JPH0443890Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機、印刷機等の転写紙に画像を
形成する装置における転写紙の搬送路に設けられ
る紙検知スイツチの保護装置に関する。

（従来技術） 複写機などの転写紙の搬送路には、用紙の搬送
時の搬送位置、タイミングの検知手段として、通
常、紙検知スイツチが設けられている。そして、
このスイツチのレバーなどでなるアクチユエータ
は搬送路を形成するガイド板に開けられた切り欠
き穴を通して搬送路中に臨むように取付けられて
いる。

ところで、搬送路中で紙づまり、すなわち、ジ
ヤムを生じたときの用紙を取除く作業を容易と
し、また、通常のメンテナンスを行うために、複
写機などの装置本体を上下のケースに分け、その
一側部を支点として上下ケースを回動させ、搬送
路部分を開放することができるようにした構造の
ものが広く用いられている。ところが、この構造
の場合、搬送路部分を開放しジヤム処理を行う際
に、ジヤムを起こした用紙とか人の手指が上記ス
イツチのアクチユエータに引つ掛かり、これを破
損する虞れがあり、そのようなことになると、用
紙の確実な搬送性能を維持できなくなるといつた
問題を有していた。

また、大容量給紙を行う、いわゆるスペシヤル
カセツトの場合、複写機本体から抜き取つた状態
においても、前記と同様の問題を生じる。

（考案の目的） 本考案は上記問題点を解消するもので、紙検知
スイツチの破損を防止し、搬送性能を確実に保つ
ことが可能な複写機等のスイツチ保護装置を提供
することを目的とする。

（考案の構成） 本考案は、転写紙の搬送路を開放し得るように
構成された複写機等において、転写紙の搬送路に
臨んで一方向に付勢された可動板と、この可動板
に形成した開口を通して搬送路中における転写紙
の到達を検知する紙検知スイツチのアクチユエー
タを設け、かつ、搬送路の開閉操作に応動して上
記可動板を移動させる機構を設け、搬送路を閉じ
たとき上記可動板がその付勢力に抗して移動させ
られることにより紙検知スイツチのアクチユエー
タが上記可動板の開口を通して搬送路中に突出
し、搬送路を開放したとき上記可動板がその付勢
力により移動させられることにより紙検知スイツ
チのアクチユエータが上記可動板の開口から没し
て隠蔽されるようにした複写機等のスイツチ保護
装置にある。

この構成により、ジヤム処理などのために搬送
路を開放したとき紙検知スイツチのアクチユエー
タが可動板により隠蔽され、スイツチの保護が図
れる。

（実施例） 第１図〜第４図により本考案の一実施例を説明
する。第１図は転写紙の搬送路を開放したとき、
すなわち、本体の上ケース１と下ケース２とを開
いた状態を、第２図は転写紙の搬送路を閉じたと
き、すなわち、上下ケース１，２を閉じた状態を
示す。上ケース１と下ケース２は、これらの一側
部が回動軸３により枢支され、転写紙の搬送路を
境界に開閉し得るように構成されている。上ケー
ス１側には、像形成手段としての感光体ドラム４
およびその周辺機器が設けられ、さらに、搬送路
を形成する部材として搬送ガイド板上５ａ，６
ａ、転写前ガイド板７ａが順次固定され、また、
駆動源（図示せず）に連結された搬送ローラ上８
ａ、レジストローラ上９ａ、転写前搬送ローラ上
１０ａがそれぞれ設けられている。また、上記搬
送ガイド板上６ａには下方へ突出した押し下げ部
１１が一体に設けられている。

一方、下ケース２には、その一側に転写紙１２
が収容された給紙カセツト１３が装着され、ま
た、この給紙カセツト１３内の転写紙１２を給紙
するための駆動源に連結された給紙ローラ１４が
設けられている。さらに、上記搬送路を形成する
部材と対をなす搬送ガイド板下５ｂ，６ｂ、転写
前ガイド板７ｂが設けられ、これらの内、搬送ガ
イド板下６ｂは可動であつて、一端部（上流側）
にばね１５が掛けられるとともに中間部が回動自
在に支持され、他端部（下流側）が上記ばね１５
の作用により上方へ付勢されている。また、この
搬送ガイド板下６ｂには第３図に示すように開口
１６が形成され、この開口１６を通して、下ケー
ス２に取付けた転写紙の到達を検知する紙検知ス
イツチ１７のレバーなどのアクチユエータ１８が
下方から搬送路中に突出し得るように設けられて
いる。また、上記搬送ローラ上８ａ、レジストロ
ーラ上９ａ、転写前搬送ローラ上１０ａとそれぞ
れ対となる搬送ローラ下８ｂ、レジストローラ下
９ｂ、転写前搬送ローラ下１０ｂが設けられてい
る。

