JPH0438216B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、合成樹脂の成形に用いる射出成形機
のうち、可動盤が上方から下方に向かつて移動し
て型閉じを行うタイプの竪型射出成形機の型締安
全装置に関する。

（従来の技術およびその問題点） 横型の射出成形機にあつては一般に実公昭51−
29299号に開示されているような機械式型締安全
装置が設けられている。

この機械式型締安全装置では、水平方向に移動
する可動盤にタイバーと平行にロツクロツドを設
け、このロツクロツドに環状溝を設け、安全ドア
を開けた際に上記環状溝に係合するロツクプレー
トを鉛直面内で自重により回動自在に設けて、安
全ドアを開いた状態での電気、油圧装置の故障に
よる型締動作からの危険を防止している。

しかし上記の機械式型締安全装置を、上方から
下方に向つて型締めするタイプの竪型成形機に応
用しようとしても、安全ドアの開閉動作に連繋さ
せてロツクプレートを水平面内で揺動させ、上下
方向に設けたロツクロツドに対してロツクプレー
トを確実に係合、あるいは解除するように構成す
ることは容易でなく、安全ドア開放時にロツクプ
レートによるロツクが不完全になるおそれがあ
る。

そこでこの種の竪型成形機ではその型締安全装
置として、第６図に示すように、ダルマ穴１０を
有するロツクプレート１２を、エアーシリンダ、
油圧シリンダ等のロツクシリンダ１４により進退
させて、ダルマ穴の大径部分によりロツクロツド
１６を通過させ、小径部分によりロツクを行うよ
うにしている。この際型締信号によりロツクロツ
ド１６のロツクを解除し、型開完了信号によりロ
ツクするようロツクシリンダ１４を付勢するよう
にしていた。

しかしこれではロツクシリンダ１４の動作が安
全ドアの動作と関連がなく、安全ドアを開放して
内方で作業を行つているとき、何らかの原因によ
りロツクシリンダ１４の制御回路が故障してロツ
クプレート１２によるロツクが解除され、さらに
型締ラム１７のピストン部に少しでも油洩れが生
じると可動盤１８が落下するおそれがあり、機械
式安全装置としては不完全なものであつた。

そこで本発明は上記問題点を解消すべくなされ
たものであり、その目的とするところは、安全ド
ア開放時の可動盤の落下を確実に防止でき、安全
性の向上が図れる竪型成形機の型締安全装置を提
供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的による本発明では、可動盤が移動し
て、上方から下方に向かつて型閉じする竪型射出
成形機において、 可動盤にその移動方向と平行に立設されたロツ
クロツドと、 機台側に穿設され、型開閉により移動する前記
ロツクロツドの挿通を許容する挿通孔と、 機台側に上記挿通孔に対して進退自在に設けら
れ、進退によりロツクロツドの下方への移動を選
択的にロツクするロツクプレートと、 該ロツクプレートを進退させ、型開閉時にはロ
ツクプレートによる前記ロツクロツドのロツクを
解除し、型開終了時にはロツクプレートによりロ
ツクロツドをロツクするロツクシリンダと、 前記ロツクプレート付近の機台側に鉛直面内で
回動可能に軸支され、安全ドアの開閉に連動して
回動し、安全ドアの閉鎖時には前記ロツクシリン
ダによるロツクプレートの前記ロツクロツドに対
するロツク解除方向への移動を自在とし、安全ド
ア開放時には前記ロツクシリンダによるロツクプ
レートの前記ロツクロツドに対するロツク解除方
向への移動を機械的に阻止してロツクロツドのロ
ツク状態を保持するストツパ板を備えたことを特
徴とする。

（作用） 本発明では、安全ドア閉鎖時にはロツクプレー
トが移動自在となるので信号によりロツクロツド
のロツクおよび解除が自在に行え、ロツク解除時
に型開閉が行われる。型開終了時には信号により
ロツクプレートがロツクロツドのロツク方向に移
動する。そして、安全ドアが開放されるとストツ
パ板により、ロツクロツドをロツクしている状態
のロツクプレートのロツク解除方向への移動を機
械的に阻止する。したがつてロツクロツドはロツ
クプレートとストツパ板により言わば２重にロツ
クされるのであり、成形機内で作業を行つている
際に、電気、油圧装置が故障し、さらにロツクシ
リンダが故障しても、ロツクプレートのロツク解
除方向への移動がストツパ板によつて確実に阻止
されているのでロツクロツドのロツク状態が保持
され、可動盤が下降することはない。

