JPH0440558Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、上縁面に風呂蓋及び石けん、シヤン
プー等の入浴用備品を載置することができる浴槽
に関するものである。

（従来技術） 従来、浴槽の短辺側上縁面を載置台とした先行
技術として実公昭60−12473号公報記載のものが
知られている。

この先行技術は、上記短辺側上縁面に洗い場に
向けて下り勾配を有する排水溝を設けて該排水溝
よりも室壁側の上縁面部分で物置台を構成し、該
物置台を上記上縁面よりも高くして、オーバーフ
ロー水の水勢によつて物置台上の小物類が落下す
るのを防止し且つ物置台上の石けん水等が槽部内
へ逆流しないようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、浴室用備品の中にはシヤンプー、石
けん等の入浴用備品の他に、比較的大形な風呂蓋
があり、この風呂蓋を入浴用備品と共に、物置台
を利用して立て掛けることが可能である。

しかし、風呂蓋とシヤンプー、石けん等の入浴
用備品とが混在している為、風呂蓋の立て掛け時
や取り出し時にその風呂蓋で誤つてシヤンプー、
石けん等の入浴用備品が倒されてしまい、整理整
頓上不都合である。また、その風呂蓋が邪魔にな
つて、洗い場からその入浴用備品が簡単に取り出
せず、使い勝手が悪い問題もある。更に、上記物
置台は浴槽本体の上縁面よりも高く形成されてい
るので、該物置台上に立て掛けた風呂蓋が排水溝
を越えて浴槽側へすべり込み、入浴者にぶつかつ
たりする危険がある。

本考案は上記従来事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、入浴用備品と風呂蓋と
を、短辺側上縁面に混在せずに載置したり、立て
掛けることができ且つその入浴用備品の洗い場か
らの出し入れも楽であると共に、立て掛けた風呂
蓋が浴槽側にまですべり込む危険のない浴槽を提
供することである。

（課題を解決する為の手段） 上記目的を達成する為に講じた技術的手段は浴
槽本体の短辺側上縁面に一室壁９側に近接して風
呂蓋載せ面と物載せ台とを、該物載せ台を浴槽エ
プロン側にして並設すると共に、該風呂蓋載せ面
を前記上縁面とほぼ同じ高さに、且つ物載せ台を
同上縁面よりも高い高さに夫々形成し、これら風
呂蓋載せ面及び物載せ台と浴槽との間において該
浴槽本体の短辺側上縁面全長に亘つて、洗い場に
向かう下り勾配の排水用の溝を設けたことを要旨
とする。

（作用） 浴槽本体の一室壁９側に位置する短辺側上縁面
部分に風呂蓋載せ面と物載せ台とを並設し、該物
載せ台高さを、上記上縁面よりも高い高さとし、
風呂蓋載せ面高さを同上縁面と略同一とし、物載
せ台及び風呂蓋載せ面と浴槽本体との間に該浴槽
本体の短辺側上縁面全長に亘つて排水用の溝を形
成しているため、一段高い物載せ台にシヤンプ
ー、石けん等の入浴用備品を、風呂蓋載せ面に風
呂蓋の下縁を夫々個別に載置することができ、ま
た、風呂蓋載せ面と物載せ台との段差面が風呂蓋
の洗い場側への移動を阻止するのは勿論のこと、
仮に上記風呂蓋の下縁が浴槽側にすべり込んで
も、上記排水用の溝によつて浴槽内への滑動を阻
止することができる。

また、上記物載せ台は前記溝よりも一室壁側に
位置する短辺側上縁面部分において、風呂蓋載せ
面よりも浴槽エプロン側に配設されていることか
ら、載置されている入浴用備品を、洗い場から容
易に出し入れさせることができ、一方の風呂蓋載
せ面は浴槽からも洗い場からも離れた奥側に位置
するので、該風呂蓋載せ面に載置した風呂蓋が入
浴時も洗身時にも邪魔にならない。

（考案の効果） 本考案は以上のように構成したので下記の利点
がある。

風呂蓋載せ面と物載せ台との間の段差面が風
呂蓋の洗い場側への滑動を阻止すると共に、こ
れら風呂蓋載せ面及び物載せ台と浴槽本体との
間に形成された排水用の溝によつて、同風呂蓋
の浴槽側へのすべり込みを阻止するので、該風
呂蓋がすべり込んで洗身者や入浴者にぶつかる
虞れはなく安全である。

洗身、洗髪時に使用する入浴用備品載置用の
物載せ台が浴槽エプロン側に配設され、風呂蓋
載せ面が洗い場からも浴槽からも離れた奥側に
位置して配設されているので、入浴用備品の出
し入れが洗い場側から手を伸ばすだけで頗る簡
単に行なえると同時に、洗身時、入浴時ともに
風呂蓋が邪魔になることがない。

