JPH0444104B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 内燃機関、特にデイーゼル機関における燃料
噴射のためのポンプノズルであつて、ピストン噴
射ポンプ１２を受容しかつ噴射ノズル１４を保持
するポンプケーシング１１が、プランジヤ２３を
介して機関カム軸２２によつて操作可能でかつポ
ンプシリンダ２１内で摺動可能であるポンプピス
トン１３と、該ポンプピストン１３によつて負荷
されるポンプ作業室１５とを受容し、このポンプ
作業室１５に、側方で接続する圧力通路１６を介
して噴射ノズル１４が接続されており、またポン
プピストン１３の縦軸線Ａに対して少なくともほ
ぼ直角に側方突出したケーシング付加部１１ａ
に、内燃機関のシリンダヘツド１８の受容孔１７
内にそう入された噴射ノズル１４がねじ留められ
ており、またポンプケーシング１１の、機関カム
軸２２と反対側の端区分１１ｂの範囲内に位置し
て、ポンプピストン縦軸線Ａの方向で見て噴射ポ
ンプ１２の最も外側の軸線方向部分を形成する支
持面２４ｂが、内燃機関のシリンダヘツド１８に
形成された支持部２５に当接している形式のもの
において、支持部２５；２５′に当接する支持面
２４ｂ；２４b′が、ポンプピストン縦軸線Ａの延
長上でポンプシリンダ２１内にそう入されかつ自
らの内側端面２４ａを以つてポンプ作業室１５を
気密に閉鎖している対応ピストン２４；２４′の、
外方へ向いた端面によつて形成されていることを
特徴とする、内燃機関における燃料噴射のための
ポンプノズル。

２ 対応ピストン２４；２４′が非固定的なピス
トンとして形成されてポンプシリンダ２１の、均
一な直径Ｄを以つてポンプケーシング１１の端区
分１１ｂまで形成されている延長部２１ａ内には
め入れられている、請求の範囲第１項記載のポン
プノズル。

３ 対応ピストン２４′の套壁面内に少なくとも
２つのリング溝２６，２７が形成されており、こ
の内のポンプ作業室１５に最も近いリング溝が、
漏洩燃料導管２９に接続された漏洩燃料案内溝２
６として働き、次のリング溝２７がシールリング
３１を受容している、請求の範囲第２項記載のポ
ンプノズル。

４ 対応ピストン２４′の支持面２４b′が、ポン
プケーシング１１の端区分１１ｂと対応ピストン
２４′の半径方向突出部３２とに支持されたばね
部材３３のプレロード力のもとで支持部２５′に
対して押付けられている、請求の範囲第２項又は
第３項記載のポンプノズル。

５ 対応ピストン２４′のための支持部２５′が、
内燃機関のシリンダヘツド１８内にねじ留められ
かつ位置確保的に固定された調節可能なねじ部材
によつて形成されている、請求の範囲第１項記載
のポンプノズル。

６ 対応ピストン２４′の半径方向突出部３２が、
第３のリング溝２８内にそう入されたスナツプリ
ングから形成されている、請求の範囲第４項記載
のポンプノズル。

従来の技術 本発明は請求の範囲第１項の上位概念部分に記
された形式のポンプノズルに関する。ドイツ連邦
共和国特許出願公開第3226238号明細書で公知の、
上記形式を有するポンプノズルにおいては、１つ
の共同のポンプケーシング内のピストン噴射ポン
プと噴射ノズルとが、内燃機関のシリンダヘツド
に配設された１つの構造ユニツトにまとめられて
いる。従来慣用の同軸的な、即ち直列に配置され
る構造と異なり、この公知のポンプノズルにおい
てはポンプピストンの、噴射ポンプの作動線とし
ても示された縦軸線と、噴射ノズルの縦軸線とが
有利に直角を以つて互いに位置している。この手
段はコンパクトな構造を可能としかつシリンダヘ
ツドの、噴射ノズルのための受容孔から離れて位
置する個所でポンプ力を受容するためのものであ
る。この公知例の有する利点は、噴射ノズルの直
径と構造形状及びシリンダヘツド内でこのノズル
を取り囲む壁の厚さが最適に設計され得ることで
ある。これは極めて高い、例えば200Nの大きさ
であるポンプ力がシリンダヘツドの、相応して厚
く設計され得る個所で受容されることによつて可
能である。更にこの公知例の明細書の第２図に示
されたポンプノズルは、カム軸と反対側の端面の
支持面を以つてシリンダヘツドの対応する面に支
持されている。またポンプピストン縦軸線に対し
て側方に角度を以つて配置された噴射ノズルはシ
リンダヘツド内の受容孔によつて受容されて、内
燃機関の作業シリンダ内に突入しており、ポンプ
力及び緊締力の伝達は行なわない。しかしこの構
造の欠点は、噴射ノズルに緊張及び締付け力を作
用せしめないためには、支持面及び側方配設され
た噴射ノズル及びシリンダヘツド内の受容孔の位
置許容誤差を極めて小さくしなければならないこ
とである。しかしこのことは、シリンダヘツドに
は極めて大きな差の熱が作用し、シリンダヘツド
とポンプケーシングとの熱膨張は製造誤差に加え
て、取付け位置におけるずれ相違を引き起すので
極めて危険である。従つて本発明の目的は、大き
な熱相違及び所与の製造誤差においても、噴射ノ
ズルに負荷力が作用しないように、ポンプ力をシ
リンダヘツド内で受け止めることである。

