JP2521469Y2 - レンズシヤツタ式ズ−ムレンズカメラに於るズ−ムレンズ系駆動装置 - Google Patents

レンズシヤツタ式ズ−ムレンズカメラに於るズ−ムレンズ系駆動装置

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JP2521469Y2 JP1986143964U JP14396486U JP2521469Y2 JP 2521469 Y2 JP2521469 Y2 JP 2521469Y2 JP 1986143964 U JP1986143964 U JP 1986143964U JP 14396486 U JP14396486 U JP 14396486U JP 2521469 Y2 JP2521469 Y2 JP 2521469Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 「技術分野」 本考案は、オートフォーカス機能を備えたレンズシャ
ッタ式カメラに関し、詳しくは撮影光学系としてモータ
駆動のズームレンズ系を用いたズームレンズ系駆動装置
に関するものである。
「従来技術およびその問題点」 オートフォーカスのレンズシャッタ式カメラは従来多
数知られているが、従来品は一般に撮影光学系の焦点距
離を変更することはできない。一部には、撮影光学系内
に、焦点距離変更レンズを挿脱するようにした二焦点距
離式のレンズシャッタカメラも知られているが、このカ
メラは、例えば広角と望遠、標準と望遠という二つの焦
点距離が使用できるだけで、中間の焦点距離をカバーす
ることはできない。このため、ズームレンズを用いた作
画は、一眼レフレックスカメラに限られているのが実情
である。しかしながら、一眼レフレックスカメラは、レ
ンズシャッタ式カメラに比して、高価であって重量も重
く、初心者あるいは中級者が用いるには、負担が大き
い。特に海外旅行等の携帯重量をできるだけ小さくした
い旅行、あるいは女性のユーザにとって、一眼レフレッ
クスカメラは描写の優秀性が認められたとしても、外形
が大きいこと、重量が重いことから、敬遠される一面が
ある。このような場合、ユーザは、軽量小型であるが、
焦点距離の変更ができないか、僅かに二段に変更可能な
レンズシャッタ式カメラを選択することとなる。
別言すると、現在のレンズシャッタ式カメラにおいて
は、焦点距離が変更できないこと、あるいは二段の変更
のみが可能であるというのが、常識であり、ユーザはこ
れを是認してレンズシャッタ式カメラを求めている。し
かし仮にズームレンズを備えたレンズシャッタ式カメラ
が実用化されれば、これが社会に与えるインパクトは大
きく、さらに多くのユーザを開拓できると期待される。
すなわち一眼レフレックスカメラでは大き過ぎ、現状の
レンズシャッタ式カメラでは物足りないと考えるユーザ
である。
「考案の目的」 本考案は、一眼レフレックスカメラとレンズシャッタ
式カメラに関する以上の現状分析に基づき、ズームレン
ズを備えたレンズシャッタ式カメラであって、ズーミン
グをパワー化したコンパクトなカメラに好適なズームレ
ンズ系駆動装置を提供することを目的とする。
「考案の概要」 本考案によるズームレンズ系駆動装置は、測距装置に
よる検出被写体距離に応じて自動的に焦点調整される撮
影光学系を備えたレンズシャッタ式カメラに於て、第1
図に示す如く、撮影光学系LXを焦点距離を連続的に変化
させるズームレンズ系ZLにより構成すると共に、このズ
ームレンズ系ZLのレンズ位置を検出する位置検出手段A1
と、ズームレンズ系ZLの駆動源であるズームモータMを
スイッチオン時に起動させるズームスイッチA2と、この
ズームスイッチA2がオンされてズームモータMが回転し
ている時に位置検出手段A1が検出しているレンズ位置が
複数の焦点距離位置の所定ステップだけ変化したか否か
を判定するステップ判定手段A3と、このステップ判定手
段A3によってレンズ位置が複数の焦点距離位置の所定ス
テップだけ変化したことを判定した時にズームモータM
の回転を停止させる停止手段A4とを設けて構成し、ズー
ムスイッチA2をオンする毎にズームレンズ系ZLを複数の
焦点距離位置に於る所定ステップのみ駆動するようにし
ている。
「考案の実施例」 以下図示実施例について本考案を説明する。本考案を
適用したレンズシャッターカメラは、第2図にその全体
の概略を示すように、ズームレンズの鏡筒ブロック1、
ファインダおよびストロボブロック(以下単にファイン
ダブロックという)2、測距装置(AF装置)の発光部3
と受光部4、ズーミング用のズームモータ5とを備えて
いる。これらの要素は、カメラボディの固定部となる台
板6(第3図ないし第5図参照)上に固定されている。
すなわち、台板6は、光軸と直角をなす鏡筒支持板部
6aと、この鏡筒支持板部6aの上端を直角に曲折した水平
支持板部6bと、この水平支持板部6bに対して直角をなす
モータ支持板部6cとを有していて、鏡筒支持板部6aに鏡
筒ブロック1が支持されている。またモータ支持板部6c
には、鏡筒ブロック1の上部中央に位置するズームモー
タ5が固定され、このズームモータ5の両側に、水平支
持板部6bに固定された発光部3と受光部4が位置してい
る。ファインダブロック2は、この水平支持板部6bの正
面右方に固定される。6eは、スペーサ6fを介してモータ
支持板部6cに固定したギヤ列支持プレートである。
鏡筒ブロック1は、ズームモータ5によって駆動され
る。鏡筒ブロック1の構造を第7図ないし第11図につい
て説明する。台板6の鏡筒支持板部6aには、固定ねじ10
を介して後固定板11が固定されている。この後固定板11
には光軸と平行でこれの周囲に位置する4本のガイドロ
ッド12が固定されていて、このガイドロッド12の先端に
前固定板13が固定されている。以上が鏡筒ブロック1の
主たる固定要素である。
後固定板11と前固定板13の間には、カムリング14が回
転自在に支持されており、このカムリング14の外周に、
ピニオン7が直接またはギヤ列を介して噛み合うギヤ15
が固定ねじ15a(第7図)で固定されている。このギヤ1
5は、カムリング14の回動範囲をカバーするセクタギヤ
でよい。カムリング14には、前群用、後群用のズーミン
グカム溝20、21が切られている。
第8図はズーミングカム溝20、21の展開図で、後群用
のズーミングカム溝21は広角端固定区間21a、変倍区間2
1b、望遠端固定区間21cを有している。これに対し前群
用のズーミングカム溝20は、バリヤブロック30の開閉区
間20a、レンズ収納区間20b、広角端固定区間20c、変倍
区間20d、望遠端固定区間20e、マクロ繰出区間20f、お
よびマクロ端固定区間20gを有している。これら各区間
の回動角度は、ズーミングカム溝20の開閉区間20a、レ
ンズ収納区間20b、および広角端固定区間20cの合計角度
θ1が、ズーミングカム溝21の広角端固定区間21aの角
度θ1と同一であり、変倍区間20dと変倍区間21bの角度
θ2が同一であり、望遠端固定区間20e、マクロ繰出区
間20f、およびマクロ固定区間20gの合計角度θ3が望遠
端固定区間21cの角度θ3と同一である。なおこの実施
例の具体的なズーミング範囲は35mm〜70mmである。
このズーミングカム溝20およびズーミングカム溝21に
は、ガイドロッド12に移動自在に嵌めた前群枠16のロー
ラ17および後群枠18のローラ19が嵌まる。前群枠16に
は、固定ねじ22aを介して飾枠22が固定され、さらにシ
ャッタブロック23が固定されている。前群レンズL1を保
持した前群レンズ枠24は、このシャッタブロック23とヘ
リコイド25によって螺合しており、またシャッタブロッ
ク23のレンズ繰出レバー23aと係合する腕24aを有してい
る。したがってレンズ繰出レバー23aが円周方向に回動
し、これに伴ない前群レンズ枠24が回動すると、前枠レ
ンズ枠24はヘリコイド25に従って光軸方向に移動する。
後群レンズL2は、後群枠18に直接固定されている。
シャッタブロック23自体は周知のものである。内蔵し
たパルスモータによって、後述する測距装置からの測距
信号に応じた角度だけレンズ繰出レバー23aを回動さ
せ、さらに閉じられているシャッタ(セクタ)23bを所
定時間開いた後再び閉じてから、レンズ繰出レバー23a
を元の位置に復帰させる。このようなシャッタブロック
23は、例えば特開昭60-225122号、特開昭60-235125号等
によって広く知られている。本実施例はこのようなシャ
ッタブロックを基本的にそのまま利用するものである。
次に第9図ないし第11図につき、バリヤブロック30を
説明する。このバリヤブロック30は、カムリング14を開
閉区間20aの範囲で回動させたとき、その回動力を駆動
力として前群レンズL1の前方に位置する一対のバリヤ3
1、31を開閉するものである。バリヤ31、31は、バリヤ
ブロック30の前端面にピン32で枢着されている。
この一対のバリヤ31、31は対称形に向き合っていて、
光軸上に突出するバリヤ板部31aと、ピン32に関しこの
バリヤ板部31aの反対側に延びる駆動腕部31bを有し、こ
の駆動腕部31bに植設したピン33に、開閉ばね34の作用
腕34aが係合している。開閉ばね34は、例えば合成樹脂
の成形品から構成するもので、作用腕34aとY字状をな
