JPH0441968B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、機体を一つの車輪によつて支持した
一輪式の歩行型田植機に関するものである。

従来この種の一輪式田植機は、例えば実公昭52
−29140号公報等に開示されているように、車体
フレームを支持する一つの車輪よりも後方におけ
る中心位置に、左右両側面に苗植機構を備えた苗
植付ケースを配設する形態にしているが、このよ
うに苗植機構付きの苗植付ケースを、車輪より後
方の位置に設けることは、車輪と苗載台との間に
前記苗植機構付きの苗植付ケースを配置するため
のスペースを設けなければならないから、それだ
け田植機の全長が長くなるのであつた。

そこで、苗植機構付きの苗植付ケースを２個に
し、これを車輪の左右外側に位置することによつ
て、車輪に苗載台を近づけれ技術が開発された。

しかし乍ら、この技術のものは、車輪より前方
に位置する伝動ケースの左右両側から後方に延び
る左右一対の中空状サイドフレームの後端を、苗
載台の後面部まで延長し、その後端に苗植付ケー
スを取付ける一方、この両苗植付ケースを苗載台
の下部を潜つてその前面部まで延長してその先端
に苗植機構を設けたもので、このように両サイド
フレームを苗載台の後面部まで延長することは、
両サイドフレームの長さが長くなると共に、苗植
付ケースの長さも、苗載台の後面部から前面部ま
で延長する分だけ長くなるから、田植機の重量が
増大させるものであつた。

本発明は、このように苗植機構付きの苗植付ケ
ースを２個にし、これを車輪の左右外側に位置す
る場合における前記の問題を解消すると共に、苗
載台の横送り軸への動力伝達機構の組立、分解、
点検等のメンテナス作業が容易にできるようにす
ることを目的とする。

このため本発明は、機体にエンジンと伝動ケー
スとを備え、該伝動ケースの左右両側から後方に
延びる左右一対の中空状サイドフレームの後端に
苗植付ケースを取付け、該両苗植付ケースの内側
面に苗植機構を設ける一方、前記各サイドフレー
ムの間に一つの車輪を、該車輪の後方に後傾式の
苗載台と左右一対の操縦ハンドルとを各々配設し
て成る歩行型田植機において、前記各サイドフレ
ームの少なくともいずれか一方にエンジンから苗
植機構への動力伝達機構を内設させ、前記苗植付
ケースを前記苗載台の前面部に、前記苗載台に対
する横送り軸を苗載台の後面部に各々位置する一
方、前記両苗植付ケースのうちいずれか一方の苗
植付ケースに、当該苗植付ケースから苗載台の横
送り軸への動力伝達機構を配設した構成にしたも
のである。

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳述
する。

第１図は本発明に係る田植機の全体側面図、第
２図は同平面図であり、左右の二本の平行サイド
フレーム１ａ，１ｂの先端にエンジン台２を介し
てエンジン３を搭載すると共に、フレーム１ａ，
１ｂの後端に苗載台４並びに操向ハンドル５，５
を配設し、これらエンジン３と苗載台４並びに操
向ハンドル５，５との中間部に一輪形車輪６を配
備している。

前記エンジン３の下部には伝動ケース７及び走
行用ミツシヨンケース８を装備すると共に、該ミ
ツシヨンケース８にスイングケース９基端を揺動
可能に連結支持していて、このスイングケース９
の先端に水田用の前記一輪形車輪６を回転自在に
軸支している。

また、前記サイドフレーム１ａ，１ｂの後端に
は植付爪駆動ケース１０ａ，１０ｂをそれぞれ連
結接続していて、左側の駆動ケース１０ａを連結
フレーム１１を介して苗載台横送り装置１２の支
持フレーム１３に連結支持すると共に、右側の駆
動ケース１０ｂを伝動フレーム１４及び入力ケー
ス１５を介して前記横送り装置１２の駆動側支持
フレーム１６に連結接続している。

そして、左右の前記支持フレーム１３，１６に
支持アーム１７を介して前記操向ハンドル５の基
端部を取付け支持している。

さらに、前記サイドフレーム１ａ，１ｂの前端
近傍を緩衝リンク１８，１８を介して左右一対の
走行用フロート１９，１９の前端上部に連結支持
すると共に、前記支持フレーム１３，１６の下部
を植付高さ調節用レバー２０，２０を介して前記
フロート１９，１９の後端近傍上部に連結支持し
ている。