風呂蓋とシヤンプー、石けん等の入浴用備品
とを混在させずに個別に立て掛けたり、載置す
ることができるように段差を介して夫々の載せ
部を短辺側上縁面に区別しているから、立て掛
け時や取り出し時にその風呂蓋によつて入浴用
備品が倒される不都合がなくなり、整理整頓す
ることができる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本実施例は浴槽として洗い場付浴槽を示してい
る。

浴槽本体Ａは一半部に浴槽a₁を、他半部に洗い
場a₂を一体成形した周知の構造のものである。

また、浴槽本体Ａは短辺側上縁面a₃の一方側を
第１図に示すように一室壁９側へ拡張すると共
に、その拡張された短辺側上縁面a₃に上記一室壁
９に近接して風呂蓋載せ面１と物載せ台２とを並
設し、これら風呂蓋載せ面１及び物載せ台２と浴
槽a₁との間において短辺側上縁面a₃中間部全長に
亘つて、後述する排水用の溝７を凹設して構成し
てある。

風呂蓋載せ面１は、短辺側上縁面a₃レベルとほ
ぼ同じ高さであり、風呂蓋３を、前記一室壁９と
に亘つて斜め状に立て掛けることができるように
するに必要な面積に確保してある。

この風呂蓋載せ面１は第１図に示すように、物
載せ台２を浴槽エプロンa₄側に配設することで、
結果として洗い場a₂から離間して配設してある。

物載せ台２は、短辺側上縁面a₃よりも高い高
さ、即ち風呂蓋載せ面１よりも高い高さを有し、
第１図に示すように浴槽a₁と洗い場a₂との境界部
の短辺側上縁面a₃部分に段設してあり、入浴用備
品４である石けん、シヤンプー等を載置できるス
ペースに確保してある。

排水用の溝７は、前記風呂蓋載せ面１上に載置
して立て掛けた風呂蓋３の下縁が浴槽a₁側にすべ
り込んできた場合に、該蓋３の下縁を嵌め込んで
受け止め、浴槽a₁側へのそれ以上のすべり込みを
阻止して入浴者の安全を図ると同時に、浴槽a₁か
らのオーバーフロー水を洗い場a₂側へ速やかに排
水させるためのもので、風呂蓋載せ面１及び物載
せ台２と浴槽a₁との間において短辺側上縁面a₃中
間部全長に亘つて、且つ洗い場a₂側へ若干の勾配
を付して凹設してある。

而して、この風呂蓋載せ面１と、物載せ台２を
利用する場合には風呂蓋載せ面１に風呂蓋３下端
を載置し、物載せ台２に石けん、シヤンプー等の
入浴用備品４を載置して使用に供する。

この際、入浴用備品４や風呂蓋３への付着水は
前記排水用の溝７に排水される。

ちなみに本実施例においては図面でも明らかな
通り、前記排水用の溝７よりも槽部a₁′側の短辺
側上縁面a₃部分に、装飾物５載置用の物置き凹部
６を凹設し、その物置き凹部６と前記溝７とを該
溝７側へ傾斜する連通溝８で連通している。

物置き凹部６は花瓶、植木鉢等の装飾物５を安
定良く載置できるように前記溝７よりも若干浅い
深さをもつてその短辺側上縁面a₃を凹ませること
によつて形成する。

斯様に物置き凹部６と、その物置き凹部６内の
溜水を前記溝７へ案内する連通溝８とを設けてい
ることから、花瓶、植木鉢等の装飾物５によつて
浴槽a₁を装飾して入浴感を向上させ、その物置き
凹部６底も常に綺麗に維持できる。

尚、本実施例については洗い場付浴槽において
詳述したが、一般の浴槽においても対象とするこ
と言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案浴槽の実施の一例を示し、第１図
は平面図で一部切欠する、第２図は２−２断面
図、第３図は３−３断面図である。 尚図中、Ａ……浴槽本体、a₁……浴槽、a₁′…
…槽部、a₂……洗い場、a₃……短辺側上縁面、a₄
……浴槽エプロン、１……風呂蓋載せ面、２……
物載せ台、３……風呂蓋、４……入浴用備品、７
……排水用の溝、９……一室壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽本体の短辺側上縁面に一室壁９側に近接し
   て風呂蓋載せ面と物載せ台とを、該物載せ台を浴
   槽エプロン側にして並設すると共に、該風呂蓋載
   せ面を前記上縁面とほぼ同じ高さに、且つ物載せ
   台を同上縁面よりも高い高さに夫々形成し、これ
   ら風呂蓋載せ面及び物載せ台と浴槽との間におい
   て該浴槽本体の短辺側上縁面全長に亘つて、洗い
   場に向かう下り勾配の排水用の溝を設けたことを
   特徴とする浴槽。