JPH0443883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、写真感光材料をエンドレスベルト
の移動によつて一方向に搬送するようにした搬送
装置に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、写真フイルムから焼付露光された長尺
カラーペーパをそのまま自動的に現像処理するよ
うにした写真処理機においては、第４図に示すよ
うに、プリント部２０において露光処理が施され
たカラーペーパＡを現像部２１に搬送し、現像処
理後のカラーペーパを次に乾燥部２２に搬送して
乾燥処理するようにしている。

上記乾燥部２２におけるカラーペーパＡの搬送
に際して、カラーペーパの移送路にエンドレスベ
ルト２３を設け、このエンドレスベルト２３のキ
ヤリヤ側ベルト２４に対向して熱風ダクト２５を
設け、上記熱風ダクト２５からキヤリヤ側ベルト
２４の表面側に導入されたカラーペーパＡに熱風
を吹付けてカラーペーパＡをキヤリヤ側ベルト２
４に押し付け、エンドレスベルト２３の移動によ
つてカラーペーパＡを一方向に搬送するようにし
た搬送装置が従来から存在する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記搬送装置においては、カラーペー
パの表面に対する熱風の吹付けによつてそのカラ
ーペーパＡをキヤリヤ側ベルト２４に密着させる
ため、キヤリヤ側ベルト２４に対する密着力が弱
く、カラーペーパに負荷がかかるとキヤリヤ側ベ
ルトとの間に滑りが生じ、カラーペーパを確実に
搬送することができないという不都合がある。

そこで、この考案は、上記の不都合を解決し、
キヤリヤ側ベルトに対するカラーペーパ等の写真
感光材料の密着力を高め、上記写真感光材料を確
実に搬送することができるようにした搬送装置を
提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案において
は、写真感光材料を搬送するエンドレスベルトの
移動案内用のローラを回転自在に支持する一対の
ラツクプレートと乾燥ボツクスの側板との間に通
路を形成し、各ラツクプレートにはキヤリア側ベ
ルトの表面に吹付けられた熱風を上記通路に導く
通気口を設け、前記エンドレスベルトの全体に吸
引孔を形成し、そのエンドレスベルトのキヤリヤ
側ベルトの背部には、前記通路と連通して通路を
流れる熱風の流動により吸引力が付与される吸引
チヤンバを設け、その吸引チヤンバのキヤリア側
ベルトと対向する部分に吸引口を形成した構成を
採用したのである。

上記エンドレスベルトのキヤリヤ側ベルトの表
面側に写真感光材料を導入し、熱風ダクトからそ
の写真感光材料に向けて熱風を吹付けると、写真
感光材料がキヤリヤ側ベルトに密着する。

また、写真感光材料に衝突した熱風は通気孔か
ら通路に流れ、その通路における熱風の流動によ
つて吸引チヤンバ内に吸引力が作用し、写真感光
材料をキヤリヤ側ベルトに吸着させることができ
る。写真感光材料は上記のように、熱風の吹付け
による押し付けと吸引力による吸着とによつてキ
ヤリヤ側ベルトに密着するため、エンドレスベル
トを移動させることによつて、写真感光材料を確
実に搬送することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図乃至第３図に
基づいて説明する。

図示のように、乾燥ボツクス１の内部には、一
対のラツクプレート２，２が設けられている。ラ
ツクプレート２，２の上下部には、一対のローラ
３，３が設けられ、そのローラ３，３の間にエン
ドレスベルト４が渡されている。

上記乾燥ボツクス１の一側上部には入口５が形
成され、その入口５から乾燥ボツクス１の内部に
導入された写真感光材料Ａは、複数のローラ６に
案内されて上記エンドレスベルト４のキヤリヤ側
ベルト７の上部からキヤリヤ側ベルト７の表面に
引き出される。

また、キヤリヤ側ベルト７の下部まで引き出さ
れた上記の写真感光材料Ａはラツクプレート２の
下部に設けた下部反転ローラ８とそのまわりに設
けた複数のローラ９で案内されて180°向きが変え
られる。

下部反転ローラ８から上向きに搬送される写真
感光材料Ａの上向き搬送路には、写真感光材料Ａ
の両側縁を案内する一対のガイド１０と、上記写
真感光材料Ａを挾持する複数のローラ１１とが設
けられ、各ローラ１１は、第１図の矢印方向に回
転駆動される。

なお、上向き搬送路を上昇した写真感光材料Ａ
は、次に第４図に示す出口ラツク２６の内部に向
けて搬送される。

前記エンドレスベルト４は、図示省略した駆動
装置によつて第１図の矢印方向に搬送される。そ
のエンドレスベルト４には全体に吸引孔１２が形
成されている。

このエンドレスベルト４のキヤリヤ側ベルト７
の前方には、縦に長い熱風ダクト１３が設けら
れ、その熱風ダクト１３のキヤリヤ側ベルト７と
対向する前面には熱風吹出し口１４が形成されて
いる。この吹出し口１４から吹き出す熱風は、第
３図の矢印イで示すように、キヤリヤ側ベルト７
の表面に沿つて引き出された写真感光材料Ａに当
たつて横方向に流れ、一対のラツクプレート２に
形成した通気孔１５からラツクプレート２と乾燥
ボツクス１の側板１′間に形成された通路１６に
流れるようになつている。