ところで、第３図に示す如く、先に述べた植付
爪駆動ケース１０ａ，１０ｂにはクランク軸２１
ａ，２１ｂを介してそれぞれ植付爪２２ａ，２２
ｂを取付けているもので、前記ケース１０ａ，１
０ｂより突出させるクランク軸２１ａ，２１ｂ端
に回転アーム２３，２３を介して左右一対の植付
爪２２ａ，２２ｂの植付アーム２４，２４中間を
取付けると共に、植付アーム２４，２４の後端を
揺動アーム２５，２５を介して駆動ケース１０
ａ，１０ｂに支持させていて、前記苗載台４とこ
の植付爪２２ａ，２２ｂを運動させ、該爪２２
ａ，２２ｂに不等速運動を行わせ、苗載台４上に
載置する苗をこの爪２２ａ，２２ｂによつて順次
取出し一株分の苗を圃場に連続的に植付けていく
ように構成している。

先に述べた左側に設ける植付爪２２ａのクラン
ク軸２１ａは一対のベベルギヤ２６，２７及び植
付クランチ２８を介して伝動軸２９に、また右側
に設ける植付爪２２ｂのクランク軸２１ｂは安全
クラツチ３０及び一対のベベルギヤ３１，３２並
びに植付クラツチ３３を介して伝動軸３４にそれ
ぞれ連動連結するもので、これら伝動軸２９，３
４は前記サイドフレーム１ａ，１ｂ内を挿通して
伝動ケース７に連動連結すると共に、変速ギヤ等
を介しエンジン３に連動連結して、エンジン３か
らの出力をそれぞれ得るように構成している。ま
た、右側のクランク軸２１ｂはスプロケツト３
５、チエーン３６並びにスプロケツト３７を介し
て前記入力ケース１５内を軸架させる回転軸２８
に連動連結すると共に、該回転軸３８はスプロケ
ツト３９、チエーン４０並びにスプロケツト４１
を介して前記横送り装置１２の横送りネジ軸４２
に連動連結して、前記クランク軸２１ｂの回転を
該ネジ軸４２に伝達駆動するように構成してい
る。

前記横送り装置１２は前記支持フレーム１３，
１６間に回転自在に横架する前記ネジ軸４２のネ
ジ部４２ａに左右往復自在に摺動子４３を嵌合さ
せたものであり、該摺動子４３の支持部４３ａを
前記苗載台４の中央リブ部4aに当て金４４及び
ボルト４５を介して取付固定して、前記ネジ軸４
２の回転によつて摺動子４３を適宜左右に移動変
位させることにより、前記苗載台４を往復動させ
るように構成している。

上記から明らかなように、機体にエンジン３と
伝動ケースであるミツシヨンケース８とを備え、
該ミツシヨンケース８の左右両側から後方に延び
る左右一対の中空状サイドフレーム１ａ，１ｂの
後端に苗植付ケースである植付爪駆動ケース１０
ａ，１０ｂを取付け、該両駆動ケース１０ａ，１
０ｂの内側面に苗植機構である植付爪２２ａ，２
２ｂを設ける一方、前記各サイドフレーム１ａ，
１ｂの間に一つの車輪６を、該車輪６の後方に後
傾式の苗載台４と左右一対の操縦ハンドルである
操向ハンドル５とを各々配設して成る歩行型田植
機において、前記各サイドフレーム１ａ，１ｂの
少なくともいずれか一方にエンジン３から植付爪
２２ａ，２２ｂへの動力伝達機構である伝達軸２
９，３４を内設させ、前記駆動ケース１０ａ，１
０ｂを前記苗載台４の前面部に、前記苗載台４に
対する横送り軸であるネジ軸４２を苗載台４の後
面部に各々位置する一方、前記両駆動ケース１０
ａ，１０ｂのうちいずれか一方の駆動ケース１０
ｂに、当該駆動ケース１０ｂから苗載台４のネジ
軸４２への動力伝達機構である入力ケース１５を
配設している。

