JPH0442462Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は引戸を自動閉鎖するためのクローザに
関する。

〔従来の技術〕

従来、上記引戸クローザにおいて、本体に油圧
式の制御部を介して回転制御可能に支承した回転
軸に回転方向の閉戸力を蓄勢するぜんまいばねを
内装したドラムを固定し、該ドラムに駆動ベルト
と従動ベルトの各一端を反対向きに巻装して各他
端を対称に延出し、上記本体を引戸に固定して上
記制御部を引戸側に取付け、上記両ベルトの他端
を引戸取付枠の上枠に夫々固定し、開戸操作によ
り上記駆動ベルトにてドラムが回転されることで
ぜんまいばねに閉戸力が蓄勢され、引戸を自動閉
鎖するように設けたものは本願人が提案し、実願
昭60−138631号となつている。

上述引戸クローザは、引戸に固定した固定軸に
制御部及び駆動部を支承してなる既知の引戸クロ
ーザに比して組立が容易であり、かつ大きく、重
い引戸に適用できると共に、閉戸の速度制御を確
実になし得て安定した閉戸が得られる点で効果的
であるが、本体をして制御部を引戸に取付ける構
成であるため、閉戸の速度調整時、制御部が本体
と一体に引戸取付枠の上枠内を移動するので速度
調整弁の速度調整操作が行ない難い問題点があ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで本考案は上記問題点に鑑みて検討の結
果、本体を引戸取付枠の上枠に固定するようにし
て制御部及び駆動部を上記上枠に支持させること
により引戸の開閉時、上記制御部が移動しないよ
う構成したことによつて、閉戸時の速度調整を行
ない易いようにしたのが、その目的である。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち本考案は、本体に油圧式の制御部を介在し
て回転制御可能に支承した回転軸にドラムは固定
され、該ドラムが開戸操作により巻掛けしたベル
トによつて回転されることで同ドラムに内装した
ぜんまいばねに回転方向の閉戸力が蓄勢され、引
戸を自動閉鎖するよう設けてなる引戸クローザに
おいて、上記本体を引戸取付枠における上枠内の
一側に取付板を介して固定し、一方、上記ドラム
に巻掛けしたタイミングベルトの一端を上記引戸
に固定すると共に、同ベルトの他端を、上記上枠
内の他側に枢着した滑車に掛装してその一端を上
記引戸に固定したワイヤーロープの他端と引張ば
ねを介して連結して構成し、上記問題点を解決し
たのである。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を示した図面に基づいて
詳述すれば、第１図ないし第４図に示したよう
に、本体１は縦断面略横向き凹字形状に形成さ
れ、その開口部にＯリング２を介在してキヤツプ
３をビス４…にて固定することで内部をシリンダ
５に設けてあり、該シリンダ５の中心に位置せし
めて回転軸６が油圧式の制御部７を介在して回転
制御可能に上記本体１とキヤツプ３に軸受８，９
を介して回転自在に支承されている。

上記キヤツプ３から上記回転軸６の一端は外側
に延出させてあり、その延出端に設けた角軸部６
ａにボス部１２ａの角孔１２ｂを嵌合し、ワツシ
ヤ１０を介在してねじ１１にて上記回転軸６にド
ラム１２は固定させてある。

又上記キヤツプ３の中心から上記ドラム１２内
に突出するよう円筒形状のスペーサー１３をキヤ
ツプ３にねじ１４…にて固定上記回転軸６の外周
に同軸的に配装させてある。

上記ドラム１２は、上記ボス部１２ａを中心か
ら突設した側壁１２ｃと、周壁１２ｄとで縦断面
略横向き凹字形状に形成させてあり、その周壁１
２ｄの外周に設けた溝型プーリー１２ｅにタイミ
ングベルト１５が巻掛けさせてあると共に、当該
ドラム１２には回転方向の閉戸力を蓄勢するため
のぜんまいばね１６を、その内端を上記スペーサ
ー１３に押しピン１７にて固定し、外端をドラム
周壁１２ｄに直接図示しない固定板にて固定する
か、同周壁１２ｄに設けた図示しない掛止溝に掛
止して内装することで駆動部１７は形成されてあ
る。

又、前記本体１の外側には、略コの字形状の取
付板１８がボルト１９，１９にて固定させてあ
り、該取付板１８を引戸取付枠２０における上枠
２０ａの引戸閉じ側（第１図において左側）にボ
ルト２１，２１にて固定して上記本体１を上枠２
０ａに固定させてある。

上記タイミングベルト１５の一端１５ａは引戸
２２の上部にベルト固定板２３とボルト２４によ
つて固定させ、同ベルト１５を上記ドラム１２の
プーリー１２ｅに巻掛けして他端１５ｂを第１図
に矢印ａで示した開戸方向へ延出して２枚の固定
板２５，２６間にビス止めして挟着させてある。

又、上記引戸取付枠２０における上枠２０ａの
引戸開き側（第１図において右側）には固定板２
７をネジ２８…にて固定し、該固定板２７に固定
した平行ピン２９に滑車３０を回転自在に支持
し、該滑車３０に巻掛けしたワイヤーロープ３１
の一端３１ａにはネジ部３２ａを有する端子３２
を固定して引戸２２の固定板３３に２箇のナツト
３４，３４によつて当該ワイヤーロープ３１のた
るみ防止と、同ロープ３１の張力を適度に調整で
きるよう長さ方向へ調整可能に固定させてある。