すばね腕34bおよび駆動腕34cを有し、バリヤブロック30
にピン35で枢着されている。ばね腕34bは飾枠22内壁に
当接して、常時は作用腕34aを介しバリヤ板部31aが光路
から退避する方向の付勢力を与えている。駆動腕34c
は、飾枠22に半径方向に移動可能に嵌めた開閉ピン36の
フランジ部36aと係合しており、この開閉ピン36の頭部
は前固定板13にピン37で枢着した連動レバー38の自由端
部と係合している。
開閉ピン36は、外力が加わらない状態では、開閉ばね
34のばね腕34bのばね力により、半径方向の突出端に位
置し、このときバリヤ板部31aは、光路から退避する。
すなわちバリヤを開く。これに対し、連動レバー38を介
して開閉ピン36が半径方向内方に押されると、駆動腕34
cが押される結果、作用腕34aを介してバリヤ31が回動
し、そのバリヤ板部31aを光路上に位置させる。すなわ
ち前群レンズL1の前方を閉塞する。そして連動レバー38
は、カムリング14内面に突出形成した閉塞突起40によっ
て、カムリング14が上記開閉区間20a内を回動したとき
押圧される。よってズームモータ5によってカムリング
14を一方の回動端に回動させると、自動的にバリヤが閉
まることとなる。
次に第12図ないし第15図につき測距装置(AF装置)を
説明する。発光部3と受光部4を有する測距装置は、従
来各種のタイプが知られているが、この実施例では、受
光素子として位置検出素子(例えばPSD)を用いた三角
測距原理に基づくタイプが用いられている。第12図はそ
の概念図で、発光部3は、LED等の光源3aと、投光レン
ズ3bを備え、受光部4は、光源3aに対し基線長Lだけ離
れたPSD4aと、受光レンズ4bを備えている。CCDが多数の
受光素子からなっているのに対し、PSD4aは周知のよう
に細長い一個の受光素子で、一個の共通端子(カソー
ド)Cと、この共通端子Cと極性の異なる二個の端子
(アノード)A、Bを持っている。
この測距装置は、光源3aを発光させ、被写体で反射し
た反射光をこのPSD4aに入射させると、被写体Oの距離
によって、受光面に当る光の位置が異なり、端子A、B
からその光点の位置に対応して光電流が生じる。よって
この光電流を測定することで、被写体距離が分る。以上
がPSD4aを用いた三角測距の測距原理である。
この測距データに基づき、前述のシャッタユニット23
に動作信号を与えることにより、ズーミング範囲すべて
において、自動フォーカシングを行なわせることができ
る。すなわちシャッタユニット23のパルスモータに測距
データに基づく駆動パルスを与えると、レンズ繰出レバ
ー23aがそのパルスに応じた角度だけ回転して前群レン
ズ枠24をともに回転させる。したがってヘリコイド25に
より、前群レンズ枠24(前群レンズL1)が合焦位置とな
るように、光軸方向に移動する。本実施例はこれ以外の
測距原理に基づくAF装置を用いることもできる。
三角測距原理による測距精度は、原則として発光部3
と受光部4の間の距離、すなわち基線長Lに依存するか
ら、両者の距離は可及的に大きくするのがよい。本実施
例においては、この基線長を大きくするとともに、大き
くした結果生じる発光部3と受光部4の間に、ズームモ
ータ5を配置している。このズームモータ5の位置は、
測距装置の基線長を増大させると同時に、カメラ全体の
小型化を図る上で有効である。ズームモータ5は、台板
6に一体に曲折形成したモータ支持板6cに固定され、そ
の駆動軸5aにピニオン7が固定されている。
なお上述のように、本実施例のレンズシャッタ式カメ
ラは、カムリング14に、前群レンズL1を望遠端からさら
に前方に移動させる(繰出す)ズーミングカム溝20fが
備えられている。このマクロ撮影時において、上記発光
部3と受光部4による測距装置をそのまま動作させる
と、PSD4aには近接位置の被写体からの反射光が入射し
ない。すなわち、測距ができないから、シャッタブロッ
ク23に駆動信号(測距データ)を与えることができな
い。本実施例は、このマクロ撮影時においても、正しく
被写体位置を検出するための新規な構成を備えている。
第13図ないし第15図についてこのマクロ撮影時における
測距装置を説明する。
測距装置の受光部4の前面には、マクロ撮影時に限
り、2つの全反射面をもつプリズム4cとマスク4dからな
る近距離補正光学素子4eが進出する。プリズム4cは測距
装置の基線長を光学的に延長する効果と、光線を屈折さ
せる効果を持っている。マスク4dは、必要な光路以外の
光を遮るためのもので、被写体側の開口4fと、受光レン
ズ4b側の開口4gを有している。開口4fは、受光レンズ4b
の光軸に対し、投光レンズ3bの光軸から離れる側に距離
lだけ隔たらせてスリット状に開けられており、開口4g
は受光レンズ4bの光軸位置に対応させてスリット状に開
けられている。
この構成によると、近接撮影時には第13図に示すよう
に、プリズム4cの効果により、測距装置の受光レンズ4b
の光軸を基線長Lの方向にlだけ平行移動させるととも
に、有限距離において、受光レンズ4bの光軸と投光レン
ズ3bの光軸を交差させることができる。
従来のこの種測距装置において近距離補正を行なうた
め、測距光学系の前面に測距光を屈折させる効果のみを
有するプリズムを配置する技術は知られている。しかし
この従来技術では、近接撮影時における被写体距離の変
化に対するPSD4a上のスポット像のずれ量が不足し、正
確なピント補正ができないという問題があった。これに
対し、上記のように、測距光線を屈折させるだけでな
く、基線長Lの方向にlだけ平行移動させる本近距離補
正装置によれば、基線長をL+lとして被写体距離に対
するPSD4a上のスポット像のずれ量を増加させるととも
に、プリズム4cの角度δ1、屈折率等を適当に設定する
ことにより、正しい被写体距離を検出することができ
る。よってこの測距データに基づいてシャッタブロック
23を駆動すると、マクロ撮影であっても正しいピントの
写真を得ることができる。
この近距離補正光学素子4eは、第2図ないし第5図に
示すように、受光部4の下方に位置する軸41によって台
板6に枢着したアーム42の一端に固定されており、この
アーム42の他端には、連動突起43が一体に設けられてい
る。このアーム42は外力が加わらない状態では直線性を
保持するが、外力が加わると、弾性的に変形する可撓性
を有している。また近距離補正光学素子4eは、引張ばね
46によって、常時は受光部4の前方から退避する方向に
回動付勢されている。そしてカムリング14には、これが
マクロ撮影位置に回動したとき上記連動突起43と係合し
て近距離補正光学素子4eを受光部4の前面に進出させる
進出突起44が設けられている。進出突起44は、光学素子
4eを受光部4の前面より大きく回動させるように位置お
よび形状が定められているが、近距離補正光学素子4eの
進出突起44による回動端は、台板6と一体のギヤ支持板
6eの側面が規制し、進出突起44によるオーバチャージ分
は、アーム42の可撓性で吸収される。
以上の構造によれば、カムリング14がマクロ撮影位置
に回動したときに、自動的に近距離補正光学素子4eを受
光部4の前面に位置させることができる。
なお発光部3と受光部4を有する測距装置からのシャ
ッタブロック23への駆動信号は、図示しないフレキシブ
ルプリント基板(FPC基板)を介して行なわれる。この
フレキシブルプリント基板は、前群レンズL1および後群
レンズL2の全移動域において、余裕を持って伸展し、か
つ折畳まれるように、カムリング14の内側に曲折配置さ
れる。
次に再び第2図に戻って、ファインダブロック2を説
明する。ファインダブロック2には、ファインダ装置8
とストロボ装置9が含まれる。このファインダ装置8と
ストロボ装置9はともに、鏡筒ブロック1の焦点距離の
変化に連動させて、ファインダ視野を変化させ、かつス
トロボの照射角(光強度)を変化させるものである。そ
のための動力源は、上記ズームモータ5が用いられる。
カムリング14のギヤ15には、上記ピニオン7とは別のピ
ニオン50が噛み合っていて、このピニオン50の軸51は、
台板6の後方に延長され、その後端に減速ギヤ列52が設
けられている。減速ギヤ列52の最終ギヤ52aは、カム板5
3のラック53aに噛み合っている。カム板53は左右方向に
摺動可能で、その後端の下方曲折部53bの先端(下端)
にラック53aが一体に設けられている。減速ギヤ列52
は、ギヤ15の回転を減速し、カムリング14の動きを縮小
してカム板53に与えるものである。カム板53には、ファ
インダ装置8用の変倍カム溝55と、パララックス補正カ
ム溝56、およびストロボ装置9用のストロボカム溝57が
設けられている。
ファインダ装置8のレンズ系は、基本的には、固定さ
れた被写体側レンズ群L3と接眼レンズ群L4、および可動
の変倍レンズ群L5からなり、さらに、マクロ撮影時用の
偏角プリズムP1を備えている。変倍レンズ溝L5は鏡筒ブ
ロック1の変倍操作による撮影画面と、ファインダ装置
8による視野を一致させるものであり、偏角プリズムP1
はマクロ撮影時のみ光軸上に進出して特にパララックス
を補正する。すなわちレンズシャッタ式カメラでは、パ
ララックスが避けられず、その量は近距離撮影程大きく
なるが、本実施例のカメラはマクロ撮影が可能であり、
このときパララックスの量が大きくなることから、マク
