JPH0442519B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は腰高戸袋内に落し込む上げ下げ窓に於
いて、上下方向任意の位置にての開閉を可能と
し、且つ全閉時に於ては内倒し窓となる上げ下げ
窓の開閉装置に関する。

其の要旨とするところは、上端には複数溝を有
する固定滑車を配し、其の下方に動滑車を配して
少くとも固定滑車には２本のワイヤーを掛け渡
し、動滑車は常にコイルバネ等にて下方向に付勢
されている滑車装置を、窓枠の縦枠内側に垂直に
固定することで固定滑車に掛けたワイヤー等の先
端を窓枠内の上げ下げ障子の縦框に固定して、動
滑車の変位寸法の３倍以上の変位を障子の上下方
向に与え、且つ障子閉鎖時には障子の下端を軸と
して室内側へ回動可能とし、他方前記固定滑車を
回動自在とすることで、上げ下げ障子を内倒し障
子とする点を特徴とするものである。

以下図面を参照しながら実施例について其の詳
細を説明する。第１図は本発明の部品である滑車
装置１である。上端には固定滑車２が其の下方に
は動滑車３が配設され、ワイヤー４の一端は動滑
車３に端を発して固定滑車２に掛けられて更に動
滑車３を経て再び固定滑車２に掛けられた後、ワ
イヤー４の先端４′は上げ下げ障子の縦框に固定
される。即ち障子９が閉のときｌ寸法だけ下降せ
しめれば、動滑車は1/3ｌ変位（上昇）するのみ
で、後述するスプリングの伸縮寸法の３倍の変位
を障子に与えることになる。５はコイルスプリン
グでフツク２１を介して動滑車３の下方に連結さ
れ其の下端はバネ調整棒６を介して滑車装置１の
最下端である下端保持ブロツク７に至る。そして
調整棒６と保持ブロツク７とは互いに螺合し、調
整棒６を回転することでスプリングコイル４の長
さを微調整することが出来る。なお此の場合固定
滑車２と最下端の保持ブロツク７は窓枠の縦枠内
側に第３図の如く固定されるが、滑車装置全体を
ケースに収めてケースを縦枠に固定する等自由な
設計は可能である。又バネ調整棒６は必須要件で
は無いので其のときはコイルスプリング５の下端
が下端保持ブロツク７に相当する。第２図は固定
滑車２が回動自在を示す説明図で、２は固定滑車
で、８は固定滑車２を回動自在に支承する上端ブ
ロツクである。そして上端ブロツク８は縦枠内い
側に固定されている。

次に上げ下げ障子９の下端について第５図によ
り説明すると、障子９の下端１０（縦框）の両側
には断面円形なる左右一対の張出突起１１が突設
されている。この突起１１は第５図に示されてい
るとおり障子が全閉したとき、窓枠の縦枠に固定
されているガイド溝１２′を有する軸受金具１２
の溝奥に当接するものである。そしてガイド溝１
２′はその入口より上方奥部に至るに従い室外側
寄りのカーブを有し、張出し突起１１を包囲する
如くなつているので、障子９は張出突起１１を軸
として図示の如く回動を容易としている。

次に障子９が閉のとき室内側への回動を防止す
る施錠手段につき説明すると、第４図に於て１３
はピニオン１４と噛み合うラツク棒で、ラツク棒
１３は第３図に示す如く障子９縦枠１５の丁度中
空部１５′の室内側に沿つて上下動自在に縦枠１
５に保持されている。そしてピニオン１４は縦枠
１５に固定され、ラツク棒１３の歯と噛み合うた
めに其の部分の縦枠１５は切り欠２２かれてい
る。なおピニオン１４は手動にてハンドル１６に
て可動せしめるため、ハンドル１６がピニオンに
固着している。なお第４図に示すハンドル１６の
位置は障子９が張出突起１１を軸として室内側へ
倒れるのを防止したる障子閉の状態を示してい
る。第５図に於て窓枠の上枠１８の下面に取付け
られたＬ形ピース１７はラツク棒１３が上方に変
位したときの受座で、其の作用はＲを付したラツ
ク棒の上端が受座に当ることにより障子９を室外
側へ押圧して上枠のパツキン１９に圧接して気密
保持を果すと共に障子９の内倒れを防止する施錠
の役を果たす。

