JPS6124856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷凍冷蔵オープンシヨーケース（以下
単にオープンシヨーケースと呼称する）の改良に
関し、エアダクト内に配置されたエバポレータが
一種の風圧バランス用プレナム室として作用する
よう巧みに構成することにより、送風フアンによ
る押込み送風風圧がエアガイドの全幅域でアンバ
ランス分布であつても、エバポレータ内で風圧を
全幅域に亘つてほぼバランスさせ、エアカーテン
吹出口より吹出される冷気エアカーテンの風速、
風量を全域で均一化させるよう、更に加えてエバ
ポレータでの熱交換効率を高めることにより、保
冷性能の優れたオープンシヨーケースを得るよう
にしたことを目的とする。

オープンシヨーケースのうち或る種の構成は第
１図の如き構成配置とされている。即ち図におい
て１は本体ケースであり、前面域を開放した商品
陳列室２を区画する内箱３と外箱４とよりなる。
内箱３と外箱４との間にはエアダクト５が仕切ら
れており、このエアダクト５は本体ケース１の上
下にて、エアカーテン吹出口６、吸込口７を経て
前面開放域に開口されている。更に前記エアダク
ト５のうち、特に天井域にはエバポレータ８およ
び送風フアン９がエアカーテン吹出口６に向つて
フアン９、エバポレータ８の順に収設されてい
る。この構成でフアン９、エバポレータ８を運転
すればエアダクト５内の空気はエバポレータ８へ
押込み送風され、矢印Ａの如く吹出口６より前面
開放域に吹出されてエアカーテンを形成させた後
に、再びエアダクト５内へ還流して循環される。
このエアカーテンにより商品陳列室２は外気と熱
的にしやへいされ、庫内が保冷される。

上記構成のオープンシヨーケースにおいて、送
風フアン９としては一般にプロペラ形フアンが用
いられており、このフアン９はエアダクト５の横
幅方向に間隔を隔てて分散配置されている。この
様子を第２図に示す。各フアン９はフアン取付パ
ネル１０上に相互に離間して取付けられている。
しかも最近のオープンシヨーケースの傾向とし
て、コストダウンのために送風フアン９の据付け
台数は小容量多数台より大容量小数台に移向して
いる。また送風フアン９とエバポレータ８とが非
常に近接して配置されている。この結果、各フア
ン９から吐出し送風される送風風圧の分布は第２
図における風圧分布曲線Ｐの如く全幅域に亘つて
アンバランス分布となる。即ちフアン９の設置位
置の前方域では風圧が大であり、逆にフアン９の
取付中間位置では風圧が低い。しかもフアン９の
後段に位置するエバポレータ８は平行に配列した
多数の平板状フイン間に通風路が区画されてお
り、各通風路はエバポレータ８の入口から出口に
至るまでは独立して仕切られている。このために
前記の如きフアン９の吹出し風圧分布はエバポレ
ータ８を経てエアカーテンに吹出口６へ至るま
で、そのまま維持される。従つて吹出口６から本
体ケース１の前面開放域に形成されるエアカーテ
ンＡの風速、風量は全幅域で部分的にアンバラン
スとなり均一化されない。この結果、部分的にエ
アカーテンの層流が乱されて局部的な渦流などを
引き起し、高温の外気がエアカーテンに多量に混
入されるので保冷性能の悪いエアカーテンとな
る。

上記のようなエアカーテンの不均一を防止する
ために、従来エアカーテン吹出口６の上流側にて
エアダクト５内に別部品としてのバツフルを配置
し、エアダクト５内を圧力バランス用のプレナム
室として静圧を全幅域でバランスさせる手段が行
われている。しかしこの場合には別部品のバツフ
ルを要するなど構造、組立も複雑となる。

本考案は先述の吐出し風圧のアンバランスをエ
バポレータ内で補償して圧力バランスさせ、加え
て従来よりもエバポレータでの熱交換効率を向上
できるようにしたオープンシヨーケースを得るこ
とを目的としたものであり、以下本考案を図示の
実施例に基づいて説明する。

