JPH0442493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば芝刈機等に用いられるクラン
クシヤフト垂直型汎用エンジンに関するものであ
る。

（従来技術及びその問題点） 従来のクランクシヤフト垂直型汎用エンジン
は、例えば片持式エンジンの場合、実開昭60−
57749号公報に記載されているように、防塵カバ
ーとクランクケースとの間の間隙を冷却風取入口
として利用していた。

しかしながら、このような従来のクランクシヤ
フト垂直型汎用エンジンでは、冷却風取入口がエ
ンジン本体の四周のうちの一部だけに形成されて
いることから面積が狭く、したがつて所定量の冷
却風を取入れるためには冷却風の流速を速くしな
ければならず、しかも冷却風取入口全体が開口し
ているので、刈り草や塵芥等が冷却風取入口から
エンジン本体の内部に侵入し、シリンダのフイン
等に付着して燃焼したり、冷却風の通路を目詰ま
りさせて冷却性能を低下させるという不都合があ
つた。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、本考案のクランク
シヤフト垂直型汎用エンジンは、エンジン本体の
上面全体を覆いかつ四周端縁から下方に向けて突
出する庇部を有するエンジンカバーと、前記エン
ジン本体の下方位置にてエンジンの出力軸に固定
されたフライホイール付の冷却フアンとを備えた
クランクシヤフト垂直型汎用エンジンにおいて、
前記エンジン本体の壁体に、該壁体と前記エンジ
ンカバーの庇部との間の枠状の間隙を完全に覆う
突出部を一体に形成し、この突出部に多数の孔を
形成して冷却風取入口としたものである。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

第１図は本考案の一実施例におけるクランクシ
ヤフト垂直型汎用エンジンの一部切欠正面図で、
エンジン本体１のクランクケース２には多数のフ
イン３を有するシリンダ４や片持式のクランクシ
ヤフト（図示せず）等が収容されている。前記エ
ンジン本体１の下側にはフライホイール５が配置
されており、このフライホイール５の内部には、
エンジンの出力軸６の下端部外周に嵌合固着され
たボス７と、このボス７に固着された冷却フアン
８とが収容されている。すなわち、フライホイー
ル５に、エンジンの冷却風を生起する冷却フアン
８が組込まれているのであつて、冷却フアン８
は、フライホイール５付の冷却フアンということ
ができる。前記クランクケース２の底壁には冷却
風通路１０が形成されており、前記フライホイー
ル５の天壁には前記冷却風通路１０に対向する開
口部１１が形成され、前記フライホイール５の周
壁の下半部には、複数の冷却風排出口１２が全周
にわたつて形成されている。前記フライホイール
５はカツターブレード１４の上側に取付けられて
おり、前記クランクケース２は前記フライホイー
ル５の上側に取付けられている。

前記エンジン本体１は上面全体をエンジンカバ
ー１６により覆われており、このエンジンカバー
１６の四周端縁から斜め下向きに下拡がり状に突
出した庇部１７は、前記クランクケース２の上端
部の周囲を全域にわたつて覆つている。前記クラ
ンクケース２の上端部外面には、先端が前記庇部
１７の下端に当接する水平板状の突出部１８が一
体に突設されている。すなわち前記庇部１７とク
ランクケース２との間隙は平面視枠状であり、こ
の枠状の間隙は前記突出部１８により全域にわた
つて完全に覆われている。前記突出部１８には多
数の円形の孔１９が形成されており、冷却風取入
口２０を構成している。

次に作用を説明する。冷却フアン８の回転によ
り、第１図に矢印で示すように、冷却風が冷却風
取入口２０からエンジン本体１の内部に吸引さ
れ、クランクケース２内のシリンダ４の周囲を通
過してシリンダ４を冷却し、クランクケース２の
冷却風通路１０とフライホイール５の開口部１１
とを通つて冷却風排出口１２から排出される。