また、前記支持フレーム１３，１６間における
ネジ軸４２周囲のフレーム１３と摺動子４３間及
びフレーム１６と摺動子４３間には、例えばゴム
などの弾性材より形成する伸縮可能なブーツカバ
ー４６を張設していて、このネジ軸４２をカバー
４６で被覆保護するように構成している。なお、
４７，４８は苗載台４の左右往復用ガイドレール
である。

而して、該構成においては、前記ネジ軸４２の
回転でもつて摺動子４３が適宜左或いは右に移動
するのを、前記摺動子４３と苗載台４の固定によ
り苗載台４に伝え駆動させるもので、従来構成の
如き横送り軸並びに横送り駆動ケースなどの使用
を不要なものにさせることができ、この横送り装
置１２の著しいコンパクト化が図れるものであ
る。

またこの横送り装置１２の作動中、前記摺動子
４３が左右に移動するにともなつて、前記支持フ
レーム１３及び１６と摺動子４３間に張設する左
右の各ブーツカバー４６，４６が適宜これに追従
して伸縮して摺動子４３の移動に悪影響を与える
ことなく、安全にネジ軸４２を保護するものであ
る。

また、前述実施例においてはサイドフレーム１
ａ，１ｂを平行に架設するように構成したが、該
フレーム１ａ，１ｂを平行以外例えば後方巾広の
ハノ字状に架設することも、本発明に係る植付爪
２２ａ，２２ｂ駆動伝達構造より容易に行い得
る。

以上実施例から明らかなように本発明は、両サ
イドフレーム１ａ，１ｂの後端に取付く両苗植付
ケース１０ａ，１０ｂを、苗載台４の前面部に配
設したことにより、苗載台４を車輪６に近付ける
ことができて、田植機の全長を短縮できるもので
ありながら、両サイドフレーム１ａ，１ｂを、前
記先行技術のように苗載台４の後面部まで延長す
る必要がなく、両サイドフレーム１ａ，１ｂの長
さを短くできる一方、両苗植付ケース１０ａ，１
０ｂも、前記先行技術のように苗載台４の後面部
から前面部まで延長した長いものに構成する必要
がないから、前記両サイドフレーム１ａ，１ｂの
長さを短くできることと相俟つて、田植機の軽量
化などを図ることができるのである。

従つて、本考案によると、一輪式田植機の全長
の短縮化と、軽量化とを共に達成できるから、作
業者によつて田植機が左右方向に傾かないように
支持するときの支持荷重が軽くなつて、走行性能
が向上すると共に、旋回性能が向上するものであ
る。

しかも、本考案は、苗載台の横送り軸への動力
伝達機構を、内側面に苗植機構を有する苗植付ケ
ースに設けたことにより、当該動力伝達機構と苗
植機構との距離を離し、苗植機構によつてはね上
げる泥土が動力伝達機構に付着するのを低減させ
ることができるから、当該動力伝達機構の分解、
組立などが容易にできる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る田植機の全体側面図、第
２図は同平面図、第３図は要部の説明図である。 ４……苗載台、４２……横送りネジ軸、４３…
…摺動子、４６……ブーツカバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機体にエンジン３と伝動ケース８とを備え、
   該伝動ケース８の左右両側から後方に延びる左右
   一対の中空状サイドフレーム１ａ，１ｂの後端に
   苗植付ケース１０ａ，１０ｂを取付け、該両苗植
   付ケース１０ａ，１０ｂの内側面に苗植機構２２
   ａ，２２ｂを設ける一方、前記各サイドフレーム
   １ａ，１ｂの間に一つの車輪６を、該車輪６の後
   方に後傾式の苗載台４と左右一対の操縦ハンドル
   ５とを各々配設して成る歩行型田植機において、
   前記各サイドフレーム１ａ，１ｂの少なくともい
   ずれか一方にエンジン３から苗植機構２２ａ，２
   ２ｂへの動力伝達機構２９，３４を内設させ、前
   記苗植付ケース１０ａ，１０ｂを前記苗載台４の
   前面部に、前記苗載台４に対する横送り軸４２を
   苗載台４の後面部に各々位置する一方、前記両苗
   植付ケース１０ａ，１０ｂのうちいずれか一方の
   苗植付ケース１０ｂに、当該苗植付ケース１０ｂ
   から苗載台４の横送り軸４２への動力伝達機構１
   ５を配設したことを特徴とする歩行型田植機。