置に関する。

従来例の構成とその問題点 同心円状もしくは渦巻状の情報トラツク（以
下、これを単にトラツクと呼ぶ）に情報が記録さ
れた情報記録担体（以下、これを単にデイスクと
呼ぶ）の記録密度が高く、かつ非接触に情報を読
み出す情報再生装置にはトラツキング制御が不可
欠である。

このようなデイスクとして、光学式のビデオデ
イスク，デイジタルオーデイオデイスク、あるい
はその他データフアイルなどが知られている。こ
のようなデイスクを再生するときには、情報を読
み取るための光スポツトとトラツクとの相対的な
位置誤差を光学的に検出してトラツキング誤差信
号を得て、このトラツキング誤差信号に応じて上
記位置誤差を打消すように制御するトラツキング
制御が一般に行なわれる。ところがデイスクに欠
陥があり、上記トラツキング誤差信号に大きな雑
音が混入する場合には、トラツキング制御が乱さ
れて近傍トラツクへ跳び易いという欠点があつ
た。特にトラツクの線速度が遅い光学式のデイジ
タルオーデイオデイスクは欠陥部分の通過時間が
長くなり、その傾向が著しかつた。このような欠
点を改善するために、デイスクの欠陥を検出し、
その欠陥部分をトラツキングしている時間は、そ
の直前のトラツキング誤差信号の値を保持する方
法などの何らかの処理をトラツキング制御に行う
方法が従来から用いられていた。

また、欠陥検知手段としては、光学ヘツドより
読みだされ、必要に応じて増幅された再生信号を
包絡線検波して、実質的に減衰した基準信号を閾
値として上記再生信号を波形整形して検出デイジ
タル信号を得、さらに、上記検出デイジタル信号
のエツジ間隔が所定の長さ以上になつたことを検
出して欠陥検知信号を出力する方法がとられてい
た。

第１図は上記の方法を用いた従来の光学的情報
再生装置のトラツキング制御手段を示すブロツク
図で、１はデイスク、１ａはその情報記録面、１
ｂは透明保護層である。２は光学ヘツド、３は増
幅器、４は包絡線検波器、５は係数器、６は比較
器、７はエツジ間隔検出器、８は欠陥検知手段、
９は誤差検出回路、１０は信号処理手段、１１は
駆動回路、１２はアクチユエータ、１３は波形整
形器である。

以上のように構成された光学的情報再生装置の
トラツキング制御手段について、以下に、その動
作を説明する。光学ヘツド２はデイスク１の情報
記録面１ａに透明保護層１ｂを透して光スポツト
を集束し、その反射光量から情報を読みとつて読
み取り信号を出力するとともに、デイスク１の偏
心や外乱振動に伴つて生ずるトラツクと、上記光
スポツトとの相対的な位置誤差すなわちトラツキ
ング誤差に応じて変化するトラツキング誤差検出
信号を出力する。このトラツキング誤差検出信号
を得る方法は特に限定されず、いわゆるフアーフ
イールド法、スリービーム法など、どの方式を用
いてよい。誤差検出回路９は上記トラツキング誤
差検出信号を受けてトラツキング誤差成分を抽出
し、必要に応じて、微分補償や積分補償などの処
理を行なつてトラツキング誤差信号を出力する。
このトラツキング誤差信号は通常は信号処理手段
１０をそのまま通過し、傷などデイスクの欠陥が
検知されたときはその直前のトラツキング誤差信
号の値を保持する等の処理を行なつて駆動回路１
１に入力され、アクチユエータ１２を駆動し、光
スポツトの位置を制御する。また、増幅器３の出
力は包絡線検波器４を通り、係数器５で実質的に
減衰されて基準信号を出力する。比較器６では、
この基準信号を閾値として上記再生信号を波形整
形し検出デイジタル信号を作る。ここで得られた
検出デイジタル信号には通常少なくともデイスク
に書きこまれた情報信号固有の最大反転間隔ｔ毎
の立ち上がり、あるいは立ち下がりのエツジが存
在する。例えばデジタルオーデイオデイスクの場
合を例にとると最大反転間隔は11T（Ｔ≒
230nsec）である。ここで、エツジ間隔検出器７
で検出デイジタル信号の片エツジ、あるいは両エ
ツジの間隔を調べれば、デイスクの欠陥で情報信
号が欠落すると情報信号固有の最大反転間隔以上
の通常、極めて長い期間エツジがこないのでデイ
スクの欠陥を検知できる。具体的には再トリガ可
能な単安定マルチバイブレータが用いられてい
る。しかし、上記の構成の従来例ではデイスク欠
陥を光スポツトが通過した直後の光スポツトとト
ラツクとのずれ、またはトラツキング制御系の振
動によつておきる再生信号のくぼみで、デイスク
欠陥検知信号の立ち上がりが遅れたり、ばたつく
という現象がおき、結果としてトラツキング制御
系を不安定なものにしていた。