以上説明した本発明の作動を断面図を示す略図
である第６図にて説明すれば、上げ下げ障子９を
閉としたとき、内倒し障子とするには、前記ピニ
オンハンドル１６にて障子９の施錠を解き、障子
９をコイルスプリング５の付勢に抗して手前に引
き下げれば、ワイヤー４はｌ長だけ延びて図示の
如く（最大50〜60°）なる。此の場合に障子を開
くに従い、障子の重心は軸（張出突起１１）より
の水平寸法は大となるが、スプリング５の障子９
が開くことに抗する付勢も大となるので丁度障子
の重さとバランスがとれて如何なる障子の開きに
於ても手を放せば其の位置にて静止することが出
来る。又障子閉にてハンドル１６にて施錠した状
態で、障子９を手動にて押し下げれば、障子９を
図示の戸袋２０内に収納することが出来る。そし
てコイルスプリングの復元力は障子と窓枠との摩
擦力の範囲内にあるので、手を放した位置にて障
子は停止する。

ところで障子を手動にて下げることは使い勝手
上極めて容易であるが、上げるためには相当の力
を入れねばならぬ。ところが今障子が開一杯とす
れば前記コイルスプリングの復元力も最大のとき
であるので、停止の状態の障子９の静止摩擦はす
べり摩擦より大であるが、障子に手をそえて障子
９を停止より上昇に転ずれば、あとは障子９と縦
枠とのすべり摩擦と障子の重量のみとなり、コイ
ルスプリング５の復元力にて極めて容易に障子９
を閉の状態に迄上げることが出来る。

なお障子と縦枠との摩擦力が小のときは、障子
の左右下端近くにフリクシヨンシート等を付して
調整すれば良い。

以上のとおり本発明によれば上げ下げ障子を極
めて容易に開閉出来るほか、内倒し障子とするこ
とも出来るので、障子ガラス外面の清掃を容易と
し作動軽快で好みの位置に開くことが出来、腰高
壁面の戸袋内に収納出来るので、其の用途は極め
て広範である。

【図面の簡単な説明】

第１図は滑車装置の正面図で一部断面を以つて
示す。第２図イは固定滑車と其の保持ブロツクを
示す外観図、同ロは縦断面図である。第３図は縦
枠及び障子縦框の横断平面図である。第４図は障
子縦框に取付けるラツクとピニオンの拡大側面図
である。第５図は本発明の障子作動を示す側断面
図である。第６図は本発明の作動説明用の略図で
ある。 １……滑車装置、１１……張出突起、２……固
定滑車、１２′……ガイド溝、３……動滑車、１
３……ラツク棒、５……コイルスプリング、１４
……ピニオン、７……下端保持ブロツク、１５…
…障子縦框、８……上端保持ブロツク、１７……
ラツク棒受座、１０……下端（縦框）、２２……
切欠き。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 腰高戸袋内に落し込む上げ下げ窓に於て、縦
   窓枠の内側に、複数ワイヤーを掛けた固定滑車を
   水平回動自在に配設し、他方コイルスプリング等
   にて下方に付勢された動滑車を下方に配設したる
   滑車装置を前記縦枠内側に垂直に固定し、固定滑
   車を経由したワイヤーの先端を窓枠内の障子縦框
   に固定し、 障子閉のとき、障子下端に設けた左右一対の張
   出突起が、窓縦枠に回動自在に係止し、且つ障子
   上端を窓枠に着脱自在に係止することにより内倒
   しを可能としたことを特徴とする上げ下げ窓の開
   閉装置。 ２ 障子下端に設けた左右一対の張出突起が、窓
   縦枠に固定された円弧状ガイド溝に嵌まり込む特
   許請求の範囲第１項記載の上げ下げ窓の開閉装
   置。 ３ 障子縦框の室内側に取付けられたピニオンの
   作動にて上下動するラツク棒が上枠に固定した金
   具にて障子上端が室外側へ押し付けられると共に
   障子の内倒しを施錠してなる特許請求の範囲第１
   項記載の上げ下げ窓障子の開閉装置。