発明の利点 特許請求の範囲第１項記載の特徴を有する本発
明によるポンプノズルにおいては、支持部に当接
すべき支持面を形成する外側端面を有する対応ピ
ストンによつて、ポンプ作業室内の噴射圧から惹
起されるポンプ力が直接にシリンダヘツド内に伝
達され、しかもこの際にその力がポンプケーシン
グ内に導入されることはない。これによつてポン
プピストンの縦軸線に対して少なくともほぼ直角
に突出したケーシング付加部に配設された噴射ノ
ズルと、所属の受容孔とはポンプ力からは完全に
負荷解除されている。また請求の範囲第２項記載
の実施態様によれば、非固定的なピストンとして
形成されてポンプシリンダの、均一な直径を以つ
てポンプケーシングの端区分まで形成されている
延長部内にはめ入れられている対応ピストンによ
つて、ポンプピストンから圧力下にある燃料を介
して対応ピストンに伝達されたポンプ力が完全に
支持部内に導入される。更にポンプシリンダ内の
適切に形成された孔区分を以つてポンプピストン
と対応ピストンとに僅かな直径相違を付与するこ
とによつて圧力シヨルダを形成し、このシヨルダ
によつて、例えばプランジヤばねによつて惹起さ
れる付加的な駆動力を補償することが可能であ
る。

更に別の有利な手段及び実施態様は請求の範囲
第３項から第６項に記されている。請求の範囲第
３項記載の手段によれば、小さな寸法誤差におい
ても不可避である漏洩燃料を漏洩燃料導管だけに
向つて導出することが可能である。また請求の範
囲第４項の手段によつて対応ピストン及びポンプ
ケーシングに支持されたばね部材は、支持部への
対応ピストンの、常に伝力接続的でポンプピスト
ンの吸込み行程時にも有効な支持作用を形成せし
めかつ、そのプレロード力F₂を以つて噴射ポン
プのプランジヤばねの相応する平均プレロード力
F₁を補償する。これによつて付加的に駆動機構
によつて形成されてポンプケーシングを負荷す
る、ポンプ圧に比べれば小さい駆動力に対しても
噴射ノズルは十分に守られ、この駆動力はやはり
対応ピストンを介して支持部に伝達される。更に
請求の範囲第５項記載の実施態様によつて形成さ
れる支持部の調節可能性によれば製造誤差が補償
され、プレロード力F₂及びポンプ作業室のムダ
〓間又は容積が調節可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明によるポンプノズルの２つの実施
例を示すものであつて、第１図は内燃機関のシリ
ンダヘツド内に組み込まれた、第１実施例による
ポンプノズルの略示縦断面図、第２図は第２実施
例によるポンプノズルを示す縦断面図である。

実施例の説明 第１図に略示された本発明の第１実施例による
ポンプノズル１０においては、ポンプケーシング
１１がピストン噴射ポンプ１２を受容し更に、ポ
ンプピストン１３の縦軸線Ａに対して直角に配置
された公知構造の噴射ノズル１４を保持してい
る。この噴射ノズル１４は、ポンプ作業室１５か
ら側方に走出している圧力通路１６を介して該ポ
ンプ作業室１５に接続されておりかつ、ポンプケ
ーシング１１の、ポンプピストン１３の縦軸線Ａ
に対して少なくともほぼ直角に側方に突出したケ
ーシング付加部１１ａにねじ留められている。

噴射ノズル１４は所属の内燃機関のシリンダヘ
ツド１８の受容孔１７内にそう入され、それ自体
公知の方法で緊締つめ又は控えボルト１９を介し
て当該のシリンダヘツド１８に固定されている。
この固定によつてポンプノズル１０全体がシリン
ダヘツド１８に保持されており、何故なら後述の
本発明によるポンプノズル１０の構造によつて噴
射ポンプ部分の付加的な固定手段が不要となつて
いるからである。