発明の目的 本発明の目的は上記した従来の欠点を解消し、
情報信号の欠落や透明保護層の表面、あるいは内
部の傷や汚れ等のデイスク欠陥に対して安定なト
ラツキング制御が可能な光学的情報再生装置を提
供することである。

発明の構成 本発明の光学的情報再生装置は透明保護層で覆
われた情報記録面上の同心円状もしくは渦巻状の
情報トラツクに最大反転間隔が制限されたデイジ
タル情報が記録されたた情報記録担体の上記記録
面に上記透明保護層を透して光スポツトを集束
し、上記デイジタル情報を光学的に光量変化とし
て検出して、この光量変化を電気信号に変換した
読み取り信号を出力すると共に、トラツキング誤
差に応じたトラツキング誤差信号を出力する光学
ヘツドと、上記光スポツトが上記情報トラツクに
追述するように制御するトラツキング制御手段
と、上記読み取り信号を増幅して再生信号をとり
だす増幅手段と、上記再生信号のうち光学ヘツド
が検出する光量の極大値に相当するレベルと極小
値に相当するレベルの間の適当なレベルを作る基
準信号作成手段と、上記再生信号と上記基準信号
を減算して差信号をとり出す減算手段と、差信号
のうち光学ヘツドが検出する光量の極大側に相当
する信号のみを取り出す整流手段と、その整流手
段の出力信号より欠陥検知信号を出力する欠陥判
別手段と、上記欠陥検知信号が出力されたときに
欠陥直前の上記トラツキング誤差信号を保持ある
いは所定電圧に置き換える信号処理手段とを具備
する様に構成したものであり、これによつて情報
記録面の情報信号の欠落、透明保護層の表面ある
いは内部の傷や汚れに対して安定なトラツキング
制御がかかる様にしたものである。なお、光学的
情報再生装置では、デイスク半径方向の制御を行
なうトラツキング制御とデイスクの面に垂直な方
向の制御を行なうフオーカス制御とが一般に必要
であるが、これらはいずれも広い意味ではトラツ
キング制御と見なすことができ、従つて、ここで
いうトラツキング制御とはそれらの両方を含むも
のとする。

実施例の説明 以下、本発明の実施例について、図面を参照し
て説明する。第２図は本発明の一実施例における
トラツキング制御装置部の要部ブロツク図を示す
もので、１はデイスク、１ａはこの情報記録面、
１ｂは透明保護層である。２は光学ヘツド、３は
増幅器、９は誤差検出回路、１０は信号処理手
段、１１は駆動回路、１２はアクチユエータ、１
３は波形整形器、１４は基準信号作成手段、１５
は減算手段、１６は整流手段、１７は高域通過フ
イルタ、１８は比較器、１９はエツジ間隔検出
器、２０は欠陥検知回路、２１は傷判別手段であ
る。

以上のように構成された本実施例のトラツキン
グ制御装置について以下、その動作を説明する。。

光学ヘツド２はデイスク１から情報を読み取つ
て読み取り信号を出力すると共にトラツキング誤
差を光学的に検出して、トラツキング誤差に応じ
て変化するトラツキング誤差検出信号を出力す
る。誤差検出回路９はそのトラツキング誤差検出
信号からトラツキング誤差にほぼ比例して変化す
るトラツキング誤差信号を抽出する。通常動作時
には上記トラツキング誤差信号は信号処理手段１
０をそのまま通過して駆動回路１１で電力増幅さ
れアクチユエータ１２をトラツキング誤差を打ち
消す様に動かしてトラツキング制御を行なう。

一方、情報信号の欠落や透明保護層の表面ある
いは内部の傷や汚れ等のデイスク欠陥があつた場
合は欠陥検知手段２０からデイスク欠陥検知信号
が出され、その間、信号処理手段１０は上記欠陥
のために上記トラツキング誤差信号に混入する雑
音によつてトラツキング制御が乱されにくいよう
な処理を行なう。具体的には上記欠陥直前のトラ
ツキング誤差信号の保持や、トラツキング誤差信
号に含まれる高域成分の遮断等を行なつて所定電
圧に置き換える等の処理を行なう。

