JPH0443897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は誘電体と、誘電体を介して配設された
放電電極及び励起電極を備え、両電極の近傍にイ
オンを発生させ、特に、複写機、フアクシミリ等
の静電記録装置における除・帯電器として用いら
れるのに好適な放電装置に関する。

（従来技術） 複写機、フアクシミリ等の静電記録装置の除・
帯電器等として、従来使用されていた細線型コロ
ナ放電器に代わつて板状の固体放電装置の実用化
が計られている。

ところで上記板状の固体放電装置は、長手方向
で放電が均一に生じにくく、被帯電体を均一に帯
電または除電することが困難であつた。

放電を均一にするために、放電電極と励起電極
間に印加する交流電圧を高める方法も考えられる
が、この場合、オゾンを多量に発生し、放電電極
を破壊したり、誘電体面を変質させる問題があ
る。

（目的） 本考案は上記した従来例の不具合を解消し、特
に固体放電装置において、低い印加電圧で被帯電
体を均一に帯電または除電することが出来る放電
装置を提供することを目的とする。

（構成） このために本考案における放電装置は、細線状
に構成された放電電極と、誘電体を介して放電電
極との間に交流電圧が印加され、放電電極と交叉
する分割された複数の電極を有する櫛歯状に形成
された励起電極を備えたものである。

以下、本考案を図面に基づき説明する。

本考案の一実施例を第１図に示す。また固体放
電装置１のAAにおける断面図および被帯電体２
０との位置関係を第２図に示す。

固体放電装置１は、絶縁体基板２と放電電極３
と励起電極４と誘電体５からなり、励起電極４は
第１図に示すように、放電電極３と交差して配設
される複数の帯状の導電部材４ａで構成され櫛歯
状となつており、各々の導電部材４ａは電気的に
接続されている。各々の導電部材は等ピツチ（第
１図Ｐ）で配設される。固体放電装置１は、被帯
電体２０に対して立てて配設される。

この様に構成された固体放電装置において、放
電電極３と励起電極４との間に交流電圧を印加
し、放電電極３の近傍に正負のイオンを発生さ
せ、放電電極３または励起電極４と被帯電体（例
えば感光体）２０との間にバイアス電圧を印加し
て被帯電体２０を所定の極性に帯電させる。バイ
アス電圧を印加する代わりに、交流電圧の一部ま
たは全てを整流しても良い。また、除電装置とし
て使用するときは、交流電圧を印加するだけ又は
低いバイアス電圧でも良い。

従来の固体放電装置は前述したように、励起電
極が１枚の平板状の導電部材で構成されており、
放電電極と励起電極との間のキヤパシタンスの不
均一、放電電極端部の形状、材質の不均一等によ
つて長手方向で放電ムラを生じ、特に交流印加電
圧の低い、放電開始電圧に近い場合は、均一な
除・帯電を行うことが困難であつた。また、放電
を均一にするために、交流電圧を高める方法もあ
るが、この方法だとオゾン等の放電による生成物
が多量に発生する。

ところが本考案では、励起電極４の形状を第１
図に示す様に、複数の帯状の導電部材４ａで構成
しているため、各々の導電部材４ａと放電電極３
との間のキヤパシタンスの少々の不均一さは無視
され、交流印加電圧が低くても、励起電極の帯状
端部での放電開始電圧がフリンジング効果で低く
なることより、多数の放電開始点を長手方向に設
けることにより、結果的に均一な除・帯電が可能
となる。

被帯電体２０との距離Ｈ（第２図）が小さいと
励起電極のピツチ（第１図）に従つた不均一な
除・帯電となるが、距離Ｈを大きくすると均一な
除・帯電が行える。実際に誘電体５の厚みを0.2
ミリメートルとして、帯電器として使用したとこ
ろ励起電極４のピツチＰ＝１ミリメートルの時
は、被帯電体２０との距離Ｈを６ミリメートル以
上にすれば、ピツチＰに従つた帯電跡は見られ
ず、均一な帯電が行えた。誘電体の厚みを1.0ミ
リメートルとすると、ピツチＰ＝１ミリメートル
の時、距離Ｈを４ミリメートル以上にすれば均一
な帯電が行え、ピツチＰ＝２ミリメートルの時で
も距離Ｈを７ミリメートル以上にすると均一な帯
電が行えた。

本考案の変形例を第３図乃至第９図に示す。

第３図は固体放電装置１を被帯電体２０に対し
て平行に配設した例である。第１図乃至第３図ま
では放電電極３が誘電体５上に固定して配設され
た固体放電装置を示したが、第４図に示す様に、
放電電極３が架線された放電装置１０としても良
い。尚、第４図には放電装置１０を被帯電体２０
に対して立てて配設した例を示したが、第３図の
様に、放電装置１０を被帯電体２０に平行に配設
しても良い。

第５図は、帯状の導電部材４ａを各々２カ所
（両端）で接続して励起電極４とした例である。

第６図は、帯状の導電部材４ａを中央部で接続
して、励起電極４とし、放電電極３を２本配設し
た例である。

第７図は、放電電極３を励起電極４より外側に
設けた例である。

第８図は、放電電極３を固体放電装置１の長手
端面に設けた例である。

第９図は第８図の固体放電装置１のAAにおけ
る断面を示した図である。

第５図乃至第９図において、放電電極３を誘電
体上に固定して固体放電装置１としても、放電電
極３を架線して放電装置１０として使用しても良
い。

（効果） 本考案は以上述べたとおりのものであり、本考
案に係る放電装置を使用することにより、交流印
加電圧を高めることなく、均一な除・帯電を行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の実施例に係る放電装置の平面
図、第２図は第１図Ａ−Ａ断面と被帯電体との位
置関係を示す図、第３図、第４図、第５図、第６
図、第７図、第８図はそれぞれ異なる変形実施例
を示す図、第９図は第８図Ａ−Ａ線断面図であ
る。 ３……放電電極、４……励起電極、５……誘電
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 誘電体と、該誘電体を介して配設された放電電
   極及び励起電極と、前記放電電極の近傍にイオン
   を発生させるために、前記放電電極と前記励起電
   極との間に交流電圧を印加する手段と、前記放電
   電極または前記励起電極と被帯電体との間にバイ
   アス電圧を印加する手段とを有する放電装置にお
   いて、前記放電電極は細線状に構成され、前記励
   起電極は前記放電電極と交叉する分割された複数
   の電極を有する櫛歯状に形成されていることを特
   徴とする放電装置。