JPH0442350B2 - - Google Patents
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- JPH0442350B2 JPH0442350B2 JP58053215A JP5321583A JPH0442350B2 JP H0442350 B2 JPH0442350 B2 JP H0442350B2 JP 58053215 A JP58053215 A JP 58053215A JP 5321583 A JP5321583 A JP 5321583A JP H0442350 B2 JPH0442350 B2 JP H0442350B2
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
本発明は圧電体材料に係り、さらに詳しくはチ
タン酸鉛(PbTiO3)とジルコン酸鉛(PbZrO3)
の固溶系において、従来、圧電性が極めて低いと
され、利用されていなかつた組成領域の材料を改
良することにより厚み振動の結合係数Ktが広が
り振動の結合係数Kpに較べて極めて大きく、振
動の異方性が大きいという特徴を有し、利用価値
の優れた圧電体材料を提供するものである。 従来、圧電体材料として、例えば、米国特許第
2708244号等により、PbTiO3−PbZrO3固溶系が
開発されているが、B・Jaffe著「Piezoel ectric
Ceramics」(Academic press1971)等によれば、
この固溶系において圧電性が高く、実用価値のあ
る組成領域は固溶系の組成式をPb(Ti1−y,
Zry)O3と表わしたときにジルコン(Zr)の濃度
yの値がy=0.4〜0.6の範囲の、いわゆる相境界
近傍の組成領域である。 従来、この組成範囲内にチタン(Ti)とジル
コン(Zr)との比を調整したものを主成分とし、
それに各種添加物を加えて圧電特性を改良したも
のが、開発されており、超音波振動用素子、セラ
ミツクフイルター用素子、圧力センサー用素子等
広い分野で利用されている。 しかしながら、これら相境界近傍組成のPb
(Ti,Zr)O3系圧電体材料は本質的に誘電率が
1000程度と大きく、高周波で使用する場合、素子
の入出力インピーダンスが低下して外部接続回路
とのインピーダンス整合がとりにくくなるという
障害が生ずる。また、相境界近傍組成のPb(Ti,
Zr)O3系圧電体材料は厚み振動の結合係数Ktと
広がり振動の結合係数Kpとがほゝ同じ程度の値
を持ち振動の異方性が小さいため、高周波におい
て厚み振動を利用しようとすると広がり振動のオ
ーバートーンによる振動のスプリアスが発生する
という不都合が生ずる。 一方、これらの欠点を持つ相境界近傍組成の
Pb(Ti,Zr)O3系圧電体材料に対して、PbTiO3
は誘電率が200程度と小さいため高周波領域にお
いてインピーダンス整合がとりやすく、さらに
は、厚み振動の結合係数Ktが広がり振動の結合
係数Kpに較べて大きく振動の異方性が大きいた
め、高周波において振動のスプリアスが発生しに
くいという特徴がある。しかしながら、PbTiO3
は、焼結性に難点があり、緻密な焼結体が得られ
ないという問題があり、さらには、磁器に圧電性
を与えるための分極条件も200℃以上の温度で、
100KV/cm以上の電界印加が必要と非常に厳し
いため、実用化には困難があつた。 本発明は、相境界近傍のPb(Ti,Zr)O3系圧
電体材料がもつ磁器が緻密で分極しやすい反面、
振動の異方性が小さく、また誘電率が高いため高
周波で使用しにくいという特性と、PbTiO3圧電
体材料がもつ特性(磁器が緻密でなく分極しにく
い反面、振動の異方性が大きく、誘電率が低いた
めに高周波での使用に有利である)をもとに、
PbTiO3−PbZrO3系において、相境界よりTiの
多い側で、Pbの一部をCaで置換し、その置換量
やZrの固溶量と特性、特に異方性や誘電率及び
QMとの関係を調べた結果、Caの置換量とZrの
固溶量がある範囲のときに振動の異方性が大きく
