JP2002174763A - 焦点距離切換レンズ絞り装置及び該装置を使用可能なカメラ - Google Patents

焦点距離切換レンズ絞り装置及び該装置を使用可能なカメラ

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JP2002174763A
JP2002174763A JP2000373234A JP2000373234A JP2002174763A JP 2002174763 A JP2002174763 A JP 2002174763A JP 2000373234 A JP2000373234 A JP 2000373234A JP 2000373234 A JP2000373234 A JP 2000373234A JP 2002174763 A JP2002174763 A JP 2002174763A
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camera
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JP2000373234A
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Hiroshi Terada
洋志 寺田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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  • Exposure Control For Cameras (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数焦点距離切換可能な焦点距離切換レンズ
絞り装置とこの装置を用いるカメラを実現して、単焦点
レンズ並の性能で確実に撮影が行なえ、小型で使い勝手
の良好なカメラシステムを提供すること。 【解決手段】 複数のレンズ群と複数の可変絞り(A,
B,C)とを有して、複数焦点距離(広角、標準、望遠)の
設定が可能な焦点距離切換レンズ絞り装置及びこれを含
む交換レンズ又はカメラであり、撮影レンズの沈胴状態
など撮影に用いない非撮影時もしくは非使用時は、上記
可変絞りの内の1つは最小絞り状態もしくは全閉状態に
なるように設定し該当する絞りモータで駆動するように
制御するものである(S182)。また、所望によりこの
全閉状態等をユーザに知らせるため例えば視覚的に認識
可能なようにした焦点距離切換機能付きのカメラシステ
ムを構成実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の焦点距離に
切換可能な焦点距離切換機能をもつレンズとこれを使用
する複数焦点距離切換カメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】複数焦点距離切換カメラ用のレンズ技術
としては、近年例えば特開昭63−43114号公報に
教示された「焦点距離が切換可能なレンズ構体」があ
る。このような焦点距離が切換可能な光学系を撮影レン
ズに有するカメラでは、通常、撮影レンズ群を構成する
主要なマスターレンズの前に設けられた1つのフロント
コンバージョンレンズ群を回転させ3つの焦点状態を得
ることで、ユーザの所望によりワイド(WIDE:広角)、ス
タンダード(STAN:標準)又はテレ(TELE:望遠)撮影の為
の各焦点距離を選択的に切り換えられるように構成され
ている。この構造では確かにカメラと別体のコンバージ
ョンレンズの併用は不要となる。
【0003】また、従来の複数焦点レンズ構体は、これ
を構成するレンズ群に隣接して露出動作に係わり稼動す
る可変絞りと、レンズの収差や光路内の乱反射を防ぐ為
に固定的に固定絞りが専用に設けられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術のレンズ構体では、実質的にはマスターレ
ンズにコンバージョンレンズを一体的に付加した複合構
成のため、光学系を成すレンズ枚数が構造的に多くな
る。また、フロントコンバージョンレンズ群で回転駆動
を行なう為の機構が設けられる必要から、構成的に全体
の小型化は極めて困難である。
【0005】さらに、絞りをその機能別に所定の位置に
配置して、主に可変絞りのみを制御する従来の絞り制御
では、設計上の限界もあり光学的な性能向上には自ずと
限界がある。特に可変絞りのみの口径制御では、光学的
な不具合の解消は難しく、その結果、フレアやゴースト
が発生する場合があり、これに起因する撮影上の悪影響
が効率的に防止できなかった。
【0006】したがって、単焦点レンズがもつ高い性能
を発揮すると共に、コンバージョンレンズを付けなくと
も複数の焦点距離の切り換えが可能な小型のレンズ絞り
装置を備えたカメラが求められている。
【0007】また、レンズ交換が可能なカメラシステム
においては、複数焦点機能をもつ交換レンズを備えた一
例はあるものの、そのシステムは構成的に絞りが一箇所
のみであり、その考え方はズームレンズの構成とほとん
ど変わらないものであり、充分な光学性能を得られるも
のではない。よって、小型でしかも単焦点レンズ並みの
性能を有する交換レンズが求められている。
【0008】そこで本発明の目的は、例えば三焦点レン
ズなどの複数焦点距離切換可能な焦点距離切換レンズ絞
り装置とこの装置を用いるカメラを実現して、単焦点レ
ンズ並の性能で確実に撮影が行なえ、小型で使い勝手の
良好なカメラシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するため、本発明では次のような手段を講じてい
る。即ち第1の発明によれば、複数のレンズ群と、複数
の可変絞りとを有して複数の焦点距離設定が可能な焦点
距離切換レンズ絞り装置であって、非撮影時若しくは非
使用時は、上記可変絞りの内一つは最小絞り若しくは全
閉に設定されるような焦点距離切換レンズ絞り装置を提
案する。
【0010】第2の発明によれば、複数のレンズ群と複
数の可変絞りとを有して複数の焦点距離設定が可能な焦
点距離切換レンズ絞り装置を使用可能なカメラであっ
て、非撮影時若しくは非使用時には上記可変絞りの内一
つを最小絞り若しくは全閉に設定するような焦点距離切
換レンズ絞り装置を使用可能なカメラを提案する。
【0011】第3の発明によれば、複数のレンズ群と複
数の可変絞りとを有して複数の焦点距離に設定が可能な
焦点距離切換レンズ絞り装置を使用するカメラであっ
て、クイックリターンミラーを有し、上記焦点距離切換
レンズ絞り装置が上記複数の焦点距離状態外にあるとき
上記クイックリターンミラーを非観察状態に設定するよ
うな焦点距離切換レンズ絞り装置を使用可能なようなカ
メラを提案する。
【0012】第4の発明によれば、複数のレンズ群と複
数の可変絞りとを有して複数の焦点距離に設定が可能な
焦点距離切換レンズ絞り装置であって、この焦点距離切
換レンズ絞り装置が非撮影状態若しくは非使用状態にあ
るときはこの状態を出力する出力手段を具備するような
焦点距離切換レンズ絞り装置を提案する。そして第5の
発明によれば、複数のレンズ群と複数の可変絞りとを有
して複数の焦点距離設定が可能な焦点距離切換レンズ絞
り装置と、非撮影時若しくは非使用時には上記可変絞り
の内一つを最小絞り若しくは全閉に設定する焦点距離切
換レンズ絞り装置を使用可能なカメラとを具備するよう
なカメラシステムを提案する。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明は、複数レンズ群と複数
絞りを有した撮影レンズ光学系が供する複数の焦点距離
(広角、標準、望遠)の中からユーザが所望により選択操
作した焦点距離切換え操作に伴う焦点距離切換え動作お
よび、これに対応して適切な露光が得られるような絞り
動作を、所定の手法と制御手順に基づいて最適制御する
ように構成された焦点距離切換レンズ絞り装置と、これ
を一体的に有するレンズ一体型カメラおよび、このよう
な装置を有した交換レンズとそれを装着交換自在なレン
ズ交換式カメラシステムについての提案である。
【0014】特徴としてこの焦点距離切換レンズ絞り装
置においては、焦点距離を選択するため例えば一体型カ
メラの場合は操作レバー、或いはレンズ交換式カメラの
場合は焦点距離切換リング等による焦点距離切換操作に
連動してエンコーダと切換検出部等の組合せで検知し、
その選択された焦点距離の情報を制御部に通知すること
で、上記複数絞りうちの1つを「可変絞り」として適正
露出の為に機能させ、一方、これ以外の絞りは「固定絞
り」として有害光の入射を規制する為に機能させるよう
な口径制御を含む制御がなされるものである。
【0015】また、この焦点距離切換レンズ絞り装置
は、非撮影時または非使用時に、絞りのうちの少なくと
も1つを最小絞り状態または全閉状態にする機能を有
