JPH0440375B2 - - Google Patents

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JPH0440375B2
JPH0440375B2 JP63281977A JP28197788A JPH0440375B2 JP H0440375 B2 JPH0440375 B2 JP H0440375B2 JP 63281977 A JP63281977 A JP 63281977A JP 28197788 A JP28197788 A JP 28197788A JP H0440375 B2 JPH0440375 B2 JP H0440375B2
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JP
Japan
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film
polyester
aluminum oxide
particles
present
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Seiji Sakamoto
Yoshio Meguro
Takashi Harada
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた耐摩耗性を有するポリエステル
フイルムに関する。更に詳しくは、フイルムの走
行特性に優れ、しかも擦り傷や摩耗粉の発生が極
めて少ない、改良された配向ポリエステルフイル
ムに関する。 〔従来の技術および発明が解決しようとする課
題〕 ポリエステルフイルムは物理的、化学的特性に
優れ、産業用基材として広く用いられている。就
中、少くとも一軸方向に配向したポリエチレンテ
レフタレートフイルムは、特に機械的強度、寸法
安定性、平面性等に優れることから磁気記録媒体
のベースフイルムやコンデンサー誘電体を始めと
する各種の用途に使用されている。 ところで、これらのフイルムを実際に取り扱う
に際しては走行性、更には耐摩耗性が要求される
が、従来この事は充分には達成されていなかつ
た。 即ち、フイルムと基材、例えば金属ピンとが高
速で接触すると両者の間の摩擦、摩耗が大きくな
りフイルムに擦り傷が発生したり、摩耗粉が生成
するようになる。 本発明者らは、この耐摩耗性の改良につき鋭意
検討を行なつた結果、先に特願昭63−138051号明
細書その他においてモース硬度の高い、例えば酸
化アルミニウムの粒子をフイルムに配合する方法
を提案した。 しかしながら本発明者らは、かかる酸化アルミ
ニウムのような粒子を配合することにより、新た
な問題が発生し得ることも知見した。即ち該粒子
を含有して成るフイルムは、金属ピンとの接触に
おいてはフイルム自身の傷つきや摩耗粉の発生の
点で、確かに極めて優れた効果を発揮するが、一
方プラスチツク製のピンの場合には、それを傷つ
け、しばしば多くの摩耗粉を生成させてしまうこ
とが明からとなつた。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、この点の改良につき鋭意検討を
加えた結果、酸化アルミニウム粒子の中でもある
特定の結晶型を有するものを特定量用いるなら
ば、いずれの組成のピンとの接触においても摩耗
粉の発生のほとんどない、優れた配高ポリエステ
ルフイルムを得ることができることを見出し、本
発明を完成するに至つた。 即ち本発明の要旨は、平均粒径が0.5μm以下の
デルタ型酸化アルミニウムを0.01〜2重量%含有
することを特徴とする磁気記録媒体用配向ポリエ
ステルフイルムに存する。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明でいうポリエステルとは、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸のような芳
香族ジカルボン酸又はそのエステルと、エチレン
グリコールを主たる出発原料として得られるポリ
エステルを指すが、他の第三成分を含有していて
もかまわない。この場合、ジカルボン酸成分とし
ては例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、及びオキシカルボン酸成分、
例えばp−オキシエトキシ安息香酸などの一種又
は二種以上を用いることができる。グリコール成
分としては、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ネオペンチルグリコールな
どの一種又は二種以上を用いることができる。い