次に欠陥検知手段２０についてその動作を第３
図の信号波形図を用いて詳しく説明する。第３図
において、Ａの２２は増幅器３から出力される再
生信号、２３は上記再生信号から基準信号作成手
段１４によつて作られる基準信号、Ｂの２４は上
記再生信号２２と上記基準信号２３とを減算手段
１５で減算した差信号、Ｃの２５は整流手段１６
で差信号２４のうち光学ヘツド２が検出する光量
の極大値に相当する側のみを通す様に整流手段１
６で整流された整流手段出力信号、Ｄの２６は整
流手段出力信号２３の高域成分のみをとり出す高
域通過フイルタ１７の出力信号、Ｅの２７は高域
通過フイルタ出力信号２６を比較器１８で波形整
形した検出デイジタル信号の各波形である。な
お、第３図において、各信号は上記光学ヘツド２
が検出する光量が増すとき正の方向に変化するも
のとする。以下、各信号の正の側の包絡線を明レ
ベル負の側の包絡線を暗レベルと書くことにす
る。第３図ＡにおいてＡ〜Ｂの期間は通常再生
時、Ｂ〜Ｃは上記光スポツトがデイスク欠陥上を
通過している期間、Ｃ〜Ｈはデイスク欠陥上を通
過した直後のトラツキング誤差によつてトラツキ
ング制御系が制定するまでの期間である。傷通過
時は高域通過フイルタの出力信号がとぎれるので
傷を検出する。光スポツトがデイスク欠陥上を通
過している間Ｂ〜Ｃは光学ヘツドに入る入射光量
が落ちるため再生信号の明レベル、暗レベル共に
減少するが、傷通過後のトラツキング制御系が制
定するまでの期間Ｃ〜Ｈでは暗レベルのみ揺れて
明レベルの変化はほとんど生じない特徴をもつ。
従来例ではトラツキング制御系が制定するまでの
期間Ｃ〜Ｈの間で、基準信号２３より再生信号の
暗レベルが高い期間Ｄ〜ＥおよびＦ〜Ｇの期間で
デイジタル検出信号がとぎれる為、誤まつた欠陥
検知信号を出力する場合があつた。基準信号作成
手段１４は再生信号２２の明レベルの落ちこみよ
り十分に長い放電時定数の包絡線検波器の出力を
実質的に減衰されたものを用いるか、あるいは簡
単に低域通過フイルタを用いても良いし、デイス
クから戻る平均光量のばらつきが小さい場合は単
に一定レベルの直流を発生しても良い。デイスク
の透明保護層表面の傷、汚れによつて上記再生信
号の明レベルが落ち込むまでの時間tdは、透明保
護層の厚みをＤ、その屈折率をｎ、光スポツトを
集束する光学ヘツドの集束レンズの開口数を
NA、トラツクの線速度をＶとしたとき、 td≒Ｄ／｛Ｖ√（）²−１｝ であるので、基準信号作成手段１４に包絡線検波
器あるいは低域通過フイルタを用いる場合は、そ
れぞれの放電時定数は前記のtdより長くしておけ
ば良い。減算手段１５では例えば演算増幅器等を
用いた差動増幅器で上記再生信号と上記基準信号
の差をとるようにすれば良い。整流手段１６では
差信号の明レベル側を整流する。高域通過フイル
タ１７によつて暗レベルの変動成分を取りさる様
に時定数を選べば、傷通過後のトラツキング誤
差、外乱振動によるトラツキング誤差等でおきる
再生信号の暗レベルの変動が上記基準信号をこえ
る事があつても第３図Ｄの様にレベルが変動する
だけで再生信号の情報成分は確実にＯを交差しデ
イジタル検出信号のエツジがとぎれる事はない。
具体的にはトラツキング制御系の周波数帯域を
_nax、情報信号の最大反転間隔をt_naxとしたとき
高域通過フイルタの時定数〓を、 t_nax／2π＜τ＜１／2π _nax の様に選らべば良い。また、場合によつて高域通
過フイルタの時定数を充分小さくとれず、暗レベ
ルの変動成分が残る場合には、比較器１８の比較
電圧に適当なオフセツトを加えてもよい。