ロ撮影時に限って、下方が厚く上方が薄い楔形の偏角プ
リズムP1を光路に入れて、光路を下方に屈曲させ、撮影
部分により近い部分を観察できるようにしている。第23
図は偏角プリズムP1を入れたときの光路の概略を示して
いる。
またストロボ装置9は、撮影レンズの焦点距離が長焦
点のとき程、つまりレンズを繰出す程照射角を絞る一
方、マクロ撮影時には、照射角を逆に広げて被写体に対
する光量を落すものである。このためこの実施例ではフ
レネルレンズL6を固定し、キセノンランプ58を保持した
反射笠59を光軸方向に動かすようにしている。
そこで、次にファインダ装置8およびストロボ装置9
に以上の動きを与えるための具体的構造例を第16図ない
し第25図について説明する。台板6に固定されるファイ
ンダブロック54上には、ファインダ親板60が固定され、
このファインダ親板60に、カム板53の直進ガイド溝61に
嵌まるガイドピン62が固定されている。カム板53は、こ
の直進ガイド溝61およびガイドピン62と、カム板53の前
方の浮き上りを抑える、ファインダ親板60に切起し片と
して形成した抑えガイド60aとにより、摺動方向を左右
方向に規制している(第16図、第17図)。
ファインダ親板60には、前後方向の変倍レンズガイド
溝63、偏角プリズムガイド溝64、およびストロボガイド
溝65が切られていて、変倍レンズガイド溝63には、変倍
レンズ群L5を支持した変倍レンズ枠66のガイド突起66a
が嵌まり、偏角プリズムガイド溝64には、偏角プリズム
作動板67のガイド突起67aが嵌まり、ストロボガイド溝6
5には、反射笠59を固定したストロボケース68のガイド
突起68aが嵌まって、これらの要素の移動方向を前後方
向に規制している。そしてガイド突起66a、67a、68aに
は、それぞれ従動ピン69、70、71が植設されており、こ
れらの従動ピンがそれぞれ、上記変倍カム溝55、パララ
ックス補正カム溝56、およびストロボカム溝57に嵌まっ
ている。したがってカム板53が左右に移動すると、変倍
レンズ枠66、偏角プリズム作動板67、ストロボケース68
が、これらのカム溝55、56、57の形状にしたがって、そ
れぞれ前後に移動することとなる。
変倍カム溝55、パララックス補正カム溝56、ストロボ
カム溝57の各区間は、第8図においてカムリング14のズ
ーミングカム溝20、21について説明した各区間と対応す
る。すなわち変倍カム溝55は、広角端固定区間55a、変
倍区間55b、および望遠端固定区間溝55cを有していて、
これらの各区間の角度θ1、θ2、θ3は第8図と対応
関係にある。これに対しパララックス補正カム溝56は、
非突出区間56a、突出運動区間(マクロ繰出区間)突出
運動区間56b、突出位置固定区間(マクロ端固定区間)5
6cを有する。ストロボカム溝57は、広角端固定区間57
a、変倍区間57b、望遠端固定区間57c、マクロ繰出区間5
7d、およびマクロ端固定区間57eを有する。これらの各
カム溝55、56、57と、上記ズーミングカム溝20、21の関
係を第26図に示している。
変倍レンズ群L5を支持した変倍レンズ枠66は、第20図
に示すように、ファインダブロック54のガイド面54a上
に懸垂状に移動自在に支持されている。そして、これが
変倍カム溝55に従って移動すると、被写体側レンズ群L
3、接眼レンズ群L4および変倍レンズ群L5を含むファイ
ンダ光学系の倍率が変化し、鏡筒ブロック1による撮影
範囲と、ファインダ視野とがほぼ一致する。このような
光学系は簡単なレンズ設計技術で得ることができる。
次に主に第21図ないし第23図により、偏角プリズム作
動板67について説明する。まず合成樹脂製の上記偏角プ
リズムP1は、その両側下端の支点ピン74がファインダブ
ロック54に回動自在に支持されている。支点ピン74に
は、付勢するトーションばね75が掛け回され、このトー
ションばね75の一端が、偏角プリズムP1の側面に固定し
た位置規制駒76に掛け止められて、偏角プリズムP1を常
時は被写体側レンズ群L3〜変倍レンズ群L5の光路内に位
置させるように付勢している。位置規制駒76は、ファイ
ンダブロック54に形成した円弧状の逃げ溝79内に位置し
ている。また偏角プリズム作動板67は、ファインダブロ
ック54とこれに固定したガイド板80との間に挟着されて
いて、その側面に植設したガイドピン81がファインダブ
ロック54に形成した直進ガイド溝82に嵌まっている。
位置規制駒76は偏角プリズム作動板67の回動阻止面77
および回動面78に係合可能である。偏角プリズム作動板
67は、従動ピン70がパララックス補正カム溝56の非突出
区間56aにいるときには、その回動阻止面77を位置規制
駒76に当接させて、トーションばね75の力に抗して偏角
プリズムP1を光路から退避させるが、従動ピン70が突出
運動区間56bに至ると、回動面78を位置規制駒76に対応
させる。すると、トーションばね75の力により、偏角プ
リズムP1が光路内に回動し、その位置規制駒76が回動面
78に当接しつつ、徐々に第22図、第23図のように光路内
に突出し、ファインダ光路を同図に示すように曲げ、下
方の被写体を視野に入れるようになる。つまりマクロ撮
影時のパララックスを少なくする。
ストロボケース68の側面には、第25図に示すように、
ガイド板80に形成した前後方向の直進ガイド溝84に嵌ま
るガイドブロック85が設けられている。またストロボケ
ース68の上下には、ストロボケース68の倒れを防ぐ高さ
調整ピン86(第18図、第24図)が固定されている。した
がってこのストロボケース68は、カム板53が左右に動く
とストロボカム溝57の形状に従って前後する。ストロボ
カム溝57の変倍区間57bは、フレネルレンズL6に対しキ
セノンランプ58を後退させる区間であり、後退に伴ない
フレネルレンズL6から発光される照射角の範囲を狭め、
焦点距離の増加に伴ないガイドナンバを実質的に大きく
する作用をする。他方マクロ繰出区間57dにおいては、
照射角を逆に広げ、マクロ撮影におけるガイドナンバを
実質的に小さくする。
以上は、本考案を適用したレンズシャッター式カメラ
の機械的構成の説明であるが、次に制御系を説明する。
このカメラにおいては、鏡筒ブロック1のズームレンズ
における焦点距離の変化、焦点距離の変化に伴なう開放
F値の変化、レンズが広角(ワイド、wide)端にあるこ
と、望遠(テレ、tele)端にあること、収納位置にある
こと、マクロ撮影位置にあること等の情報を自動的に検
出し、これによって、各種の制御を行なっている。この
レンズ位置の検出のために、鏡筒ブロック1のカムリン
グ14の外周には、第2図に概念的に示すようにコード板
90が固定され、カムリング14の外側の固定枠91に、この
コード板90と摺接するブラシ92の基端が固定されてい
る。第26図はコード板90の展開図で、この図の上方に、
カムリング14のズーミングカム溝20、21、およびカム板
53の各カム溝55、56、57のカムプロフィルが合わせて描
かれている。ブラシ92は、共通端子Cと、符号0、1、
2、3を付した端子T0、T1、T2、T3を有しており、これ
らの端子T0〜T3がコード板90の導通ランド93に接触して
いるときに「φ」、非接触のときに「1」の信号が取り
出され、これらの「1」、「φ」の信号の組合せで、カ
ムリング14の回動位置が検出される。94は、導通ランド
93の間に設けたダミー端子である。
以上のT0、T1、T2、およびT3の4ビットの情報は、ズ
ームコードエンコーダのズームコードデータZP0、ZP1、
ZP2、ZP3として与えられる。第27図は、これらのズーム
コードデータの「1」、「φ」の組合せ表であり、この
例では、カムリング14の回動位置(POS)を「φ」から
「9」迄および「A」、「B」、「C」(16進数、hexa
decimal number)の13段階に分けて検出するようにして
いる。「φ」はロック(lock)位置、「C」はマクロ
(MACRO)位置であり、中間に異なる焦点距離位置f0〜f
7′がある。この回動位置(PSO)は第26図のコード板の
下方にも描いてある。
他方カムリング14の回動制御は、モード切換スイッチ
101およびズームスイッチ102によって行なわれる。第28
図ないし第30図は、この両スイッチ101、102のカメラ本
体に対する具体的な配置例を示す。なお99はレリーズボ
タンで、一段押しで測光スイッチ103(第34図)をON
し、二段押しでレリーズスイッチ123(同)をONする。
モード切換スイッチ101はロック(LOCK)、ズーム(Z
OOM)、およびマクロ(MACRO)の3ポジションをとるこ
とができるトランスファーのスイッチで、第30図ないし
第32図に示すように、マクロボタン101aを押さないとき
は、スイッチレバー101bがROCK位置とZOOM位置の間を移
動可能であり、マクロボタン101aを押した状態で、スイ
ッチレバー101bをマクロボタン101a上にスライドさせる
とMACRO位置となる。そしてLOCKポジションではレリー
ズできず、ズームも作動しない。ZOOMポジションではレ
リーズおよびズーム作動可能であり、MACROポジション
では、レリーズ可能であるがズーム作動はしない。
またズームスイッチ102は手を離した状態で中立(OF
F)位置をとり、異なる方向の操作力を加えることで、