て、誘電率が低く、さらにQMが小さく磁器が緻
密で分極がしやすいという特徴を有する材料組成
を見出したことである。 本発明の要旨は、PbTiO3とPbZrO3の固溶系に
おいて相境界組成よりもPbTiO3が多い側の組成
で、PbをCaで置換することを特徴とするもので
あり、その組成式を(Pb1−x,Cax)(Ti1−y,
Zry)O3で表わしたときにx及びyの値をx=
0.1〜0.3、y=0.05〜0.35の範囲に選択した圧電
体材料である。 尚、Caを置換したPb(Ti,Zr)O3系圧電体材
料については、例えば、米国特許第2906710号、
日本特許公告昭38−10076号等により公知である
が、材料特性の評価としては、Kpが大きいこと
が主たる要因と考えられており、それ故、材料組
成はKpが大きくなるような組成範囲が適当とさ
れ、前記組成式(Pb1−x,Cax)(Ti1−y,
Zry)O3においてyの範囲を相境界近傍のy=
0.4〜0.6と限定されている。これに対し、本発明
は先に述べたように材料特性の評価として振動の
異方性が大きいこと、すなわちKtが大きくKpが
小さいこと及び誘電率が小さいことを主たる要因
と考えており、それ故、材料組成は、Kpが小さ
く、誘電率が小さくなるような組成範囲を適当と
し、前記組成式において、yの範囲をy=0.05〜
0.35とするものである。 以下本発明について詳細に説明する。本発明の
圧電体材料は、通常の窯業的手法によつて製造で
きる。すなわち原料としては、PbO,TiO2,
ZrO2,CaOの酸化物を所定の組成割合に正確に
秤量し、これらをボールミル等によつて均一に混
合したものを用いる。なおこれらの原料は酸化物
に限られるものではなく、焼成、加熱によつて酸
化物に変る化合物、例えば、水酸化物、炭酸塩、
シユウ酸塩等であつてもよい。次に前記原料を高
純度アルミナるつぼ中にて750〜900℃の温度で仮
焼し、さらにボールミル等によつて粉砕した後、
得られた粉末に、水、あるいはポリビニルアルコ
ール等のバインダーを少量添加した後、篩を通し
て整粒し、0.5〜1.0ton/cm2の圧力で成形し、圧
粉体とする。この圧粉体をアルミナるつぼ中に密
封装填し、電気炉中にて1180℃〜1300℃程度の温
度で焼成し磁器化する。最高温度での保持は通常
0.5〜2時間程度で十分である。こうして得られ
た磁器を100〜160℃の絶縁油中にて40〜60KV/
mmの電圧で分極処理を施し製品とする。 以上のような製法により作成した圧電体材料に
ついて、組成式(Pb1−x,Cax)(Ti1−y,
Zry)O3のx及びyを種々の値に変えた試料の広
がり振動の結合係数Kp、厚み振動の結合係数Kt
等の圧電特性、及び機械的品質係数QMを測定し
た。圧電特性の測定に際しては日本電子材料工業
会標準規格EMAS−6001及び同6003に記載され
た方法を用い、また、QMの測定に際しては厚み
振動の共振において、試料のアドミタンスが共振
時のそれよりも3dB低下する周波数から求める、
いわゆる3dB低下法を用いた。その結果、いずれ
の試料も広がり振動が非常に小さくKpは0.04以
下の値であつた。また浮力法によつて焼成体密
度、気孔率などを求めた。さらに1KHzの交流ブ
リツジを用いて誘電率を測定した。 以上のようにして求めたKt,QM、焼結体密
度、気孔率、誘電率の値を第1表に示した。(尚、
Kpの値はいずれの試料も0.04以下と小さく正確
な測定値を求めることが難しかつたので、表中に
は示さなかつた。また表中において試料No.に
「#」印を付したものは本発明の実施例である) 次に試料に対して、60Hzの高圧電界をかけソー
ヤ・タワーの回路を用いて電束密度Dと印加電界
Eの関係すなわち、D−Eヒステリシス曲線を観
察し、試料の抗電場Ecの値を求めCaの置換量に
対してプロツトした結果を第1図に、残留分極
Prの値をZrの固溶量に対してプロツトした結果
を第2図に示した。
タン酸鉛(PbTiO3)とジルコン酸鉛(PbZrO3)
の固溶系において、従来、圧電性が極めて低いと
