JPH0442866B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、被写体の光学像を電気信号に変換し
て記録媒体に記録画像として録画する録画装置に
係り、特に光学像のズーム比率を可変設定する手
段の改良に関する。

［従来の技術］ 従来のこの種の録画装置では、一般に被写体の
光学像をフアインダーで監視しながら好ましいズ
ーム比率の構図が得られるように、ズームレンズ
調整用のリングを手動操作により回転させ、好ま
しい構図が得られたところでシヤツターを切る如
く構成されていた。従つてズーム比率設定操作に
時間がかかり、シヤツターチヤンスを逃す場合が
多かつた。また上記操作を短時間で行なおうとす
ると、いわゆるカメラぶれ等を起こし、鮮明な画
像が得られず甚だ不都合が多かつた。

なお、電動機等の駆動装置によりズーム比率を
自動的に変化させるようにした撮像装置もある
が、かかる撮像装置は主としてビデオカメラ等の
動画を対象としたものに限られている。しかもこ
れらのものはズーム比率が連続的に変わる構成に
なつているため、たとえ静止画像を得ようとして
瞬間的にシヤツターを切つても、被写体が等価的
に動いていることから鮮明な記録画像は到底得ら
れない。

ズーム比率を自動的に設定する手段に関する従
来技術例として、特公昭51−6488号公報に示され
ている「監視用テレビカメラにおける光学系の遠
隔制御装置」がある。

この装置は、光学系制御要素の回転角度信号を
発生する装置、上記制御要素の最適回転角度コー
ド化信号を永久保持する記憶装置、選択したコー
ド化信号を一時記憶するレジスタ、コード化信号
と角度信号との偏差信号を得る為の比較制御装
置、偏差信号に基づいて制御要素の回転角度を変
える駆動装置、等を備えている。

かくして上記装置は、テレビカメラの現在監視
点の変更を要するとき、次に所望する監視点に応
じた光学系制御要素の最適回転角度のコード化信
号を記憶装置から選択して読み出し、そのコード
化信号を現在姿勢における最適回転角度のコード
化信号を記憶するレジスタのコード化信号と入替
えることにより、そのレジスタに入れた新たなコ
ード化信号と角度信号発生装置の角度信号とを、
比較制御装置をもつて比較し、かつ比較制御装置
の偏差信号を零に至らしめるように駆動装置を制
御して、前記所望の監視点に応じた光学系制御要
素の最適回転角度を得るようにしたものである。

ズーム比率を自動的に設定する手段に関する別
の従来技術例として、特公昭50−323号公報に示
されている「ズーム画像入力装置」がある。

この装置は、サーボ機構を備えた焦点可変ズー
ムレンズ系と、撮像装置と、撮像装置の順次走査
によつて得られるアナログ映像信号のデイジタル
化回路と、デイジタル映像信号の一時記憶装置
と、画像検出回路とを備えている。

かくして上記装置は、前記画像検出回路によつ
て前記一時記憶装置に入力されたデイジタル映像
情報を読出し、画像またはマークの大きさおよび
位置の検出処理を行ない、その処理結果で前記サ
ーボ機構により前記ズームレンズ系を駆動させ、
再び映像情報を入力させるように閉回路に構成
し、所定の画像が検出されたとき、前記一時記憶
装置に記憶されたデイジタル画像信号を画像信理
装置に入力するようにしたものである。

［発明が解決しようとする課題］ 特公昭51−6488号公報に記載されている装置
は、基本的にムービー（TVカメラ）に係るもの
であつて、複数の各ズーム比率毎の静止画を得る
手段は備えていないものである。また種々の監視
点（被写体）毎に対応するズーム比率で撮像影し
ようとするものであつて、同一の被写体（監視
点）に対して種々のズーム比率で漸次拡大または
縮小を行なつて自動的に静止画を撮影する技術的
手段を有していないものである。

特公昭50−323号公報に記載されている装置は、
デイジタル画信号を得る毎に、その画像信号が所
望とするズーム比率に対応したものとなつている
か否かを評価し、この評価すなわち画像自体に対
する評価（「遠近弁別信号334」）の結果に応じて
次のズーム比率を変更制御する閉ループ制御（結
像光学系と撮像系と検出処理系の閉回路構成によ
る制御）を行なうものであるため、構成が複雑化
する上、応答が遅い等の欠点がある。

本発明はこのような事情を考慮してなされたも
のであり、その目的は同一の被写体について種々
のズーム比率で漸次拡大、縮小を行なつて、複数
の各ズーム比率毎の静止画を迅速かつ適確に撮像
でき、かつ記録媒体の所定記録領域に対してロス
タイムを生じさせずに記録することができ、従来
のように操作が煩雑であるために、シヤツターチ
ヤンスを逃すといつたおそれがなく、しかも制御
系の構成が簡単なズーム比率自動可変録画装置を
提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決し目的を達成するために、本発
明では次のような手段を講じた。