し、カメラやレンズを保護すると共に、ユーザにそのカ
メラがロック状態等であることを知らせるようにしたも
のである。
【0016】はじめに本発明に係わるカメラを概説して
から、核心部分について後述する。まず図1及び図2を
用いて、本発明に係わるタイプのカメラの概要を説明す
る。図1(a),(b)は本発明を適用した三焦点距離
切換タイプのレンズ一体型一眼レフカメラの外観を例示
する。図1(a)に示す状態は、このカメラのメインS
W(不図示)がOFFのとき撮影レンズ1が鏡筒2内に格
納された沈胴状態である。この一眼レフカメラは沈胴状
態において最短の長さを呈する。また使用に際しメイン
SWをONにすることで、撮影レンズ1が前方に僅かに
繰り出されて撮影スタンバイ状態となるように構成され
ている。
【0017】さらに、焦点距離切換レバー3を図1
(b)に矢印で示す一方向に操作すると、この撮影レン
ズ1の構成レンズ群(一群〜四群)20が所定の組合せ
(詳細後述)に基づき光軸に沿って鏡筒2の前方に繰り
出され、焦点距離を変化させるように構成されている。
【0018】撮影レンズ1は、複数の構成レンズ群(一
群〜四群)20と、後述する複数の絞りユニット(不図
示)から構成されている。複数の絞りユニットは所定の
レンズ群と共に光軸に沿って移動するような駆動機構に
組み込まれている。尚、ここに例示したレンズ構成は四
群構成の「三焦点距離タイプ」と略称する種類である。
【0019】図2(a),(b)には一般的な一眼レフ
カメラ用の単焦点レンズの基本構成を概念的に示してい
る。図2(a)に示す広角撮影時のワイド系(広角系)で
は、バックフォーカスを焦点距離よりも長くする為、短
焦点の「レトロフォーカスタイプ」が一般に用いられ
る。即ちこの広角系のレンズ構成は、一点鎖線で示す光
軸上の被写体方向から負パワーのレンズ、絞り10、そ
して正のパワーのレンズという順に配列されている。
【0020】一方、図2(b)に示す望遠撮影時のテレ
系(望遠系)では、全長を短縮する為、長焦点の「テレフ
ォトタイプ」が一般に用いられる。即ちこの望遠系のレ
ンズ構成は、光軸上の被写体方向から正パワーのレン
ズ、絞り10、そして負のパワーのレンズという順に配
列されている。このほかには、図示しない「エルノスタ
ータイプ」と称される基本構成のものも用いられる。
【0021】なお、ここには図示しないが広角系と望遠
系との中間的なものとして、例えば、焦点距離50mm前
後のスタンダード系(標準系)のレンズ構成は、絞りを境
にして前後のパワー配分が対称形を成している。このよ
うな標準系では、その絞りに対し前後の各レンズ群がほ
ぼ対称な「ガウスタイプ」等が用いられる。
【0022】またズームレンズでは通常、高変倍比の場
合、レンズの群数や枚数が多くなり、大型化して高価に
なる。さらには、広角〜望遠までの全域にて所定以上の
光学的性能を確保することが必要な故に、単焦点レンズ
並の性能を確保することは極めて困難であるが、レンズ
一体型の一眼レフの場合、ユーザからはズーム比のみな
らず小型化が求められ、これと共に性能自体が重要視さ
れる。
【0023】このような高性能な多焦点レンズをレンズ
一体型一眼レフカメラまたは交換レンズに組み込むこと
で、いわゆる「システム一眼」において単焦点レンズ3
本程度の組合せに相当する性能を有し、かつ極めて小型
で操作性に優れたカメラシステムを実現するものであ
る。
【0024】ここより具体的な2つの実施形態を挙げて
本発明について詳しく説明する。 (第1実施形態)図3〜図13に沿ってこの第1実施形
態として上記レンズ一体型一眼レフカメラに使用可能な
焦点距離切換レンズ絞り装置に関して具体的に述べる。
第1実施形態として図3(a)〜(d)には、三焦点距
離タイプの光学系の構成を例示する。但し、ここからは
レンズ群のそれぞれを矩形で簡単に略図示する。
【0025】まず図3(a)に示す構成は、4つのレン
ズ群(一群〜四群)で構成された沈胴状態のレンズ光学
系であり、各レンズ群は以下の正/負パワーを有してい
る。すなわち、クイックリターンミラー21を介してフ
ォーカルプレーンシャッタ22の背後に存在する結像面
23に被写体像を正しく結像させる為、一群は負パワ
ー、二群は正パワー、三群は正パワー、四群は負パワー
をそれぞれに有するレンズ群で構成される。尚、各群は
複数レンズで構成されても1枚のレンズのみで構成され
てもよい。
【0026】また本実施形態のレンズ構成例では、各群
のレンズ間には矢印の位置にそれぞれ絞りA〜Cユニッ
トが配置され、通常の沈胴状態では全ての絞りA〜Cユ
ニットが開放状態になっている。尚、各ユニットは公知
の複数の絞り羽根(図5参照)で光路の口径を制御する
ものである。
【0027】そして次に説明のように、レンズ光学系の
位置的状態を適宜変化させることで焦点距離を変化さ
せ、撮影光学系全体として広角時はワイド(WIDE)、標準
時はスタンダード(STAN)または、望遠時はテレ(TELE)の
状態で撮影できるように配置設定されている。
【0028】図3(b)に示す構成は、広角(WIDE)状態
(即ち、焦点距離f=28mmで絞り値F2)のレンズ系
であり、一群と二群の間の群間隔が広くなった状態で、
被写体側の負パワーの一群に対し、二群,三群,四群ト
ータルでは正・正・負パワーとなり、全体では正パワー
となる。これは「レトロフォーカスタイプ」の構成であ
り、広角系のレンズ構成に適したタイプである。この時
のそれぞれの絞りA〜Cユニットでは、絞りAユニット
が主に露光の為の「可変絞り」となり、他の絞りBユニ
ット、絞りCユニットは「固定絞り」として開放又は開
放に近い状態になる(詳細後述)。
【0029】また図3(c)に示す構成は、標準(STAN)
状態(即ち、焦点距離f=50mmで絞り値F2)のレン
ズ系である。この標準状態では、一群と二群、三群と四
群が近づき、一方では二群と三群の間隔が広がる。この
状態では、絞りBユニットの前側(被写体側)は負・正
パワーの構成で、絞りBユニットの後ろ側は正・負パワ
ーの構成を呈し、このような構成は絞りBユニットを中
央に挟み込んだ対称形に近い形態である。尚これは、標
準系レンズに適したタイプであり、この時は絞りBユニ
ットだけが主な露光の為の「可変絞り」となるものであ
る。
【0030】図3(d)に示す構成は、望遠(TELE)状態
(即ち、焦点距離f=100mmで絞り値F2.8)のレ
ンズ系であり、この状態では、一群、二群及び三群は近
づき、三群と四群の間隔が広がった状態となる。一群〜
三群は負・正・正パワーの構成となり、全体では正パワ
ー、四群は負パワーで、絞りCユニットのみが主に露光
の為の「可変絞り」となる。この構成は、望遠系に適し
た「テレフォトタイプ」に相当する状態である。
【0031】一般にズームレンズ光学系においては、絞
りユニットの位置は決められたレンズの間で不変である
故に、全焦点域で高性能を確保することが困難であった
が、これに対して本発明では、焦点距離に対して適した
レンズ系となり得るように、絞りユニットの位置を可変
にするという新しい概念を適用することで、小型で少な
いレンズ枚数にて高性能化を実現することができる。
【0032】なお、前述した図1(a)の撮影レンズの
沈胴状態は図3(a)に示す状態に対応し、図1(b)
の撮影レンズが繰り出された状態は図3(d)に示す状
態に対応している。
【0033】図4には、絞りユニットを3個組み込んだ
撮影レンズ系の一構成例を示す。この例は、四群レンズ
構成の光学系に、3つの絞りユニットを設けて撮影レン
ズを構成するものである。三箇所に配された絞りA〜C
ユニットは、それぞれのレンズ群の間に独立し光軸に直
交して配列され、これら絞りA〜Cユニットの駆動源
(アクチュエータ)としてのステッピングモータ(M)3
0a〜30cのいずれか1つの稼動によって、この撮影
レンズ内の1つが露光の為の「可変絞り」の絞り動作
(露出時のFNo.を決定する動作)を行ない、後段に配
置されたクイックリターンミラー21またはフォーカル
プレーンシャッタ22および結像面23に所定の光量を
供給するように構成されている。
【0034】そして図5には、これら絞りA〜Cユニッ
トを構成する複数の絞り羽根等の組立例を分解斜視図で
示している。絞りユニット用の駆動源であるステッピン
グモータ(M)30は、回転軸にピニオン31を有し、そ
のステッピングモータ30のピニオン31を貫通させた
状態で取り付けられた絞り地板32と、ピニオン31と
噛合するギヤ部35を周縁部に設けた駆動リング34
と、所定の絞り動作をする例えば三枚の絞り羽根(絞り
セクタ)37と、この絞り羽根37に隣接してこれらを
保護する絞り蓋40とが図示の如の順に組み立てられ一
体的な1つの絞りユニットを形成する。
【0035】絞り地板32の片面の3箇所にはボス33
が突出して設けられ、同様に駆動リング34の片面の3
箇所にはボス36が突出して設けられ、また、3枚の絞
り羽根37のセクタそれぞれには、長細いガイド(穴)3