され、利用されていなかつた組成領域の材料を改
良することにより厚み振動の結合係数Ktが広が
り振動の結合係数Kpに較べて極めて大きく、振
動の異方性が大きいという特徴を有し、利用価値
の優れた圧電体材料を提供するものである。 従来、圧電体材料として、例えば、米国特許第
2708244号等により、PbTiO3−PbZrO3固溶系が
開発されているが、B・Jaffe著「Piezoel ectric
Ceramics」(Academic press1971)等によれば、
この固溶系において圧電性が高く、実用価値のあ
る組成領域は固溶系の組成式をPb(Ti1−y,
Zry)O3と表わしたときにジルコン(Zr)の濃度
yの値がy=0.4〜0.6の範囲の、いわゆる相境界
近傍の組成領域である。 従来、この組成範囲内にチタン(Ti)とジル
コン(Zr)との比を調整したものを主成分とし、
それに各種添加物を加えて圧電特性を改良したも
のが、開発されており、超音波振動用素子、セラ
ミツクフイルター用素子、圧力センサー用素子等
広い分野で利用されている。 しかしながら、これら相境界近傍組成のPb
(Ti,Zr)O3系圧電体材料は本質的に誘電率が
1000程度と大きく、高周波で使用する場合、素子
の入出力インピーダンスが低下して外部接続回路
とのインピーダンス整合がとりにくくなるという
障害が生ずる。また、相境界近傍組成のPb(Ti,
Zr)O3系圧電体材料は厚み振動の結合係数Ktと
広がり振動の結合係数Kpとがほゝ同じ程度の値
を持ち振動の異方性が小さいため、高周波におい
て厚み振動を利用しようとすると広がり振動のオ
ーバートーンによる振動のスプリアスが発生する
という不都合が生ずる。 一方、これらの欠点を持つ相境界近傍組成の
Pb(Ti,Zr)O3系圧電体材料に対して、PbTiO3
は誘電率が200程度と小さいため高周波領域にお
いてインピーダンス整合がとりやすく、さらに
は、厚み振動の結合係数Ktが広がり振動の結合
係数Kpに較べて大きく振動の異方性が大きいた
め、高周波において振動のスプリアスが発生しに
くいという特徴がある。しかしながら、PbTiO3
は、焼結性に難点があり、緻密な焼結体が得られ
ないという問題があり、さらには、磁器に圧電性
を与えるための分極条件も200℃以上の温度で、
100KV/cm以上の電界印加が必要と非常に厳し
いため、実用化には困難があつた。 本発明は、相境界近傍のPb(Ti,Zr)O3系圧
電体材料がもつ磁器が緻密で分極しやすい反面、
振動の異方性が小さく、また誘電率が高いため高
周波で使用しにくいという特性と、PbTiO3圧電
体材料がもつ特性(磁器が緻密でなく分極しにく
い反面、振動の異方性が大きく、誘電率が低いた
めに高周波での使用に有利である)をもとに、
PbTiO3−PbZrO3系において、相境界よりTiの
多い側で、Pbの一部をCaで置換し、その置換量
やZrの固溶量と特性、特に異方性や誘電率及び
QMとの関係を調べた結果、Caの置換量とZrの
固溶量がある範囲のときに振動の異方性が大きく
て、誘電率が低く、さらにQMが小さく磁器が緻
密で分極がしやすいという特徴を有する材料組成
を見出したことである。 本発明の要旨は、PbTiO3とPbZrO3の固溶系に
おいて相境界組成よりもPbTiO3が多い側の組成
で、PbをCaで置換することを特徴とするもので
あり、その組成式を(Pb1−x,Cax)(Ti1−y,
Zry)O3で表わしたときにx及びyの値をx=
0.1〜0.3、y=0.05〜0.35の範囲に選択した圧電
体材料である。 尚、Caを置換したPb(Ti,Zr)O3系圧電体材
料については、例えば、米国特許第2906710号、
日本特許公告昭38−10076号等により公知である
が、材料特性の評価としては、Kpが大きいこと
が主たる要因と考えられており、それ故、材料組
成はKpが大きくなるような組成範囲が適当とさ
れ、前記組成式(Pb1−x,Cax)(Ti1−y,
Zry)O3においてyの範囲を相境界近傍のy=