広角(WIDE)と望遠(TELE)に切換わってオンするもの
で、このスイッチの切換によりズームモータ5が正逆に
回転する。
そしてこのモード切換スイッチ101とズームスイッチ1
02は、本考案を適用したカメラを基本的に次のように動
作させる。
1.モード切換スイッチ101がLOCKポジションのとき ズームモータ5は逆回転し、コード板90とブラシ92に
よって検出されるカムリング14の回動位置(以下、POS
という)が「φ」(第26図、第27図、以下同)になる
と、ズームモータ5が停止する。
2.モード切換スイッチ101がMACROポジションのとき ズームモータ5は逆回転し、POSが「C」になると、
ズームモータ5が停止する。
3.モード切換スイッチ101がZOOMポジションのとき ズームスイッチ102をWIDE側でオンさせると、そのオ
ン毎にズームモータ5は逆転すると共に第27図の異なる
焦点距離f0〜f7′の1ステップだけ変化して停止し、逆
にTELE側でオンさせると、そのオン毎にズームモータ5
は正転すると共にやはりf0〜f7′の1ステップだけ変化
して停止する。但し、ズームステップ102をWIDE側でオ
ンさせた場合、詳しくは先ずズームモータ5はf0〜f7′
の2ステップだけ変化するまで逆転すると共に、その変
化後さらに予め定めた時間経過するまで逆転し、その後
f0〜f7′の1ステップだけ変化するまで正転して停止す
る。尚、WIDE側でこのような駆動態様を取る理由は、鏡
筒ブロック1およびファインダブロック2における機械
系のバックラッシュをとり、WIDE方向で停止させたとき
と、TELE方向で停止させたときの停止位置の変化をなく
すためである。
上記制御を含む本考案を適用したカメラの全制御系を
第33図ないし第38図をも参照しながらさらに詳しく説明
する。まず第33図において、ズームモータコントロール
ユニット(以下ZM/Cという)100は、例えば1チップマ
イクロコンピュータで構成され、その内部プログラムメ
モリ(ROM)には、後述するプログラムが格納されてい
る。尚、このZM/C100が後述するプログラムを実行する
ことによって、本考案に係るステップ判定手段及び停止
手段の各機能を果たしている。
このZM/C100には、上述のモード切換スイッチ101、ズ
ームスイッチ102、測光スイッチ103、ズームエンコーダ
(同図ではスイッチ等価回路で示してある)104からの
各スイッチデータが入力されるとともに、後述するメイ
ンコントロールユニット(以下MC/Uという)109から
は、ズームモータ作動禁止信号DIS、シリアルデータ転
送用のクロックCLK、および後述するスイッチチェック
/動作終了データを載せたシリアル信号SIが入力され
る。またこのZM/C100からは、ズームモータ5を制御す
るズームモータドライブ回路107に回転制御指令RCMが出
力され、かつMC/U109へはその電源をON/OFFするパワー
ホールド信号PHおよびズームエンコーダ104からのズー
ムコードデータZP0〜ZP3を乗せたシリアル信号SOが出力
される。
モード切換スイッチ101は、上述のロック(LOCK)、
ズーム(ZOOM)、およびマクロ(MACRO)の3ポジショ
ンに応じ、次の第1表のLOCK、MACROの2つの信号を作
る。
ズームスイッチ102は、前述のようにWIDEモーメンタ
リ、OFF、およびTELEモーメンタリの三位置をとる。
測光スイッチ103は、レリーズボタン99の一段押しに
よって作動(作動信号SWS)し、測距装置121(発光部3
と受光部4を備えた前述のもの)と測光装置(A/E)120
を動作させる。
ズームエンコーダ104は、カムリング14の回動位置を
前述のコード板90とブラシ92によってZP0〜ZP3のズーム
コードとして検出し、これをPOSという値に変換してZM/
C100に与える。
端子SSCを介して行なうスイッチスキャンコントロー
ル処理は、以上の各スイッチの入力をチェックするとき
だけ、電圧“H"を与え、それ以外のときに“L"として、
消費電流を少なくする。
レギュレータ105は、バッテリ106から給電されてZM/C
100へ所要の駆動電圧を供給する。
ズームモータドライブ回路107は、例えば第34図に示
すように回路構成され、ZM/C100からの4ビットの回転
制御指令RCM(FOWN、FOWP、REVN、REVP)に基づいて、
第2、3に示す如くズームモータ5の回転および停止を
制御する。
MC/U109も、例えば1チップマイクロコンピュータで
構成され、その内部プログラムメモリ(ROM)に格納し
たプログラムを実行することによって次のような機能を
果す。
(1) 巻上ドライブ回路110を介して巻上モータ111の
回転を制御する機能 (2) ドライバ112を介して前述のシャッタブロック2
3を駆動制御する機能 (3) ドライバ114を介して各種表示器115を制御する
機能 (4) インターフェイス116を介してストロボユニッ
ト117(キセノン発光管58を含むストロボ回路)を制御
する機能 (5) インターフェイス118を介してZM/C100へズーム
モータ作動禁止信号DISを出力する機能 (6) インターフェイス118を介してシリアル転送用
のクロックCLKを出力する機能 (7) インターフェイス118を介して後述するスイッ
チチェック/動作終了データを乗せたシリアル信号SIを
出力する機能 (8) レギュレータ124の動作を継続させる機能 なおMC/U109には、上記各機能を果すために、フィル
ム巻戻スイッチや裏蓋スイッチ等の巻上モータ制御スイ
ッチ119からのスイッチデータ、測光装置121からの測光
データ、測距装置120からの距離検出データ、フィルム
感度設定または自動読取装置(ISO)122からのフィルム
感度データ、およびレリーズスイッチ123からのスイッ
チデータSWRなどが入力される。
またレギュレータ124は、MC/U109によって動作が継続
される他、インターフェイス118を介して入力されるパ
ワーホールド信号PHの有無によって起動/停止が行なわ
れるとともに、巻上モータ制御スイッチ119からのスイ
ッチデータによっても起動がかかり、動作時には、ズー
ム制御系を除くメイン制御系の各部位に所要の電源を供
給する。
次に、第35図ないし第38図の各図に示すZM/C100内のR
OMに格納したプログラムのフロー図を参照しながら、ZM
/C100の作用について説明する。
まず第35図を参照してZM/C100のCPUは、バッテリ106
がバッテリケースに収納されてレギュレータ105から給
電されると、S1にて初期設定(イニシャライズ)処理を
行なう。
次にS2にて前述したスイッチスキャンコントロール処
理を行なって、モード切換スイッチ101、ズームスイッ
チ102、測光スイッチ103およびズームエンコーダ104の
各スイッチ状態を入力した後、その入力データに基づき
S3にて測光スイッチ103がオフしているか否かをチェッ
クする。
そして測光スイッチ103がオンしている場合は、S2、S
3の処理を繰り返して測光スイッチ103がオフされるのを
待ち、測光スイッチ103がオフしている場合はS4に処理
を進める。
S4ではMC/U109からのズームモータ作動禁止信号DISが
オン(例えば「1」)となっているか否かをチェック
し、オンであればS5に進み、オフ(例えば「φ」)であ
ればS8に進む。
このズームモータ作動禁止信号DISは、バッテリ106の
消費電力を軽減させるため、巻上モータ111とズームモ
ータ5とが同時に回転させることを禁止するものであ
り、MC/U109が前述した巻上モータ制御スイッチ119によ
って作動して巻上モータ111を作動させる時にのみ、MC/
U109がズームモータ作動禁止信号DISをオンにする。
このズームモータ作動禁止信号DISがオンの時には、S
5にて前述したパワーホールド信号PHをオン(例えば
「1」)にする。このS5において、パワーホール信号PH
を出力する意味は、MC/U109が巻上モータ制御スイッチ1
19によって作動して巻上モータ111を回転させる時に、
それを無条件に行なわせるのではなく、ZM/C100からの
このパワーホールド信号PHによって許可を与えてから実
行させるために出力するものであり、これによりズーム
モータ5と巻上モータ111とを同時に回転させないよう
にしている。
そして次のS6では、MC/U109からのズームモータ作動
禁止信号DISがオフ、すなわちMC/U109による巻上モータ
111の回転制御が終了する迄待ち、ズームモータ作動禁
止信号DISがオフとなったら、S7にてパワーホールド信
号PHをオフ(例えば「φ」)にしてレギュレータ124を
オフしてからS2の処理に戻る。
なおレギュレータ124はオフしても、すべての給電が
停止されるのではなく、例えば表示器115への給電は継
続されるものとする。
またズームモータ作動禁止信号DISがオフの時には、S
8にてS2と同様な処理により各スイッチの状態を入力
し、次のS9にてズームエンコーダ104からのズームコー
ドZP0〜ZP3が前述したPOS(第26図、第27図参照)のど
の値に対応するのかPOS変換する。
このPOS変換後、S10ではS8にて入力したデータに基づ
いて、モード切換スイッチ101による切換位置(モー
ド)が「LOCK」なのか、「ZOOM」なのか、「MACRO」な