また、転写前ガイド板上下７ａ、７ｂの下流側
には感光体ドラム４に対向して転写分離チヤージ
ヤ１９が配設され、さらに、その下流には転写後
の転写紙を搬送する搬送ベルト２０、定着前ガイ
ド板２１、および転写紙に転写された像を定着す
るための対になつた定着熱ローラ２２と定着圧ロ
ーラ２３が設けられている。

また、定着後の転写紙を排出するための可動の
排出前ガイド板２４および排出ローラ対２５ａ，
２５ｂが設けられ、この排出前ガイド板２４は、
ばね２６により下流端側が上方に付勢されてお
り、かつ第４図に示すように開口２７が形成さ
れ、この開口２７を通して、下ケース２に取付け
られた排出前紙検知スイツチ２８のレバーなどの
アクチユエータ２９が下方から搬送路中に突出し
得るように設けられている。上記排出ローラ対２
５ａ，２５ｂの下流側で下ケース２の他側に排紙
トレイ３０が装着されている。

また、上記搬送ガイド板下６ｂ、排出前ガイド
板２４の一側部には第３図、第４図に斜線で示す
ように当り部３１，３２を有し、この当り部３
１，３２に搬送ガイド板上６ａの押し下げ部１
１、上ケース１側の押し下げ部３３が、上ケース
１を閉じたときに当接し、ばね１５，２６に抗し
て搬送ガイド板下６ｂ、排出前ガイド板２４が押
し下げられるようになつている。なお、搬送ガイ
ド板下６ｂの一端下部にはその回動範囲を規制す
るためのストツパ３４が設けられている。

上記構成により、上下ケース１，２を開いたと
きには、搬送ガイド板下６ｂ、排出前ガイド板２
４の当り部３１，３２から押し下げ部１１，３３
が離れるため、搬送ガイド板下６ｂ、排出前ガイ
ド板２４はばね１５，２６の付勢力により上方へ
回動し、そのため紙検知スイツチ１７，２８のア
クチユエータ１８，２９は搬送ガイド板下６ｂ、
排出前ガイド板２４の各開口１６，２７から下方
へ没する。したがつて、アクチユエータ１８，２
９は搬送ガイド板下６ｂ、排出前ガイド板２４に
より隠蔽され、ジヤム処理などのために搬送路を
開放した際に、アクチユエータ１８，２９に人の
手指などが引つ掛つてアクチユエータ１８，２９
を破損するようなことを防止することができる。
一方、上下ケース１，２を閉じたときには、搬送
ガイド板下６ｂ、排出前ガイド板２４の当り部３
１，３２に押し下げ部１１，３３が当接し、搬送
ガイド板下６ｂ、排出前ガイド板２４がばね１
５，２６の付勢力に抗して押し下げられ、そのた
め、紙検知スイツチ１７，２８のアクチユエータ
１８，２９は搬送ガイド板下６ｂ、排出前ガイド
板２４の各開口１６，２７を通じて搬送路中に突
出し、本来の機能を奏するようになる。

次に、第５図〜８図により本考案の他の実施例
を説明する。本実施例は、複写機本体４１に対し
て大容量給紙装置であるスペシヤルカセツト４２
を装着するタイプのものを示す。同図において、
前述と同部材には同番号を付し、第５図は本体４
１からスペシヤルカセツト４２を抜き取つた状
態、つまり、搬送路を開放したときを、第６図は
本体４１にスペシヤルカセツト４２を挿入した状
態、つまり搬送路を閉じたときを示す。本体４１
の一側部に給紙用の開口部４３が設けられ、この
開口部４３に臨んで給紙ローラ１４が配設される
とともに、第７図に示すごとく、スペシヤルカセ
ツト４２が装着されるとき後期搬送ガイド板４５
を押し下げるための斜面を有した突起４４が設け
られている。

スペシヤルカセツト４２の上記開口部４３に挿
入される部分に搬送ガイド板４５がその一端を回
動自在に設けられ、この搬送ガイド板４５の他端
はばね４６により上方に付勢されている。また、
この搬送ガイド板４５には開口４９（第８図参
照）が形成され、この開口４９を通してスペシヤ
ルカセツト４２に取付けられた紙検知スイツチ４
７のレバーなどのアクチユエータ４８が下方から
搬送ガイド板４５上に突出し得るように設けられ
ている。