0.4〜0.6と限定されている。これに対し、本発明
は先に述べたように材料特性の評価として振動の
異方性が大きいこと、すなわちKtが大きくKpが
小さいこと及び誘電率が小さいことを主たる要因
と考えており、それ故、材料組成は、Kpが小さ
く、誘電率が小さくなるような組成範囲を適当と
し、前記組成式において、yの範囲をy=0.05〜
0.35とするものである。 以下本発明について詳細に説明する。本発明の
圧電体材料は、通常の窯業的手法によつて製造で
きる。すなわち原料としては、PbO,TiO2,
ZrO2,CaOの酸化物を所定の組成割合に正確に
秤量し、これらをボールミル等によつて均一に混
合したものを用いる。なおこれらの原料は酸化物
に限られるものではなく、焼成、加熱によつて酸
化物に変る化合物、例えば、水酸化物、炭酸塩、
シユウ酸塩等であつてもよい。次に前記原料を高
純度アルミナるつぼ中にて750〜900℃の温度で仮
焼し、さらにボールミル等によつて粉砕した後、
得られた粉末に、水、あるいはポリビニルアルコ
ール等のバインダーを少量添加した後、篩を通し
て整粒し、0.5〜1.0ton/cm2の圧力で成形し、圧
粉体とする。この圧粉体をアルミナるつぼ中に密
封装填し、電気炉中にて1180℃〜1300℃程度の温
度で焼成し磁器化する。最高温度での保持は通常
0.5〜2時間程度で十分である。こうして得られ
た磁器を100〜160℃の絶縁油中にて40〜60KV/
mmの電圧で分極処理を施し製品とする。 以上のような製法により作成した圧電体材料に
ついて、組成式(Pb1−x,Cax)(Ti1−y,
Zry)O3のx及びyを種々の値に変えた試料の広
がり振動の結合係数Kp、厚み振動の結合係数Kt
等の圧電特性、及び機械的品質係数QMを測定し
た。圧電特性の測定に際しては日本電子材料工業
会標準規格EMAS−6001及び同6003に記載され
た方法を用い、また、QMの測定に際しては厚み
振動の共振において、試料のアドミタンスが共振
時のそれよりも3dB低下する周波数から求める、
いわゆる3dB低下法を用いた。その結果、いずれ
の試料も広がり振動が非常に小さくKpは0.04以
下の値であつた。また浮力法によつて焼成体密
度、気孔率などを求めた。さらに1KHzの交流ブ
リツジを用いて誘電率を測定した。 以上のようにして求めたKt,QM、焼結体密
度、気孔率、誘電率の値を第1表に示した。(尚、
Kpの値はいずれの試料も0.04以下と小さく正確
な測定値を求めることが難しかつたので、表中に
は示さなかつた。また表中において試料No.に
「#」印を付したものは本発明の実施例である) 次に試料に対して、60Hzの高圧電界をかけソー
ヤ・タワーの回路を用いて電束密度Dと印加電界
Eの関係すなわち、D−Eヒステリシス曲線を観
察し、試料の抗電場Ecの値を求めCaの置換量に
対してプロツトした結果を第1図に、残留分極
Prの値をZrの固溶量に対してプロツトした結果
を第2図に示した。
【表】
第1表において試料No.1〜7は、Zrの固溶量
yを一定にしCaの置換量xを変化させたもので
あり、Caをある濃度以上に置換することにより、
Ktが向上し、誘電率が低下していることがわか
る。 また試料No.8〜14は、Caの置換量xを一定に
し、Zrの固溶量yを変化させたものであり、Zr
を固溶させることにより、気孔率が減少し、磁器
が緻密になつていることがわかる。 また、全資料においてQMが5〜25であり、通
常Pb(Ti,Zr)O3系圧電体材料の中でQMが小さ
いものでも80前後であるということと比べて非常
に小さい値であることも特徴である。 さらに第1図より明らかな如く、Caで置換す
ると試料の抗電場Ecが低下している。試料の分
極し圧電的に活性化するためには、外部からEc
以上の電圧を試料に対して印加しなければならな
いが、PbTiO3は、Ecが大きいといわれ、分極の
ためには非常に大きな電界を印加しなければなら
ず、絶縁破壊を起こしてしまう不都合が生じやす
いが、本発明の圧電体材料ではそのような不都合