のかを判別し、「LOCK」ならS11に、「ZOOM」ならS14
に、「MACRO」ならS16にそれぞれ処理を進める。
そして「LOCK」の場合、S11において、S9にてPOS変換
した結果がPOS=φ、すなわちLOCKポジションか否かを
チェックし、POS=φならS2の処理に戻り、POS≠φなら
S12に処理を進めてズームモータ5を逆転(表3の回転
制御指令RCM参照)させるとともに、S13にて後述するモ
ードサブルーチンを実行した後、S2に戻る。
「ZOOM」の場合は、S14において、まずS9にてPOS変換
した結果がPOS≦1を満足しているか否かをチェック
し、POS≦1ならS17に処理を進めてズームモータ5を正
転(表2の回転制御指令RCM参照)させるとともに、S13
にて後述するモードサブルーチンを実行した後、S2に戻
る。
POS≧2なら、S15において、S9にてPOS変換した結果
がPOS≧Bを満足しているか否かをチェックし、POS≧B
ならS12にてズームモータ5を逆転させるとともに、S13
にて後述するモードサブルーチンを実行した後、S2に戻
る。 POS≦Aなら、2≦POS≦Aということで、S18に
処理を進める。
「MACRO」の場合は、S16にて、S9にてPOS変換した結
果がPOS=C、すなわちMACROポジションか否かをチェッ
クし、POS=CならS22に飛び、POS≠CならS17にてズー
ムモータ5を正転させるとともに、S13にて後述するサ
ブルーチンをコール実行した後、S2に戻る。
次にS18では、S8にて入力したデータに基づいて、ズ
ームスイッチ102がTELE側に切換わっている(TELEオ
ン)か否かチェックし、TELEオンならS19にて後述するT
ELEサブルーチンをコール実行した後、S2に戻り、TELE
オフならS20に処理を進める。
S20では、S8にて入力したデータに基づいて、ズーム
スイッチ102がWIDE側に切換わっている(WIDEオン)か
否かをチェックし、WIDEオンならS21にて後述するWIDE
サブルーチンをコール実行した後、S2に戻り、WIDEオフ
ならS22に処理を進める。
そしてS22では、S8に入力したデータに基づいて、測
光スイッチ103がオンしているか否かチェックし、オン
していなければS4に戻り、オンしていればS23に処理を
進める。
このS22迄の各処理が主な処理であり、以下、S23以降
の各処理の説明の前にS13のモードサブルーチン、S19の
TELEサブルーチン、およびS21のWIDEサブルーチンの説
明を含めて、本考案を適用したカメラの動作について説
明する。
まず第36図のモードサブルーチンのフロー図を参照し
て、このモードサブルーチンをコールすると、ZM/C100
のCPUは、S130にてワイド端フラッグ(ワイド端とは第2
6図、第27図のPOS=2;f0のこと)Fwideを「φ」にリセ
ット(但し、このフラッグリセットは省略してもよい)
し、次のS131、S132にて第35図のS8、S9と同様の処理を
行なう。
次にS133では、S131にて入力したデータに基づいて、
モード切換スイッチ101による切換位置(モード)が「L
OCK」なのか、「ZOOM」なのか、「MACRO」なのかを判別
し、「LOCK」ならS134に、「MACRO」ならS138に、「ZOO
M」ならS142に、それぞれ処理を進める。
そしてまず、「LOCK」の場合、S134にてPOS変換した
結果がPOS=φ、すなわちLOCKポジションか否かをチェ
ックし、POS=φならS135にてズームモータ5を停止
(この場合は逆転状態にあるので、表3の回転制御指令
RCM参照)させた後、第35図のS2にリターンする。
POS≠φなら、S136にてズームモータ5が逆転してい
るか否かを確認し、逆転していれば直ちにS131に戻り、
逆転していなければS137にてズームモータ5を逆転させ
た後S131に戻る。
次に「MACRO」の場合は、S138において、S132にてPOS
変換した結果がPOS=C、すなわちMACROポジションか否
かをチェックし、POS=CならS139にてズームモータ5
を停止(この場合は、正転状態にあるので表2の回転制
御指令RCM参照)させた後、第35図のS2にリターンす
る。
POS≠CならS140にてズームモータ5が正転している
か否かを確認し、正転していれば直ちにS131に戻り、正
転していなければS141にてズームモータ5を正転させた
後S131に戻る。
「ZOOM」の場合は、S142において、S132にてPOS変換
した結果がPOS≧Aなのか、POS≦1なのか、2≦POS≦
9なのかチェックし、POS≦1ならS143に、2≦POS≦9
ならS153に、POS≧AならS165に、それぞれ処理を進め
る。
POS≦1ならS143にてズームモータ5が正転している
か否かをチェックし、正転している時には、S146に飛
び、逆転している時には、S144に処理を進める。
S144では、後述する理由により予め定めた時間t msec
だけ処理を進めない待機処理を行ない、t msec経過後、
S145にてズームモータ5を逆転から正転に反転させる。
次にS146、147では、やはり第35図のS8、S9と同様の
処理を行ない、その後S148、S149において、S146に入力
したデータに基づいて、モード切換スイッチ101による
切換位置(モード)が「ZOOM」から「LOCK」または「MA
CRO」に切換えられたか否かをチェックし、「LOCK」に
切換えられていれば、S134に戻り、「MACRO」に切換え
られていればS138に戻り、「ZOOM」のままなら、S150に
処理を進める。
S150では、S147においてPOS変換した結果がPOS=2か
否かをチェックし、POS≠2ならS146に戻り、POS=2な
らS151に処理を進める。
S151では、POS=2、すなわちワイド端になったの
で、ワイド端フラッグF wideを「1」にセット(尚、こ
のフラッグセットは省略しても良い)し、次のS152でズ
ームモータ5を停止させた後、第35図のS2にリターンす
る。
S142のチェックで、2≦POS≦9とチェックされた場
合は、S153にて、やはりズームモータ5が正転している
か否かをチェックし、正転している時にはS160に飛んで
S132のPOS変換結果をレジスタMposに格納した後、次のS
161,S162にて第35図のS8,S9と同様な処理を行なった
後、S162にてS162のPOS変換結果がPOS=Mpos+1、すな
わち先にレジスタMposに格納したPOSデータが「1」だ
けTELE側に変化したか否かをチェックし、POS=Mpos+
1なら次のS164でズームモータ5を停止させた後、第35
図のS2にリターンする。また、未だPOS≠Mpos+1な
ら、S161〜S163の処理を繰り返してMpos+1になるのを
待つ。
またズームモータ5が逆転している時には、S154に処
理を進めてまずS132のPOS変換結果をレジスタMposに格
納してから、S155,S156にて第35図のS8,S9と同様な処理
を行なった後、S157において、S156のPOS変換結果がPOS
=Mpos−1,すなわち先にレジスタMposに格納したPOSデ
ータが「1」だけWIDE側に変化したか否かをチェック
し、POS=Mpos−1ならS158に処理を進め、未だPOS≠Mp
os−1ならS155〜S157の処理を繰り返してPOS=Mpos−
1になるのを待つ。
S158,S159では、前述したS144,S145と同様の処理を行
なう。そして、前述したS160〜164の各処理を行なった
後、第35図のS2にリターンする。
S142のチェックで、POS≧Aとチェックされた場合
は、S165にてズームモータ5が逆転しているか否かをチ
ェックし、逆転している時には、S167に飛び、正転して
いる時にはS166にてズームモータ5を逆転させた後S167
に処理を進める。
S167、S168では、やはり第35図のS8、S9と同様の処理
を行ない、その後S169、S170では前述したS148、S149と
同様の処理を行なう。
そしてモード切換スイッチ101による切換位置(モー
ド)が「ZOOM」のままの場合は、S171にてズームモータ
5が逆転しているか否かをチェックし、逆転している時
にはS172に処理を進め、正転している時には、S175に処
理を進める。
S172の処理では、S168にてPOS変換した結果がPOS=9
か否かをチェックし、POS≠9ならS167に戻り、POS=9
ならS173、S174にて前述したS144、S145と同様の処理を
行なった後、S167に戻る。
S175の処理では、やはりS168にてPOS変換した結果がP
OS=A、すなわちテレ端(第27図のf7′)か否かをチェ
ックし、POS≠AならS167に戻り、POS=AならS176にて
ズームモータ5を停止させた後、第35図のS2にリターン
する。
次に第37図のTELEサブルーチンのフロー図を参照し
て、このTELEサブルーチンをコールすると、ZM/C100のC
PUは、S190にて、第35図のS9のPOS変換結果がPOS=Aか
否かをチェックし、POS=AならS197に飛んでS197にて
各スイッチの状態を入力し、S198にてその入力結果によ
りズームスイッチ102が未だTELE側に切換わっているか
否かをチェックし、TELEオンならS197,198の処理を繰り