ズーム比率可変レンズ１と、上記ズーム比率可
変レンズ１を供給された動作指令信号Ｓ３に応じ
たレンズの位置になるように駆動するためのレン
ズ駆動手段８と、上記ズーム比率可変レンズ１に
よる像に対応した映像信号を得るための撮像素子
１３と、上記ズーム比率可変レンズ１のレンズの
位置を予め設定された複数のズーム比率に対応し
た各レンズの位置に逐次漸進的に駆動せしめるた
めの上記動作指令信号Ｓ３を得る動作指令信号生
成手段２，３，４，５，６，７と、上記動作指令
信号生成手段２，３，４，５，６，７による動作
指令信号Ｓ３に応じて上記レンズ駆動手段８がズ
ーム比率可変レンズ１を逐次漸進的に駆動せしめ
る過程での該駆動が停止するタイミングに合わせ
て上記撮像素子１３によつて得た映像信号を所定
の映像単位毎に当該撮影のために適用されている
映像記録媒体１７の各別の記録領域に対して記録
を行なう記録手段１８と、上記レンズ駆動手段８
による上記ズーム比率可変レンズ１の駆動期間内
に上記記録手段１８を映像記録媒体１７上の該当
する記録領域に対応するように位置せしめるため
の変位手段２０と、を備えるようにした。

［作 用］ 上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。

スタートボタンを押すことにより、動作指令信
号Ｓ３が生成され、ズーム比率可変レンズ１が、
予め設定された複数のズーム比率に対応した各レ
ンズの位置に漸次自動的に駆動される。そしてズ
ーム比率可変レンズ１の上記漸次駆動期間内にお
いて、記録ヘツド１８などからなる記録手段がア
クチユエータ２０からなる変位手段により記録媒
体１７における所定の記録領域（トラツク）に位
置する如く変位させられる。つまり上記可変レン
ズ１の駆動期間以外の時間帯では、記録手段の移
動は行なわれない。従つて記録トラツク切換え操
作に要する無駄時間の発生を防止できる。この変
位した記録手段によつて、所定ズーム比率の映像
信号が記録媒体１７の所定記録領域（トラツク）
に対して映像単位（フレーム）毎に静止画として
適確に録画される。なお、公知の特公昭50−323
号公報に示されているような閉ループ制御を用い
たものではないので、制御系の構成は簡単で、応
答速度も速いものとなる。

［実施例］ 以下本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。図は本発明の録画装置の構成を示すブロツク
図であり、図中Ａ側は被写体の光学像を電気信号
に変換して記録媒体に記録画像として録画する録
画装置本体側を示しており、Ｂ側はズーム比率を
可変設定する制御系側を示している。

ズーム比率可変レンズ１は被写体の光学像のズ
ーム比率を変更可能な如く録画装置本体に設けら
れたレンズである。ズーム比率検出器２は上記ズ
ーム比率可変レンズ１のズーム比率を検出するも
のであり、その検出信号Ｓ１を比較器３の一方の
入力端に与える。上記検出器２としてはレンズ１
のズーム比率制御リングに角度検知用の目盛その
他の指標を設け、この指標の動きを光学的、磁気
的、静電的な検知ヘツドにより検知するものが考
えられる。

一方、ズーム比率設定器４は、複数の特定なズ
ーム比率を自動的にあるいは手動操作によつて設
定するものである。本実施例では自動的に設定す
る場合が例示されている。すなわち、モード選択
スイツチ５を切換えると、それに応じて予め設定
されている複数種の設定値群（例えば群は焦点
距離ｆが20，50，100mmのもの、群は焦点距離
ｆが70，80，100，120mmのもの…というように予
め定めてある。）のうちの一群が選定されて、そ
れに応じた一連の信号が時系列的に出力されるも
のとなつている。記憶器６はズーム比率設定器４
からの一連の設定値信号を記憶するものであつ
て、その記憶内容は、読出し手段によつて順次選
択的に読出されるものとなつている。読出し手段
としては、例えば図示の如く複数個の読出し端子
を切換スイツチ７によつて切換えるものを用い
る。この読出し手段にて読出された設定値信号Ｓ
２は前記比較器３の他方の入力端に与えられる。