ずれにしても、本発明のポリエステルとは繰り返
し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレート
単位又はエチレン−2,6−ナフタレン単位を有
するポリエステルを指す。 また本発明のポリエステルフイルムとは、かか
るポリエステルを出発原料とする少くとも一軸に
配向されたポリエステルフイルムを指すが、その
製造法としては公知の方法を用いることができ
る。例えば通常270〜320℃でシート状に溶融押出
しした後、40〜80℃で冷却固化し、無定形シート
とした後、縦、横方向に逐時二軸延伸あるいは同
時に延伸し、160〜250℃で熱処理する等の方法
(例えば特公昭30−5639号公報記載の方法)を利
用することができる。縦及び横方向に延伸するに
際しては、各々一段で延伸してもよいし、また必
要に応じ多段で延伸したり多段延伸の間に配向緩
和のための熱処理区間を設けたりすることもでき
る。また二軸延伸後、次工程の熱処理工程に供す
る前に再度延伸してもよい。この再延伸は縦横い
ずれの方向に行なうこともできるし、また両方向
に行なつてもよい。 本発明の最大の特徴は平均粒径0.5μm以下のデ
ルタ(δ)型の結晶形態を有する酸化アルミニウ
ムを用いることにある。 酸化アルミニウムは良く知られているように、
通常ジプサイト、バイアライト、ベーマイト等の
アルミナ水和物を加熱分解することによつて得ら
れるが、この時の原料の種類、加熱分解条件、特
に温度条件によりα型を始めβ、γ、κ、ο、
δ、η、χ、ρ型等の10種類近い、異なる結晶型
を有する酸化アルミニウムが生成する。また、塩
化アルミニウムを酸水素炎中で燃焼加水分解する
方法によつても酸化アルミニウムを得ることがで
きるが、この場合、処理条件によつてα、γ、δ
等の各種の結晶型の酸化アルミニウムが得られ
る。 これらの酸化アルミニウムは各々特有の性状を
有しており、例えばα型は比表面積が小さく、ほ
とんど触媒活性を示さないのに対し、γ型やη型
は通常150〜300m2/g程度の比表面積を有し高い
触媒活性を有している。またそれぞれの結晶型に
よつて密度も約2.5〜4g/cm3まで変り得るし、
硬度も微妙に変化する。 本発明者らはこれら性状を異にする多くの酸化
アルミニウムについて仔細に検討を加えた結果、
δ型のそれが本発明の目的に適うことを見出し、
本発明を完成するに至つた。即ちδ型酸化アルミ
ニウムを配合したフイルムは金属製ピンあるいは
プラスチツク製のガイドロールやピンのいずれと
の接触においてもほとんど摩耗粉を発生すること
が無く、極めて耐擦傷製、耐摩耗製に優れてい
る。 またδ型酸化アルミニウムの特徴として、ポリ
エステルに添加して重合反応を行なう際、重合速
度の上昇を阻害したり、末端カルボキシル基濃度
を異常に高めてポリマーの熱安定性を損なうこと
が実質的にないことを挙げることができる。γ
型、η型あるいはχ型の酸化アルミニウムの場合
は往々にしてこれらのポリマー物性が悪化しフイ
ルム特性を損ねることがある。δ型酸化アルミニ
ウムの場合にかかる効果、特に優れた摩耗特性が
発現される理由は定かではないが、恐らく該粒子
のポリエステルに対する馴じみが良いこと及び硬
度が適度であることが主な理由と思われる。 δ型酸化アルミニウムの平均粒径は0.5μm以
下、就中0.1μm以下が好ましい。この結晶型の酸
化アルミニウムは、一般に塩化アルミニウムを高
度に火焔加水分解することによつて得ることがで
きるが、その平均粒径は0.1μm以下として得られ
ることが多いので好都合である。本発明において
はかかる酸化アルミニウム粒子を一次粒子まで完
全に分散させて使用することが好ましいが、フイ
ルムの表面状態に悪影響を及ぼさない限り、多少
凝集した二次粒子として挙動しても差しつかえな
い。但し、この場合も見かけ上の平均粒径が0.5μ
m以下が好ましく用いられる。 なお本発明においては、フイルムに配合する酸
化アルミニウムの70重量%以上、好ましくは90重
量%以上がδ型のそれであれば所望の効果を充分
に発揮することができる。 δ型酸化アルミニウムのポリエステルに対する
配合量は、0.01〜2重量%の範囲から選択され
る。この量が0.01重量%未満では耐擦傷性、耐摩
耗性の効果が不充分となるし、一方2重量%を越
えるとしばしばプラスチツク製の基材を強く傷つ
けてしまつたり、表面粗度が大きくなりすぎて磁
気記録媒体のベースフイルムとして用いたとき、
電磁変換特性を悪化させたりする。 このように本発明においては、ある特定の結晶
型を有する酸化アルミニウムを配合することによ
り、これまで達成し得なかつた、金属製あるいは
プラスチツク製、双方の基材における優れた摩耗
