JPH0439413B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、射出成形機の金型装置における安
全装置に関するもので、特に、安全ドアに連動す
るストツパーによつてフレームに穿設された通過
孔を塞いで、可動型板に取付けられたストツパー
バーの通過を阻止し、安全ドア開放時に型閉じ動
作が行われないようにした安全装置に係わるもの
である。

通常、合成樹脂材料の射出成形作業において
は、金型装置の保守点検のために安全装置を設け
て作業者の安全を図ることが行われており、安全
ドアの開放時に、型閉じ動作が行われることを阻
止するようにした安全装置が多用されている。

第１図にかかる従来の安全装置が示されてお
り、図において、可動型板１には、ストツパーバ
ー２が垂設されており、一方、固定型板を兼ねた
フレーム３には、上記ストツパーバー２と整合す
る位置にストツパーバー通過孔４が穿設されてい
る。そして、図示しない安全ドアに連動して前記
通過孔４を開閉するストツパー５が設けられてい
る。６は可動上型、７は固定下型、８はガイド支
柱である。

上記構成において、金型の保守点検等に、安全
ドアを開くと、これに連動してストツパー５が摺
動、回動等により移動して、図示のように、通過
孔４を塞ぐ。したがつて、可動型板１が下降しよ
うとしても、ストツパー５がストツパーバー２
の、通過孔４への進入通過を阻止するので、前記
可動型板１の下降が阻止されて型閉じされること
がなく、作業者の安全が確保されるものである。

ところで、上記従来技術によれば、安全ドアを
開放したときには、ストツパーの作用によつて金
型の型閉じが阻止されるものであるが、保守点検
作業によつては、例えば金型合せ面の点検等に際
しては、金型を型閉じした状態で点検することが
必要な場合があるので、該従来技術では、型閉じ
時には安全ドアを開くことができず、前記点検作
業が不可能であるという欠点があつた。

この発明の目的は、上記従来技術に基づく金型
装置における安全装置の構造上の制約による型閉
じ状態での保守点検作業等の問題点に鑑み、スト
ツパーバーの通過を阻止するストツパーを、互い
に枢着されバネによつて連結されたストツパー片
と駆動アームにより構成し、前記駆動アームに安
全ドアのカムに追随するローラを設ける構成とす
ることにより、前記欠点を除去して、型閉じ状態
でも安全ドアを開放できるようにした優れた安全
装置を提供せんとするものである。

上記目的に沿うこと発明の構成は、ストツパー
バー通過孔を開閉するストツパーを、ストツパー
片と駆動アームとにより構成し、これらを共通の
軸によつて枢着すると共に引張バネによつて連結
し、前記駆動アームに、安全ドアのカムに追随す
るローラを設けて、該安全ドアを開放するとカム
の作用によつて前記駆動アームを揺動し、該アー
ムの揺動を前記バネを介してストツパー片に伝え
て、さらにこれを揺動して、ストツパーバー通過
孔を閉塞してストツパーバーの通過を阻止するこ
とができるようにするとともに型閉じ時におい
て、下降しているストツパーバーにストツパー片
が当接してその揺動が阻止されても、バネが伸び
るので、駆動アームの揺動は確保され、これによ
り、安全ドアを開くことができるようにしたこと
を要旨とするものである。

次に、この発明の実施例を第２図以下の図面に
基づいて説明すれば以下の通りである。

第２図および第３図において、固定型板を兼ね
るフレーム３には、共通の軸１０によつてストツ
パー片１１と駆動アーム１２が互いに枢着されて
いる。これらストツパー片１１と駆動アーム１２
は引張バネ１３によつて連結され、互いに閉じる
方向に付勢力が作用している。そして、ストツパ
ー片１１は、前記軸１０を中心にして揺動し、フ
レーム３に穿設されたストツパーバー通過孔４を
開閉可能である。又、駆動アーム１２には、前記
軸１０に対してバネ１３とは反対端に、ローラ１
５が装着されている。

一方、金型に対して適宜位置に、作業者の接近
を防ぐ安全ドア１６が設けられていて、該ドア１
６にはカム１７が取付けられていて、これが前記
駆動アーム１２のローラ１５と当接する。該カム
１７には、下部カム面１８ａと傾斜カム面１８ｂ
と上部カム面１８ｃが形成されている。尚、１９
はカム１７に突設されたストツプピンであり、２
０はフレーム３に突設された規制ピンであつて、
ストツパー片１１の揺動範囲を規制するものであ
り、２１は駆動アーム１２に垂設された規制ピン
であつて、ストツパー片１１の側面に当接して該
駆動アーム１２とストツパー片１１の重なり程度
を規制するものである。

