JPH0440261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は、電子式電力量計等の計器に使用され
る変流器に係り、特にそのケースの構造の改良に
関するものである。

（考案の背景） 電子式電力量計等のケースには、その使用態様
によつて、表面型、埋込型ラツク型、ポータブル
型等があるが、これらの機器に使用される変流器
の取付け方法も、機器の構造や内部スペースによ
つて必然的に異なつて来る。例えば、比較的容量
の大きい電力量計においては、剛性のある太い一
次電流線を変流器のコイル内に挿入し、この一次
電流線をそのまま変流器の支持部材として使用す
ることが一般的であるのに対して、容量の小さな
電力量計では、一次電流線が細く変流器の支持力
がないので、全く別に支持部材を設ける必要があ
る。また、変流器を機器側の支持部材に固定する
代りに、プリント基板上に固定する場合もあり、
その場合も別の固定手段が必要となる。

この様に、変流器はその使用態様により、種々
の取付け方法が採用されており、従来ではこれら
種々の取付け方法に合せて専用のケースを用意し
ていたのが実情である。しかし、取付け方法に合
せて種々のケースを用意することは、変流器の規
格化の点から好ましくなく、部品管理の繁雑さを
招いたり、製品コストの低減を妨げる欠点があつ
た。

（考案の目的） 本考案の目的は、上述した問題点を解決し、一
種類のケースで多様な取付け方法に対応できる規
格化された変流器のケースを提供することにあ
る。

（考案の特徴） 本考案の変流器のケースは、内部コイルを収納
したコイル収納部と、このコイル収納部と一体に
形成された支持部とから成り、コイル収納部には
中央に、一次電流線が挿入されるために、コイル
の軸方向に沿つて貫通した開口部が形成され、支
持部の両側には前記開口部と同方向に伸びる一対
の貫通孔が形成されて、この貫通孔が取付け金具
の装着部分並びにリード線の引出部分になつてい
ると共に、この支持部の底面が変流器取付け時の
基準面になつている構成を有し、支持部の貫通孔
を利用して、種々の取付けを可能としたことを特
徴とする。

（考案の実施例） 第１図乃至第３図は、それぞれ本考案のケース
を有するる変流器の一実施例を示すもので、第１
図は平面図、第２図は正面図、第３図は第２図Ａ
−Ｏ−Ｐ−Ａ線の断面図である。

本実施例において、内部に変流器コイル１を収
納したコイル収納部２は、中央にコイル１の軸方
向に沿つた開口部３を有する円筒形の部材から構
成されている。一方、このコイル収納部２を支持
する支持部４は、コイル収納部２の下部に一体に
形成された方形の部分であり、従つて、ケース全
体としては、上部が円形で下部が方形をした円方
形をなしている。この方形の支持部４の左右のコ
ーナー部には、前記開口部３と同様にコイルの軸
方向に沿つた一対の貫通孔５ａ，５ｂが形成され
ている。この貫通孔５ａ，５ｂの底部内面は、ケ
ースの底面、即ち支持部４の底面と平行に形成さ
れた平面となつている。支持部４の底面６は、ケ
ース固定時の基準面となるもので、その中央部に
はコイルの軸方向に伸びる薄い溝状の凹部７が形
成されている。

なお、コイル１のリード線８ａ，８ｂは前記貫
通孔５ａ，５ｂの部分からケース外部に引出され
ている。

本実施例の変流器のケースは上記の様な構成を
有するものであるが、これを利用して変流器を機
器に装着するには、第４図以下の様にする。

第４図は、変流器ケースの外周に中央の開口部
３を通して細い一次電流線２５を巻き付けたもの
で、一次電流線２５が変流器の支持能力がない場
合である。この場合、変流器ケースの支持部４に
設けた一対の貫通孔５ａ，５ｂ内に取付け金具２
６ａ，２６ｂを挿入し、この取付け金具２６ａ，
２６ｂをねじ２７によつて固定することにより、
変流器を機器側に固定したものである。

第５図は、第４図と同様な取付け手段を使用し
て、補償用の変流器CT′をも同時に固定したもの
であり、また、第６図は、取付金具２９として、
一対の腕を持つフオーク状のものを使用し、その
一端を機器側にスポツト溶接し、他端はねじ３０
によつて固定したものである。