8と支点穴39が形成されている。そして、ボス36
は、この絞り羽根37のガイド38に沿ってそれぞれ移
動可能に嵌入して組み合わされ、またボス33は、絞り
羽根37の支点穴39にそれぞれ嵌入して組み合わされ
る。
【0036】また、ステップモータ30のピニオン31
がギヤ部35に噛合してこの駆動リング34を回動させ
ると、この回動に伴なって3枚の絞り羽根37がそれぞ
れの支点穴39を中心に光軸に徐々に接近したり離れた
りして、光路の広さ(口径)を変化させる絞り動作を行
なうようになっている。
【0037】ここで図6(a),(b)に、焦点距離切
換え動作によってレンズの焦点距離fとこのレンズが繰
り出される光軸上での位置関係をグラフで示す。図6
(a)のグラフは、広角、標準および望遠の三箇所で固
定的に焦点距離fを切り換えることのできる三焦点距離
切換タイプの固定式レンズの場合を示している。つまり
これは、前述した三個の絞りA〜Cユニット(図4参
照)にそれぞれ広角、標準または望遠の何れかの専用の
絞り機能を発揮させることで、丸印で示す3つの固定的
な焦点距離を切り換えながら適正絞り動作も行なう方式
である。
【0038】また、図6(b)のグラフには、広角、標
準および望遠のそれぞれ3つの所定の焦点距離を中心と
してその前後のある範囲で焦点距離を僅かながら連続的
に変えられるズーム機能を付加した撮影レンズの場合の
レンズ繰出し位置の関係を示している。
【0039】つづいて、図7および図8に従って、三焦
点距離切換タイプの撮影レンズ光学系の光路内における
入射光線を規制する絞り制御について説明する。図7
(a)〜(c)には、広角、標準および望遠での光学光
路内のレンズ位置と、可変絞り及び固定絞りの状態をそ
れぞれ示している。ここには、結像面23の中心に結像
する光線と、その周辺に結像する光線を図示している。
また図8(a),(b)には広角および望遠での各絞り
設定される口径の比較をそれぞれ例示している。
【0040】広角状態(WIDE時)、標準状態(STAN時)およ
び望遠状態(TELE時)における構成レンズ群20と、3つ
の絞りA〜Cとの位置関係の変化および、所定の絞り駆
動に伴って、鏡筒内の有効光路が図示のように変化す
る。すなわち、ここに概略的に矩形で略図示した一群〜
四群のレンズと、各群のレンズ間に前方から絞りA、
B、Cが順番に配設されて成る四群構成の撮影レンズ群
20において、例えばWIDE時では、一群のみ前方に位置
し、二群〜四群が隣接して後方に位置する。そして、撮
影時には可変絞り(露出時のFNo.を決定する絞り)と
して絞りAが駆動され、光路を最適な露光量が得られる
口径に絞り込む。即ち、絞りAの口径は、図8(a)に
示す如く、全開径φD(A)から最適な露光量に対応する
開放径φD(A)Wに絞り設定され、広角状態の有効光路を
規定する。
【0041】また、後方に集まった状態の二群〜四群で
は、絞りBの口径が、図8(a)下段に示す如く、全開
径φD(B)から開放径φD(B)Wに絞り設定され、この時
同様に、絞りCの口径が全開径φD(C)から開放径φD
(C)Wに絞り設定される。詳しくは、WIDE時において絞り
B内を光線が通過する為に必要な径φD(B)Wに、全開径
φD(B)から絞り設定される。( φD(B) > φD(B)W
)。同様に、WIDE時に絞りC内を光線が通過する為に
必要な径φD(C)Wに、全開径φD(C)から絞り設定され
る。( φD(C) > φD(C)W )。一方、補助的に固定
絞りとしてこれら絞りB,Cは、有害光の入射を規制す
る為に、開放よりわずかに絞り駆動される。
【0042】また図8(b)及び図7(c)に示すTELE
時では、一群〜三群が隣接して前方にズーミング駆動し
て位置し、四群が後方に位置する。この場合は、撮影時
に可変絞りとして絞りCが主に駆動され、光路を最適な
露光量が得られる口径に絞り込む。即ち、絞りCの口径
は、全開径φD(C)Tから最適な露光量に対応する開放径
φD(C)Tに絞り設定される。
【0043】また、TELE時において絞りA内を光線が通
過する為に必要な径φD(A)Tに、全開径φD(A)から絞
り設定される。但し絞り稼動範囲はわずかである(即
ち、φD(A) ≒ φD(A)T )。同様に、TELE時に絞りB
内を光線が通過する為に必要な径φD(B)Tに、全開径φ
D(B)から絞り設定される。同じく絞り稼動範囲はわず
かである(即ち、φD(B) ≒ φD(B)T )。この結果、
固定絞りとしてのこれら絞りA,Bにより有害光の入射
を規制され、絞りCの絞り動作によってその望遠状態で
の有効光路が規定される。
【0044】尚、STAN時では、前方に一群と二群が隣接
し、後方に三群と四群が隣接して位置する。この場合も
前述同様に、撮影時には可変絞りとしての絞りBが駆動
されてその光路を最適な露光量が得られる口径に絞り込
む。また、補助的に絞りA,Cが有害光の入射を規制す
る所定の口径に絞り設定される。但し、これについての
具体例は、レンズ光学系が標準状態でもあり、設定され
る絞り口径の大きさ等は周知技術を適用して適宜に実施
してよいものとする。
【0045】また、絞りA,B,Cのうち可変絞り(F
No.を決定する絞り)として機能する1つの絞りに関し
て、実際の絞り値は、撮影情報(条件:測光測距値、シ
ャッタ速度、フィルム感度など)に基づいて周知の露出
制御技術によって、設定され露光直前に絞り込まれるよ
うになっており、ここで言う絞りの「全開径」は、その
絞りの最大口径であるものとする。このような絞りの構
成配置と設定及び動作の結果、結像面23にはその焦点
距離に合致した最適な絞り状態で被写体像を結像させ、
良好にフィルムを露光することができるようになってい
る。
【0046】続いて、本発明の焦点距離切換レンズ絞り
装置の焦点距離切換に関する制御手順を説明する。絞り
A〜Cモータ30a〜30cに例えばパルスモータを採
用する場合、各パルスモータへは何パルス分絞り込むか
を、所定パルス数や所定位置情報を記憶した所定のメモ
リ(不図示)から読み出して電気的にモータ駆動を次のよ
うに制御できる。
【0047】図9(a)〜(c)にこの焦点距離切換制
御手順をフローチャートで示す。図9(a)のフローチ
ャートには広角(WIDE)状態検出の絞り動作手順を示し、
図9(b)は標準(STAN)状態の絞り動作手順を、図9
(c)は望遠(TELE)状態の絞り動作手順をサブルーチン
で示す。ただしここでは主に固定絞りについての制御を
述べる。
【0048】焦点距離の切換えを焦点距離切換検出部が
検出し、例えばWIDE状態であれば、まず最初に、可変絞
りAを含む全ての絞りA〜Cを開放状態にして光路の口
径を最も広くする(S10)。そして、焦点距離切換レ
バー3で選択されたWIDE状態を実現するため絞りBモー
タ30bをメモリ中の所定パルス数に基づき所定パルス
分のパルス駆動を行なうことで、WIDE時の所定位置(φ
D(B)W )まで絞る(S20)。
【0049】同様に、絞りCモータ30cを、同様に所
定パルス分の駆動を行なうことでWIDE時の所定位置(φ
D(C)W )まで絞る(S30)。このようにして固定絞
りとしての役割を絞りB,Cに行なわせる。その後この
状態を維持したままメインルーチンにリターンする。
【0050】なお、上記の各パルス駆動に関する所定値
は、例えばRAM又はROM等のメモリテーブルに予め
記憶されており、その中から焦点距離に基づいて選択的
に読み出し、該当する専用パルスモータ(この場合、絞
りBモータ30b,絞りCモータ30c)をパルス駆動
するように設定されている。
【0051】またSTAN状態でも、図9(b)の如く最初
に可変絞りとしての絞りBを含む全ての絞りA〜Cを開
放し(S10)、STAN状態の実現のため絞りAモータ3
0aをメモリ中の所定パルス数に基づき所定パルス分の
パルス駆動を行なうことで、STAN時の所定位置まで絞り
(S20)、同様に、絞りCモータ30cを所定パルス
分駆動させることでSTAN時の所定位置まで絞る(S3
0)。このようにして絞りA,Cに固定絞りとしての役
割を行なわせ、その後メインルーチンにリターンする。
【0052】同じくTELE状態の実現するためには、図9
(c)に示す如く可変絞りCを含む全ての絞りA〜Cを
開放し(S10)、絞りAモータ30aをメモリ中の所
定パルス数に基づきTELE時の所定パルス分のパルス駆動
を行なうことで所定位置(φD(A)T )まで絞り(S2
0)、同様に、絞りBモータ30bを予め設定されてい
た所定パルス分駆動させることで所定位置(φD(B)T
)まで絞る(S30)。このようにして絞りA,Bに
固定絞りとしての役割を行なわせ、その後メインルーチ
ンにリターンする。
【0053】図10には、説明のため平面的に展開した
カムリング(カム環)60とこの下に装着さられる固定筒
50から成る二層構造のカム機構を示している。実際に
は円筒形の固定筒50がカムリング60に内挿して双方
のカム溝にカムフォロワ41で相対回動可能に係合され