比較器３は、上記設定値信号Ｓ２と前記検出信
号Ｓ１とを比較し、検出されたズーム比率が設定
値に達するまでの期間は、たとえばパルス状の動
作指令信号Ｓ３をレンズ駆動器８に与える。レン
ズ駆動器８は比較器３からの動作指令信号Ｓ３を
与えられている期間、前記ズーム比率可変レンズ
１を駆動するものであり、たとえば印加されるパ
ルス数だけステツプ動作するステツプモータと、
このモータの回転量を上記可変レンズ１のズーム
比率制御リングに伝達する伝達機構とで構成され
ている。なおズーム比率制御リングの界転角度と
レンズ１のズーム比率とは対応しているので、所
定のズーム比率を得るには、比較器３から送出さ
れる所定数のパルス列をステツプモータに与え
て、上記制御リングの回転角度を変ればよい。

シヤツター駆動器９は、前記レンズ駆動器８に
よる前記レンズ１の駆動が停止したとき、録画装
置本体に設けてある撮像用シヤツター１０を自動
的に切るものである。シヤツター１０は、図示し
ない手段により、予め設定された時間だけ開き、
所定時間後において閉じる。上記シヤツター１０
が閉じたときの閉信号は、シヤツター駆動器９を
介して読出し指令器１１および撮像素子駆動器１
２に与えられるものとなつている。読出し指令器
１１は前記シヤツター閉信号を与えられると、前
記読出し手段を構成している切換スイツチ７に、
次の設定値の読出しを指令する。具体的には切換
スイツチ７を一ステツプ切換え動作させ、次の設
定値信号を読出して比較器３に信号Ｓ２を与える
ように制御する。

撮像素子駆動器１２は、シヤツター閉信号を与
えられると、一画面に相当する１フレーム分だけ
固体撮像素子１３を走査し、前記レンズ１で得ら
れた所定ズーム比率の光学像に対応した映像信号
を得る。なお図示はしてないが撮像素子１３に
は、シヤツター１０が開く前に蓄積残留している
雑音電荷をクリアする手段等が付設されている。
上記撮像素子１３から得られた撮像信号は、増幅
器１４にて増幅されたのち、映像信号処理器１５
によつて撮像方式に対応した色信号と輝度信号の
付加等が行なわれ、次いで記録信号処理器１６に
よつて記録媒体１７の種類に適合した記録信号に
変換される。記録媒体１７としては、たとえば磁
気テープや磁気デイスク等の磁気記録媒体が用い
られ、記録ヘツド１８によつて記録される。従つ
て前記記録信号としては映像信号によつて変調さ
れたFM搬送波が用いられる。モータ１９は記録
媒体１７を等速駆動するためのもので、たとえば
記録媒体１７が磁気デイスクの場合には１フレー
ムに対して１回転させる。アクチユエータ２０は
１フレーム記録する毎に１トラツクに相当する距
離だけヘツド１８を移動させるものであり、前記
レンズ駆動器８によつてレンズ１がズーム比率変
更動作を行なつている期間中にヘツド１８の移動
を完了させる。

なお記録媒体１７に記録された画像を再生する
段は従来の磁気再生装置と同様のものでもよい。

このように構成された本装置においては、図示
しないスタートボタン（シヤツターボタン）を押
すことにより、ズーム比率可変レンズ１は予め固
定的に設定された最初の設定値まで駆動器８によ
り駆動されて停止する。そしてシヤツター１０が
切られて撮像が終了すると、ズーム比率可変レン
ズ１は直ちに次のズーム比率に対応した設定値ま
で駆動されて停止する。

以下同様の動作が繰返される。たとえば今、レ
ンズ１のズーム比率を焦点距離ｆがｆ＝20，30，
50，75，100mmとなる５段階に設定されている場
合には、先ずレンズ１の焦点距離がｆ＝20mmにな
つたとき、レンズ１は動作を停止し、ズーム比率
をその値に固定する。そして撮像がすむと可及的
速やかに次の焦点距離ｆ＝30mmに達するまで移動
する。かくして比較的短時間の間にレンズ１の焦
点距離を段階階的に変えながらズーム比率の異な
る光学像を漸次撮像していく。そして撮像された
各光学像は電気信号に変換され、所定の信号処理
を行なわれたのち、記録媒体１７に記録画像とし
て順次録画される。

記録媒体１７に記録された画像は、図示しない
再生装置により、一連のズーム比率の異なつた画
像として再生される。この場合、再生画像をたと
えば陰極線管表示器等により直接表示して観察し
てもよいし、ハードコピーにしてフアイリングす
るようにしてもよい。

