JPH0130151Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は浴槽、更に詳しくは花瓶、植木鉢等の
小物類を収容すると共に、風呂蓋を立て掛けるこ
とができる浴槽に関するものである。

〔従来技術〕

従来、浴槽には浴槽本体の上縁面に洗い場に向
つて下り勾配を有する排水凹部を設け、この排水
凹部を風呂蓋の立て掛け部として利用したり（実
開昭57−128690号公報）、浴槽本体の槽内に装着
される熱交換器の上面に排水溝を有する小物置部
を設けたもの（実開昭57−62995号公報）等があ
る。

ところで、浴槽本体の上縁面に風呂蓋を安定良
く立て掛ることができ、しかも小物類を安定良く
収容することができるようにする為には、前記風
呂蓋の立て掛け用の排水凹部と、排水溝を有する
小物置部を夫々凹設するのが好ましい。

しかし、小物置部の排水溝が、風呂蓋の立て掛
け用の排水凹部とは別に浴槽本体の上縁面に、浴
槽エプロンに至る迄の長い距離をもつて露呈する
ことから浴槽自体の外観的美感を損なうばかりで
なく、排水溝を有する小物置部と排水凹部とを清
掃する場合、別途に行なわねばならず、作業がや
つかいになる問題点がある。

また、風呂蓋の立て掛け用の排水凹部と小物置
部の排水溝との２本の排水系路から風呂蓋、小物
類から適下した付着水を浴槽エプロンを伝つて洗
い場へ落下させる為、浴槽エプロンを伝う２筋の
落下水が洗い場使用時に目視され、見た目が悪
く、使用感を損なう問題もある。

〔技術的課題〕

本考案の技術的課題は、小物類（花瓶、植木鉢
等）から滴下する付着水を専用の排水溝を設けず
に洗い場へ排水することにある。

〔技術的手段〕

上記技術的課題を達成する為に講じた技術的手
段は、浴槽本体の短辺側上縁面ほぼ全長に亘つ
て、洗い場に向つて下り勾配を有する風呂蓋置き
兼用の排水溝を設け、該排水溝よりも槽部側に位
置する短辺側上縁面部分において排水溝と近接す
る部分に排水溝よりも浅底とする物置凹部を設
け、該物置凹部と排水溝とを連通させる排水傾斜
路を、その物置凹部と排水溝との隔壁部に形成し
たことである。

〔作用〕 排水溝に、下端を載置して室壁に立て掛けら
れた風呂蓋から滴下した付着水は同排水溝から
洗い場へ排水され、物置凹部内に収容した小物
類から滴下した付着水も排水傾斜路を経て上記
排水溝から洗い場へ排水される。

近接して設けた排水溝と物置凹部とを隔てる
短巾な隔壁部のみにその排水溝と物置凹部とを
連通させる排水傾斜路が形成される。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように構成したので下記の利点
がある。

排水溝、物置凹部、以外に設けられる排水傾
斜路が極めて短い為、人の目につきにくく、浴
槽自体の外観的美感を損なわない。

物置凹部、排水溝を清掃する場合、物置凹部
に湯水を流せば、排水溝内をも洗い流すことが
できるから、その物置凹部、排水溝を個別に清
掃作業を行なうものに比べてその作業が簡単に
なる。

物置凹部に収容した小物類及び排水溝に下端
を載置して室壁に立て掛けた風呂蓋夫々から滴
下する付着水が、上記排水溝のみから洗い場へ
排水されるので、浴槽エプロンを伝う落下水は
１筋となり、あまり目立たず、洗い場使用時の
使用感を可及的妨げない。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は浴槽本体Ａの短辺側上縁面１に排水溝
５、物置凹部３を設けた浴槽の平面図である。

浴槽本体ＡはFRP、ホロー、ステンレス材等
によつて成形した従来周知の形態および構造の浴
室に設置した状態において給水、給湯の蛇口１０
やその排水部１１を取付ける側の短辺側上縁面１
をやや巾広状に形成し、その洗い場側の浴槽エプ
ロン８に点検部を有するものである。

また、浴槽本体Ａは、短辺側上縁面１において
室側壁４に近接する部分にほぼ全長に亘り洗い場
に向つて下り勾配の排水溝５を凹設し、その排水
溝５よりも槽部ａ側に位置する短辺側上縁面１部
分に花瓶、植木鉢等の小物類２を載置する物置凹
部３を凹設している。

排水溝５は室側壁４に対して平行にして浴槽エ
プロン８まで至る長さに形成してその浴槽エプロ
ン８上で開放してなり、溝幅を浴槽蓋９群の下端
部を載置してその浴槽蓋９群を室側壁４に立て掛
けた際、その浴槽蓋９群下端全厚よりも若干広い
幅寸法をもつて凹設されている。

物置凹部は長辺側上縁面１′が沿う室側壁４′側
に寄つた位置に上記排水溝５に近接し且つその排
水溝５よりも浅底に凹設してなり、溝底と排水溝
５の溝底とに亘る下り勾配の排水傾斜路６を隔壁
部１２に凹設することによつて排水溝５と連通し
ている。

排水傾斜路６巾は物置凹部３に載置される小物
類２が流れ出ない程度とする。

また、物置凹部３を、長辺側上縁面１′が沿う
室側壁４′に寄つた位置に設けた結果、図示する
ようにその物置凹部３の洗い場側の短辺側上縁面
１部分に空白部が残置されるが、この部分に前記
給水、給湯用の蛇口１０やその操作部１１を配置
させている。

第４図、第５図は前記排水傾斜路６を隔壁部１
２の肉厚内を貫通させることによつて形成して、
上方からは目視されないように配慮した実施例で
ある。

尚、物置凹部３は短辺側上縁面１の一ケ所に設
けた形態を図示しているが、短辺側上縁面１の数
箇所に大きさや形状を変化させた物置凹部３を
夫々凹設し、それ等を排水傾斜路６を介して排水
溝５と連通させても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は第１実施例を示し、第１図
は平面図で一部省略して示す、第２図は第１図の
−線断面図、第３図は第２図の−線断面
図、第４図乃至第５図は第２実施例を示し、第４
図は平面図で一部省略して示す、第５図は第４図
の−線断面図である。 図中、Ａ……浴槽本体、１……短辺側上縁面、
２……小物類、３……物置凹部、５……排水溝、
１２……隔壁部、６……排水傾斜路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽本体の短辺側上縁面ほぼ全長に亘つて、洗
   い場に向つて下り勾配を有する風呂蓋置き兼用の
   排水溝を設け、該排水溝よりも槽部側に位置する
   短辺側上縁面部分において排水溝と近接する部分
   に排水溝よりも浅底とする物置凹部を設け、該物
   置凹部と排水溝とを連通させる排水傾斜路を、そ
   の物置凹部と排水溝との隔壁部に形成したことを
   特徴とする浴槽。