たものである(図11(b)参照)。
【0054】このカム機構を成すカムリング60のカム
溝としては、広角状態、標準状態、望遠状態および沈胴
状態に対応した、各レンズ系と絞りユニットの移動を前
述のように規定するような4本の蛇行したカム溝61a
〜61dが図示の如く各直線部と屈曲部を有して連続的
な屈曲形状にそれぞれ固有に形成されている。
【0055】この形状における直線部は、それぞれ設定
された前述のレンズ群の4つの位置(WIDE位置、STAN位
置、TELE位置および沈胴位置)にそれぞれ対応してカム
フォロワ41が一時的に留まる部分を含むように設定さ
れている。
【0056】また、鏡筒2の本体内に埋め込まれたバネ
45により付勢される弾頭状のクリックピン44が、カ
ムリング60の片側の周縁部の所定箇所(上記4つの位
置に対応する位置)に略V字形に切欠き形成されたクリ
ックポイント66a〜66dに嵌入して、移動行程で一
時的にロックするようなクリック機構を有している。
【0057】一方、下層を成す固定筒50にはガイド溝
として直進溝51が点線で示すように光軸に平行に、し
かも上記4本のガイド溝61a〜61dを横切る長さに
形成されている。
【0058】カムフォロワ41としての4つのピン部材
(41a〜41d)は、各レンズ群の駆動専用のもので、
一群用ピン41aはカム溝61aと直進溝51に摺動可
能に挿嵌され、二群用ピン41bはカム溝61bと直進
溝51に摺動可能に挿嵌され、三群用ピン41cはカム
溝61cと直進溝51に摺動可能に挿嵌され、四群用ピ
ン41dはカム溝61dと直進溝51に摺動可能に挿嵌
されている。
【0059】そして、これら二種類の溝に沿って摺動可
能な形状をもつカムフォロワ41の各ピン部材が、二層
で交差する上下対応する2つの溝に支持された状態で、
段階的に各レンズ群および絞りユニットの光軸上におけ
る位置が変位できるようになっている。なお、上記レン
ズ群および絞りユニットはそれぞれレンズ枠(不図示)
等に支持され、それぞれに対応したカムフォロワ41の
各ピンに従動可能に取り付けられている。
【0060】次に、上述のようなカム構造の実際の外観
を図11(b)に斜視図で示し、図11(a)には、カ
ムリング(カム環)60上に形成された焦点距離エンコー
ダ90のスイッチパターンを拡大して示す。分解状態で
示されたこのカム構造は、沈胴、広角、標準および望遠
の各位置を後述する複数のスイッチパターンで成る焦点
距離エンコーダ90を有するカム環60と固定筒50と
が連動して動くように組み立てられる。
【0061】固定筒50を内挿するカムリング60の周
面部には、焦点距離エンコーダ90としての略L字状を
成すスイッチパターン(WIDE-SW90b、STAN-SW9
0c、TELE-SW90d)とGNDパターン90eと
に、焦点距離検出部91の接片91aが接触するように
組み付けられ、前述の如く、直進溝51を有する固定筒
50は、カムリング60の内部に内挿された状態にて、
その直進溝51を介して、ピン状のカムフォロワ41に
よって貫通された状態で組み込まれる。
【0062】焦点距離エンコーダ90は、図11(a)
に示すような所定の導通パターンとしての沈胴SW90
a、WIDE-SW90b、STAN-SW90c、TELE-SW9
0dおよび接地パターン(GND)90eをカムリング6
0のカム溝に隣接してリング表面に薄膜形成されて有し
ている。
【0063】そして、焦点距離切換検出部91として複
数の導電ブラシを束ねた接片91aが図11(a)に示
す接片接触範囲で焦点距離エンコーダ90の導通パター
ン上を摺動して、沈胴位置、WIDE位置、STAN位置および
TELE位置にて、接片91aを介して焦点距離エンコーダ
90の接地パターン(GND)90eと上記各位置におけ
るSWパターンとの導通が成立して該当スイッチがON
することにより、それぞれの位置状態が検知できるよう
になっている。
【0064】すなわち接片91aは、焦点距離エンコー
ダ90の接地パターン(GND)90e及び沈胴SW、WI
DE-SW、STAN-SW、TELE-SWのパターン端面上を摺
動するように構成されているので、接片91aが、カム
リング60の回動に伴って沈胴SW、WIDE-SW、STAN-
SWまたはTELE-SWの何れかのパターンの端面に接触
して対応する位置(即ち焦点距離の状態)をCPU100
に通知することができる。
【0065】ここで図12に、本発明の第1実施形態に
係わる三焦点距離切換タイプの焦点距離切換レンズ絞り
装置の制御・駆動系の回路構成を概略的に回路図にまと
めて示す。このタイプのカメラは、一群〜四群のレンズ
のほかに3つの絞りとこれら専用の駆動制御系をもって
いる。詳しくは、前述の如く光軸上に並設された絞りA
〜Cをそれぞれ駆動する絞りA〜Cモータ(M)30a〜
30cがモータドライバ70a〜70cにそれぞれ接続
され、制御部としてのCPU100の指令によって絞り
動作可能に構成されている。
【0066】前述のカムリング60は、光軸を中心に回
動可能に焦点距離切換モータ71に図示しない周知機構
を介して接続され、このモータ71はDCモータドライ
バ70に接続されCPU100によって駆動制御され
る。
【0067】カメラのメインSWがONされた後、焦点
距離切換レバー3の手動操作で繰出し/繰込みする鏡筒
2の回動に連動するように前述の焦点距離エンコーダ9
0は設けられ、このエンコーダ90を構成する沈胴S
W、WIDE-SW、STAN-SW、TELE-SW等のスイッチパ
ターンが、焦点距離切換タイミングを検知するための焦
点距離切換検出部(91)でアクセス可能に配置され、C
PU100に検知信号を送出可能に接続されている。
【0068】さらに、フォーカスモータパルス検出部
が、焦点距離切換え動作に伴う発生パルスを検知しCP
U100に検知信号を送出可能に設けられ、上記フォー
カスモータの駆動制御にその信号が用いられるように設
定されている。
【0069】なお、絞りA〜Cモータ30a〜30cに
例えばパルスモータを採用する場合を例にすると、各パ
ルスモータへは何パルス分絞り込むかを、予め決められ
た所定パルス数や所定位置情報を記憶した例えばRAM
又はEEPROM105等のメモリテーブル(不図示)か
ら読み出して電気的にモータ駆動を制御する。選ばれた
焦点距離に基づいてそのテーブル中から選択的に読み出
し、該当する専用のパルスモータをパルス駆動するよう
に構成されている。
【0070】図13には、第1実施形態における焦点距
離切換の動作制御の手順をフローチャートで表わす。図
示しないメインルーチンでカメラとしての初期設定を行
なった後、焦点距離切換レバー3による広角(WIDE)、標
準(STAN)或いは望遠(TELE)の何れかの選択操作を受け付
け、その後、この焦点距離切換の判定を次の手順で行な
う。すなわち、ステップS1にて、最短焦点距離か否か
を判断し(S1)、否の場合はステップS8に移行す
る。
【0071】ステップS2からは、モータドライバ70
でモータを正転させてレンズを最短焦点距離から徐々に
前方に繰り出し(S2)、その方向を示す方向フラグを
ONにセットする(S3)。そしてステップS4にて、
次の焦点距離(例えば広角)に到達したか否かを判断し
(S4)、否の場合は、上記ステップS2に戻ってそこ
に到達するまで正転駆動を続ける。ここでステップS5
において、到達と同時にモータを停止(OFF)する(S
5)。
【0072】ステップS6からは、焦点距離が広角(WID
E状態)か否かを判定し(S6)、WIDE状態を検出すると
これに対応する設定駆動処理を行ない(S7)、リター
ンする。否の場合は、後述のステップS13へ移行す
る。
【0073】ステップS8においては、方向フラグがO
Nか否かを判定し(S8)、否の場合はステップS10
へ移行する。また、ステップS9において、最長焦点距
離か否かを判断し(S9)、否の場合は上記ステップS
2へ戻る。一方、最長焦点距離にあれば、ステップS1
0からは、モータを逆転させてこれ以上繰り出さないよ
うに短くし(S10)、ここで方向フラグをOFFにリ
セットする(S11)。
【0074】ステップS12においては、次の焦点距離
(例えば標準)に到達したか否かを判断し(S12)、
否の場合は上記ステップS10へ戻り、そこに到達する
まで逆転駆動を続ける。一方、次の焦点距離(標準)に
到達した場合は上記ステップS5へ移行する。
【0075】ステップS13からは、焦点距離が標準(S
TAN)か否かを判定し(S13)、STAN状態を検出すると
これに対応する設定駆動処理を行ない(S14)、リタ
ーンする。否の場合は、ステップS15へ移行して焦点
距離がTELE状態であるとみなし、これに対応する設定駆
動処理を行ない(S15)、リターンする。
【0076】その後、メインルーチンでは「撮影」のた
めレリーズ操作がされるまでレンズを当該状態のままで
待機させ、もし1st.レリーズが操作され、更に2nd.