が生じない。 また、第2図より明らかなように、Zrを固溶
させることにより試料の残留分極Prが増加して
しており、本発明においてZrを固溶させること
により試料の残留分極Prが増加してしており、
本発明においてZrを固溶させることが試料の圧
電性を高める上で有効であることがわかる。 Caの置換量については、試料No.1よりx=0.05
の場合、試料の厚み方向及び広がり方向のいずれ
にも振動が観測されず圧電性が非常に小さく、一
方、試料2よりx=0.10の場合、Kt=0.48であ
り、十分な圧電性が得られたことから、xは0.10
以上とする必要があることが確かめられた。また
試料No.7よりx=0.35の場合、磁器の気孔率が大
きくなり、緻密な焼結体が得られなくなる問題が
あり、一方、試料No.6でx=0.30の場合、そのよ
うな問題は生じなかつたのでxの値は0.30以下と
することが望ましい。 Zrの固溶濃度については、試料No.8より、y
=0.04の場合、磁器の気孔率が非常に大きくなり
機械的強度が小さく試料の取扱い性、機械加工性
が劣るという問題があり、一方、試料No.9よりy
=0.05の場合、そのような問題はなかつたので、
yは0.05以上とすることが必要であつた。また、
試料No.14よりy=0.40の場合、Kt=0.37と圧電性
が小さく、また誘電率も350と高くなり、Ktが大
きく誘電率が低い高周波での使用に有利な材料と
いう本発明の目的より望ましくない。一方、試料
No.13よりy=0.35の場合、Kt=0.48で誘電率が
185となりyの値として、0.35を越えるものは望
ましくないことが確かめられた。 さらに試料No.16、2、15よりx=0.10の場合、
yが0.05,0.10,0.35のいずれの値をとつても気
孔率が小さく緻密で、Ktが大きくQM及び誘電率
が小さいという磁器的、圧電的に良好な結果が得
られ、試料No.18、6、17より、x=0.30の場合、
yが0.05,0.10,0.35のいずれの値をとつても同
じく磁器的、圧電的に良好な結果が得られた。 以上の実験結果により、本発明においては組成
式(Pb1−x,Cax)(Ti1−y,Zry)O3におい
て、xの範囲を0.1〜0.3に、yの範囲を0.05〜
0.35に限定するものであり、この範囲内において
Ktが大きい、すなわち異方性が大きい材料で、
しかも誘電率が低く、QMが小さいという特徴を
持ち磁器的にも安定で機械的強度に優れた圧電体
材料が得られる。 以上説明した如く、従来Pb(Ti1−y,Zry)
O3固溶系において、Zrの固溶量yが0.05〜0.35の
領域は、Kpが小さく、全体的な圧電性も低く、
実用化されていなかつたが、本発明で、PbをCa
で置換することにより、Kpは小さいが、Ktが著
しく高まり、その結果、振動の異方性が極めて大
きい特徴ある材料を得ることができる。また、こ
の材料は、本来Pb(Ti,Zr)O3系圧電体材料の
持つ磁器が安定で機械的強度に優れるという長所
や、QM及び誘電率が小さいという特徴も持つて
いる。 したがつて本発明による圧電体材料は、緻密で
機械的な加工に十分に耐え得るだけの強度を有す
る焼結体が通常の粉末治金的手法で容易に製造で
き、また、その圧電性においては、厚み振動の結
合係数Ktが広がり振動の結合係数Kpに較べて大
きく異方性が大きいため高周波において広がり振
動のオーバートーンによる振動のスプリアスが発
生しないという特徴を有する。第3図に本発明に
よる圧電体材料の周波数特性を、第4図にPb
(Zr,Ti)O3系材料の代表的な従来組成品の周波
数特性を示したが、これより明らかな如く、本発
明による圧電体材料は、従来の材料に較べてスプ
リアスの発生がなく、共振時の周波数応答の解析
が容易である。さらには、本発明による圧電体材
料は誘電率が低いため、高周波においてインピー
ダンス整合がしやすいという利点がある。以上に
述べたことにより、この材料は高周波での応用、
例えば高周波フイルター、高周波共振子等に特に
有用である。
yを一定にしCaの置換量xを変化させたもので
