JPH043112Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は引き戸式に開け閉めされる一対の扉
体を備えた円形ドア開閉装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

建造物の玄関口等の出入口に配置された一対の
扉体を出入口の上方に架設した円弧状のレールに
沿つて走行する各別の戸車機構に吊り下げ、これ
らの戸車機構を別々のタイミングベルトに連結
し、そのタイミングベルトにドア駆動部の回転力
を伝達することによつて一対の扉を引き戸式に開
け閉めする機構が出願人により提案されている。
この機構において、ドア駆動部により回転駆動さ
れる駆動プーリとこの駆動プーリに対応するセン
タープーリとに無端状に巻き掛けられたタイミン
グベルトに一方の戸車機構が連結され、上記セン
タープーリの回転が歯車を介して伝達される別の
センタープーリとこのセンタープーリに対応する
サイドプーリとに無端状に巻き掛けられたタイミ
ングベルトに他方の戸車機構が連結されており、
しかも上記別のセンタープーリとサイドプーリと
に巻き掛けられたタイミングベルトが取付部材に
取り付けられた複数のガイドローラにより案内さ
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上述した機構は、戸車機構を案内走行
させるレールが円弧状に滑らかに湾曲しているの
に対し、タイミングベルトは一定の張力を付与さ
れた状態で複数のガイドローラの相互間で真直ぐ
に張設されているため、扉体を開け閉めするとき
に戸車機構がレールに沿つて移動すると、戸車機
構に具備されたドアハンガーの位置によりタイミ
ングベルトの平面視形状、すなわちタイミングベ
ルトの移動軌跡が刻々変化してタイミングベルト
の全体の長さが変化する。

ところが、タイミングベルトは上述のように一
定の張力を付与させて緩みなく張設されているた
めタイミングベルト自体に伸縮する余地はほとん
どなく、そのため上述したようにタイミングベル
トの全体の長さが変化すると、その変化を吸収し
きれなくなつて最悪の場合にはタイミングベルト
が破断する問題があつた。

この考案は以上の問題を解決するもので、簡単
な構成で上述した扉体の開閉動作に伴うタイミン
グベルトの移動軌跡の変化量を吸収してタイミン
グベルトの全体の長さを一定に保つことを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために講じた手段は、一対
の扉体が出入口の上方に架設された円弧状のレー
ルに沿つて走行される各別の戸車機構に支持さ
れ、ドア駆動部により回転駆動される駆動プーリ
とこの駆動プーリに対応するセンタープーリとに
無端状に巻き掛けられたタイミングベルトに一方
の戸車機構が連結され、上記センタープーリの回
転が歯車を介して伝達される別のセンタープーリ
とこのセンタープーリに対応するサイドプーリと
に無端状に巻き掛けられたタイミングベルトに他
方の戸車機構が連結されていると共に、上記別の
センタープーリとサイドプーリとに巻き掛けられ
たタイミングベルトが取付部材に取り付けられた
複数のガイドローラにより案内され、前記サイド
プーリが上記取付部材に弾性部材を介して取り付
けられていることである。

〔作用〕

上記手段によると、扉体の開閉動作に伴つてタ
イミングベルトの平面視形状が変化しても、すな
わちタイミングベルトの移動軌跡が変化しても、
その変化分だけ弾性部材の弾性力によつてサイド
プーリが変位し、タイミングベルトの全体の長さ
が一定に保たれる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を説明する。

第１図に示した円形ドア１は玄関口に備え付け
られており、屋外側出入口３と屋内側出入口３′
にそれぞれ横断面円弧状の一対の戸袋２，２と横
断面円弧状の一対の扉体４，４とを有し、その内
部に風除室５を有する。戸袋２，２及び扉体４，
４の上方に配置された無目６内の取付部材７には
円弧状にレール８，８が架設されており、それぞ
れのレール８に戸車機構９を介して上記扉体４が
吊下げ状に支持されている。戸車機構９はレール
８上を走行する走行輪が取り付けられた一対のド
アハンガ９ａ，９ｂと、これらのドアハンガ９
ａ，９ｂに跨がつて固定されて吊枠体９ｃとから
なり、それぞれの戸車機構９，９がドアハンガー
９ａ，９ｂを介して別々のタイミングベルト１
０，１０に連結されている。