レリーズが操作されると被写体に対する焦点判定及び撮
影(露光)を実行することになる。そして、撮影直後は次
のコマに巻き上げて、再び同様なメインルーチンの処理
手順を繰り返す。
【0077】このように、本発明の第1実施形態の焦点
距離切換レンズ絞り装置およびこれを備えたカメラによ
れば、ユーザの焦点距離切換レバーの手動選択操作に連
動して、撮影レンズが繰出し又は繰込みされると、エン
コーダをアクセスする切換検出部の接片がその選択され
た焦点距離の1つを示す情報を制御部(CPU)に通知す
ることで、この制御部は、所定のプログラムに基づき複
数の絞りA〜Cユニットうちの1つを露光に係わる「可
変絞り」として可変絞り手段(当該絞りユニットと専用
駆動系)で機能させ、一方、それ以外の絞りユニットは
「固定絞り」として固定絞り設定手段で設定される。
【0078】特にこの焦点距離切換レンズ絞り装置を有
するカメラは、シャッタ速度等の撮影条件に連係して撮
影時に行なわれる絞り動作に特徴を有するものであり、
本発明の絞りの口径制御では、撮影光学系の撮影に使え
る有効光路において、撮影に有効な光線以外の有害光を
蹴り、遮光して悪影響を最小限にすべく、固定絞りもあ
る程度の絞り量(即ち全開径と開放径の差)の範囲で絞
り動作が行なわれる。
【0079】尚、この絞り量は、図7〜図8中に二重矢
印で示す絞りの隣接する矢印の矢の間隔に対応する。よ
って、固定絞りが僅かでも所定の絞り量分だけ絞り込む
ので、フレアやゴーストの発生が防止でき、撮影上の悪
影響を削減することができる。
【0080】一方、可変絞りは、撮影状況に応じて更に
主たる絞りとして実際の露光に係わる絞り動作が行なわ
れる。したがって、この焦点距離切換レンズ絞り装置を
備えるカメラを用いれば、ユーザは所望する何れの焦点
距離での撮影においても、有害光の入射が規制されなが
らその焦点距離で最適な適正露出にて良好な撮影が可能
となる。
【0081】(第2実施形態)つづいて、本発明の第2
実施形態について図14〜図21を参照しながら説明す
る。ここで例示のカメラは、複数焦点レンズを交換して
用いる「レンズ交換式」カメラシステムの一例であり、
以下、これに本発明を適用した場合を例にして述べる。
但し、前述の第1実施形態と同じ部分は同一符号を付し
て説明を省略する。
【0082】まず、このレンズ交換式のカメラシステム
の外観を図14に斜視図で例示し、図15にはこのカメ
ラシステムの構成概要をブロック構成図で示す。このカ
メラシステムは、カメラボディ200に所望の交換レン
ズ300をマウント8にて交換装着すると、接点部9を
介してボディ側CPU201とレンズ側CPU301と
の間の通信が可能になると共に、バッテリ等の電源29
0からレンズ側への電力供給も可能となり、ボディ側C
PU201を主体とする統括制御でシステム全体が稼動
するように構成されている。
【0083】カメラボディ200は、撮影時のクイック
リターンミラー21のUP/DOWN動作でファインダ
光路と撮影用光路を切り換える方式の一眼レフカメラと
して、周知技術の構成要素(CPU201〜電源29
0)を有している。
【0084】一方、交換レンズ300は例えば三焦点レ
ンズであり、この交換レンズ300の周面にユーザが回
動操作自在に設けられた焦点距離切換リング305の回
動操作によって焦点距離が設定できるものである。レン
ズ構成は前述の第1実施形態と同様な複数のレンズ群
(一群〜四群)と複数の可変できる絞りA〜Cを有したも
のとする。また、それら絞りA〜Cの駆動系や焦点距離
切換の検知系も実質的に前述の構成と同等なものであ
る。
【0085】撮影レンズ301の焦点調整や絞りA〜C
等の制御は、主に交換レンズ300側のCPU301に
よって行なわれ、その制御状態はボディ側CPU201
へ逐次通知されるように周知技術で通信制御されるよう
になっている。
【0086】ただし、このカメラシステムでは、第1実
施形態のカメラのような焦点距離切換レバーは無く、そ
の代わり焦点距離切換リング305が交換レンズ300
側に設けられ、この手動による操作で次のような焦点距
離切換を行なえるように構成されている。
【0087】つまり、第1実施形態のカメラが焦点距離
切換レバー3を介した操作により、サイクリックに撮影
レンズの焦点距離をモータ駆動で変化させ、これに連動
する焦点距離エンコーダ90によってその焦点距離状態
を検出するのに対して、この第2実施形態のカメラでは
手動で焦点距離切換リング305を廻すことで焦点距離
の変更を指示し、焦点距離エンコーダ390にて焦点距
離を検出するという違いがある。ただし、それらのエン
コーダの態様は2つの実施形態とも実質的に同じもので
あってよい。
【0088】ここからは、本発明の第2実施形態のカメ
ラシステムの動作制御について、図16〜図21の各フ
ローチャートを参照しながら説明する。まず、図16に
例示するメインルーチンに沿って、このカメラの撮影シ
ーケンスについて述べる。
【0089】このカメラシステムにおいては、カメラボ
ディ側200のメインSW(図15参照)をON操作す
ると、このカメラの統括的な制御部であるCPU201
がHALT状態から立ち上がり、当該メインルーチンの先頭
ステップ#1に入って起動され、最初にCPU201の
メモリ(ROM/RAM)に予め記憶されている所定値に
基づき、このカメラの稼動に必要な初期値に初期設定を
行なう(#1)。
【0090】ステップ#2では、撮影レンズに設けられ
た焦点距離エンコーダ390の沈胴SWを読みに行き、
沈胴状態の判定を行なう(#2)。この沈胴SWがON
されていると、撮影レンズが沈胴状態となったと判断し
て、ステップ#18にて全ての絞りA〜Cを最小絞りに
して観察視野を暗くする(#18)(図20参照)。そ
して、カメラはそのままステップ#19でHALT状態とな
り、CPU301はスリープ状態(休止状態)となっ
て、カメラがOFF状態となる(#19)。
【0091】ステップ#3においては、1st.レリーズ
がON状態かOFF状態かを判断し(#3)、ONであ
れば次のステップ#20に進む。一方、OFFであれば
後述するステップ#9に進む。
【0092】ステップ#20では、焦点距離エンコーダ
90のSWがOFFか否か、即ちエンコーダ用の接片が
沈胴-SW、WIDE-SW、STAN-SW又はTELE-SWのどれ
もONしていないかをみて、もしOFF状態であればカ
ムリング60が中途半端な状態か若しくは焦点距離の切
換えの途中であると判断してステップ#9に進む。
【0093】もし上記ステップ#20で焦点距離エンコ
ーダ90のSWがONであれば、カムリングは焦点距離
がいずれかの正常な位置であると判断してステップ#4
に進む。そしてステップ#4からはカメラとして所定の
測光動作を行ない(#4)、続いて所定の測距動作も行
なう(#5)。
【0094】ステップ#6からは、2nd.レリーズがO
NかOFFかを判断し(#6)、もしONであればステ
ップ#7に進み、後述する露出等を含む別のサブルーチ
ン(図19参照)を実行し(#7)、その後、露出され
た駒を巻き上げるため、フィルムの巻上駆動を行なう
(#8)。その後、再びステップ#2に戻る。
【0095】一方、1st.レリーズと2nd.レリーズのど
ちらかがOFF状態であればステップ#9において、最
初に焦点距離切換用SW(即ちエンコーダのWIDE-S
W)がONか否かを判別する(#9)。ONであればス
テップ#10に進み、絞りBと絞りCが既にWIDE状態の
ための絞り設定と絞り駆動がされたかどうかを判別し、
既にその駆動(設定)がされていたならステップ#3に戻
りレリーズ判定を行なうが、まだその絞りがその駆動を
されていなければステップ#11のルーチン(図18
(a)参照)に進み、モータ30aを駆動して絞りBと絞
りCをWIDEのための固定絞り値まで駆動する(#1
1)。その後は再び上記ステップ#3に戻ってレリーズ
操作されるまで待機する。
【0096】上記ステップ#9においてもしONの検出