（実施例） 以下では本発明の好適な一実施例を添付図面に
基づいて詳細に説明する。

図において２０は可動盤であり、下面に可動型
２１が装着され、機台２２に対向する上面に設け
られた固定型２３に対し、機台２２上部に設けら
れた型締シリンダ２４内に内挿された型締ラム２
５の昇降により型開閉する。

２６は射出装置である。

上記可動盤２０が昇降する基台２２の前面側に
は安全ドア２７が横方向に開閉自在に設けられて
いる。２８はドア枠である。

可動盤２０上面には外周に複数の環状溝２９を
有するロツクロツド３０が位置調整自在に立設さ
れ、該ロツクロツド３０は、型締シリンダ２４下
端の支持盤３１に設けた挿通孔３２を挿通してい
る。

支持盤３１上面にはロツクシリンダ３３が固定
され、そのロツド３４端にはロツクプレート３５
が固定されている。ロツクプレート３５には第４
図および第５図に明らかなようにダルマ穴３６が
設けられており、ダルマ穴３６の大径部３６ａは
上記挿通孔３２とほぼ同径に設けられ、一方小径
部３６ｂはロツクロツド３０の環状溝部の径とほ
ぼ同径に設けられている。

ロツクプレート３５は、内蔵されたスプリング
３７の付勢力に抗してロツクシリンダ３３が付勢
されることにより、大径部３６ａが挿通孔３２に
一致してロツクロツド３０が自在に上下方向に挿
通可能な位置まで前進し、一方ロツクシリンダ３
３の付勢力が解除されることにより、スプリング
３７の付勢力によつて小径部３６ｂが環状溝２９
に係合してロツクロツド３０の上下動をロツクす
る位置まで後退可能になつている。

ロツクプレート３５の先端にはピン状の突片３
８が穿設されている。

ロツクプレート３５が後退した際の突片３８先
端に対応する支持盤３１上面には、ロツクプレー
ト３５の進退方向とは垂直な方向に凹溝４５（第
１図）が形成されている。

次に３９はストツパ板であり、上記凹溝４５を
跨いで設けた軸受４０に鉛直面内で回動自在に軸
支されている。ストツパ板３９は自重により下方
に回動した際上記凹溝４５内に下部が嵌入し、支
持盤３１上に出ている壁面が上記突片３８先端の
前方に対向位置する。

４１はカム板であり、安全ドア２７内面の所定
位置に突設されており、安全ドア２７閉鎖時に下
面に設けた斜面がストツパ板３９端部を上方から
押圧して押し下げることにより、凹溝４５内に位
置するストツパ板３９が上方に回動し、前記突片
３８の前方を解放する。

続いて動作について説明する。

成形開始時、安全ドア２７が閉じられており、
上述のようにストツパ板３９は上方に回動してい
るが、ロツクシリンダ３３が加圧されないのでス
プリング３７の付勢力によりロツクプレート３５
は後退して型開位置でロツクロツド３０に係合し
ている。

成形機コントローラ（図示せず）からの型締開
始信号によりロツクシリンダ３３が加圧され、ロ
ツクプレート３５が前進しロツクロツド３０のロ
ツクが解除される。

ロツクロツド３０のロツク解除が図示しないリ
ミツトスイツチ等により確認されるとバルブが作
動して型締ラム２５が降下して型締を行う。次い
で射出成形機２６から溶融樹脂が成形型内に射出
注入され、成形が行われる。成形完了後型締ラム
２５が上昇し、元の位置に戻る。

型開完了信号によりロツクシリンダ３３の加圧
が解かれ、ロツクプレート３５が後退してロツク
ロツド３０に係合する。ロツクプレート３５の後
退が確認されて成形サイクルが完了し、次の成形
に備える。

金型交換、インサート、成形品取出等の作業の
ため安全ドア２７を開けると、ストツパ板３９へ
のカム板４１の係合が外れ、ストツパ板３９は自
重によつて下方に回動して突片３８先端に対応す
る支持盤３１上に設けられている凹溝４５内に下
部が没入し、ロツクプレート３５の前進動を阻止
する。したがつてロツクロツド３０はロツクプレ
ート３５、さらにストツパ板３９により２重にロ
ツクされた状態となる。

これにより、電気、油圧回路の故障、あるいは
型締ラム２５ピストン部の油の洩れによつて可動
盤２０を下降させる力が生じ、さらにロツクシリ
ンダ３３が回路故障によりロツクプレート３５を
前進させるように付勢されても、突片３８がスト
ツパ板３９に当接してロツクプレート３５の移動
が阻止されるので可動盤２０が降下することがな
い。