第３図は本考案に基づくエバポレータ８の構造
を示すものであり、１１は冷媒パイプ、１２は冷
媒パイプ１１上に多数枚平行配列して装備された
平板状のフインであり、各フイン１２の間に狭い
間隙の通風路１３が区画形成されている。ところ
で本考案により各フイン１２には隣接する通風路
１３との間を互に橋絡連通するよう多数の風圧バ
ランス孔１２ａが切抜いて設けられている。この
風圧バランス孔１２ａの開口に伴ない、エバポレ
ータ８内へ押込み送風される空気流は第４図の如
くなる。即ちプロペラ形フアン９より吐出された
エバポレータ８の入口側における送風風圧の分布
は、前述と同様にフアン位置の前方域で高圧とな
る圧力分布曲線Ｐ１の如くである。この結果、エ
バポレータ８の入口側に近い範囲ではフイン間の
各通風路１３のうち、送風フアン９に対向する範
囲では風圧が大でフアン９から離れるにしたがつ
て低くなつている。この送風路１３間での風圧差
に基づいて、矢印A′のようにフイン１２の風圧
バランス孔１２ａを介して圧力の高い通風路から
低い方に向つて空気が側流される。この結果エバ
ポレータ８の出口側での風圧分布はエバポレータ
８の全域に亘つて風圧分布曲線Ｐ２の如くほぼ均
一化されることになる。

上記エバポレータ８を第１図のオープンシヨー
ケースに採用したことによる送風、エアカーテン
の吹出し特性は第５図の如くなる。即ち図から明
かなように送風フアン９から吐出された部分での
風圧のアンバランス分布Ｐ１は、エバポレータ８
内を押込み通風される過程で殆ど均一分布Ｐ２と
なる。従つてエアカーテン吹出口６のハニカム整
流体を通して本体ケースの前面開放域に形成され
るエアカーテンは、全幅域ｄに亘つてその風速、
風量ともに分布線Ｂの如く均一化されることにな
り、保冷性能の良い良好なエアカーテンを形成さ
せることができる。加えてエバポレータ８内では
先述の如く各フイン１２間の通風路１３の相互で
は空気の側流が生じ、全域で各通風路１３内へほ
ぼ均等な風量の空気が貫流する。しかも空気流は
風圧バランス孔１２ａを側流する過程でフイン１
２の表面を強制洗流することになり、これらのこ
とからエバポレータ８における熱交換効率を向上
させることができる。

以上述べたように本考案の構成によれば、エバ
ポレータのフインに風圧バランス孔を多数開口さ
せた極めて簡単な構成のみで、エバポレータ内を
圧力バランス用のプレナム室として作用させ、送
風フアンによる吐出風圧のアンバランス分布をエ
バポレータ内でバランスさせて、エアカーテン吹
出口より全域で均一なエアカーテンを吹出し形成
させることができるとともに、併せてエバポレー
タでの熱交換効率が向上できるなど、実用的価値
の高い冷凍冷蔵オープンシヨーケースを提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はオープンシヨーケースの基本構造を示
す縦断側面図、第２図は縦来構造による風圧分布
を説明するための第１図における矢視Ｘ−Ｘの横
断展開図、第３図は本考案実施例に基づくエバポ
レータの部分斜視図、第４図は第３図のエバポレ
ータ内における送風動作の説明図、第５図は本考
案実施例による送風、エアカーテンの特性説明図
である。 １……本体ケース、２……商品陳列室、３……
内箱、４……外箱、５……エアダクト、６……エ
アカーテン吹出口、８……エバポレータ、９……
送風フアン、１２……エバポレータのフイン、１
２ａ……風圧バランス孔、１３……フイン間の通
風路、Ａ……送風フアンによる本体ケース内の循
環送風流、A′……エバポレータ内での風圧バラ
ンス孔を側流する空気流。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケースを構成する内外箱の間に仕切られた
   エアダクト内に送風フアン、エバポレータを本体
   ケースのエアカーテン吹出口に向つて送風フア
   ン、エバポレータの順に配置し、エバポレータに
   おける各フイン間に区画形成された通風路を経て
   エアカーテン吹出口へ押込み送風させるものにお
   いて、エバポレータの各フインに風圧バランス用
   の孔を多数切抜いて設け、エバポレータからの吹
   出し風速、風量が全幅域でほぼ均一になるよう構
   成したことを特徴とする冷凍冷蔵オープンシヨー
   ケース。