特性を付与することが可能となつた。しかしなが
ら、かかる酸化アルミニウム粒子のみでは、しば
しばフイルムの滑り性が不足し取り扱い作業性が
劣るので、他の粒子を併用することが好ましい。 かかる粒子の一つとしていわゆる析出粒子を挙
げることができる。この析出粒子とはポリエステ
ル製造工程中で金属化合物を微細な粒子として析
出させたものであり、例えばエステル交換反応あ
るいはエステル化反応あるいはその前後にアルカ
リ金属またはアルカリ金属化合物を存在させ、リ
ン化合物の存在下あるいは非存在下平均粒径0.1
〜5μm程度の不活性微粒子として沈殿させるも
のであり。この場合、該粒子をポリエステルフイ
ルムに対し0.01〜1重量%存在させることにより
特に走行性を改善することができる。 また別の例として、いわゆる添加粒子を挙げる
ことができる。この添加粒子とはポリエステル製
造工程に外部から添加する粒子を指すが、具体的
にはカオリン、タルク、カーボン、硫化モリブデ
ン、石膏、岩塩、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、フツ化リチウム、フツ化カルシウム、ゼオラ
イト、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素、二酸化
チタン等を挙げることができる。この場合、これ
ら添加粒子の平均粒径はδ型酸化アルミニウムの
それより大きく、0.1〜3μmの範囲から、またポ
リエステルに対する配合量は0.05〜2重量%の範
囲から選択することが好ましい。 なお、かかる添加粒子の例として耐熱性の高分
子微粉体を挙げることもできる。この場合の典型
的な例としては、例えば特公昭59−5216号公報に
記載されているような、分子中に唯一個の脂肪族
の不飽和結合を有するモノビニル化合物と架橋剤
として分子中に二個以上の脂肪族の不飽和結合を
有する化合物との共重合体を例示することができ
るが、勿論これらに限定される訳ではなく、例え
ば熱硬化性フエノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹
脂、熱硬化性尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂あ
るいはポリテトラフルオロエチレンのようなフツ
素系樹脂の微粉体を用いることもできる。この場
合、これら耐熱性高分子微粉体の平均粒径は0.05
〜5μm、そのポリエステルフイルムに対する配
合量は0.01〜3重量%の範囲から選択される。 以上述べたように、本発明においては、特定量
のδ型酸化アルミニウムに加えて必要に応じ他の
粒子を併せ使用するが、得られるポリエステルフ
イルムがある物性を満足しているとき、フイルム
の走行性をより高度に改良することができたり、
機械的強度の改良やスリツト性の改善が達成で
き、例えば磁気記録媒体用のベースフイルムとし
てより適したものとなる。 ポリエステルフイルムの好ましい一つの物性と
して、その厚み方向の屈折率が1.492以上である
ことが挙げられる。この値が1.492未満では本発
明の粒子を用いたとしても往々にして易滑性、耐
摩耗性が不足するようになるこの値は1.494以上
1.505以下が好ましい。かかる物性を有するフイ
ルムを得るためには、例えば縦−横逐時二軸延伸
の場合、縦延伸温度を通常の延伸温度よりも5〜
30℃高い105〜115℃程度とすれば良い。あるい
は、二軸延伸後、熱処理前に大幅な横弛緩を行な
うことによつてもかかるフイルムを得ることがで
きる。 また、本発明の特定の酸化アルミニウムを含有
するポリエステルフイルムの好ましい態様の一つ
として縦方向に強く配向された、フイルム厚みが
12.0μm以下の二軸配向フイルムを挙げることが
できる。即ち本発明のフイルムはその高度な耐摩
耗特性を生かして磁気記録媒体用のベースフイル
ムとして好適に用いることができるが、その特長
は高強度、薄手の高記録密度用のときに特に発揮
することができる。具代的には縦方向のF−5値
が12.0Kg/mm2以上、就中14.0Kg/mm2以上で、且つ
フイルム厚みが12.0μm以下、就中10.0μm以下と
いう特に耐摩耗特性が要求される用途において効
果的である。 更にまた、本発明においては、幅方向の屈折率
nTDと長手方向の屈折率nMDとの差Δn(nTD−nMD
が0.010以上のとき、特にスリツト性に優れ磁気
記録媒体用ベースフイルムとして適したものとな
る。このスリツト性とは磁性層を塗布したテープ
をシエアーカツター等でスリツトする時の特性
で、程度が低い場合には切り口が筋状にめくれ上
つたり、切り口からヒゲや粉が発生したりする。