がなければ、カムリングが中途半端な位置にあるか、焦
点距離の切換途中にあると判断してステップ#12に進
み、焦点距離切換用SW(即ちエンコーダのSTAN-S
W)がONか否かを判別する(#12)。ONであれば
ステップ#13に進み、絞りAと絞りCが既にSTAN状態
のための設定駆動がされていたかどうかを判別して(#
13)、既にその駆動(設定)がされていたなら上記ステ
ップ#3に戻りレリーズ判定を行なうが、まだ絞りがそ
の駆動をされていなければステップ#14のルーチン
(図18(b)参照)に進み、モータ30aを駆動して絞
りAと絞りCをSTAN状態のための固定絞り値まで駆動す
る(#14)。その後、ステップ#3に戻る。
【0097】上記ステップ#12において、エンコーダ
の焦点距離切換用SWでSTAN状態のONを検出しなけれ
ば、カムリング60が中途半端な位置にあるか、又は焦
点距離の切換途中にあると判断してステップ#15に進
み、焦点距離切換用SW(即ちエンコーダのTELE-S
W)がONか否かを判別する(#15)。ONであれば
続くステップ#16に進み、絞りAと絞りBが既にTELE
状態のための設定駆動がされていたかどうかを判別して
(#16)、既にその設定駆動がされていたなら上記ス
テップ#3に戻り、まだその絞りが、その駆動をされて
いなければステップ#17のルーチン(図18(c)参
照)に進んで、モータ30a,30bを駆動して絞りA
と絞りBをTELEのための固定絞り値まで駆動する
(#17)。その後は上記ステップ#3に戻ってレリー
ズ判定を行なう。
【0098】上記ステップ#15で焦点距離切換用SW
(即ちエンコーダのTELE-SW)がOFFであれば(即
ちONの検出がなければ)、カムリング60が中途半端
な位置にあるか、焦点距離の切換途中にあると判断して
ステップ#21のミラーアップ処理に進み、カメラのメ
インミラー(即ちクイックリターンミラー)をアップ状態
にしてファインダ視野を暗くする(#21)。そして、
この状態を保持したまま上記ステップ#3に戻り、同様
なレリーズ判定を繰り返す。
【0099】なお、上記ステップ#20からステップ#
9、#12、#15、#21、#3、そして再びこのス
テップ#20までは、いわゆる「2nd.レリーズを行な
い得ない工程」となっている。つまり、手動操作される
焦点距離切換リング305がWIDE、STANまたはTELEのい
ずれの位置にもない中途半端な位置にある場合、若しく
は焦点距離切換操作の途中にある場合は、カメラは露出
のできないロック状態、若しくは他の操作ができないロ
ック状態にあるといってよい。
【0100】また、撮影に全く使用しない場合は絞りを
全閉状態にしてもよい。この全閉状態を知らせるため、
所望により、例えば視覚的に認識できるものを出力する
手段(出力手段)として例えば印などをファインダ視野
内に点灯表示したり、あるいはカメラの表示部などを利
用してメッセージ等で出力表示するなどで警告動作を行
なってもよい。なお、全閉状態の絞りはこれ自体で上記
の出力手段を兼ねるように運用することもできる。
【0101】図17には、レンズ側のCPUが行なう絞
り制御の一例を説明する。ここでは、複数焦点距離のう
ち例えばWIDE状態が選択され、それを検知するスイッチ
(即ちWIDE-SW)がONした場合の動作手順をフロー
チャートで表わす。最初にステップS5にて、焦点距離
情報をカメラボディ側のCPUへ通信で知らせ(S
5)、ステップS10にて、すべての絞りユニットを駆
動して開放状態にすることで、明るい状態のファインダ
視野にしておく(S10)。
【0102】ステップS20からは、絞りBモータを、
既に設定されている所定パルス分駆動し(S20)、同
じく、絞りCモータを所定パルス分駆動する(S3
0)。そして、ステップS50にて、この状態で撮影が
可能であることを表わす所定のスタンバイ情報をカメラ
ボディ側CPUに通信で知らせ(S50)、リターンす
る。
【0103】このように、レンズ側CPUとボディ側C
PUはそれぞれで制御を分担すると共に、それぞれCP
Uは逐次、通信し合って適宜なタイミングで最適な制御
を行なうようにプログラムされている。
【0104】図18(a)〜(c)の各フローチャート
にそれぞれ、焦点距離がWIDE状態、STAN状態およびTELE
状態にするための絞り設定駆動に関する手順を示し、こ
れらは前述のメインルーチン(図16)中のサブルーチ
ンである。
【0105】図18(a)に示す「撮影レンズ焦点距離
WIDEのための絞り設定」においては、ステップS5にて
まず、焦点距離情報をカメラボディ側CPU201へ通
信によって伝える(S5)。ステップS10にて、すべ
ての絞りA〜Cを開放状態にする(S10)。
【0106】ステップS20からは、絞りBモータを所
定のパルス駆動し(S20)、同様にして、絞りCモー
タを所定のパルス駆動する(S30)。続くステップS
40からは、クイックリターンミラーがアップされた状
態にあるか否かを判定し(S40)、もしミラーアップ
状態であれば、ミラーダウン処理を行なう(S45)。
【0107】ここでミラーダウン状態であれば、ステッ
プS50にてスタンバイ情報をカメラボディ側CPU2
01へ通信により伝え(S50)、そしてメインルーチ
ンにリターンする。
【0108】また、図18(b)に示す「撮影レンズ焦
点距離STANDARDのための絞り設定」においても、上述し
た手順とほぼ同様な処理を行なって該当する絞りを設定
駆動する。但し、設定する対象の絞りは、この場合は絞
りAと絞りCであることが異なる。
【0109】同様に、図18(c)が示す「撮影レンズ
焦点距離TELE状態のための絞り設定」においても、上述
した手順とほぼ同様な処理を行ない該当する絞りを設定
駆動する。但し、ここでも設定する対象の絞りは、絞り
Aと絞りBであることが異なる。
【0110】なお、これらサブルーチンでは行なわな
い、露光に関する主要な絞りの設定値は、あくまでカメ
ラボディ側で算出された適正絞り値として通信で受け
て、これを基にレンズ側が所定の絞りを可変絞りとして
駆動することとする。
【0111】次の図19は、2nd.レリーズがONされ
た場合のカメラボディ側CPUにおける処理手順を表わ
す。但しここでは、焦点距離が広角(WIDE状態)の場合を
例に説明する。まずステップS71にて、測光データ、
測距データおよびその他の関連データに基づき、適正な
露出データを周知手法で演算し算出しておき、レンズ側
に通信できるようにしておく(S71)。
【0112】またステップS72にて、Tv値やAv値等
の各設定値を決定しておき、レンズ側に通信できるよう
にしておく(S72)。そしてステップS73におい
て、このWIDE状態での露光に係わる絞りAの絞込み量
(算出値)や必要な設定値をレンズ側CPUへ通信によ
って伝える(S73)。
【0113】ステップS74〜S75においては、シャ
ッターマグネットをON駆動すると共に(S74)、シ
ーケンスモータをON駆動する(S75)。そしてステ
ップS76にて、レンズ側CPUにこのWIDE状態で絞り
Aを所定のパルス分駆動させて絞る(S76)。
【0114】ステップS77からは、露光のためのクイ
ックリターンミラーをシーケンスモータ稼動によりアッ
プさせ、ミラーアップ動作が完了するまで待ってから
(S77)、その完了と共にシーケンスモータを停止す
る(S78)。そしてステップS79にてフィルムに露
出させる(S79)。
【0115】その後は、ステップS80にて、シーケン
スモータをON駆動させ(S80)、そして、ステップ
S81にて、絞りAを開放状態にする(S81)。ここ
でステップS82において、シャッタ制御部230によ
ってシャッタ駆動を開始させ、シャッタ状態検出部25
0の検出結果に基づきシャッターチャージが完了するま
で待ち(S82)、その完了と共にそのシーケンスモー
タを停止する(S83)。そしてメインルーチンにリタ
ーンする。
【0116】図20、図21にはそれぞれ、焦点距離切