上記取付部材７には、ドア駆動部１１と、駆動
プーリ１２と、一対のセンタープーリ１３，１４
と、サイドプーリ１５と、複数のガイドローラ１
６ａ，１６ｂが取り付けられている。そして、第
２図に詳細に示したようにドア駆動部１１により
回転駆動される駆動プーリ１２とこの駆動プーリ
１２に対応するセンタープーリ１３とに無端状に
巻き掛けられたタイミングベルト１０が複数のガ
イドローラ１６ａ，１６ｂにより案内されるよう
になつている一方、別のセンタープーリ１４とサ
イドプーリ１５に無端状に巻き掛けられたタイミ
ングベルト１０も同様に複数のガイドローラ１６
ａ，１６ｂにより案内されるようになつている。
戸車機構９とタイミングベルト１０とドア駆動部
１１等は屋外側については取付部材７の外周部
に、屋内側については取付部材７の内周部に夫々
装備されている。図中１８は扉体４……を制御す
るコントローラである。

上述したセンタープーリ１３，１４のそれぞれ
に固定された歯車１３ａ，１４ａが互いに噛合さ
れていて、一方のセンタープーリ１３の回転がこ
れらの歯車１３ａ，１４ａを介して別のセンター
プーリ１４に伝達されるようになつている。１７
はガイドローラ１６ａ，１６ｂを支持するブラケ
ット、１９はセンタープーリ１３，１４を支持す
るブラケットである。

第３図に示すように、サイドプーリ１５は第１
図で説明した取付部材７又は無目６に固定された
ブラケット２０に弾性部材２１を介して取り付け
られている。２２はブラケット２０と弾性部材２
１を結合するためのボルト、２３は弾性部材２１
とサイドプーリ１５の支軸１５ａを結合するため
のボルトである。このような取付状態において、
例えばサイドプーリ１５の回転軸心ＸがX1又は
X2で示す位置に変位されたときには弾性部材２
１の弾性力によつてサイドプーリ１５が垂直な軸
心Ｘの位置へ近付く方向へ付勢される構成になつ
ている。

次に作用を説明する。

扉体４を引き戸式に開け閉めする場合におい
て、ドア駆動部１１の回転は、駆動プーリ１２、
タイミングベルト１０、センタープーリ１３、歯
車１３ａ，１４ａを経てセンタープーリ１４に伝
達される。そして、第２図に示したセンタープー
リ１４とサイドプーリ１５とに巻き掛けられたタ
イミングベルト１０に連結されているドアハンガ
ー９ａが破線の位置から実線の位置まで移動した
とすると、その移動に伴つてタイミングベルト１
０の平面視形状、すなわち移動軌跡が刻々と変化
する。そのため、このタイミングベルト１０の全
体の長さが変わろうとするが、上記移動軌跡の変
化が第３図に示した弾性部材２１の弾性力により
吸収されてサイドプーリ１５がその変化量に見合
うだけ変位するため、タイミングベルト１０の全
体の長さは変化しない。駆動プーリ１２とセンタ
ープーリ１３とに巻き掛けられたタイミングベル
ト１０については、ドア駆動部１１自体が弾性部
材を介して取り付けられているため、そのタイミ
ングベルト１０の全体の長さの変化がドア駆動部
１１の変位により吸収される。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案によれば、タイミングベ
ルトが巻き掛けられているサイドプーリが弾性部
材を介して取付部材に取り付けられているため、
扉体を開け閉めするときのドアハンガーの移動に
よつてタイミングベルトの平面視形状、すなわち
移動軌跡が変化しても上記弾性部材の弾性力によ
つてサイドプーリが上記移動軌跡の変化に追従し
て変位し、タイミングベルトの全体の長さを一定
に保つ。そのため、タイミングベルトが破断する
といつた事態が未然に防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は円形ドア開閉装置の全体構成を示す斜視図、第
２図は同装置の要部を示す概略平面図、第３図は
サイドプーリの取付状態を示す一部破断正面図、
第４図はガイドローラを示す側面図である。 ４……扉体、３，３′……出入口、８……レー
ル、９……戸車機構、１１……ドア駆動部、１２
……駆動プーリ、１３，１４……センタープー
リ、１０……タイミングベルト、１３ａ，１４ａ
……歯車、１５……サイドプーリ、１６ａ，１６
ｂ……ガイドローラ、７……取付部材、２１……
弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の扉体が出入口の上方に架設された円弧状
   のレールに沿つて走行される各別の戸車機構に支
   持され、ドア駆動部により回転駆動される駆動プ
   ーリとこの駆動プーリに対応するセンタープーリ
   とに無端状に巻き掛けられたタイミングベルトに
   一方の戸車機構が連結され、上記センタープーリ
   の回転が歯車を介して伝達される別のセンタープ
   ーリとこのセンタープーリに対応するサイドプー
   リとに無端状に巻き掛けられたタイミングベルト
   に他方の戸車機構が連結されていると共に、上記
   別のセンタープーリとサイドプーリとに巻き掛け
   られたタイミングベルトが取付部材に取り付けら
   れた複数のガイドローラにより案内され、前記サ
   イドプーリが上記取付部材に弾性部材を介して取
   り付けられていることを特徴とする円形ドア開閉
   装置。