JPS5924491Y2 - 射出成形機の安全扉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は金型の開閉部分に設けられた射出成形機の安
全扉に関するものである。

金型の開閉に伴う危険から作業員を保護するために、金
型の開閉部分に安全扉を設けることが義務付けられてい
る。

この安全扉は型締装置のスイッチを作動する部材をも兼
ね、安全扉を正しく閉めない限り、型締装置が作動しな
いように一応は設計されているが、型締装置のスイッチ
を手動で操作すれば、安全扉が開いていても型締を行う
ことができる。

そのため安全扉が設けてあっても、その開閉の煩しさか
ら安全扉を開放したままで型締を行う作業員が居り、そ
れが原因で金型に指や手を挾まれる故障が起きている。

この考案は安全扉を開放した状態では、たとえ型締装置
が始動しても、上型受板が下降せず、またその上型受板
が所定の位置まで上昇しない限り、安全扉を開放するこ
とができないように装置を構成して、上記従来の欠点を
排除しようとしたものである。

以下この考案を図示の例により詳説する。

図中１は機台、２は機台上に佇設した固定部材で、油圧
駆動の型締シリンダ３が下向きに取付けである。

この型締ミシリンダ３のプランジャ４の先端には、上型
５を固着する上型受板６が連結してあり、かつ型受板６
の直下に下型７の下型受板８が機台上面を水平方向に移
動自在に配設しである。

上記固定板２の操作側となる前面部の中央下側には、安
全扉１０の支軸９を回動自在に架設した軸受１２が取付
けてあり、また上記上型受板６の操作側となる前面部の
中央に係止部材１１が突設しである。

１３は上型受板６の案内棒で、上記固定板２に貫挿して
上型受板６の端部に垂直に設けてあり、また上記支軸９
の端部と交差位置させである。

この支軸９の交差部分には、先端が案内棒１３と接する
開扉防止用の偏心板１４が、先端を上向きにして設けて
あり、また支軸９の上記係止部材１１の上部に当る部分
には、型開時に係止部材の彎曲凹所に嵌り込むカム状の
突起１５ ａを外側に一体形成したストッパー１５が止
着しである。

このストッパー１５の下側には、上型５と上型受板６の
前面部を覆う安全扉１０が垂直に取付けである。

１６は支軸９に止着した作動用カムで、支軸９と共に回
動して固定部材２側に設けた安全スイッチ１７を操作す
る。

なお、安全スイッチ１７と、作動用カム１６は、支軸９
以外の位置に設けて、安全扉１０の開閉に同調させるこ
とができるので、特に支軸９に関連させて設けなくとも
よい。

次に上記実施例の作用について説明する。

第２図実線に示すように、安全扉１０が閉じているとき
には、ストッパー１５の突起１５ ａは外側にあること
から、上型受板６の前面部に係止部材１１が突出してい
ても、ストッパー１５によって、上型受板６の上方移動
、即ち型開が妨害されるようなことがなく、型の開閉を
自由に行うことができる。

また型閉状態にあるときには、第３図に示すように、上
記案内棒１３に偏心板１４が接近しており、安全扉１０
を開放するために手前に引くと、案内棒１３に偏心板１
４が当って、安全扉１０の開放を止める。

このため型閉時には安全扉１０を開放することができな
い。

このような作用は型の開閉動作中にも生ずる。

しかし上型受板６が上方に移動して、型開きが完全に行
われたときには、案内棒１３は偏心板１４よりも上方に
口位置するようになるため、偏心板１４は案内棒１３に
当るようなことがなく、また上型受板６の係止部材１１
も、ストッパー１５より上方に位置するので、偏心板１
４及びストッパー１５は何物にも妨害されずに、支軸９
及び安全扉１０と共に反時計方向に回動することになり
、その結果、安全扉１０を固定板２の所まで開放するこ
とができる。

また第２図鎖線に示すように、安全扉１０が開放された
ときには、外側にあったストッパー１５の突起１５ ａ
が、内側に位置を変えて、上型受板６の係止部材１１の
下側に入り込む。

このため、安全扉１０が開いている時に、何等かの理由
によって上型受板６が下方へ移動するようなことがあっ
ても、その移動は係止部材１１と上記突起１５ ａとの
係合によって阻止され、上型受板６はストッパー１５に
より受は止められて、その位置より更に下方へ移動する
ようなことがない。

この考案は上述のように、機台１上に設けた固定板２の
下側に上型受板６を昇降自在に設け、機台１側の下型受
板８との間にて型開閉を行う射出成形機において、上記
上型受板６の前面部に係止部材１１を突設するとともに
、上記固定板２の前面下側に支軸９を架設した軸受１２
を取付け、その支軸９に上型受板６の端部上に垂直に設
けた案内棒１３と接する偏心板１４と、型開状態にて上
記係止部材１１の下側に入り込む突起１５ ａを一体に
有するストッパー１５とを止着し、該ストッパー１５に
上型５と上型受板６の前面部を覆う安全扉１０を取付け
てなるものであるから、安全扉を開いているときには、
誤ってスイッチが作動してもストッパーにより上型受板
の降下が阻止されるので、安心して金型の清掃や不良品
の除去を行うことができる。

また上型受板が所定の位置まで上昇しなければ、偏心板
が案内棒に当るため、成形中は勿論のこと、型開きや開
閉め途中における安全扉の開放を防止することができる
。

したがって安全扉の開放は常に一定時のみ限定され、安
全性を無視した作業は絶対に行うことができないから、
型締時における作業員の事故は皆無となる。

また構造も上型受板側に案内棒と係止部材とを設け、固
定板側の支軸に開扉を防止する偏心板と安全扉を有する
ストッパーとを取付けるだけであるからきわめて簡単で
あり、しかも安全扉の開閉によってそれら各部が同時に
動作するので、開扉と作動との間に時間的なずれもない
などの特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る射出成形機の安全扉装置を例示す
るもので、第１図は正面図、第２図は第１図ＩＩ−ＩＩ
線断面図、第３図は側面図、第４図は開扉時の第１図と
同じ正面図である。 １・・・・・・機台、２・・・・・・固定板、３・・・
・・・型締シリンダー、５・・・・・・上型、６・・・
・・・上型受板、９・・・・・・支軸、１０・・・・・
・安全扉、１１・・・・・・係止部材、１２・・・・・
・軸受、１３・・・・・・案内棒、１４・・・・・・偏
心板、１５・・・・・・ストッパー１５ａ・・・・・・
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台上に設けた固定板の下側に上型受板を昇降自在に設
   け、機台側の下型受板との間にて型開閉を行う射出成形
   機において、上記固定板の前面部下側に設けた軸受に支
   軸を回動自在に架設し、上型受板の前面部に彎曲凹所を
   下側面に有する係止部材を突設するとともに、上記固定
   板に貫挿した垂直な案内棒を上型受板の端部に設けて、
   該案内棒と上記支軸とを交差させ、その支軸の交差部分
   に、先端が案内棒と接する開扉防止用の偏心板を設ける
   とともに、支軸の上記係止部材の上部に当る部分に、型
   開時に係止部材の彎曲凹所に嵌り込むカム状の突起を外
   側に一体形成したストッパーを止着し、そのストッパー
   に上型と上型受板の前面部を覆う安全扉を取付けてなる
   射出成形機の安全扉装置。