かかる現象が生じるとテープに白粉が付着し、電
磁変換特性を悪化させたり、ドロツプアウトを誘
起したりする。Δnを0.010以上、好ましくは0.020
以上、より好ましくは0.025以上とすることによ
り、このスリツト性を効果的に改良することがで
きる。このΔnはあまり大き過ぎても熱収縮率等
の点で不都合が生じるので、このΔnは0.060以下
とすることが好ましい。 なお、かかる物性のフイルムを得るためには、
例えば非晶質の未延伸ポリエステルフイルムを90
℃前後で縦方向に3〜4倍に延伸した後、90〜
150℃で幅方向に3.5倍〜6部(通常縦方向よりも
高倍率とする)延伸した後、170〜230℃にて熱処
理する方法が簡便に採用される。 なお本発明においては、δ型酸化アルミニウム
を用いるという基本的な技術思想に、これら幾つ
かの好ましい特性を複数組合せて使用してもよい
のは勿論である。 本発明のフイルムはビデオテープ用のベースフ
イルムとして賞用される他、オーデイオ用のそれ
として用いた場合にも特に効果を発揮し得る。即
ち該分野においては、最近ダブルラジカセ、コン
ポステレオ等、従来の2倍以上の高速ダビング機
能を搭載した機種が普及するようになつた結果、
ダビング工程及び早送り、巻き戻しの際、テープ
と基材がより高速で接触するようになつたが、こ
の場合、本発明の効果が有効に発揮される。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、実施例
及び比較例中「部」とあるは、「重量部」を示す。 また、本発明で用いた測定法は次の通りであ
る。 (1) 平均粒径 顕微鏡にて粒径を測定し、等価球換算値の体
積分率50%の点の粒径(直径)を平均粒径とす
る。 (2) 走行性 フイルムの滑り性により評価した。滑り性は
第1図の装置を用いて測定した。即ち固定した
硬質クロムメツキ金属ロール(直径6mm)にフ
イルムを巻き付け角135゜すなわち2.356rad(θ)
で接触させ、53g(T2)の荷重を一端にかけ
て1m/mmの速度でこれを走行させ、他端の抵
抗力(T1、g)を測定し、次式により走行中
の摩擦係数(μd)を求めた。 μd=1/θlnT1/T2=0.424lnT1/53 (3) 耐摩耗性 金属製のピン及びプラスチツク製のピンとの
摩耗特性を評価した。このためにまず磁気テー
プを製造した。 即ち、磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂
30部、ニトロセルロース10部、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体10部、レシチン5部、シクロ
ヘキサノン100部、メチルイソブチルケトン100
部およびメチルエチルケトン300部をボールミ
ルにて48時間混合分散後ポリイソシアネート化
合物5部を加えて磁性塗料とし、これをポリエ
ステルフイルムに塗布した後、塗料が十分乾燥
固化する前に磁気配向させ、その後乾燥し、
2μmの膜厚の磁性層を形成した。更にこの塗
布フイルムをスーパーカレンダーにて表面処理
を施こし、1/2インチ幅にスリツトしてビデオ
テープとした。 次に得られた磁気テープを硬質クロムメツキ
金属ピン(直径6mm、表面粗さ3S)に巻きつ
け角135゜、張力50gでベースフイルム面を接触
させ、走行速度4m/秒で擦過させた。 次いで磁気テープ擦過面にアルミニウムを蒸
着し、傷の程度を目視判定し、金属製ピンとの
摩耗特性を次の5ランクに分けた。 ランク1 傷の量が多く又しばしば深い傷があ
る。 ランク2 傷の量が比較的多く所々深い傷があ
る。 ランク3 傷の程度は比較的少なく深い傷はわ
ずかである。 ランク4 少し傷が認められるが、満足すべき
レベル。 ランク5 ほとんど傷がついていない。 一方、磁気テープのベースフイルム面を、平
滑処理を施した直径6mmのナイロン製のピンと
接触させ、4m/秒で擦過させた。2000m走行
後の該ピンの摩耗状況及び白粉の発生状況を観
察し、プラスチツク製のピンとの摩耗特性を次
の5ランクに分けた。 ランク1 ピンに多数の縦スジが発生し、白粉
の付着も多い。 ランク2 ピンにかなスジが認められ、白粉も
比較的多い。 ランク3 浅いスジが認められるが、白粉は少
い。 ランク4 浅いスジが若干認められるが、白粉
はわずか。 ランク5 ピンはほとんど傷ついておらず、白
粉発生量を極めて少ない。 (4) 電磁気特性 ナイロン製のピンで摩耗特性の評価を行なつ
た磁気テープを巻き上げた後、その電磁気的特
性を松下電器製NV−3700型ビデオデツキを用
いて測定した。 ΓVTRヘツド出力 シンクロスコープにより測定周波数が4メ