上記構成において、その作動を第４図に基づい
て説明すると、安全ドア１６が閉じられた状態で
は、第４図Ａに示すように、駆動アーム１２のロ
ーラ１５はカム１７の下部カム面１８ａの位置に
あるので、駆動アーム１２とストツパー片１１は
図の垂直状態にあり、ストツパーバー通過孔４は
開放されていて、型閉じが可能であつて、通常の
射出作業が行われる。

次に、第４図Ｂに示すように、型開き状態で安
全ドア１６を矢印のように左方に開くと、ローラ
１５が、安全ドア１６に連動するカム１７の下部
カム面１８ａから傾斜カム面１８ｂを経て上部カ
ム面１８ｃに乗り上げるので、駆動アーム１２が
軸１０を中心にして揺動する。該駆動アーム１２
はバネ１３によつてストツパー片１１と連結して
いるので、ストツパー片１１も揺動して、前記通
過孔４閉塞しストツパーバー２の進入通過が阻止
されて、型閉じが行われることがなくなる。

ところで、金型の保守点検作業に際して、金型
を型閉じした状態で該作業を行う場合には、第４
図Ｃに示すように、予め金型を型閉じしてストツ
パーバー２が通過孔４内に挿入された状態にして
おいて、安全ドア１６を左方に開く。このとき、
ローラ１５がカム１７の上部カム面１８ｃに乗り
上げて駆動アーム１２が揺動することは、上記第
４図Ｂの場合と同様であるが、ストツパー片１１
はストツパーバー２によつてその揺動が阻止され
る。しかしながら、ストツパー片１１と駆動アー
ム１２はバネ１３によつて連結されているので、
該バネ１３が伸びて前記駆動アーム１２の揺動に
支障はない。かくして、型閉じ状態においても安
全ドア１６を開くことができる。なお、この状態
で、何等かの理由によつて金型が開いたとして
も、ストツパーバー２が通過孔４から抜けて、ス
トツパー片１１がバネ１３の引張力によつて揺動
して通過孔４を直ちに閉塞するので、以後型閉じ
されることがない。

上記のように、この発明によれば、安全ドアの
開閉に連動するストツパーによつて、ストツパー
バー通過孔を閉塞してストツパーバーの通過を阻
止することによつて型閉じを阻止する安全装置に
おいて、前記ストツパーを、共通軸によつてフレ
ームに枢着されたストツパー片と駆動アームとよ
り構成し、これらを引張バネによつて連結すると
共に、駆動アームには安全ドアに連動するカムに
係合追随するローラを設けたことにより、安全ド
アを開くと、カムによつて駆動アームが揺動し、
これによつてストツパー片も揺動してストツパー
バー通過孔が閉塞され、ストツパーバーの通過が
阻止されて、安全ドア開成時に型閉じされること
がないばかりではなく、型閉じされた状態でも、
ストツパー片の揺動は下降しているストツパーバ
ーによつて阻止されるが、駆動アームとストツパ
ー片を連結しているバネが伸びて駆動アームの揺
動が行われて、安全ドアを開成できるので、通常
の安全確保作用に加えて、型閉じ状態での保守点
検作業のためのドア開成が可能になるという優れ
た効果が奏される。

その上、型閉じ状態で安全ドアを開いて保守点
検作業を行う場合でも、何等かの理由で金型が開
いたときには、バネの作用でストツパー片が揺動
してストツパーバー通過孔を直ちに閉塞するの
で、それ以後の型閉じが防止されて作業者の安全
が確保されるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す側面図、第２図以下はこ
の発明の実施例を示すものであり、第２図は部分
平面図、第３図は側断面図、第４図Ａ，Ｂ，Ｃは
作動説明図である。 １……可動型板、２……ストツパーバー、３…
…フレーム、４……ストツパーバー通過孔、５…
…ストツパー、１０……軸、１１……ストツパー
片、１２……駆動アーム、１３……引張バネ、１
５……ローラ、１６……安全ドア、１７……カ
ム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 可動型板１に取付けられたストツパーバー２
   と、フレーム３に穿設されたストツパーバー通過
   孔４と、該通過孔を開閉するストツパー５とから
   成る金型装置における安全装置において、前記ス
   トツパー５は、フレーム３に対して共通の軸１０
   によつて互いに枢着されると共に、引張バネ１３
   によつて連結されたストツパー片１１と駆動アー
   ム１２とから成り、前記駆動アーム１２には、安
   全ドア１６に連動するカム１７に追随するローラ
   １５が取付けられていて、該カム１７によつて揺
   動し、前記ストツパー片１１は該駆動アーム１２
   の揺動により前記バネ１３を介して揺動し、上記
   通過孔４を開閉することを特徴とする金型装置に
   おける安全装置。