ポンプシリンダ２１内に滑動可能に案内された
ポンプピストン１３は、内燃機関の機関カム軸２
２のカム２２ａによつて、プランジヤ２３の介在
のもとで行程方向、即ち自らの縦軸線の方向で作
動せしめられ、この際にポンプ作業室１５を負荷
する。ポンプシリンダ２１の１区分から形成され
たこのポンプ作業室１５は、片側をポンプピスト
ン１３によつて、他方側を対応ピストン２４の内
側の端面２４ａによつて、また所属の各部材の適
切にぴつたりしたはめ合いを以つて気密に閉じら
れている。対応ピストン２４の、内側の端面２４
ａと逆側で外方へ向いた端面２４ｂは、圧力作用
のもとでポンプ作業室１５内に存在する燃料の油
圧力によつて支持部２５に当接し、従つて該端面
２４ｂは以下では支持面と称する。支持部２５は
シリンダヘツド１８の１固定部分であつて、ポン
プピストン駆動装置によつて生ぜしめられてポン
プ作業室１５内の圧力作用下の燃料を介して対応
ピストン２４に伝達されるポンプ力又は反動力Ｆ
を全て受容し、従つてポンプケーシング１１は十
分に負荷軽減されている。非固定的なピストンと
して形成された対応ピストン２４はこのために、
ポンプケーシング１１の、機関カム軸２２と反対
側の端区分１１ｂの範囲内でポンプシリンダ２１
の、均一な直径Ｄを以つてこの端区分１１ｂまで
形成された延長部２１ａ内にはめ入れられてい
る。この場合該対応ピストン２４の支持面２４ｂ
は噴射ポンプ１２のポンプピストン縦軸線Ａの方
向での延びの、軸線方向で最も外側の部分を形成
している。

ポンプピストン１３の駆動力からポンプ作業室
１５内の燃料に伝達される押し力自体によつて更
に、２つの方向で作用する反動力又はポンプ力Ｆ
が形成される。半径方向に作用する力は消される
のでポンプケーシング１１は対応ピストン２４の
使用によつて、ポンプピストン１３の縦軸線Ａの
方向での作用力による負荷からは十分に解放され
ており、それによつてポンプノズル１０のアング
ル構造による低い構造高さという公知の利点の他
に、シリンダヘツド１８内への噴射ノズル１４の
製造誤差に影響を受けずかつポンプ力による負荷
から解放された結合構造という、本発明による特
に大きな利点が得られている。

第２図には実際的に形成された本発明による第
２実施例の拡大詳細図が示されており、第１図の
例とほぼ同じ部材には同じ記号が、多少異なる部
材には記号に′が、更に全く新しい部材には新し
い記号が付されている。

つばを有さない完全円筒状の部材として形成さ
れ同一直径を有する対応ピストン２４′の套壁面
には、ポンプ作業室１５の方から見て連続して位
置する３つのリング溝２６，２７，２８が形成さ
れており、この内のポンプ作業室１５に最も近い
リング溝２６が、漏洩燃料導管２９に接続された
漏洩燃料戻し溝として働いている。第２のリング
溝２７は、漏洩燃料の外方流出を防ぐべきシール
リング３１を受容しており、また第３のリング溝
２８内には半径方向突出部を形成するスナツプリ
ング３２がそう着されている。対応ピストン２
４′の、外方へ向いた端面から形成された支持面
２４b′は、前述の例では皿ばねから形成されたば
ね部材３３のプレロード力のもとで支持部２５′
に対して押しつけられており、このばね部材３３
の片側は対応ピストン２４′の、スナツプリング
３２によつて形成された半径方向突出部に支持さ
れまた他方側はポンプケーシング１１の端区分１
１ｂに支持されている。

対応ピストン２４′のための支持部２５′は、内
燃機関のシリンダヘツド１８内にねじ入れられて
位置確保的に固定されかつ、自らの組込み位置の
調節のために位置調節可能なねじ部材から成つて
いる。これによつて組込み誤差が補償可能であ
る。更に支持部２５ａを右に回し出した状態でポ
ンプノズル１０′の組込みが容易に可能となり、
また対応ピストン２４′組込み位置は無段階に調
節可能である。この際に一方では製造誤差が補償
され得、他方ではばね部材（皿ばね）３３のプレ
ロード力F₂が、F₁で示された力と同じになるま
で変化せしめられ得る。この力F₁は、ポンプピ
ストン１３の行程運動時にプランジヤ２３からプ
ランジヤばね３４へ、そして該プランジヤばね３
４からプランジヤ２３のためのガイドスリーブ３
５のフランジ３５ａを介してポンプケーシング１
１に伝達されるプレロード力の平均値を示してい
る。力F₁とF₂を示す各矢印は見易くするために
外にずらして図示されている。本発明の構造によ
るポンプノズル１０′の純粋に構造スペースに関
する利点は第２図から特に明らかである。