返して当該スイッチ操作を無効にし、TELEオフなら第35
図のS2にリターンする。また、POS≠A、すなわちここ
では2≦POS≦9ならS191に処理を進めて、第35図のS9
のPOS変換結果をレジスタMposに格納した後、次のS192
にてズームモータ5を正転させる。
そしてS193、S194にて第35図のS8、S9と同様な処理を
行なった後、S195にてS194のPOS変換結果がPOS=Mpos+
1、すなわち先にレジスタMposに格納したPOSデータが
「1」だけTELE側に変化したか否かをチェックし、POS
=Mpos+1なら次のS196でズームモータ5を停止させる
と共に、S197にて各スイッチの状態を入力し、S198にて
その入力結果によりズームスイッチ102が未だTELE側に
切換わっているか否かをチェックし、TELEオンならS19
7,198の処理を繰り返して当該スイッチ操作を無効に
し、TELEオフなら第35図のS2にリターンする。
また未だPOS≠Mpos+1なら、S193〜195の処理を繰り
返してPOS≠Mpos+1になるのを待つ。
次に第38図のWIDEサブルーチンのフロー図を参照し
て、このWIDEサブルーチンをコールすると、ZM/C100のC
PUはまずS210にて第35図のS9のPOS変換結果がPOS=2、
すなわち既にワイド端でズームモータ5が停止している
か否かをチェックし、POS=2ならS222に飛んで各スイ
ッチの状態を入力し、S223にてその入力結果よりズーム
スイッチ102が未だWIDE側に切換わっているか否かをチ
ェックし、WIDEオンならS222、223の処理を繰り返して
当該スイッチ操作を無効にし、WIDEオフなら第35図のS2
にリターンする。また、POS≠2ならS211に処理を進め
る。
S211では、第35図のS9のPOS変換結果をレジスタMpos
に格納し、次のS212ではズームモータ5を逆転させる処
理を行なう。
そして、S213、S214にて第35図のS8、S9と同様な処理
を行なった後、S215において、S214のPOS変換結果がPOS
=Mpos−2,すなわち先にレジスタMposに格納したPOSデ
ータが「2」だけWIDE側に変化したか否かをチェック
し、POS=Mpos−2ならS216に処理を進め、未だPOS≠Mp
os−2ならS213〜215の処理を繰り返してPOS=Mpos−2
になるのを待つ。
S216、S217では、前述した第36図のS144、S145と同様
の処理を行ない、さらにS218、S219では、前述した第35
図のS8、S9と同様な処理を行なう。
そしてS220では、S219のPOS変換結果がPOS=Mpos−1,
すなわちS211にてレジスタMposに格納したPOSデータが
結果的に「1」だけWIDE側に変化したか否かをチェック
し、POS≠Mpos−1ならS218〜220の処理を繰り返してPO
S=Mpos−1なるのを待ち、POS=Mpos−1ならS221に
て、ズームモータ5を停止させる処理を行なった後、次
のS222に各スイッチの状態を入力し、S223にてその入力
結果よりズームスイッチ102が未だWIDE側に切換わって
いるか否かをチェックし、WIDEオンならS222,223の処理
を繰り返して当該スイッチ操作を無効にし、WIDEオフな
ら第35図のS2にリターンする。
次に、第35図のS1〜S22および第36図ないし第38図の
各処理の作用を主な動作を場合分けして説明する。
(1) バッテリケースにバッテリ106を収納するとと
もに、巻上モータ制御スイッチ119、レリーズボタン9
9、ズームスイッチ102を全く操作しない場合 (a) モード切換スイッチ101がLOCK位置になってい
る時には、ZM/C100のCPUは第35図のS1の初期設定処理を
行なった後、前群レンズL1と後群レンズL2の動きを支配
するカムリング14の回動位置がPOS=φとなっているこ
とを条件に、S2〜S4、S8〜S11、およびS2の第一のルー
プで各処理を繰り返すだけで、カメラ動作は何らなされ
ない。なおこの時に途中でレリーズボタン99が押されて
測光スイッチ103がオンした場合には、それがオフする
迄、S2、S3の処理が繰り返し実行され、レリーズボタン
99の動作が無視される。
カムリング14の回動位置がPOS≠φの場合は、第35図
のS12の処理によって、ズームモータ5がPOS=φになる
方向に逆転されるとともに、第36図のS131〜S134、S13
6、S131の繰り返し処理、およびS135の処理によって、
カムリング14の回動位置がPOS=φで停止するようにズ
ームモータ5の回転が制御され、POS=φになると、前
述の第一のループに戻る。
(b) モード切換スイッチ101をLOCK位置からZOOM位
置に切換えた時には、ZM/C100のCPUは前述の第一のルー
プから抜け出てS14に進む。この時、POS=φであるか
ら、S17の処理によってズームモータ5を正転させると
ともに、第36図のS130〜S133、S142を経て、S143、S14
6、S147と処理を進め、S148、S149にてモード切換スイ
ッチ101がLOCK位置ないしMACRO位置に切換えられていな
いことを条件に、S150、S146〜S149のループでPOS=2
となるのを待ち、POS=2となったら、S151を経てS152
にてズームモータ5を停止させた後、第35図のS2に戻
る。
すなわちこの場合には、カムリング14の回動停止位置
は、第27図に示す焦点距離がf0となるワイド端(POS=
2)となる。なおZM/C100のCPUは、S2に戻った後、何れ
のカメラ操作もなされていないことを条件に、S4、S8〜
S10、S14、S15、S18、S20、S22、S4の第二のループで各
処理を繰り返す。
(c) モード切換スイッチ101を、カムリング14がワ
イド端で停止している状態で、ZOOM位置からMACRO位置
に切換えた時には、ZM/C100のCPUは、前述の第二のルー
プからS10より抜け出て、S16に進む。この時POS=2で
あるから、S17の処理によってズームモータ5を正転さ
せるとともに、第36図のS131〜S133、S138、S140、S131
の繰り返し処理およびS139の処理によってカムリング14
の回動位置がPOS=Cで停止するようにズームモータ5
の回転が制御され、POS=Cになると、第35図のS2に戻
り、以後はカメラ操作が何らなされないことを条件に、
S4、S8〜S10、S16、S22、S4の第三のループで各処理を
繰り返す。
(d) モード切換スイッチ101をMACRO位置からZOOM位
置に切換えた時には、ZM/C100のCPUは、前述の第三のル
ープからS10より抜け出てS14に進む。この時、POS=C
であるから、S14、S15を経て、S12の処理によりズーム
モータ5を逆転させるとともに、第36図のS131〜S133、
S142を経て、S165、S167、S168と処理を進める。そして
S169、S170にてモード切換スイッチ101がLOCK位置ない
しMACRO位置に切換られていないことを条件に、S171、S
172、S167〜S171のループでまずPOS=9となるのを待
ち、POS=9となったら、S173にてt msec待つ処理を行
なった後、S174にてズームモータ5を逆転から正転させ
る処理を行なう。
ここで、S173、S174の処理を行なうのは次のような理
由による。
すなわちMACRO位置からZOOM位置への切換え時には、
カムリング14をPOS=9側からPOS=Aに入った直後で停
止させるが、POS=AからPOS=9となった直後にズーム
モータ5を逆転から正転に反転させてPOS=Aで停止さ
せると、ズームモータ5における駆動伝達系の歯車等の
バックラッシュを除去しない状態でズームモータ5が停
止する可能性がある。しかしPOS=9となった時点でt m
secの間ズームモータ5をさらに逆転させることで、POS
=Aに戻すまでの時間を稼ぎ、その後ズームモータ5を
正転させれば、正転側のバックラッシュを除去した状態
でPOS=Aにて停止できる。
そしてS174の処理の後、S167〜S171、S175、S167のル
ープでPOS=Aになるのを待ち、POS=AとなったらS176
にてズームモータ5を停止させて第35図のS2に戻る。
すなわちこの場合には、カムリング14の回動停止位置
は、第27図に示す焦点距離がf7′となるテレ端(POS=
A)となる。
なおこの場合も、ZM/C100のCPUは前述の(b)と同様
にS2に戻った後は、何らのカメラ操作がなされていない
ことを条件に、前述の第二のループで各処理を繰り返
す。
またこのMACRO位置からZOOM位置への切換えで、S142
からS165に進む場合は、上記の場合の他に、S131〜S13
3、S138、S140、S141、S131のループ処理中でカムリン
グ14がPOS≧Aに対応する位置にある時に、モード切換
スイッチ101がZOOM位置に切換えられた時にも起こり得
る。但し、この場合は、S166の処理で正転しているズー
ムモータ5を逆転することが行なわれる。
(e) モード切換スイッチ101をカムリング14がテレ
端(POS=A)で停止している状態でZOOM位置からMACRO
位置に切換えた時には、出発点がPOS=2の代りにPOS=
Aであることを除いて、前述の(c)と同様である。