すなわち、本発明では、型開状態のときには型
開信号によりロツクシリンダ３３の加圧が解除さ
れて、ロツクロツド３０がロツクプレート３５に
よつてロツクされ、そして安全ドア２７が解放さ
れた際にロツクプレート３５の移動をストツパ板
３９によつて機械的に阻止するので、ロツクロツ
ド３０のロツクが確実に行え、安全性が向上す
る。

なお、ロツクシリンダ３３は１方向加圧式のも
のでなく双方向加圧式のものであつてもよいし、
またロツクプレート３５前進時にロツクロツド３
０がロツクさる、後退時にロツクが解除されるよ
うにしてもよい。

上記実施例では、ロツクロツド３０、ロツクシ
リンダ３３、ロツクプレート３５、ストツパ板３
９等よりなる安全装置を、可動盤２０上面と支持
盤３１との間に設けたが、可動盤２０下面と固定
型２３側の機台２２との間に設けてもよい。

また、ロツクロツドに環状溝を設けず、単なる
ロツド状として可動盤下面に設け、板状のロツク
プレートにより固定型側機台に穿設された挿通穴
を開放、閉鎖してロツクロツドの挿通を許容、否
許容し、ストツパ板により、安全ドア開放時のロ
ツクプレートの挿通穴開放側への移動を阻止して
もよい。

本発明による機械式安全装置は、安全ドアと連
動するリミツトスイツチを有する電気式安全装
置、安全ドアと連動するストツプ弁による油圧式
安全装置の併用されるのがより好適である。

以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内でも
多くの改変を施し得るのはもちろんのことであ
る。

（発明の効果） 本発明では、型開終了時にロツクプレートによ
りロツクロツドのロツクが基本的に確保され、安
全が図られると同時に、危険性が増すドア開放時
にはさらにこのロツクプレートのロツクロツドに
対するロツク解除方向への移動をストツパ板によ
り機械的に阻止する２重のロツク機構としている
ので、ドアを開放して成形機内で作業を行つてい
る際に、電気、油圧装置等が故障し、さらにロツ
クシリンダが故障してもロツクプレートのロツク
解除方向への移動がストツパ板によつて確実に阻
止され、可動盤が下降することなく、２重の安全
が図られている。

【図面の簡単な説明】

第１図は竪型射出成形機の一部切欠正面図、第
２図はその一部切欠側面図、第３図は型締安全装
置を示す斜視図、第４図はロツクプレートによる
ロツクロツドのロツク解除状態を示す説明図、第
５図は同ロツク状態を示す説明図である。第６図
は従来の型締安全装置を備えた竪型射出成形機の
側面図を示す。 ２０……可動盤、２２……機台、２４……型締
シリンダ、２５……型締ラム、２６……射出装
置、２７……安全ドア、２９……環状溝、３０…
…ロツクロツド、３２……挿通孔、３３……ロツ
クシリンダ、３５……ロツクプレート、３６……
ダルマ穴、３８……突片、３９……ストツパ板、
４１……カム板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可動盤が移動して、上方から下方に向かつて
   型閉じする竪型射出成形機において、 可動盤にその移動方向と平行に立設されたロツ
   クロツドと、 機台側に穿設され、型開閉により移動する前記
   ロツクロツドの挿通を許容する挿通孔と、 機台側に上記挿通孔に対して進退自在に設けら
   れ、進退によりロツクロツドの下方への移動を選
   択的にロツクするロツクプレートと、 該ロツクプレートを進退させ、型開閉時にはロ
   ツクプレートによる前記ロツクロツドのロツクを
   解除し、型開終了時にはロツクプレートによりロ
   ツクロツドをロツクするロツクシリンダと、 前記ロツクプレート付近の機台側に鉛直面内で
   回動可能に軸支され、安全ドアの開閉に連動して
   回動し、安全ドアの閉鎖時には前記ロツクシリン
   ダによるロツクプレートの前記ロツクロツドに対
   するロツク解除方向への移動を自在とし、安全ド
   ア開放時には前記ロツクシリンダによるロツクプ
   レートの前記ロツクロツドに対するロツク解除方
   向への移動を機械的に阻止してロツクロツドのロ
   ツク状態を保持するストツパ板を備えたことを特
   徴とする竪型射出成形機の型締安全装置。