上記固定板３３は、引戸２２の上端面の左右両
側に夫々固設した戸車取付板３５，３６の内、開
戸側の戸車取付板３６にネジ３７…にて固定させ
てある。

又、上記ワイヤーロープ３１の他端３１ｂには
端子３８を固定し、該端子３８と上記固定板２５
に引張ばね３９を張設させてある。

つまり、上記タイミングベルト１５の他端１５
ｂと、上記ワイヤーロープ３１の他端３１ｂを上
記引張ばね３９を介して連結させてあるもので、
当該引張ばね３９は、引戸２２に急激な外力が加
わつた時、上記タイミングベルト１５及びワイヤ
ーロープ３１に無理な力が加わるのを吸収するた
めに設けてある。

又、上記引戸２２は、上記戸車取付板３５，３
６に回転自在に軸支した戸車４０，４１を上記引
戸取付枠２０のレール４２に係嵌して第１図の矢
印ａ方向、又は反矢印ａ方向へ開閉自在に取付け
られている。

次に上記油圧式制御部７の一例を第４図に基づ
いて説明する。

ピストン４３の中心にはねじ孔４３ａが軸方向
へ貫通させてあり、該ねじ孔４３ａをもつて上記
回転軸６のねじ部６ｂに螺合した状態で該ピスト
ン４３は本体１のシリンダ５に摺動自在に密嵌さ
せてあると共に、その外周に軸方向へ長く設けた
切欠部４３ｂに本体１の周壁に水密的に螺着貫通
したピン４４を摺動可能に係嵌して周方向の回転
を阻止させてあり、これにより引戸２２の開閉操
作によつて上記回転軸６が回転されると、そのね
じ部６ｂにより上記ピストン４３は軸方向へのみ
摺動されるようになつている。

又、上記本体１の周壁には第１図のように３箇
の通油路４５，４６，４７を設けて夫々に速度調
整弁４８，４９，５０が調整可能に螺合されてい
る。

上記各通油孔４５〜４７は、作動油が充填され
ているシリンダ５のピストン前部室５ａと、ピス
トン後部室５ｂに夫々の両端を開口して設けられ
るが、それら各端部の開口部４６ａ，４６ｂ（他
の通油孔４５、４７の開口部は図示せず）は軸方
向に所定寸法ずつ変位させて設けられており、開
戸距離において低速、高速、低速の３区間に３速
調整可能としてある。

つまり、閉戸速度において、人が安全に通過で
きるようにするための時間を維持する低速区間
（DA）調整と、引戸２２を速やかに閉じるため
の高速区間（第１速）調整と、閉戸時に手や指等
が引戸２２に挟まれないようにするための低速区
間（第２速）調整との３速調整を可能に設けてあ
る。

尚、第２図、第３図において５１は引戸取付枠
２０における上枠２０ａの前面に開閉自在に蝶着
したカバーを示している。

而して上記構成において、引戸２２を第１図に
矢印ａで示した開戸方向へ開くと、ドラム１２の
プーリー１２ｅに巻掛けされているタイミングベ
ルト１５の一端１５ａが開戸方向に引動されるの
で、同ベルト１５の他端と引張ばね３９を介して
連結されているワイヤーロープ３１の他端３１ｂ
と引張ばね３９は共に第１図において左方向に引
動されるので引戸２２は矢印ａの開戸方向に移動
して開戸される。

この時、上記タイミングベルト１５によつてド
ラム１２は第１図に矢印ｂで示した反時計回り方
向に回転されるのでぜんまいばね１６は巻き込ま
れ、該ぜんまいばね１６には反矢印ｂ回転方向の
開戸力が蓄勢されるので、上述のように開戸後は
上記閉戸力によりドラム１２が反矢印ｂ方向に回
転され、該ドラム１２によつてタイミングベルト
１５は反矢印ｂ方向へ引動されるから、引戸２２
は反矢印ａ方向に移動して閉戸される。

〔考案の効果〕

上記本考案によれば、本体が引戸取付枠の上枠
内に固定されているため、閉戸速度調整が容易に
なると共に、外観を損ねることもない。また、タ
イミングベルトにワイヤーロープを連結し、これ
らを滑車に巻装して引戸に連結しているため、タ
イミングベルト及びワイヤーロープが極端な弛み
や絡みを生じることなく、速度調整を確実に行う
ことができる。さらに、タイミングベルトとワイ
ヤーロープとの間に引張ばねを介在させて適度の
張力を与えているため、急激な開閉時等の衝撃を
吸収できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る引戸クローザの実施例を
一部切欠して示した正面図、第２図、第３図は第
１図における−線、−線各矢視横断面
図、第４図は油圧式制御部と駆動部の一例を示し
た縦断側面図である。 １……本体、６……回転軸、７……制御部、１
２……ドラム、１５……タイミングベルト、１６
……ぜんまいばね、１８……取付板、２０……引
戸取付枠、２０ａ……上枠、２２……引戸、３０
……滑車、３１……ワイヤーロープ、３９……引
張ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１に油圧式の制御部７を介在して回転制御
   可能に支承した回転軸６にドラム１２は固定さ
   れ、該ドラムが開戸操作により巻掛けしたベルト
   によつて回転されることで同ドラムに内装したぜ
   んまいばね１６に回転方向の閉戸力が蓄勢され引
   戸２２を自動閉鎖するよう設けてなる引戸クロー
   ザにおいて、上記本体を引戸取付枠２０における
   上枠２０ａ内の一側に取付板１８を介して固定
   し、一方、上記ドラムに巻掛けしたタイミングベ
   ルト１５の一端を上記引戸に固定すると共に、同
   ベルトの他端を、上記上枠内の他側に枢着した滑
   車３０に掛装して、その一端を上記引戸に固定し
   たワイヤーロープ３１の他端と引張ばね３９を介
   して連結してなることを特徴とする引戸クロー
   ザ。