(f) 前述の(b)ないし(d)の説明における第36
図のS148、S149、S170、S171のチェックで、モード切換
スイッチ101がZOOM位置からLOCK位置ないしMACRO位置に
切換えられたことがチェックされた時には、LOOK位置の
場合はS134から前述したS136、S137、S131〜S134のルー
プ処理およびS135の処理によりカムリング14はPOS=φ
で停止し、MACROの場合は、S138からやはり前述したS14
0、S141、S131〜S133、S138のループ処理およびS139の
処理によりカムリング14はPOS=Cで停止する。
(g) 第36図のS131〜S133、S138、S140、S141、S131
のループ処理中で、かつカムリング14が2≦POS≦9に
対応する位置にある時に、または第36図のS131〜S137、
S131のループ処理中で、かつカムリング14が2≦POS≦
9に対応する位置にある時に、モード切換スイッチ101
がZOOM位置に切換えられた時、ZM/C100のCPUは、S133か
ら上記ループを抜け出て、S142に処理を進める。
そしてこの場合2≦POS≦9であるので、S153に進
み、ズームモータ5が正転している時にはS153からS160
に飛んで、S160〜S164の各処理によりPOSがTELE側に+
1だけ変化した時点でズームモータ5を停止させ、ズー
ムモータ5が逆転している時には、S153からS154に進ん
で、S154〜S164の各処理により、POSが一旦WIDEに−1
変化して、さらにズームモータ5をt msecだけ逆転(こ
のt msecの逆転処理の意味に就ては後述する。)させた
後、ズームモータ5を正転させてPOSがTELE側に+1だ
け変化した時点でズームモータ5を停止させる。
すなわち2≦POS≦9の間では、カムリング14の回動
停止位置は、第27図に示す焦点距離がf0〜f7′の何れか
の変化点となる。
(h) 第36図のS131〜S136、S131のループ処理で、カ
ムリング14がPOS=1に対応する位置にある時にモード
切換スイッチ101をLOCK位置からZOOM位置に切換えた時
には、ZM/C100のCPUはS133からS142、S143を経てS144に
処理を進める。
そしてこのS144および次のS145では、前述したS173、
S174と同様な処理を行なう。
すなわちこのようなLOCK位置からZOOM位置への切換え
時には、カムリング14がPOS=1側からPOS=2に入った
直後で停止されるが、POS=2からPOS=1となった直後
でズームモータ5を逆転から正転に反転させてPOS=2
で停止させると、ズームモータ5における駆動伝達系の
歯車等のバックラッシュを除去しない状態でズームモー
タ5が停止するおそれがある。しかしt msecの間ズーム
モータ5をさらに逆転させることで、POS=2に戻す迄
の時間を稼ぎ、その後ズームモータ5を正転させること
により正転側のバックラッシュを除去した状態でPOS=
2で停止できる。
(2) ZM/C100のCPUが前述の第一のループないし第二
のループ等のループ処理を実行中に、巻上モータ制御ス
イッチ119が操作された場合 MC/U109のCPUはズームモータ作動禁止信号DISをオン
するので、ZM/C100のCPUは第35図のS4からS5に処理を進
める。そしてこのS5でパワーホールド信号PHをオン(出
力)することにより、MC/U109に巻上モータ111を回転さ
せることを許可し、これを受けてMC/U109のCPUは、巻上
モータ111の回転制御を開始する。
そしてMC/U109が巻上モータ111の制御を終了してズー
ムモータ作動禁止信号DISをオフすると、ZM/C100のCPU
はS6からS7に処理を進め、パワーホールド信号PHをオフ
してS2に戻る。
なお前述の第一、第二のループ処理からS4〜S7に分岐
することにより、巻上モータ111の作動中ズームモータ
5の作動が禁止されるとともに、測光スイッチ103およ
びレリーズスイッチ123の操作も無視される。
(3) ZM/C100のCPUが前述の第二のループの各処理を
実行している時にズームスイッチ102をTELE側に操作し
た場合 ZM/C100のCPUは、第35図のS18からS19に処理を進め
て、第37図に示すTELEサブルーチンをコール実行する。
まずS190にて、カムリング14の回動停止位置がPOS=
Aのテレ端とチエックされたらズームモータ5を回転さ
せる必要がないため、S197、198によるズームスイッチ1
02の操作無効処理を行ない、テレ端以外(このTELEサブ
ルーチンがコールされるときは2≦POS≦9となってい
る)であるとチェックされたらS191にて前述したMpos←
POSなる処理を行なうと共に、S192にてズームモータ5
を正転させた後、S193〜S195のループで、カムリング14
の回動位置がPOS=Mpos+1となるのを待ち、POS=Mpos
+1となったら、S196にてズームモータ5を停止させる
処理を行なった後、S197,198にてズームスイッチ102の
操作無効処理を経て第35図のS2に戻る。このようにズー
ムスイッチ102をTELE側にオン操作すると、そのTELEオ
ン毎にカムリング14はPOS=2(f0)〜POS=A(f7′)
に於いて、1ステップずつTELE側に移動・停止を繰り返
し、それによって、カムリング14を第27図に示す如く所
要の焦点位置に位置させることができ、必要回数だけTE
LEオンさせると、カムリング14はテレ端で停止する。
(4) ZM/C100のCPUが前述の第二のループの各処理を
実行している時に、ズームスイッチ102をWIDE側に操作
した場合 ZM/C100のCPUは、第35図のS20からS21に処理を進めて
第38図に示すWIDEサブルーチンをコール実行する。
まずS210にてPOS=2か否かをチェックし、POS=2な
らカムリング14の回動停止位置がワイド端であり、ズー
ムモータ5を回転させる必要がないため、S222、223に
よるズームスイッチ102の操作無効処理を行ない、POS≠
2ならS211にて前述したMpos←POS処理を行なった後S21
2にてズームモータ5を逆転させる。
S212の処理後、S213〜S215のループで、カムリング14
の回動位置がまずPOS=Mpos−2となるのを待ち、POS=
Mpos−2となったら、S216、S217にて、前述したS173、
S174と同様なバックラッシュ対策処理を行なうととも
に、S218〜S220のループ処理を行なって、POS=Mpos−
1になるのを待つ。
そしてPOS=Mpos−1になったら、S221にてズームモ
ータ5の回転を停止した後、S222,223にてズームスイッ
チ102の操作無効処理を経て第35図のS2に戻る。
このようにズームスイッチ102をWIDE側に操作する
と、そのWIDEオン操作毎にカムリング14はPOS=A(f
7′)〜POS=2(f0)に於いて、結果的に1ステップず
つWIDE側にバックラッシュを除去しつつ移動・停止を繰
り返し、それによってカムリング14を第27図に示す如く
所要の焦点位置に位置させることができ、必要回数だけ
WIDEオンさせると、カムリング14はワイド端で停止す
る。
なお上記実施例では、カムリング14の回動位置(PO
S)を13段階に分け、その1段階を1ステップとした
が、2またはそれ以上の段階を1ステップとしてもよ
い。
最後に、第35図のS22以降の処理について説明する。
ZM/C100のCPUが前述の第二のループの各処理を実行し
ている時に、レリーズボタン99を操作して測光スイッチ
103をオンする(但し、巻上モータ制御スイッチ119がオ
ンしないことが条件)と、ZM/C100のCPUはS22からS23以
降に処理を進める。
まずS23では、パワーホールド信号PHをオンして、MC/
U109を作動させる。次にS24では、MC/U109からのズーム
モータ作動禁止信号DISがオンしたか否かをチェックす
ることによって、MC/U109が作動したかどうかを確認
し、それを確認できたら、S25にてS9のPOS変換結果をMC
/U109にシリアル転送するために、そのPOS変換結果(ズ
ームコードデータ)を出力レジスタにセットするととも
に、MC/U109からのクロックCLKに同期してそのセットデ
ータをシリアル信号SOに乗せ、MC/U109へシリアル転送
する。
そしてS26にて上記転送処理が終了するのを待ち、転
送処理が終了したら、S27に処理を進める。
S27では、MC/U109からスイッチチェック/動作終了デ
ータを乗せたシリアル信号SIが入力されるのを待ち、シ
リアル信号SIが入力されたら、S28にてその入力データ
をチェックする。
そして入力データがMC/U109の動作終了を示す動作終
了データ(パワーホールドオフ要求データ)ENDならS29
に、測光スイッチチェックデータSWSCHKならS31に、モ
ード切換スイッチのLOCKチェックデータLOCKCHKならS34
に、それぞれ処理を進める。
S29では、MC/U109の動作が終了しているということ
で、パワーホールド信号PHをオフし、その後S30にてMC/
U109からのズームモータ作動禁止信号DISがオフしたこ
とを確認してからS2に戻る。
S31では、測光スイッチ103がオンしているか否かをMC