換スイッチがOFFのときの「レンズ位置沈胴設定」の
手順と、クイックリターンミラーの「ミラーアップ処
理」の手順をフローチャートで表わす。
【0117】レンズ側では次のような制御が行なわれ
る。例えばサブルーチン「レンズ位置沈胴設定」では、
まず、ステップS181にて、OFF情報をカメラボデ
ィ側CPUへ通信によって伝える(S181)。ステッ
プS182にて、絞りA〜Cモータを最小の絞り値まで
駆動させて、光路内を最も暗い状態にする(S18
2)。また、クイックリターンミラーを後述するような
手順でアップさせる。そして、レンズ側CPUのメイン
ルーチンにリターンする。
【0118】この結果、沈胴位置で最小絞りの状態に維
持されるので、非撮影時には光線レンズ内やカメラ内部
に入り難くなると共に、撮影レンズが沈胴していること
が絞りの状態からも目視できる。
【0119】カメラボディ側で行なうミラーアップ処理
について説明する。まずステップS211において、O
FF情報をカメラボディ側CPUへ通信によって伝える
(S211)。続くステップS212からは、シーケン
スモータをON駆動し(S212)、クイックリターン
ミラーをアップ駆動させ、ミラー状態検出部240の検
出結果に基づきミラーアップが完了するまで待ち(S2
13)、その完了と共にシーケンスモータを停止し(S
214)。そしてカメラボディ側のメインルーチンにリ
ターンする。
【0120】なお、クイックリターンミラーをダウンさ
せるサブルーチン「ミラーダウン処理」も上述同様にシ
ーケンスモータのON/OFF駆動によって行ない、完
了と共にスタンバイ情報をカメラボディ側CPUへ通信
によって伝えるものとする。
【0121】このように、本発明の第2実施形態の焦点
距離切換レンズ絞り装置を有する交換レンズ式カメラシ
ステムにおいては、交換レンズとしても単焦点レンズ並
の性能で確実な撮影が行なえ、しかも充分に小型であ
る。多数の交換レンズを携帯した場合でもかさばらな
い。各焦点距離に切り換える際の中間領域では所定の性
能が確保できないため、ファインダ視野を暗くする事
で、ユーザに使用不可な状態である事を認知させること
ができる。
【0122】また、レンズ交換式のカメラシステムでは
特に、カメラボディと交換レンズは別個に分離されるこ
とも多く、ロック状態にしておく場合に例えば全閉状態
が知らされれば、ユーザはそのカメラ又はレンズが使用
不可なロック状態であることがわかりやすいために、ユ
ーザにとっても良好な使い勝手のカメラシステムとなり
得る。
【0123】(変形例)例示した各実施形態は次のよう
に変形実施することができる。例えば、第1実施形態で
も第2実施形態で実施したような態様にて、非撮影時ま
たは非使用時に可変絞りの内の1つを最小絞りまたは全
閉に設定して駆動してもよい。また、この焦点距離切換
レンズ装置では、上記非撮影状態または非使用状態にお
いて、沈胴状態または収納状態であるように制御しても
よく、何れにしてもユーザにとってレンズの状態がわか
り易く、使い勝手の良いシステム一眼レフカメラを実現
することができる。
【0124】また、焦点距離切換リングが沈胴、広角、
標準又は望遠の何れにも対応しない位置にある中間領域
ではレリーズ釦が押下操作不可能な状態、即ちレリーズ
ロックにしてもよい。なお、各実施形態における絞り口
径制御は、選択された焦点距離に特有のレンズ群の移動
配置と絞りユニットの位置関係など光路設計上の仕様事
項に基づいて適宜に変更してよい。また、採用する絞り
は例示した複数の羽根セクタを用いた機械式のものに限
らず、光を透過又は非透過に電気的にするような例えば
液晶絞りを適用してもよく、口径制御も電気的に行なっ
てもよい。このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々の変形実施が可能である。
【0125】以上、実施形態に基づき説明したが、本明
細書中には次の発明が含まれる。 (1) 複数のレンズ間に、複数の絞りを有するレンズ
を使用可能なカメラシステムにおいて、上記レンズが撮
影不能な状態の時は、少なくとも一箇所の絞りを小口径
に絞り込むことを特徴とするカメラシステムを提供でき
る。 (2) 複数のレンズ間に、複数の絞りを有するレンズ
を使用可能なカメラシステムにおいて、上記レンズが撮
影不能な状態の時は、カメラボディ側のクイックリター
ンミラーをアップ状態に保持することを特徴とするカメ
ラシステムを提供できる。
【0126】(3) 複数のレンズ間に、複数の絞りを
有するレンズを使用可能なカメラシステムにおいて、上
記レンズが撮影不能な状態の時は、少なくとも一箇所の
絞りを全て閉状態(全閉状態)に絞り込むことを特徴と
するカメラシステムを提供できる。
【0127】(4) 少なくとも二箇所の焦点距離に焦
点距離が切換可能なレンズを使用可能なカメラシステム
において、カメラボディ側の各動作を制御するボディ側
CPUと、上記レンズ内の動作を制御し、且つ上記ボデ
ィ側CPUと通信可能なレンズ側CPUと、を有し、レ
ンズ状態が撮影不能な状態の時には、上記レンズ側CP
Uのレンズ状態の情報を基にして、上記ボディ側CPU
がカメラ動作を禁止させることを特徴とするカメラシス
テムを提供できる。
【0128】(5) 少なくとも二箇所の焦点距離に焦
点距離が切換可能なレンズを使用可能なカメラシステム
において、カメラボディ側の各動作を制御するボディ側
CPUと、レンズ内の動作を制御し、且つ上記ボディ側
CPUと通信可能なレンズ側CPUと、を有し、レンズ
状態が撮影不能な状態の時には、上記レンズ側CPUの
レンズ状態を示す情報を基にして、上記ボディ側CPU
がファインダにて認知可能な警告動作を行なうことを特
徴とするカメラシステムを提供できる。
【0129】(6) 上記警告動作はミラーアップであ
ることを特徴とする(5)記載のシステムである。 (7) 上記警告動作は、小絞りへの絞り込みであるこ
とを特徴とする(5)記載のシステムである。 (8) 上記警告動作は、絞りの全閉であることを特徴
とする(5)記載のシステムである。
【0130】(9) 複数のレンズ群と、複数の可変絞
りと、を有して複数の焦点距離に設定が可能な焦点距離
切換レンズ装置であって、上記焦点距離切換レンズ装置
が非撮影状態若しくは非使用状態にあるときは、上記複
数の焦点距離状態の外になることを特徴とする焦点距離
切換レンズ装置を提供できる。 (10) 上記非撮影状態若しくは上記非使用状態は沈
胴状態若しくは収納状態であることを特徴とする(9)
記載の焦点距離切換レンズ装置である。
【0131】(11) 複数焦点距離切換レンズを用い
るカメラシステムにおいて、三焦点レンズは交換レンズ
内に複数(3つ)の絞りを有し、切換の途中域では絞り
を最小絞りまたはミラーアップしてファインダ視野内を
暗くすることを特徴とするカメラを提供できる。
【0132】(12) 切換の途中域ではカメラをロッ
ク状態(使用不可状態)にすることを特徴とする(1)
記載のカメラである。 (13) カメラボディ側は中間領域ではレリーズロッ
ク(釦押下操作不可状態)にすることを特徴とするカメ
ラを提供できる。
【0133】
【発明の効果】このように本発明によれば、例えば三焦
点距離レンズなどの複数焦点距離切換可能な焦点距離切
換レンズ絞り装置とこの装置を用いるカメラを実現し
て、単焦点レンズ並の性能で確実に撮影が行なえ、小型
で使い勝手の良好なカメラシステムを提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a),(b)は本発明を適用したカメ
ラを示し、図1(a)は、沈胴状態にある「三焦点距離
切換」タイプのレンズ一体型一眼レフカメラを示す斜視
図、図1(b)は、前方に伸長した撮影レンズの構成を
透視して示す斜視図。
【図2】 図2(a),(b)は一般的な一眼レフカメ
ラ用の単焦点レンズの基本構成を示し、図2(a)は、
広角撮影時の「レトロフォーカスタイプ」の構成を示す
