JPH0442698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は冷蔵室と機械室を区画内へ蒸発器及び
冷気攪拌用フアンを設置したシヨーケースに関す
るものである。

従来の技術 一般に冷気を循環せしめて冷蔵室を冷却する間
接冷却方式のシヨーケースにあつては冷蔵室を均
一に冷却し、庫内温度のバラツキを小さくする必
要がある。このような従来例を第４図から第６図
を参考に説明する。１はシヨーケース本体で周囲
の３面をガラス１ａで覆い、開口した一面に透明
な扉１ｂを備えた冷蔵室２と、機械室３を備えて
いる。そして冷蔵室２と機械室３は中仕切４によ
り上下に区画されている。該中仕切４は上面を開
口した断熱壁５と、この断熱壁５の上面に位置す
る底板６とにより中空部７を形成している。該底
板６の両端部には冷気吐出孔６ａ及び冷気吸込孔
６ｂが形成されている。前記中空部７には冷却シ
ステムの蒸発器８が前記断熱壁５に載置して設け
られている。該蒸発器８の上流側には蒸発器８で
生成された冷気を冷蔵室２内へ攪拌循環せしめる
冷気攪拌用のプロペラフアン９が取り付けられて
いる。該プロペラフアン９の周囲には鉄板で成形
したフアンリング１０が前記断熱壁５の一部に成
形された凹部へ挿入支持されている。１１は冷蔵
室２の冷気吐出孔６ａ側に取付けられるダクトで
コ字状にプラスチツク部材を折り曲げて形成して
いる。該ダクト１１はコ字状部下部へ設けた凸部
を前記底板６の冷気吐出孔６ａに成形された両端
の穴へ挿入支持されている。１２は網棚で冷蔵室
２の内側に成形された支持台１３に載置されてい
る。該網棚１２の四周部はそれぞれシヨーケース
本体１のガラス１ａ面及び扉１ｂ面との間に隙間
を設ける様載置され冷気風路を構成している。

このように構成された風路構造において、蒸発
器８で生成された冷気はプロペラフアン９、冷気
吐出孔６ａ、ダクト１１、網棚１２とガラス面１
ａで形成された冷気風路、冷気吸込孔６ｂ、蒸発
器８と循環せしめられる。

考案が解決しようとする問題点 しかし、このように構成された風路において
は、プロペラフアン９は一定方向の回転であるた
め、ダクト１１を通過する冷気の流れの片寄りが
激しく、ダクトからの冷気の流速は、プロペラフ
アンの羽根がダクト側へ近づく側が相対的に速く
なりプロペラフアン９の回転方向が時計方向の場
合、ダクト１１を通過する冷気は左寄りに、すな
わち、左側の風速が速く、中央、右側の風速が遅
くなり、その結果、風速分布が不均一となる（第
７図にプロペラフアンの回転方向と風速分布の関
係を示す）。又、プロペラフアンの回転方向が反
時計方向の場合、前述した風速分布と逆になる。
更にダクト１１を通過した冷気の風速分布の片寄
りは、商品を収納する網棚１２の場所では更に増
大される。この事により、冷蔵室へ貯蔵された商
品の温度分布が悪くなり、風速の最も遅くなる風
の流れ方向と相対向する吸込孔付近の商品の温度
が最も高くなり、貯蔵商品の温度バラツキを生ず
る欠点があつた。

本考案は上記問題点に鑑み風量バランスを図つ
たシヨーケースのダクトを提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決する本考案の技術的手段は、
プロペラフアンの羽根がダクト側から遠ざかる側
のダクトの折り曲げ辺を、上側に向かう程対向す
るプロペラフアンの羽根がダクト側へ近づく側の
ダクトの折り曲げ辺との間隔を狭くするように傾
斜させ、傾斜した折り曲げ辺と鉛直な折り曲げ辺
とに連続するダクトの平面部における鉛直な折り
曲げ辺側の上端にダクトの出口に突出する風向板
を設け、平面部と鉛直な折り曲げ辺とが連続する
コーナ部に吐出穴を穿設するものである。

作 用 この技術的手段による作用は次のようになる。

蒸発器で生成された冷気は冷気攪拌用のプロペ
ラフアンにより冷気吐出孔を通過し、ダクトに吹
きつけられ、このダクトを通過する。この時、傾
斜した折り曲げ辺により傾斜した折り曲げ辺側の
風速が早くなり、更に、ダクトの平面部における
鉛直な折り曲げ辺側の上端に設けられた風向板に
より冷気の一部は冷蔵室内上側へ吐出されるのが
さまたげられるのと同時に、平面部と鉛直な折り
曲げ辺とが連続するコーナ部に穿設された吐出穴
を通過し、冷蔵室下部の網棚側へ更には冷気吸込
孔へと循環するものである。