前記キヤリヤ側ベルト７の背部には、吸引チヤ
ンバ１７が設けられ、その吸引チヤンバ１７のキ
ヤリヤ側ベルト７の背面と対向する部分にはキヤ
リヤ側ベルト７に沿つて吸引口１８が設けられて
いる。

実施例の場合は、キヤリヤ側ベルト７の背面両
側部に一対のガイドプレート１９，１９を設け、
そのガイドプレート１９の一側部をキヤリヤ側ベ
ルト７の背面両側部に対向し、他側部をラツクプ
レート２に連結してそのガイドプレート１９とキ
ヤリヤ側ベルト７で囲まれた空間を吸引チヤンバ
１７としている。この吸引チヤンバ１７の背部は
前記通路１６と連通し、その通路１６に流れる前
記熱風の流動によつて吸引チヤンバ１７の内部の
圧力を下げるようにしている。

いま、熱風ダクト１３の吹出し口１４から熱風
を吹き付けると、この熱風は、キヤリヤ側ベルト
７の表面に引き出された写真感光材料Ａに当接す
るため、写真感光材料Ａはキヤリヤ側ベルト７に
密着する。

また、写真感光材料Ａに当接した熱風は、ラツ
クプレート２の通気孔１５から通路１６に流れる
ため、その通路１６に連通する吸引チヤンバ１７
の内部の圧力が低下する。このため、吸引口１８
およびエンドレスベルト４の吸引孔１２を介して
写真感光材料Ａに吸引力が作用する。

この結果、写真感光材料Ａは熱風の吹付けによ
る押し付けと、吸着の二つの作用を受けるため、
キヤリヤ側ベルト７に強く密着し、そのキヤリヤ
側ベルト７の移動によつて下向きに確実に搬送さ
れると共に、移送中において乾燥処理される。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る搬送装置によれ
ば、熱風ダクトから写真感光材料に熱風を吹付け
ることにより、その熱風は通気孔から通路に流
れ、その通路内における熱風の流動によつてキヤ
リア側ベルトの背部に形成した吸引チヤンバの圧
力を低下させることができるため、熱風の吹付け
による押し付けと、吸引チヤンバの吸引口および
ベルトの吸引孔を介して作用する吸引力とによつ
てキヤリア側ベルトに写真感光材料を強く密着さ
せることができる。

このため、エンドレスベルトの移動によつて写
真感光材料を確実に搬送させることができる。

また、熱風ダクトから吹付けられる熱風によつ
て吸引チヤンバに吸引力を付与することができる
ため、吸引チヤンバ内に吸引力を付与するための
吸引装置を設ける必要がなく、構成の簡素化およ
び製品コストの低減を図ることができると共に、
写真感光材料の乾燥用の熱風をきわめて有効に利
用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る搬送装置の一実施例
を示す縦断正面図、第２図は同上の縦断側面図、
第３図は第１図の−線に沿つた断面図、第４
図は写真処理機の概略図である。 １……乾燥ボツクス、１′……側板、２……ラ
ツクプレート、４……エンドレスベルト、１２…
…吸引孔、１３……熱風ダクト、１４……キヤリ
ヤ側ベルト、１５……通気孔、１６……通路、１
７……吸引チヤンバ、１８……吸引口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乾燥ボツクスの内部に写真感光材料搬送用のエ
   ンドレスベルトと、このベルトのキヤリヤ側ベル
   ト表面に熱風を吹付ける熱風ダクトとを設け、そ
   の熱風ダクトから吹付けられる熱風でキヤリア側
   ベルトに写真感光材料を密着せしめ、エンドレス
   ベルトの移動によつて写真感光材料を一方向に搬
   送するようにした写真感光材料の搬送装置におい
   て、前記エンドレスベルトの移動案内用のローラ
   を回転自在に支持する一対のラツクプレートと乾
   燥ボツクスの側板との間に通路を形成し、各ラツ
   クプレートにはキヤリア側ベルトの表面に吹付け
   られた熱風を上記通路に導く通気口を設け、前記
   エンドレスベルトの全体に吸引孔を形成し、その
   エンドレスベルトのキヤリア側ベルトの背部に
   は、前記通路と連通して通路を流れる熱風の流動
   により吸引力が付与される吸引チヤンバを設け、
   その吸引チヤンバのキヤリア側ベルトと対向する
   部分に吸引口を形成したことを特徴とする写真感
   光材料の搬送装置。