このように、冷却風取入口２０がエンジン本体
１の周囲全域にわたつているので、その面積を十
分大きくできることから、所定の流量を得るのに
流速が少なくてすみ、したがつてエンジン本体１
の内部に刈り草や塵芥等が入りにくい。また冷却
風は冷却風取入口２０を下から上に通過するの
で、刈り草や塵芥などがエンジン本体１の内部に
侵入するのを重力によりある程度阻止でき、これ
は重量の重い刈り草や塵芥等に対して特に有効で
ある。また冷却風取入口２０は突出部１８に多数
の孔１９を形成したものであり、スクリーンを構
成しているので、大きな刈り草や塵芥等のエンジ
ン本体１内部への侵入を確実に阻止できる。以上
のことから、刈り草や塵芥等のエンジン本体１内
部への侵入を良好に阻止でき、したがつてシリン
ダ４のフイン３等に刈り草や塵芥等が付着した燃
焼したり、あるいは刈り草や塵芥等により冷却風
の通路が目詰まりして冷却性能が低下するという
ような不都合を完全に解消できる。またクランク
ケース２の周囲全域に形成された冷却風取入口２
０から冷却風を取入れるので、クランクケース２
の冷却をも良好に行なうことができる。また冷却
風取入口２０を構成する突出部１８をクランクケ
ース２と一体に形成したので、取付の手数が不要
であると共に、安価に製作できる。

（別の実施例） 上記実施例においては、突出部１８をクランク
ケース２から一体に突出させたが、片持式エンジ
ンの場合、クランク室の上面開口を覆う蓋体を板
金加工するので、第２図および第３図に示すよう
に、板金製の蓋体２２の周囲を延設することによ
り突出部１８を一体に突設し、この突出部１８に
多数の孔１９を形成して冷却風取入口２０を構成
してもよい。

また上記実施例においては、突出部１８に円形
の孔１９を形成した例について説明したが、孔１
９の形状は任意に選択すればよく、例えば矩形で
あつてもよいし、ルーバーを形成してもよい。ま
た孔１９の大きさやピツチ等も、各種設計条件に
応じて適宜選択すればよい。

また上記実施例においては、片持式のエンジン
に本考案を適用した例について説明したが、本考
案は両持式のエンジンにも適用できることはもち
ろんである。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、エンジ
ン本体の四周全域にわたつて冷却風取入口を設け
ていることと、突出部に多数の孔を形成して冷却
風取入口を構成していることと、冷却風は冷却風
取入口を下から上へ通ることとから、刈り草や塵
芥等のエンジン本体内部への侵入を良好に阻止で
き、特に大きな刈り草や塵芥などのエンジン本体
内部への侵入を完全に阻止できるので、刈り草や
塵芥等がシリンダのフイン等に付着して燃焼した
り、冷却風の通路を目詰まりさせて冷却性能を低
下させる等の不都合を完全に解消できる。またエ
ンジン本体の四周全域にわたつて形成された冷却
風取入口から冷却風を取入れるので、冷却風によ
りクランクケースをも良好に冷却できる。また突
出部をエンジン本体の壁体に一体に突設したの
で、突出部を設けたことによるコストの上昇や組
立の手数の増加がほとんどなく、安価に製作でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるクランクシ
ヤフト垂直型汎用エンジンの一部切欠正面図、第
２図は別の実施例におけるクランクシヤフト垂直
型汎用エンジンの要部の縦断正面図、第３図は同
クランクシヤフト垂直型汎用エンジンにおける蓋
体の要部の平面図である。 １……エンジン本体、２……クランクケース、
６……出力軸、８……冷却フアン、１６……エン
ジンカバー、１７……庇部、１８……突出部、１
９……孔、２０……冷却風取入口、２２……蓋
体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) エンジン本体の上面全体を覆いかつ四周端縁
   から下方に向けて突出する庇部を有するエンジ
   ンカバーと、前記エンジン本体の下方位置にて
   エンジンの出力軸に固定されたフライホイール
   付の冷却フアンとを備えたクランクシヤフト垂
   直型汎用エンジンにおいて、前記エンジン本体
   の壁体に、該壁体と前記エンジンカバーの庇部
   との間の枠状の間隙を完全に覆う突出部を一体
   に形成し、この突出部に多数の孔を形成して冷
   却風取入口としたことを特徴とするクランクシ
   ヤフト垂直型汎用エンジン。 (2) 突出部が突設されたエンジン本体の壁体は、
   クランクケースの側壁である実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載のクランクシヤフト垂直型
   汎用エンジン。 (3) エンジンは片持式であり、突出部が突設され
   たエンジン本体の壁体は、板金加工されたクラ
   ンク室の蓋体である実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のクランクシヤフト垂直型汎用エン
   ジン。