JPH0319827Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は浴槽に関する。

（従来の技術） 従来の浴槽は、浴槽壁付近の槽底に排水孔を開
設し、該排水孔の止水栓を備えた連鎖を、前記浴
槽壁内面上部に取付けてなるもので、排水孔、止
水栓および連鎖は槽内の目に付き易い部分に露呈
していたものであつた。

（考案が解決しようとする課題） しかし、上記せる構造であることにより連鎖等
が入浴時に邪魔になつたり、或いはその連鎖に手
足が引掛かり意に反して排水孔を開放してしまう
という不具合を有していたと同時に、これら連
鎖、排水孔等が目に付きやすい部分にあるため浴
槽全体の外観上の美感を損い商品価値を低下せし
めるという虞れも有していたものである。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点
に鑑みなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、排水孔、止水栓および連鎖等の排水孔回り
を浴槽壁内面に形成したステツプにて有効に隠蔽
し、浴槽の使用勝手を向上せしめると同時に商品
価値の向上をも図らしめることである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案がなした技術
的手段は、浴槽壁内面に形成したステツプの下位
に槽底内面に至る空間部を形成し、該空間部内の
槽底内面に排水孔を開設すると共にその排水孔の
止水栓の連鎖を前記空間部の槽壁内面に取付けて
なることである。

（作用） 上記せる技術的手段により、連鎖等がステツプ
下位の空間部内に位置し、入浴時槽壁へ寄りかか
つても背中に連鎖等が接触せず、かつ足等も引掛
からない。

また、ステツプにより連鎖等は隠蔽され外部か
らは目に付きにくくなる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

浴槽は、FRP材やその他の合成樹脂材及びホ
ーロー等によつて平面矩形型に一体成形し、その
槽壁１内面にステツプ２を膨出形成してなる従来
周知のステツプ付浴槽であり、浴槽の槽底３より
立ち上げた立上り壁２ａの一部（浴槽コーナー付
近）を外方（側方）に窪ませて、ステツプ２の下
位に槽壁３′に至る空間部４を形成し、該空間部
４内の槽底３′内面に排水孔５を開設すると共に、
該排水孔５に嵌脱自在な止水栓（ゴム栓）６の連
鎖８を吊具７を介して空間部４内の槽壁（起立
壁）４ａ上部に取付けることにより、排水孔５、
止水栓６、吊具７、および連鎖８が空間部４内に
収められ、ステツプ２により外部から隠蔽され
る。

ステツプ２は、浴槽内への出入り時や入浴中に
腰を掛けたりして利用するためのもので、槽壁１
の一辺又はその辺と槽壁コーナーを介して連設せ
る槽壁に沿わせた平面Ｌ字型に膨出形成する（第
１図）。

また、槽底３′は槽底３と同一平面とした方が
排水効率上好ましいことは言うまでもない。

第４図、第５図はステツプ２の一部、即ち空間
部４直上のステツプ２′を着脱自在に付設できる
様にし、空間部４内の清掃を簡便にするもので、
これらは浴槽の型成形時に別成形、即ち浴槽の型
成形と同時に空間部４の上面を開口せしめた状態
で形成し、その空間部４の上面開口部に浴槽と同
じ部材によつて別形成したステツプ２′を付設し
て空間部４を形成したものである。

空間部４の上面開口部へのステツプ２′の着脱
構造は種々考えられるが、前記図示にあつては一
体成形されているステツプ２側に位置せる起立壁
４a′の上端縁に載承段部９を段設し、その載承段
部９と相対せる起立壁４ａに載承台板１０を一体
に固着設置してその載承台板１０から前記載承段
部９に渉りステツプ２′を載承して着脱可能に付
設したり（第４図）、或いは前記起立壁４a′の上
端縁に差し込み溝１１を形成し、その差し込み溝
１１と相対せる起立壁４ａには帯状の突片１２を
一体に固着設置する。一方ステツプ２′の外周端
面における前記差し込み溝１１と相対せる端面に
はその差し込み溝１１に抜き差し自在に嵌合係止
せしめる係止凸部１３を一体に突出形成すると共
に、前記突片１２と相対する端面には係止凹溝１
４を形成してステツプ２′を空間部４の上面開口
部に着脱可能に付設する（第５図）。

又、第６図は浴槽壁１の内面に平面Ｌ字型に形
成したステツプ２の下位全域にわたつて空間部４
を形成したものを示し、斯様の如く空間部４を形
成することによつて槽内が広くなり、その空間部
４内に入浴者は足を入れた状態で入浴できるもの
である。

即ち、ステツプ２を形成することによつて生じ
ていた槽内のスペース的問題をも解消できるもの
である。

尚、上記実施例にあつてはステツプ２を平面Ｌ
字型に付設した浴槽として詳述したが、一例を示
すにすぎないものであり、排水孔５、連鎖８等を
隠蔽する程度の大きさだけしかないもの、又は槽
壁１の全周にわたつて周設したもの、あるいは相
対せる槽壁１に夫々に対向させた形態等の浴槽で
あつても本考案は対象としていることは言うまで
もない。

（考案の効果） 本考案は、浴槽壁内面に形成したステツプの下
位に槽底内面に至る空間部を形成し、該空間部内
の槽底内面に排水孔を開設すると共にその排水孔
の止水栓の連鎖を前記空間部の槽壁内面に取付け
てなるものとしたことにより、連鎖等の排水孔回
りがステツプ下位の空間部内に位置するため、入
浴時槽壁に寄りかかつてリラツクスする場合にも
連鎖等が邪魔になることもなく、また、連鎖に足
が引掛かり意に反して排水孔を開放してしまう虞
れもなくなるため大変使用勝手に優れ有用であ
る。

また上記効果と同時に、ステツプにより連鎖等
の排水孔回りが隠蔽されて外部から目に付きにく
くなるため、浴槽全体の外観上の美感が向上し商
品価値の高い浴槽が提供できることとなる。

しかも、空間部を形成したことによつて、その
空間部内に入浴者は足を入れた状態で入浴出来
る。即ちステツプを形成したことによつて生じて
いた槽内のスペース的問題を解消することがで
き、ステツプ付き浴槽を有効に使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、第２図は第１図の−線断
面図、第３図は要部を拡大断面して示す斜視図で
一部切欠して示す、第４図、第５図は凹部を形成
する上面壁を着脱形態にした要部の拡大断面斜視
図、第６図は他の実施例を示す第１図の−線
に沿えた断面図である。 図中、１……槽壁、２……ステツプ、２ａ……
立上り壁、３……底壁、４……凹部、４ａ……連
設壁、５……排水孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽壁内面に形成したステツプの下位に槽底内
   面に至る空間部を形成し、該空間部内の槽底内面
   に排水孔を開設すると共にその排水孔の止水栓の
   連鎖を前記空間部の槽壁内面に取付けてなること
   を特徴とする浴槽。