JPS5836812Y2 - 動力農機における空冷エンジン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は導風カバー内に外気と共に吸込１れた藁屑等を
積極的に外部へ排出して、エンジンの冷却を妨げること
がない動力農機における空冷エンジンに関するものであ
る。

藁屑等を多量排出するか又は藁屑等が多発する環境下で
作業をしなければならない動力農機にち−いては、エン
ジンに藁屑等が係絡して過熱することがないように、金
網又は多孔板でエンジン全体を覆っているが、このよう
な防塵対策では多発する藁屑等によって極く短時間で金
網又は多孔板が目詰１りを起こすため、たびたび付着し
た藁屑等を取除く必要があり、また、金網又は多孔板の
目を通過した藁屑等は外部へ排出することができず、そ
の１渣導風カバー内に侵入して冷却フィンに係絡するの
で、この藁屑等を定期的に取除く必要がある。

ところが、冷却フィンに係絡した藁屑等を取除くには、
金網又は多孔板を取外さなければならず、手数がかかる
許りでなく、特にコンバイン等の作業機に搭載したもの
では周囲に他の部品が配置されているため、日常の点検
・整備では殆んど不可能である。

本考案は叙上の如き実情に鑑み、その欠点を一掃すべく
創案されたものであって、導風カバー内に吸引された藁
屑等を円滑に外部へ排出してエンジンの過熱を完全に防
止すると共に、防塵対策を不要又は簡略することができ
る動力農機における空冷エンジンを提供せんとするもの
である。

本考案の構成を図面に示された一実施例について説明す
る。

１は空冷型のエンジンであって、該エンジン１のクラン
クケース２にはシリンダヘッド部３が設けられている。

４はクランクケース２のクランク軸であって、該クラン
ク軸４には冷却風吸引ファン５が一体的に形成されたフ
ライホイル６が軸着されている。

７は導風カバーであって、該導風カバー７でシリンダヘ
ッド部３からクランクケース２のフライホイル６側を覆
う−ようになっている。

８は導風カラく−７のフライホイル６に対応して形／ 威された冷却風供給口、９は該冷却風供給口８からシリ
ンダヘッド部３にかけて傾斜せしめた傾斜面であって、
該傾斜面９に沿って、冷却風供給口８から冷却風吸引フ
ァン５によって吸込んだ外気を冷却風としてシリンダヘ
ッド部３に送風するようになっている。

１０はシリンダヘッド部３の上面に垂直に突設された冷
却用フィンであって、該冷却用フィン１０には、前記導
風カバー７の上面７ａに向けて冷却風の風下側に向う傾
斜部１０ａが形成されている。

１１はシリンダヘッド部３の周面に水平方向に突設され
た冷却用フィンであって、該冷却用フィン１１のうち前
記導風カバー７に対向するフィンには、その央部から前
記導風カバー７の両側板７ｂｔ７ｃに向けてそれぞれ冷
却風の風下側に向う傾斜部１１ａ及び１１ｂが形成され
ている。

１２は導風カバー７の上面７ａに、また１３，１３は両
側板７ ｂ 、７ ｃにそれぞれ冷却フィン１０．１１
が設けられである幅に渡って穿孔された長円形状の藁屑
等の排出口であって、該排出口１２及び１３．１３は冷
却用フィン１０゜１１に設けられた傾斜部の流風方向終
端部に位置するようになっている。

なか、上記シリンダヘッド部３の上面に突設された冷却
用フィン１０の一部は、点火プラグ１４及びボルト１５
によって分割されているが、これらの分割された冷却用
フィン１０にも風上側にそれぞれ斜め上方の傾斜部１０
ａが形成されている。

叙上の如き構成にトいて、エンジン１を始動させると、
クランク軸４に軸着されたフライホイル６が高速で回転
し、冷却風供給口８より導風カバー７内に外気が吸込１
れる。

導風カバー７に吸込１れた外気は冷却風として導風カバ
ー７の傾斜面９に沿ってシリンダヘッド部３側に流入す
るが、ここでシリンダヘッド部３の上面及び周面にそれ
ぞれ分流し、冷却用フィン１０及び１１からエンジン１
の熱を吸収して外部へ冷却排風として排出される。

ところで、外気と共に導風カバー７内に吸込捷れた藁屑
等の塵埃は、上記同様に冷却風にのってシリンダヘッド
部３に送り込捷れるか、シリンダヘッド部３の冷却用フ
ィン１０又は１１には冷却風の風下側に向けて斜め上方
又は斜め後方に向かう傾斜部１０ａ又は１１ａ、ｌｌｂ
が形成されており、かつ、該傾斜部１０ａ又は１１ａ。

１１ｂの流風方向終端部の導風カバー７には藁屑等の排
出口１２が穿孔されているので、藁屑等の塵埃は、上記
傾斜面に案内されて、冷却風の一部と共に排出口１２側
へ円滑に運ばれ、そして排出口１２から冷却排風と共に
自動的に外部へ排出される。

従って、冷却用フィン１０又は１１に藁屑等の塵埃の係
路が全くないので、冷却フィン１０又は１１の目つ１り
によるエンジン１の過熱を完全に防止できる詐りでなく
、防塵対策を不要又は簡略化することができる。

これを要するに、本考案は冷却用フィンが突設されたシ
リンダヘッド部からクランクケースのフライホイル側に
かけて導風カバーで覆われた空冷エンジンにも・いて、
上記冷却用フィンに冷却風の風上側から風下側に向けて
頃斜部を形成すると共に、上記導風カバーには、冷却用
フィンの傾斜部終端部位に臨捷せて藁屑等の排出口を開
設したから、導風カバー内に吸込１れた藁屑等の塵埃は
シリンダヘッド部の冷却用フィンに係路することなく、
冷却フィンの傾斜部に案内されて運ばれ、傾斜部終端部
位に臨１せて開設した排出口から円滑に外部へ排出する
ことができ、冷却用フィンの目づ１りによるエンジンの
過熱を完全に防止できる許りでなく、金網や多孔板によ
る防塵対策を全く不要、又は簡略することができ、しか
も藁屑等の塵埃が多発する条件下で長時間作業をしても
点検・整備する必要か全くない等幾多有用な実用的効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の動力農機にむける空冷エンジンの一実施
例を示すものであって、第１図は全体側面図、第２図は
同上平面図、第３図は第１図におけるＡ−Ａ断面図、第
４図は要部の断面図である。 図中、１はエンジン、２はクランクケース、３はシリン
ダヘッド部、６はフライホイル、７は導風カバー １０
及び１１は冷却用フィン、１０ａ及び１１ａｔ１１ｂは
その頃斜部、１２及び１３゜１３は導風カバー７に穿孔
された藁屑等の排出口である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷却用フィンが突設されたシリンダヘッド部からクラン
   クケースのフライホイル側にかけて導風カバーで覆われ
   た空冷エンジンにも・いて、上記冷却用フィンに冷却風
   の風上側から風下側に向けて傾斜部を形成すると共に、
   上記導風カバーには、冷却用フィンの傾斜部終端部位に
   臨１せて藁屑等の排出口を開設したことを特徴とする動
   力農機における空冷エンジン。