なお、第５図、第６図において、５０は本体４
１内の搬送ベルト２０の下方に配設され、搬送ベ
ルト２０上に転写紙を吸引した状態で搬送するた
めのフアン、５１は本体４１の基台である。ま
た、スペシヤルカセツト４２には第８図に示すよ
うに転写紙が載置され駆動源（図示せず）により
昇降可能な可動底板５２、およびこの可動底板５
２の上方に駆動源（図示せず）に連結された給紙
ローラ５３が設けられている。また、第８図にお
いて、５４は可動底板５２に設けられたペーパエ
ンプテイスイツチ、５５は固定の搬送ガイド板で
あり、実線で示す可動底板５２は上昇時の位置
を、仮想線で示す可動底板５２′は下降時の位置
を示す。

上記構成により、スペシヤルカセツト４２を本
体４１から抜き取つたときには、第５図に示す通
り、突起４４による搬送ガイド板４５の押圧が解
除される結果、搬送ガイド板４５はばね４６によ
り上方へ回動し、紙検知スイツチ４７のアクチユ
エータ４８は搬送ガイド板４５の下方へ没し、ア
クチユエータ４８は搬送ガイド板４５により隠蔽
される。したがつて、アクチユエータ４８を破損
するようなことは防止される。一方、スペシヤル
カセツト４２を本体４１に装着したときは、第６
図に示す通り、搬送ガイド板４５は突起４４によ
り押し下げられ、紙検知スイツチ４７のアクチユ
エータ４８は搬送ガイド板４５の上方の搬送路へ
突出し、本来の機能を奏するようになる。

また、上記いずれの実施例においても、転写紙
の搬送路を開放したときに紙検知スイツチ１７，
２８，４７のアクチユエータ１８，２９，４８を
隠蔽する部材として可動の搬送ガイド板下６ｂ、
排出前ガイド板２４、搬送ガイド板４５を用いて
いるため、別個の部材を特に設ける必要がなく、
構造の小型、簡素化およびコストの低減を図るこ
とができる。

なお、上記のごとき隠蔽のための部材として、
必ずしも搬送ガイド板を用いる必要はなく、別個
の可動部材を設けたものであつてもよい。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、転写紙の搬送路
が開放可能な構成において、搬送路中に臨む紙検
知スイツチのアクチユエータが搬送路を開放した
ときに可動板により隠蔽されるようにしたため、
ジヤム処理などのために搬送路を開放したときに
手指が引つ掛つてアクチユエータを破損するとい
つたことを防止することができ、紙検知スイツチ
の保護を図り、長期間に亘つて確実な転写紙の搬
送性を確保することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による複写機の搬送
路開放時の断面正面図、第２図は同複写機の搬送
路を閉じた時の断面正面図、第３図は同実施例に
おける搬送ガイド板下の外観図、第４図は排出前
ガイド板の外観図、第５図は本考案の実施例によ
る複写機とスペシヤルカセツトの非装着時の断面
正面図、第６図は同複写機とスペシヤルカセツト
の装着時の断面正面図、第７図は同複写機の給紙
部の外観図、第８図は同スペシヤルカセツトの外
観図である。 ６ｂ……搬送ガイド板下（可動板）、１１，３
３……押し下げ部、１５，２６，４６……ばね、
１６，２７，４９……開口、１７，２８，４７…
…紙検知スイツチ、１８，２９，４８……アクチ
ユエータ、２４……排出前ガイド板（可動板）、
４４……突起、４５……搬送ガイド板（可動板）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 転写紙の搬送路を開放し得るように構成された
   複写機等において、転写紙の搬送路に臨んで一方
   向に付勢された可動板と、この可動板に形成した
   開口を通して搬送路中における転写紙の到達を検
   知する紙検知スイツチのアクチユエータを設け、
   かつ、搬送路の開閉操作に応動して上記可動板を
   移動させる機構を設け、搬送路を閉じたとき上記
   可動板がその付勢力に抗して移動させられること
   により紙検知スイツチのアクチユエータが上記可
   動板の開口を通して搬送路中に突出し、搬送路を
   開放したとき上記可動板がその付勢力により移動
   させられることにより紙検知スイツチのアクチユ
   エータが上記可動板の開口から没して隠蔽される
   ようにしたことを特徴とする複写機等のスイツチ
   保護装置。