ガヘルツにおけるVTRヘツド出力を測定し、
ブランクを0デシベルとしその相対値をデシ
ベルで示した。 Γドロツプアウト数 4.4メガヘルツの信号を記録したビデオテ
ープを再生し、大倉インダストリー(株)ドロツ
プアウトカウンターでドロツプアウト数を約
20分間測定し、1分間当りのドロツプアウト
数に換算した。 実施例 1 ジメチルテレフタレート100部エチレングリコ
ール70部及び酢酸マグネシウム四水塩0.20部を反
応器にとり、エステル交換反応を行なつた。4時
間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの
系に、三塩化アルミニウムの加熱分解法で得られ
た、平均粒型0.03μmのδ型酸化アルミニウムを
0.6部添加し、更にエチルアシツドホスフエート
0.06部及び三酸化アンチモン0.04部を加え、常法
に従つて5時間重合反応を行ない、極限粘度0.63
のポリエステルを得た(ポリエステル(A)) 一方、上記ポリエステルの製造において、酸化
アルミニウムの代りに平均粒径0.6μmの炭酸カル
シウム0.6部を添加する他は同様に重合を行ない、
極限粘度0.63のポリエステルテレフタレートを得
た。(ポリエステル(B)) 次にポリエステル(A)とポリエステル(B)とを50:
50の重量比で混合し、乾燥後290℃で押出機より
シート状に押し出し無定形シートを得た。次いで
得られたシートを縦方向に90℃で3.5倍、横方向
に110℃で4.3倍延伸し、210℃で3秒間熱処理を
行ない厚さ15μmの二軸延伸フイルムを得た。 次いで得られたフイルムに磁性層を塗布し磁気
テープを製造した。 これらのフイルム及び磁気テープの特性を他の
実施例及び比較例のそれと共に表−2に示す。 実施例 2 実施例1のポリエステル(A)の製造において、三
塩化アルミニウムの加熱分解法で得られた平均粒
径0.02μmのδ型酸化アルミニウムの代りに、ベ
ーマイトを空気中で900〜1000℃に加熱すること
により得られた平均粒径0.1μmのδ型酸化アルミ
ニウムを用いてポリエステルを得た。 次いで実施例1と同様にしてフイルムを製造し
その特性を評価した。 比較例 1及び2 実施例1のポリエステル(A)の製造においてδ型
酸化アルミニウムの代りにバイアライトを約1200
℃で加熱することにより得られた平均粒径0.3μm
のα型酸化アルミニウム(比較例1)、あるいは
ベーマイトを約700℃で加熱することにより得ら
れた平均粒径0.4μmのγ型酸化アルミニウム(比
較例2)を用いる他は実施例1と同様にしてポリ
エステルを得、次いで実施例1と同様にしてフイ
ルムを製造し、その特性を評価した。 比較例 3 実施例1のポリエステル(A)を用い、フイルム中
のδ型酸化アルミニウムの量が0.005重量%にな
るよう、実質的に粒子を含まない他のポリエステ
ルで希釈した後、実施例1と同様にしてフイルム
を得、次いでその特性を評価した。 以上の実施例1、比較例1及び比較例2で得ら
れた各々異なる結晶型の酸化アルミニウムを含む
ポリエステルの極限粘度及び末端カルボキシル基
濃度を測定した。 なお、極限粘度はポリマー1.0gをフエノー
ル/テトラクロルエタン=50/50(重量比)の混
合溶媒100ml中で100℃で約30分間加熱して溶解さ
せ、30.0℃で測定することにより求めた。また末
端カルボキシル基濃度は、A.Conixの方法
(Makromol.chem.、26、226(1958))に従つて求
めた。結果を表−1に示す。
【表】 この結果から明らかなように、本発明で特定し
たδ−Al2O3は重合速度の上昇及び生成ポリエス
テルの末端カルボキシル基濃度の点において不都
合はないが、γ−Al2O3を添加した場合はこれら
の点において劣り熱安定性の劣るポリエステルと
なつてしまう。
〔発明の効果〕
本発明のフイルムは各種基材との摩耗特性に優
れており、磁気記録媒体用のベースフイルムを始
めとし、各用途に好適に用いることが可能であ
り、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図はフイルムの走行性を評価する走行系を
示す概略図である。図中、は直径6mmのステン
レス製の固定ピン、およびはテンシヨンメー
ターを示し、θは135゜である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 平均粒径が0.5μm以下のデルタ型酸化アルミ
    ニウムを0.01〜2重量%含有することを特徴とす
    る磁気記録媒体用配向ポリエステルフイルム。
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