JPS6320946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタテ形シヨーケースに係り、特にその
循環冷風を制御する構造に関する。

例えば、陳列室の前後、左右の四面に透明ガラ
ス板を用いた冷蔵タイプのタテ形シヨーケースに
おいては一般に、蒸発器で熱交換された冷気をフ
アンによつて強制循環させている。即ち、庫内底
板の一辺に沿つて設けた吐出口から吹き出た冷気
は、庫内上部をまわつて、底板の反対辺に沿つて
設けた吸入口に吸い込まれ、再び蒸発器で熱交換
されて吐出口から出るというように循環するよう
になつている。

そのような細長い吐出口によると、吐出風速分
布が一般に、中央部分では比較的速く、両端部分
では比較的遅いという傾向をもつ。そのため庫内
上面が平坦な従来構造のタテ形シヨーケースにあ
つては、庫内上部の風量分布が不均一になり、そ
の結果、庫内の各部分における温度差が大きくな
つてしまうという欠点が生じる。

ところで吐出口を庫内底面の一辺の全長にわた
つて形成することができれば、庫内冷気の循環と
いう点では問題はない。しかし吐出口の長さ寸法
を充分に取ることができない構造の場合には、庫
内に冷気が充分にゆきわたらない箇所が生じると
いう問題がある。

それ故に本考案の目的は、特別な装置の付加を
要することなく庫内冷風の流れを制御し、これに
より庫内各部の温度差の小さいタテ形シヨーケー
スを安価に提供することにある。

本考案の他の目的は、冷風吹出口を庫内底面の
一辺の一部にのみしか形成できない場合であつて
も、冷気は庫内全域に充分にゆきわたるようにな
つているタテ形シヨーケースを提供することにあ
る。

以下図面を参照しながら、本考案につき実施例
を用いて説明する。

第１図乃至第３図は本考案によるタテ形シヨー
ケースの一実施例を示している。このシヨーケー
スは陳列室１の下方に機械室２を設けたものであ
る。陳列室１の三側面即ち左右側面および後面に
は透明のガラス板３がそれぞれ固定され、また残
りの一側面即ち前面には例えばガラスやプラスチ
ツク等を用いて作られた透明な戸４が備えられて
いる。戸４は左右方向での一端をケース本体５の
前部の柱６に回動可能に取付けられたものであ
る。したがつてこの戸４を開くことにより、陳列
室１に対し物品の出し入れを行うことができる。

戸４はさらに、第３図から明らかなように、水
平断面を略コ字形に作られたものである。その結
果、戸４の大部分は柱６よりも前方へ出張つてい
る。したがつてこのシヨーケースによると、斜め
前方から陳列室１の物品を見る際にも柱６が邪魔
になることはないため、陳列室１の物品を見易い
という利点があり、しかも外観が特殊な形状にな
るため顧客の気を引く効果も奏する。

また陳列室１の下方には蒸発器室７を設け、こ
こに蒸発器８とフアン９とを配する。そして陳列
室１の下面の一辺例えば右辺に沿つて長くのびた
上向きの吐出口１１を設ける一方、反対辺即ち左
辺に沿つて長くのびた吸入口１２を設ける。こう
して陳列室１と蒸発器室７とを、吐出口１１およ
び吸入口１２を介して互いに連通させてある。な
お吐出口１１および吸入口１２は左右側面の透明
ガラス板３に対応した部分にのみ形成されたもの
である。実際、このタイプのシヨーケースにおい
ては、断面コ字形の戸４の内側部分には吐出口や
吸入口を設けることはできない。

一方、陳列室１の上面は天板１３によつて塞が
れている。この天板１３の下面にはシエード１４
が固定されている。このシエード１４は乳白色の
塩化ビニル板又はアクリル板等にて作られたもの
で、その内側には照明灯（図示せず）を位置づけ
られる。こうしてこのシエード１４を介して陳列
室１が照明される。なお一般的なタテ形シヨーケ
ースの上部には「シエード」と呼ばれる部分が備
えられているので、このシエード１４の本質的な
作用については詳しい説明は要さないであろう。

さらにここにおけるシエード１４は周囲に間隔
１５を残した形状とされている。しかもシエード
１４を下部をすぼまつた形状に作ることにより、
間隔１５は下部が広くかつ上部が狭くされてい
る。その上、シエード１４の前面と左右側面との
間部分に面取り部１６を設けてある。

今、運転すると、蒸発器８で熱交換された冷気
は、吐出口１１を通つて上方へ向けて陳列室１へ
吐出される。陳列室１でガラス板３に沿つて上動
する冷気は、途中で反対面側にまわり込むもの
や、シエード１４の下面に沿つて回り込むものの
他に、間隔１５に入り込んで前後に振り分けられ
るものがある。その結果、吐出口１１の長手方向
両端部から吐出される冷風は、第２図中に二点鎖
線で示した風速分布線１７からわかるように中央
部から吐出される冷風に比べて風速が小さいにも
かかわらず、陳列室１の上部における風量を均一
にする等の風量修正が可能である。その上、シエ
ード１４の前部には面取り部１６が設けられ、こ
の部分の間隔１５の寸法を大としているので、こ
の間隔１５に流入した冷風は後方よりも前方へ向
つて多量に流れる。したがつて断面コ字形の戸４
の内側部分にも充分に冷風が供給される。即ち、
第２図中に二点鎖線で示した風量分布線１８から
明らかなように、陳列室１の上部全域における風
量をほぼ均一にすることができる。

こうして陳列室１の上部に全域にわたつてほぼ
均量の冷風が与えられることになるので、陳列室
１の各部の温度差は小さくなる。冷気は陳列室１
の上部において反対面側へ移り、そして下降し、
吸入口１２から蒸発器室７へ吸入され、蒸発器８
にて再び熱交換される。

シエード１４は、第４図に示すように左右側面
１４１，１４２がいずれも前後方向において傾斜
したものでもよいし、また第５図に示すように前
部が湾曲面１４３とされたものでもよいし、また
第６図に示すように後部にも面取り部１４４を形
成したものでもよい。もちろん、他の様々な形状
のものを使用できることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるタテ形シヨーケースの一
実施例の正面図、第２図は同じく右側面図、第３
図は第２図における−線に沿つた断面図、第
４図は使用されるシエードの他例の底面図、第５
図はシエードのさらに他例の底面図、第６図はシ
エードのさらに他例の底面図である。 １……陳列室、３……ガラス板、４……戸、５
……ケース本体、８……蒸発器、１１……吐出
口、１２……吸入口、１４……シエード、１５…
…間隔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 陳列室の下面の一辺に長く沿つて形成し、冷
   風を上方に向けて吐出する吐出口と、該陳列室
   の下面の反対辺に長く沿つて形成した吸入口を
   備え、しかも該吐出口と該吸入口の長さ寸法が
   前記陳列室下面の一辺より短いタテ形シヨーケ
   ースにおいて、ケース本体上部に設けられたシ
   エードを、該陳列室の四面の側壁との間に間隔
   を残して前記陳列室の内部に突出させ、前記シ
   エードと前記陳列室の側壁との間隔は、下部で
   広くかつ上部で狭くしてあることを特徴とする
   タテ形シヨーケース。 ２ 前記シエードの側面と前記陳列室の側壁との
   間隔を、該間隔の延在方向での一端よりも他端
   で大となしたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のタテ形シヨーケース。