/U109に知らせるために、パワーホールド信号PHを一旦
オフし、次のS32にて前述したS2と同様な処理により各
スイッチデータを入力する。
そして、S33において、S32に入力したデータに基づい
て測光スイッチ103がオンしているか否かをチェック
し、オンしていなければS30にてズームモータ作動禁止
信号DISがオンするのを待ってS2に戻る。
すなわち測光スイッチ103がオフの場合、S31の処理で
パワーホールド信号PHをオフしたことが有効になる。
また測光スイッチ103がオンしていれば、S36にて、S3
2での入力データに基づき、モード切換スイッチ101がLO
CK位置に切換わっているか否かをチェックし、LOCK位置
に切換わっていれば、測光スイッチ103がオンしている
ことを知らせる必要がないので、前述のS30を介してS2
に戻る。
そしてモード切換スイッチ101がLOCK位置に切換わっ
ていなければ、S37にてパワーホールド信号PHを再度オ
ンしてS27に戻る。
すなわちZM/C100のCPUは、MC/U109から測光スイッチ1
03がオンしているか否かを聞いてきた場合、測光スイッ
チ103がオンしていたら、そのことを、パワーホールド
信号PHをオン、オフさせることで知らせる。
最後に、S34〜S37、S30では測光スイッチ103の場合と
同様にして、モード切換スイッチ101がLOCK位置に切換
わっているか否かをMC/U109に知らせる。
なお上記S23〜S37において、ZM/C100からMC/U109へ転
送されるズームコードデータ(POS変換結果)および測
光スイッチ103のオンデータは、MC/U109において次のよ
うに利用される。
ズームコードデータは、変倍位置に応じて変化する開
放F値を表すデータとしてシャッタブロック23のシャッ
タスピード可変制御に供せられるとともに、MACRO位置
を表すPOS=Cは、測距装置120による測距データがMACR
O範囲を越えている場合に、表示装置115におけるファイ
ンダ内の表示を点灯して、撮影者に警告を与え、かつこ
の時にレリーズスイッチ123の作動を無視する制御に供
せられる。
また測光スイッチ103のオンデータは、測光装置121の
起動制御に供せられる。
なお上記実施例では、バッテリ106をバッテリケース
に収納した時点で、レギュレータ105を無条件に作動さ
せるようにした例について述べたが、例えば、バッテリ
106からレギュレータ105への給電ラインに手動スイッチ
を介挿し、ZM/C100の作動開始を撮影者のこの手動スイ
ッチのオン動作によって行なわせるようにすることもで
きる。
「考案の効果」 以上のように本考案によるレンズシャッタ式ズームレ
ンズカメラに於るズームレンズ系駆動装置によれば、ズ
ームスイッチをオンする毎に、起動時の焦点距離位置か
ら、隣接するまたは所定ステツプ分離れた予め定められ
た複数の焦点距離位置までズーミングしてその焦点距離
位置で停止するので、非常に操作性のよいパワーズーム
ズームカメラが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の構成を示すブロック図、 第2図は本考案を適用したレンズシャッタ式カメラの実
施例を示す主要要素の概念的斜視図、 第3図は主に鏡筒ブロック、測距装置の発光部と受光部
と近距離補正光学素子、およびズームモータの配置を示
す正面図、 第4図は第2図の平面図、 第5図および第6図は、それぞれ第3図のV−V線およ
びVI-VI線に沿う断面図、 第7図は鏡筒ブロックの縦断面図、 第8図はカムリングの前群用カム溝および後群用カム溝
の展開図、 第9図は鏡筒ブロックの分解斜視図、 第10図、第11図はそれぞれバリヤブロックの開状態、閉
状態の正面図、 第12図は三角測距原理に基づく測距装置の概念図、 第13図は第12図の測距装置において近距離補正光学素子
を挿入した状態の概念図、 第14図は第13図の近距離補正光学素子の拡大図、 第15図は同正面図、 第16図はファインダブロックのカム板部分の平面図、 第17図は第16図のXVII-XVII線に沿う断面図、 第18図は第16図の背面図、 第19図は第16図においてカム板を除去した状態の平面
図、 第20図は第19図の正面図、 第21図は第20図のXXI-XXI線に沿う断面図、 第22図は第21図とは異なる作動状態の断面図、 第23図は第22図において偏角プリズム作動板を除いて描
いた偏角プリズム挿入時の縦断面図、 第24図は偏角プリズム挿入時の状態を示す第20図と類似
した正面図、 第25図は第24図のXXV-XXV線に沿う断面図、 第26図はコード板およびこのコード板のランドと各カム
溝の対応関係を示す展開図、 第27図は第26図のコード板によるズームコードおよびこ
れによる停止ポジションを示す図表、 第28図、第29図、および第30図は本考案を適用したカメ
ラの各操作スイッチの配置例を示す正面図、背面図、お
よび平面図、 第31図、および第32図はモード切換スイッチとマイクロ
ボタンの関係を示す、異なる作動状態の断面図、 第33図は本考案を適用したカメラの制御系を示すブロッ
ク図、 第34図はズームモータの駆動回路図、 第35図ないし第38図は本考案カメラの動作を示すフロー
図である。 1……鏡筒ブロック、2……ファインダおよびストロボ
ブロック、3……発光部、4……受光部、4e……近距離
補正光学素子、5……ズームモータ、7……ピニオン、
11……後固定板、12……ガイドロッド、13……前固定
板、14……カムリング、16……前群枠、17、19……ロー
ラ、18……後群枠、20、21……ズーミングカム溝、24…
…前群レンズ枠、23……シャッタブロック、25……ヘリ
コイド、30……バリヤブロック、53……カム板、54……
ファインダブロック、55……変倍カム溝、54……パララ
ックス補正カム溝、57……ストロボカム溝、58……キセ
ノンランプ、63、64、65……ガイド溝、66……変倍レン
ズ枠、67……偏角プリズム作動板、68……ストロボケー
ス、66a、67a、68a……ガイド突起、69、70、71……従
動ピン、76……位置規制駒、90……コード板、92……ブ
ラシ、99……レリーズボタン、100……ズームモータコ
ントロールユニット、101……モード切換スイッチ、102
……ズームスイッチ、103……測光スイッチ、104……ズ
ームエンコーダ、109……メインコントロールユニッ
ト、107……ズームモータドライブ回路、L1〜L6……レ
ンズ、P1……偏角プリズム。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−23335(JP,A) 特開 昭59−123832(JP,A) 特開 昭50−36118(JP,A) 特開 昭59−109006(JP,A) 特開 昭58−103273(JP,A) 特開 昭52−115217(JP,A)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】測距装置による検出被写体距離に応じて自
    動的に焦点調整される撮影光学系を備えたレンズシャッ
    タ式カメラに於て、 上記撮影光学系を構成する、焦点距離を連続的に変化さ
    せるズームレンズ系と; このズームレンズ系をその最短焦点距離と最長焦点距離
    の間で駆動するズームモータと; このズームモータを正転させるための第一のオン位置
    と、逆転させるための第二のオン位置と、停止させるた
    めのオフ位置とを有し、第一のオン位置及び第二のオン
    位置には手動で操作され、操作力を開放するとオフ位置
    に復帰するズームスイッチと; このズームスイッチが第一のオン位置又は第二のオン位
    置に操作される毎に、上記ズームモータを正転方向又は
    逆転方向に駆動するモータ駆動手段と; 上記ズームレンズ系のレンズ位置を複数の焦点距離ステ
    ップとして検出する位置検出手段と; 上記ズームスイッチがオン位置に操作された後上記ズー
    ムモータが回転しているときに上記位置検出手段が検出
    したレンズ位置が、複数の焦点距離位置の所定ステップ
    だけ変化したか否かを判定するステップ判定手段と; このステップ判定手段が所定ステップだけ変化したと判
    定したときに上記ズームモータの回転を停止させる停止
    手段と; を設けたことを特徴とするレンズシャッタ式ズームレン
    ズカメラに於るズームレンズ系駆動装置。
  2. 【請求項2】上記停止手段は、上記ズームモータが一方
    の方向に回転しているときには、上記判定手段が上記レ
    ンズ位置が2ステップ分変化したと判定した後予め定め
    た時間経過後に上記ズームモータの回転を反転させ、さ
    らに反転後に上記判定手段が上記レンズ位置が所定ステ
    ップ分変化したと判定した時に上記ズームモータを停止
    させ、上記ズームモータが他方の方向に回転していると
    きには、上記判定手段が上記レンズ位置が所定ステップ
    分変化したと判定した時に上記ズームモータを停止させ
    る実用新案登録請求の範囲第1項に記載のレンズシャッ
    タ式ズームレンズカメラに於るズームレンズ系駆動装
    置。
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