第７図は、変流器ケースの底面６に左右の貫通
孔５ａ，５ｂに連通する孔３１ａ，３１ｂを穿孔
しておき、プリント基板その他の取付け板３２側
から挿入したねじ３３の先端をこの孔３１ａ，３
１ｂ内に突出させ、貫通孔５ａ，５ｂ内にセツト
した取付け金具３４ａ，３４ｂにねじ込むことに
より、変流器を取付け板３２に固定したものであ
る。

第８図は、第７図と同様にして取付け板３２上
に複数個の変流器CT_a〜CT_cを固定し、更にこの
取付け板全体をねじ３５を利用して他の部材に固
定したものである。

第９図は、外側に広がろうとする傾向を有する
左右一対のスプリング３６ａ，３６ｂを、変流器
ケース左右の貫通孔５ａ，５ｂ内に挿入し、この
スプリングの先端に設けた係止部３７を挿入孔の
縁に係合させることにより、変流器CTを固定し
たものである。

第１０図は、プリント基板３８に変流器CTを
固定する手段で、両端に突片３９を持つ取付け金
具４０ａ，４０ｂをケースの貫通孔内に挿入し、
前記突片３９をプリント基板側に折曲げ、この突
片をプリント基板に設けた部品の装着孔内に差込
んだ後、プリント基板と突片とをハンダ付け４１
したものである。

第１１図は、変流器CTをその背面においてプ
リント基板３８に固定したもので、コ字形の取付
け金具４２によりケースの支持部４を抱込み、こ
の支持部４に挿入したねじ４３ａ，４３ｂをケー
スの貫通孔５ａ，５ｂ内に挿入して、プレント基
板３８にねじ込む様にしたものである。

第１２図は、ケースの幅方向に伸びる幅の狭い
取付け金具４４に、ケースの貫通孔５ａ，ｂに位
置に合せて爪４５ａ，４５ｂを一対づつ設け、ケ
ースの底面に取付け金具４４を重ね合せた状態
で、これらの爪４５ａ，４５ｂを折曲げ、その先
端を貫通孔５ａ，５ｂ内に挿入して爪でケースを
抱込んだもので、この状態で取付け金具４４を他
の部材にねじ止めすることにより、変流器を固定
したものである。

第１３図は、前記第１図乃至第３図に示したケ
ースの底部に形成された凹部７の形状を変更し
て、凹部７をあり溝状の断面形状としたものであ
る。そして、この凹部７内に、その端部側から取
付け金具４６を挿入して、凹部７内からの取付け
金具４６の外れを防止し、この取付け金具４６を
他の部材にねじ止めすることにより、変流器を固
定するものである。

（変形例） 以上の実施例に示す通り、本考案の変流器のケ
ースは、種々の取付け態様が選択できるものであ
るが、その具体的形状は、前記実施例に限定され
るものではない。

例えば、ケース底部の凹部７はなくても現実に
は充分な種類の取付け態様が採用できる。また、
支持部４をコイル収納部の片側だけでなく、上下
両方に設けそこにそれぞれ貫通孔を設ければ、前
記名取付け態様に加えて、その上下逆勝手の取付
け態様も可能となり、更に汎用性が増大する。更
に、コイル収納部の形状も円形に限らず、支持部
と同様に方形であつても良い。

（考案の効果） 以上の実施例に示す通り、本考案によれば、支
持部の貫通孔を利用して、種々の取付けを可能と
したものであるから、一種類のケースにより多種
類の機器に対して変流器の取付けができ、規格化
によるコスト低下や部品管理の容易化が実現した
変流器のケースを得ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による変流器のケースの一実施
例を示す平面図、第２図は同じく正面図、第３図
は第２図Ａ−Ｏ−Ｐ−Ａ線の断面図、第４図乃至
第１３図はそれぞれ第１図の実施例のケースの取
付け態様を示す斜視図である。 １……コイル、２……コイル収納部、３……開
口部、４……支持部、５ａ，５ｂ……貫通孔、６
……底面、７……凹部、２５……一次電流線、２
６ａ，２６ｂ……取付け金具、３６ａ，３６ｂ…
…スプリング、３８……プリント基板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にコイルを収納したコイル収納部と、この
   コイル収納部と一体に形成された支持部とから成
   り、コイル収納部には中央に、一次電流線が挿入
   されるために、コイルの軸方向に沿つて貫通した
   開口部が形成され、支持部の両側には前記開口部
   と同方向に伸びる一対の貫通孔が形成されて、こ
   の貫通孔が取付け金具の装着部分並びにリード線
   の引出部分になつていると共に、この支持部の底
   面が変流器取付け時の基準面になつていることを
   特徴とする変流器のケース。