あり、Caをある濃度以上に置換することにより、
Ktが向上し、誘電率が低下していることがわか
る。 また試料No.8〜14は、Caの置換量xを一定に
し、Zrの固溶量yを変化させたものであり、Zr
を固溶させることにより、気孔率が減少し、磁器
が緻密になつていることがわかる。 また、全資料においてQMが5〜25であり、通
常Pb(Ti,Zr)O3系圧電体材料の中でQMが小さ
いものでも80前後であるということと比べて非常
に小さい値であることも特徴である。 さらに第1図より明らかな如く、Caで置換す
ると試料の抗電場Ecが低下している。試料の分
極し圧電的に活性化するためには、外部からEc
以上の電圧を試料に対して印加しなければならな
いが、PbTiO3は、Ecが大きいといわれ、分極の
ためには非常に大きな電界を印加しなければなら
ず、絶縁破壊を起こしてしまう不都合が生じやす
いが、本発明の圧電体材料ではそのような不都合
が生じない。 また、第2図より明らかなように、Zrを固溶
させることにより試料の残留分極Prが増加して
しており、本発明においてZrを固溶させること
により試料の残留分極Prが増加してしており、
本発明においてZrを固溶させることが試料の圧
電性を高める上で有効であることがわかる。 Caの置換量については、試料No.1よりx=0.05
の場合、試料の厚み方向及び広がり方向のいずれ
にも振動が観測されず圧電性が非常に小さく、一
方、試料2よりx=0.10の場合、Kt=0.48であ
り、十分な圧電性が得られたことから、xは0.10
以上とする必要があることが確かめられた。また
試料No.7よりx=0.35の場合、磁器の気孔率が大
きくなり、緻密な焼結体が得られなくなる問題が
あり、一方、試料No.6でx=0.30の場合、そのよ
うな問題は生じなかつたのでxの値は0.30以下と
することが望ましい。 Zrの固溶濃度については、試料No.8より、y
=0.04の場合、磁器の気孔率が非常に大きくなり
機械的強度が小さく試料の取扱い性、機械加工性
が劣るという問題があり、一方、試料No.9よりy
=0.05の場合、そのような問題はなかつたので、
yは0.05以上とすることが必要であつた。また、
試料No.14よりy=0.40の場合、Kt=0.37と圧電性
が小さく、また誘電率も350と高くなり、Ktが大
きく誘電率が低い高周波での使用に有利な材料と
いう本発明の目的より望ましくない。一方、試料
No.13よりy=0.35の場合、Kt=0.48で誘電率が
185となりyの値として、0.35を越えるものは望
ましくないことが確かめられた。 さらに試料No.16、2、15よりx=0.10の場合、
yが0.05,0.10,0.35のいずれの値をとつても気
孔率が小さく緻密で、Ktが大きくQM及び誘電率
が小さいという磁器的、圧電的に良好な結果が得
られ、試料No.18、6、17より、x=0.30の場合、
yが0.05,0.10,0.35のいずれの値をとつても同
じく磁器的、圧電的に良好な結果が得られた。 以上の実験結果により、本発明においては組成
式(Pb1−x,Cax)(Ti1−y,Zry)O3におい
て、xの範囲を0.1〜0.3に、yの範囲を0.05〜
0.35に限定するものであり、この範囲内において
Ktが大きい、すなわち異方性が大きい材料で、
しかも誘電率が低く、QMが小さいという特徴を
持ち磁器的にも安定で機械的強度に優れた圧電体
材料が得られる。 以上説明した如く、従来Pb(Ti1−y,Zry)
O3固溶系において、Zrの固溶量yが0.05〜0.35の
領域は、Kpが小さく、全体的な圧電性も低く、
実用化されていなかつたが、本発明で、PbをCa
で置換することにより、Kpは小さいが、Ktが著
しく高まり、その結果、振動の異方性が極めて大
きい特徴ある材料を得ることができる。また、こ
の材料は、本来Pb(Ti,Zr)O3系圧電体材料の
持つ磁器が安定で機械的強度に優れるという長所
や、QM及び誘電率が小さいという特徴も持つて
いる。 したがつて本発明による圧電体材料は、緻密で