実施例 以下第１図から第３図にしたがつて本考案の一
実施例を説明するが上記従来例と同一部分につい
ては同一番号を付与してその詳細な説明を省略
し、異なる部分を中心に説明する。

コの字形のダクト１１１はプラスチツク部材よ
り成形されプロペラフアン９の羽根がダクト１１
１側から遠ざかる側のダクト１１１の折り曲げ辺
１１１ａを上側に向かう程対向するプロペラフア
ン９の羽根がダクト１１１側へ近づく側のダクト
１１１の折り曲げ辺１１１ａとの間隔を狭くする
ように傾斜させ、傾斜した折り曲げ辺１１１ａと
鉛直な折り曲げ辺１１１ａとに連続するダクト１
１１の平面部１１１ｂにおける鉛直な折り曲げ辺
１１１ａ側の上部にＵ字状の切り欠き１１１ｃを
設け、平面部１１１ｂにおける鉛直な折り曲げ辺
１１１ａと切り欠き１１１ｃとの間の上端にダク
ト１１１の出口に突出する風向板１１１ｄを設け
る。この時、風向板１１１ｄとガラス面１ａとの
隙間は、ダクト１１１上面開口部の1/2となるよ
うにする。更に風向板１１１ｃの下方で、平面部
１１１ｂと鉛直な折り曲げ辺１１１ａとが連続す
るコーナ部に吐出穴１１１ｅを設ける。

以上のように構成されたダクト構造についてそ
の動作を説明する。

傾斜した折り曲げ辺１１１ａにより、流路が狭
くなつて傾斜した折り曲げ辺１１１ａ側のダクト
１１１出口での流速が早くなる。シヨーケース本
体１の貯蔵室下部側へは、風向板１１１ｄにより
一部遮へいされた冷気が吐出穴１１１ｅへ流出す
る。残りの冷気はガラス面１ａと風向板１１１ｄ
との隙間より冷気が流出し貯蔵室上部へ流出し、
シヨーケース本体１の貯蔵室上部と貯蔵室下部へ
の冷気分布も一定となり冷蔵室内の商品の温度の
バラツキを無くすことができる。

考案の効果 このように本考案は、プロペラフアンの羽根が
ダクト側から遠ざかる側のダクトの折り曲げ辺
を、上側に向かう程対向するプロペラフアンの羽
根がダクト側へ近づく側のダクトの折り曲げ辺と
の間隔を狭くするように傾斜させ、傾斜した折り
曲げ辺と鉛直な折り曲げ辺とに連続するダクトの
平面部における鉛直な折り曲げ辺側の上端にダク
トの出口に突出する風向板を設け、平面部と鉛直
な折り曲げ辺とが連続するコーナ部に吐出穴を穿
設したので、ダクトからの冷気の流速分布を一定
にすることが可能となり、冷蔵室内の商品の温度
のバラツキを無くす事が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるシヨーケー
スの断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線の断面
図、第３図は本考案のダクトの斜視図、第４図は
従来例のシヨーケースの断面図、第５図は第４図
のＢ−Ｂ線の断面図、第６図は従来例のダクトの
斜視図、第７図は従来例のダクト部における風速
分布を示す分布図である。 １……シヨーケース本体、２……冷蔵室、３…
…機械室、４……中仕切、６……底板、６ａ……
冷気吐出孔、９……プロペラフアン、１１１……
ダクト、１１１ａ……折り曲げ辺、１１１ｂ……
平面部、１１１ｃ……切欠き、１１１ｄ……風向
板、１１１ｅ……吐出穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷蔵室と、この冷蔵室の下部に配置される機械
   室に設置され蒸発器からの冷気を吐出孔から前記
   冷蔵室に吐出すプロペラフアンと、前記冷蔵室内
   で前記吐出孔に取付られるダクトとよりなり前記
   プロペラフアンの羽根が前記ダクト側から遠ざか
   る側の前記ダクトの折り曲げ辺は上側に向かう程
   対向する前記プロペラフアンの羽根が前記ダクト
   側へ近づく側の前記ダクトの鉛直な折り曲げ辺と
   の間隔を狭くするように傾斜し、前記傾斜した折
   り曲げ辺と前記鉛直な折り曲げ辺とに連続する前
   記ダクトの平面部は前記鉛直な折り曲げ辺側の上
   端に前記ダクトの出口に突出する風向板を有し、
   前記平面部と前記鉛直な折り曲げ辺とが連続する
   コーナ部に吐出穴が穿設されていることを特徴と
   するシヨーケースのダクト。