かくして本装置によれば、ズーム比率の異なつ
た複数枚の画像を連続的にしかも迅速に得ること
ができる。そしてこの場合、ズーム比率の変更は
すべて自動的に行なわれるので、手動操作ミス等
が起こるおそれがないうえ、操作の煩雑さによつ
てシヤツターチヤンスを逃すといつた不都合を解
決できる。また比較的画素数の少ない撮像素子で
撮像した場合でも、時系列的に順次捉えられた複
数枚の記録画像をみることによつて、必要とする
被写体について解像度が実質的に高まる利点があ
る。また、高解像度を要する特定の被写体の画像
と、それほど高い解像度を必要としない、たとえ
ば周囲の風景等を含めた全体画像とを別々の記録
画像として観賞できる利点もある。

なお本発明は上述した一実施例に限定されるも
のではなく、次のように変形実施可能である。た
とえばレンズ駆動用のモータとしてサーボモータ
を用い、ズーム比率制御リングの回転角度を適宜
な角度検出手段によつて検知し、所定の回転角度
が得られるまで上記モータに電圧を印加し続け、
所定のズーム比率制御リングの回転角度が得られ
た時点で、上記モータへの電圧印加を一時的に停
止するようにしてもよい。またズーム比率変更手
段としてズーム比率制御リングを回転させる場合
について説明したが、必らずしもこれに限定され
るものではなく、例えばリニアモータ等によりレ
ンズを光軸方向に平行移動させるようにしてもよ
い。この場合のレンズのズーム比率は、レンズあ
るいはレンズ支持体のレンズ光軸方向の位置によ
つてきまるので、ズーム比率検出器としては目盛
等の指標をレンズ光軸方向に沿つて配列された検
出ヘツドにて検出する必要がある。また、記録媒
体としては磁気記録媒体に限られるものではな
く、たとえば、半導体メモリや光学式記録材料か
らなるもの等であつてもよい。さらに前記実施例
ではズーム比率の異なつた複数枚の画像が連続的
に得られるように、繰返し動作させる場合を示し
たが、これに限られるものではない。すなわちズ
ーム比率可変レンズ１がレンズ駆動器８により最
初の設定値（この設定値を如可なる値にするかは
任意）まで駆動されて停止し、かつシヤツター１
０が切られて撮像が終了したとき、ここで所定動
作を完了させて次の設定値の読出し動作を中止す
るようにしてもよい。このようにすれば、所要ズ
ーム比率の単一の画像を容易に得ることが可能と
なる。このほか本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形実施可能であるのは勿論である。

［発明の効果］ 本発明によれば次のような効果が期待できる。

同一の被写体について種々のズーム比率で漸次
拡大、縮小を行なつて、複数の各ズーム比率毎の
静止画を迅速かつ適確に撮像でき、かつ記録媒体
の所定記録領域に対してロスタイムを生じさせず
に記録することができ、従来のように操作が煩雑
であるために、シヤツターチヤンスを逃すといつ
たおそれがなく、しかも制御系の構成が簡単なズ
ーム比率自動可変録画装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例の構成を示すブロツク
図である。 １…ズーム比率可変レンズ、２…ズーム比率検
出器、３…比較器、４…ズーム比率設定器、５…
モード選定スイツチ、６…記憶器、７…切換スイ
ツチ、８…レンズ駆動器、９…シヤツター駆動
器、１０…撮像用シヤツター、１１…読出し指令
器、１２…撮像素子駆動器、１３…固体撮像素
子、１４…増幅器、１５…映像処理器、１６…記
録信号処理器、１７…記録媒体、１８…記録ヘツ
ド、１９…モータ、２０…アクチユエータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ズーム比率可変レンズと、 上記ズーム比率可変レンズを供給された動作指
   令信号に応じたレンズの位置になるように駆動す
   るためのレンズ駆動手段と、 上記ズーム比率可変レンズによる像に対応した
   映像信号を得るための撮像素子と、 上記ズーム比率可変レンズのレンズの位置を予
   め設定された複数のズーム比率に対応した各レン
   ズの位置に逐次漸進的に駆動せしめるための上記
   動作指令信号を得る動作指令信号生成手段と、 上記動作指令信号生成手段による動作指令信号
   に応じて上記レンズ駆動手段が上記ズーム比率可
   変レンズを逐次漸進的に駆動せしめる過程での該
   駆動が停止するタイミングに合わせて上記撮像素
   子によつて得た映像信号を所定の映像単位毎に当
   該撮影のために適用されている映像記録媒体の各
   別の記録領域に対して記録を行なう記録手段と、 上記レンズ駆動手段による上記ズーム比率可変
   レンズの駆動期間内に上記記録手段を上記映像記
   録媒体上の該当する記録領域に対応するように位
   置せしめるための変位手段と、 を具備したことを特徴とするズーム比率自動可変
   録画装置。