説明図、図2(b)は、望遠撮影時の「テレフォトタイ
プ」の構成を示す説明図。
【図3】 図3(a)〜(d)は本発明の第1実施形態
の四群構成の三焦点距離切換タイプのレンズ光学系の構
成を示し、図3(a)は、沈胴状態のレンズ光学系の構
成図、図3(b)は、広角状態のレンズ光学系の構成
図、図3(c)は、標準状態のレンズ光学系の構成図、
図3(d)は、望遠状態のレンズ光学系の構成図。
【図4】 絞りユニットを複数個組み込んだ撮影レンズ
系の概略構成図。
【図5】 絞りユニットの構成を示す分解斜視図。
【図6】 図6(a),(b)はレンズの焦点距離とレ
ンズ繰出し位置の関係を示し、図6(a)は、三焦点距
離切換タイプの固定式レンズの場合の動作グラフ、図6
(b)は、三焦点距離切換タイプのズーム式レンズの場
合の動作グラフ。
【図7】 図7(a)〜(c)はこの三焦点距離切換タ
イプの光学光路を示し、図7(a)は、広角状態の光学
系の有効光路内光線を示す説明図、図7(b)は、標準
状態の光学系の有効光路内光線を示す説明図、図7
(c)は、望遠状態の光学系の有効光路内光線を示す説
明図。
【図8】 図8(a),(b)は三焦点距離切換タイプ
の各絞りと径を示し、図8(a)は、広角状態の光路を
規定する絞り位置を示す説明図、図8(b)は、望遠状
態の光路を規定する絞り位置を示す説明図。
【図9】 図9(a)〜(c)はこの三焦点距離切換の
制御手順を示し、図9(a)は、広角状態検出の絞り動
作手順を示すフローチャート、図9(b)は、標準状態
の絞り動作手順を示すフローチャート、図9(c)は、
望遠状態の絞り動作手順を示すフローチャート。
【図10】 カムフォロワを挟むカムリング(カム環)お
よび固定筒の平面展開図。
【図11】 図11(a),(b)は焦点距離エンコー
ダを有するカム環と固定筒およびカムフォロワを示し、
図11(a)は、沈胴、広角、標準および望遠の各位置
を規定するスイッチパターンを示す平面図、図11
(b)は、カムリング側の焦点距離検出部の要部と、固
定筒のカムフォロワを挟むカムリングおよび固定筒の分
解斜視図。
【図12】 本発明の第1実施形態の三焦点距離切換タ
イプの焦点距離切換レンズ絞り装置の制御・駆動系の回
路構成を示す概略回路図。
【図13】 第1実施形態における焦点距離切換の動作
制御の手順を表わすフローチャート。
【図14】 本発明の第2実施形態としての「レンズ交
換式」カメラシステムの外観を示す斜視図。
【図15】 第2実施形態のカメラシステムの構成を示
すブロック構成図。
【図16】 第2実施形態のカメラにおける撮影シーケ
ンスを表わすメインルーチンとしてのフローチャート。
【図17】 WIDE状態を検知するスイッチがONした場
合の動作手順を表わすフローチャート。
【図18】 図18(a)〜(c)は各焦点距離毎の動
作制御を示し、図18(a)は、WIDE状態の動作手順を
表わすフローチャート、図18(b)は、STAN状態の動
作手順を表わすフローチャート、図18(c)は、TELE
状態の動作手順を表わすフローチャート。
【図19】 2nd.レリーズがONされたときの処理手
順を表わすフローチャート。
【図20】 焦点距離切換スイッチがOFFのときの処
理手順を表わすフローチャート。
【図21】 クイックリターンミラーのミラーアップ処
理の手順を表わすフローチャート。
【符号の説明】
1,310…撮影レンズ、2…鏡筒、3…焦点距離切換
レバー、3a…焦点距離切換用SW、4,204…レリ
ーズ釦、8…マウント、 9…接点部、10…
絞り(絞り(A〜C)ユニット)、20…レンズ群(一群
〜四群)、21…クイックリターンミラー、22,23
1…フォーカルプレーンシャッタ、23…結像面、30
…ステッピングモータ(M)、30a〜30c、330
a〜330c…絞り(A〜C)モータ、31…ピニオンギ
ヤ、 32…絞り地板、33…ボス、 3
4…駆動リング、35…ギヤ部、 37…絞り
羽根、40…絞り蓋、 41…カムフォロワ
(ピン)、44…クリックピン、 45…バネ、50…
固定筒、 51…直進溝、60,360…カム
リング(カム環)、61,61a〜61d…カム溝、66
a〜66d…クリックポイント、70,70a〜70c
…モータドライバ、71…焦点距離切換モータ、90,
390…焦点距離エンコーダ、91…焦点距離切換検出
部、 91a…接片、100…CPU(制御部、制御手
段)、105…EEPROM(メモリ)、190,29
0…電源(バッテリ)、200…ボディ(カメラ本
体)、201…CPU(ボディ側の制御部)、210…
測距部、 220…測光部、230…シャッタ制
御部、240…ミラー状態検出部、250…シャッタ状
態検出部、270,370a〜370c…モータドライ
バ、300…レンズ(交換レンズ)、301…CPU
(レンズ側の制御部)、305…焦点距離切換リング
(レンズ側の焦点距離選択手段)。372…フォーカス
モータ、380…DCモータドライバ、392…フォー
カスモータパルス検出部、#1〜#21…カメラシーケ
ンスの処理ステップ、S1〜S214…各サブルーチン
の処理ステップ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のレンズ群と、複数の可変絞りと、
    を有して複数の焦点距離設定が可能な焦点距離切換レン
    ズ絞り装置であって、 非撮影時若しくは非使用時は、上記可変絞りの内一つは
    最小絞り若しくは全閉に設定されることを特徴とする焦
    点距離切換レンズ絞り装置。
  2. 【請求項2】 複数のレンズ群と、複数の可変絞りと、
    を有して複数の焦点距離設定が可能な焦点距離切換レン
    ズ絞り装置を使用可能なカメラであって、 非撮影時若しくは非使用時には、上記可変絞りの内一つ
    を最小絞り若しくは全閉に設定することを特徴とする焦
    点距離切換レンズ絞り装置を使用可能なカメラ。
  3. 【請求項3】 複数のレンズ群と、複数の可変絞りと、
    を有して複数の焦点距離に設定が可能な焦点距離切換レ
    ンズ絞り装置を使用するカメラであって、 クイックリターンミラーを有し、 上記焦点距離切換レンズ絞り装置が上記複数の焦点距離
    状態外にあるとき、上記クイックリターンミラーを非観
    察状態に設定することを特徴とする焦点距離切換レンズ
    絞り装置を使用可能なカメラ。
  4. 【請求項4】 複数のレンズ群と、複数の可変絞りと、
    を有して複数の焦点距離に設定が可能な焦点距離切換レ
    ンズ絞り装置であって、 上記焦点距離切換レンズ絞り装置が非撮影状態若しくは
    非使用状態にあるときはこの状態を出力する出力手段を
    具備することを特徴とする焦点距離切換レンズ絞り装
    置。
  5. 【請求項5】 複数のレンズ群と、複数の可変絞りと、
    を有して複数の焦点距離設定が可能な焦点距離切換レン
    ズ絞り装置と、 非撮影時若しくは非使用時には、上記可変絞りの内一つ
    を最小絞り若しくは全閉に設定する焦点距離切換レンズ
    絞り装置を使用可能なカメラと、 を具備することを特徴とするカメラシステム。
JP2000373234A 2000-12-07 2000-12-07 焦点距離切換レンズ絞り装置及び該装置を使用可能なカメラ Withdrawn JP2002174763A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010103599A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Olympus Imaging Corp デジタルカメラシステム、デジタルカメラ、および交換レンズ
TWI619390B (zh) * 2016-09-07 2018-03-21 群邁通訊股份有限公司 電子裝置及其鏡頭切換方法

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