傷判別手段としては上記の方法のみに限定され
ず例えば、単に、整流手段の出力信号を適当な時
定数をもつた低域通過フイルタを通した後、その
出力がある一定レベル以下になつたとき欠陥検知
信号を出力する様にしてもよい。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明は最大
反転間隔が制限されたデイジタル情報が記録され
たデイスクから集束された光スポツトによつて信
号を読みとつて読みとり信号を出力するととも
に、トラツキング誤差を光学的に検知してトラツ
キング誤差検出信号を出力すると共に、トラツキ
ング誤差に応じたトラツキング誤差信号を出力す
る光学ヘツドと、上記光スポツトをトラツクに追
述させるトラツキング制御手段と、上記読み取り
信号を増幅した再生信号を作る増幅手段と、上記
再生信号のうち光学ヘツドが検出する光量の極大
値に相当するレベルと極小値に相当するレベルの
間の適当なレベルを作る基準信号作成手段と、上
記再生信号と上記基準信号を減算し差信号をとり
出す減算手段と、差信号のうち光学ヘツドが検出
する光量の極大値に相当する信号のみをとりだす
整流手段と、その整流手段の出力信号より欠陥検
知信号を出力する欠陥判別手段と、上記欠陥検知
信号が出力されたときに欠陥直前の上記トラツキ
ング誤差信号を保持あるいは所定電圧に置き換え
る信号処理手段とを具備する様にしたもので、こ
のようにすることによつて上記欠陥検知手段が光
スポツトがデイスク欠陥を通過直後のトラツキン
グ誤差あるいは外乱振動によるトラツキング誤差
による再生信号のうねりで誤動作しなくなり、デ
イスク欠陥があつたときもトラツキングが乱され
にくくなるというすぐれた効果が得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光学的情報再生装置のトラツキ
ング制御装置部のブロツク図、第２図は本発明の
一実施例おけるトラツキング制御装置部のブロツ
ク図、第３図は同本発明の実施例における各部の
信号波形図である。 １……デイスク、２……光学ヘツド、３……増
幅器、９……誤差検出回路、１０……信号処理手
段、１１……駆動回路、１４……基準信号作成手
段、１５……減算手段、１６……整流手段、１７
……高域通過フイルタ、１８……比較器、１９…
…エツジ間隔検出手段、２０……欠陥検知手段、
２１……傷判別手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 透明保護層で覆われた情報記録面上の同心円
   状もしくは渦巻状の情報トラツクに最大反転間隔
   が制限されたデイジタル情報が記録された情報記
   録担体の上記情報記録面に上記透明保護層を透し
   て光スポツトを集束して上記デイジタル情報を光
   学的に光量変化として検出し、その光量変化を電
   気信号に変換した読み取り信号を出力すると共に
   トラツキング誤差に応じたトラツキング誤差信号
   を出力する光学ヘツドと、上記光スポツトが上記
   情報トラツクに追従するように制御するトラツキ
   ング制御手段と、上記読み取り信号を増幅して再
   生信号をとりだす増幅手段と、上記再生信号のう
   ち、光学ヘツドが検出する光量の極大値に相当す
   るレベルと極小値に相当するレベルの間の適当な
   レベルを作る基準信号作成手段と、上記再生信号
   と上記基準信号を減算して差信号をとり出す減算
   手段と、差信号のうち光学ヘツドが検出する光量
   の極大側に相当する信号のみを取り出す整流手段
   と、その整流手段の出力信号より欠陥検知信号を
   出力する欠陥判別手段と、上記欠陥検知信号が出
   力されたときに欠陥直前の上記トラツキング誤差
   信号を保持あるいは所定電圧に置き換える信号処
   理手段とを具備してなることを特徴とする光学的
   情報再生装置。 ２ 基準信号は再生信号を低域通過フイルタに通
   すことによつて得、上記低域通過フイルタの時定
   数は、透明保護層の厚さをＤ、その屈折率をｎ、
   光スポツトを集束する集束レンズの開口数を
   NA、情報トラツクの上記光スポツトに対する相
   対線速度をＶとしたとき、 Ｄ／｛Ｖ√（）²−１｝ よりも大きいことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の光学的情報再生装置。 ３ 欠陥判別手段は、整流手段の出力信号より高
   域成分をとり出す高域通過フイルタと、上記高域
   通過フイルタの出力を波形整形して検出デイジタ
   ル信号を出力する波形整形手段と、その検出デイ
   ジタル信号のエツジ間隔が所定の長さ以上になつ
   たことを検出して欠陥検知信号を出力するエツジ
   間隔検出手段を含めて構成されていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の光学的情報再
   生装置。 ４ 整流手段の出力信号より高域成分をとり出す
   高域通過フイルタの時定数を〓、情報信号の最大
   反転間隔をt_nax、トラツキング制御系の周波数帯
   域を〓_naxとしたとき、 t_nax／2π＜τ＜１／2π _nax に選定したことを特徴とする特許請求の範囲第３
   項記載の光学的情報再生装置。