機械的な加工に十分に耐え得るだけの強度を有す
る焼結体が通常の粉末治金的手法で容易に製造で
き、また、その圧電性においては、厚み振動の結
合係数Ktが広がり振動の結合係数Kpに較べて大
きく異方性が大きいため高周波において広がり振
動のオーバートーンによる振動のスプリアスが発
生しないという特徴を有する。第3図に本発明に
よる圧電体材料の周波数特性を、第4図にPb
(Zr,Ti)O3系材料の代表的な従来組成品の周波
数特性を示したが、これより明らかな如く、本発
明による圧電体材料は、従来の材料に較べてスプ
リアスの発生がなく、共振時の周波数応答の解析
が容易である。さらには、本発明による圧電体材
料は誘電率が低いため、高周波においてインピー
ダンス整合がしやすいという利点がある。以上に
述べたことにより、この材料は高周波での応用、
例えば高周波フイルター、高周波共振子等に特に
有用である。
第1図は、組成(Pb1−x,Cax)(Ti0.9,
Zr0.1)O3の材料における抗電場EcのCa置換量x
への依存性を示す。第2図は、組成(Pb0.8,
Ca0.2)(Ti1−y,Zry)O3の材料における残留
分極PrのZr固溶量yへの依存性を示す。第3図
は、本発明による材料の周波数特性を示す。第4
図は従来の材料の周波数特性を示す。
Zr0.1)O3の材料における抗電場EcのCa置換量x
への依存性を示す。第2図は、組成(Pb0.8,
Ca0.2)(Ti1−y,Zry)O3の材料における残留
分極PrのZr固溶量yへの依存性を示す。第3図
は、本発明による材料の周波数特性を示す。第4
図は従来の材料の周波数特性を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 チタン酸鉛(PbTiO3)とジルコン酸鉛
(PbZrO3)の固溶系において、鉛(Pb)の一部
をカルシウム(Ca)で置換した圧電体材料であ
り、その組成式を (Pb1−x,Cax)(Ti1−y,Zry)O3 と表わしたとき、x,yの値を、x=0.1〜0.3
y=0.05〜0.35の範囲としたことを特徴とする圧
電体材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58053215A JPS59201479A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 圧電体材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58053215A JPS59201479A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 圧電体材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59201479A JPS59201479A (ja) | 1984-11-15 |
JPH0442350B2 true JPH0442350B2 (ja) | 1992-07-13 |
Family
ID=12936605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58053215A Granted JPS59201479A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 圧電体材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59201479A (ja) |
-
1983
- 1983-03-28 JP JP58053215A patent/JPS59201479A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59201479A (ja) | 1984-11-15 |
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