JPH0439352B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野および目的〕 この発明は、襟足も容易に刈ることができ、し
かも握り手に毛屑が付着せずして使い勝手を良好
にする電気バリカンに関する。

〔背景技術〕 一般に、電気バリカンは固定刃を本体ケースの
前部に対し一定角度のままの姿勢で装備してい
る。従つて、頭の襟足から頂部にかけて刈り上げ
るときは固定刃の下面が頭の形状に沿うよう本体
ケースの頭に対する当て角度を順次変えて行かな
ければならない。とくに襟足を刈るときは、頭の
頂部や中央付近を刈る場合と違つて本体ケースを
頭の上下方向に沿うよう極度に寝かせる格好で握
らなければならないため、非常に刈りにくかつ
た。

このため従来において、固定刃の本体ケースと
の角度を可変調整できるようにし、襟足を刈ると
きも本体ケースを頭の上下方向に沿うようあまり
寝かせることなく、頭に対し略直角にする握り易
い格好になるように固定刃の角度を変えるように
したものがある。

しかし、これで問題になるのは、固定刃これ自
体のみが本体ケースに対し回動可能とされている
点である。すなわち、固定刃これ自体のみを回動
可能とする場合は、本体ケースの前部を固定刃の
回動角度調整を許容する範囲内の大きさに開口し
なければならないことになり、その開口部から毛
屑が本体ケース内に侵入することになる。そのた
め、当該箇所において毛屑侵入防止手段を付加し
なければならない不利が生じる。しかも、襟足を
刈るにあたり固定刃の角度を前述の要領で変えた
場合、該固定刃の刃先が本体ケースの握り部のす
ぐ前端に近接して毛屑が本体ケースの前端から握
り部の上にすぐに堆積するため、握り手に毛屑が
付着し使用者に不快感を与える。従つて頻繁にバ
リカンを頭部から一旦離して毛屑を握り手から振
り除かねばならず、その手数を煩わしくしてい
た。

〔発明の目的および概要〕

この発明は、かかる事実に着目して、本体ケー
スが握り部ケースと、固定刃およびこれの上面に
摺動する可動刃を備えた頭部ケースとからなり、
握り部ケースと頭部ケースとは、頭部ケースが握
り部ケースと略一直線状になる基本姿勢と上向き
に傾斜する姿勢とにわたつて支軸まわりに相対的
に回動可能に枢支連結されている電気バリカンで
あつて、上記頭部ケースは上記基本姿勢におい
て、上面が握り部ケースの上面と略平行な平坦面
状に形成されるとともに、下面の少なくとも前方
側は、上面側に向けて傾斜する傾斜面状に形成さ
れ、この頭部ケースの上面と傾斜状下面とが交差
する前端部分に、固定刃および可動刃の刃先を配
置することにより、襟足等を刈る場合においても
無理な格好で握ることなく、所望の握りの状態で
容易に刈ることができ、また、刈り取つた毛屑が
握り手に付着することなく、簡単に排棄処理でき
るようにすることを目的とする。次に、その詳細
を図面に基づき説明する。

〔実施例〕

図面は本発明に係る電気バリカンを例示してお
り、これの本体ケース１は前後方向に長い長箱状
の握り部ケース１ａと、固定刃２および可動刃３
を備えた頭部ケース１ｂとからなる。握り部ケー
ス１ａと頭部ケース１ｂとは、頭部ケース１ｂが
握り部ケース１ａの前方に略一直線状になる基本
姿勢（第４図参照）と、上向き姿勢（第５図参
照）とにわたつて首振り可能となるように、支軸
４まわりに相互に回動可能に枢支連結される。頭
部ケース１ｂの上面５は、上記基本姿勢の状態に
おいて、握り部ケース１ａの上面と略平行な平坦
面状に形成されており、また、その前部５ａより
も後部５ｂを一段高く隆起形成して、前後部５
ａ，５ｂ間の毛屑受け段部５ｃでもつて前部５ａ
の上に溜る毛屑が後部５ｂの方へ移つて行きにく
くしてある。さらにまた、頭部ケース１ｂの下面
は、その前方側が上面側へ向けて傾斜する傾斜面
状に形成されており、この傾斜状下面と上記上面
５とが交差する頭部ケース１ｂの前端部分に、後
述する固定刃２および可動刃３の刃先が配置され
ている。なお上記頭部ケース１ｂの下面は、実施
例のごとくその前方側を傾斜面とするだけでな
く、下面全体が上面へ向けて傾斜する傾斜面とし
てもよく、また、この傾斜面は外向き、もしくは
内向き円弧状をなした傾斜面であつてもよい。

第３図および第４図において、握り部ケース１
ａには可動刃駆動機構の動力源であるモータＭや
電池６などが内蔵される。そして頭部ケース１ｂ
の下面側には固定刃２および可動刃３を有する刃
ユニツト７が着脱可能に組み付けられる。刃ユニ
ツト７は、断面コ字形のユニツト台８の内部に櫛
形の固定刃２をこれの刃先が前方に突出するよう
固着してあり、同じく櫛形の可動刃３がユニツト
台８にばね軸９を介して取り付けたばね１０にて
固定刃２の上面に押圧付勢されている。頭部ケー
ス１ｂの内部には振動子１１を装備し、該振動子
１１の前端に一体形成した振動レバー１２を前方
へ突出させて前記可動刃３の上面側に固着した受
動ピース１３に係脱可能に係合する。また振動子
１１の後端面に形成された上下方向に長い凹溝１
４に前記モータＭの軸上に固着した偏心ピン１５
を係合する。

しかるときは、モータＭの駆動で振動子１１を
偏心ピン１５を介して左右に往復振動させると、
これと一体の振動レバー１２が同方向に往復振動
して可動刃３が固定刃２の上面を左右方向に往復
摺動する。襟足を刈る場合は頭部ケース１ｂを上
向き姿勢に変向し、上記頭部ケース１ｂの傾斜状
下面を襟首に当てがつた状態で刈り操作を行なう
が、この上向き姿勢により固定刃２の握り部ケー
ス１ａに対する角度αが頭部ケース１ｂが一直線
状の基本姿勢にあるときよりも小さくなるため、
それだけ握り部ケース１ａを頭に対し上下方向に
寝かせることなく略直角な握り易い姿勢で襟足を
刈ることができる。また、頭部ケース１ｂを上向
き姿勢にした使用状態では頭部ケース１ｂの上面
５に対し握り部ケース１ａの上面が上り傾斜状態
となるため、頭部ケース１ｂの上面５に毛屑が堆
積してもこの毛屑は握り部ケース１ａの前端上面
に当たつてこの左右両側方へ自動的に滑り落ちて
行き、握り部ケース１ａの上に移動することがな
く、毛屑の払い除き操作の回数も可及的に少なく
することができる。すなわち、上向き姿勢時に、
握り部ケース１ａ上面と頭部ケース１ｂ上面５の
平坦面とで形成される上記角度αが、刈り取つた
毛屑を握り手側に移動させることなく滞留させる
ための毛屑溜め部として作用し、刃先にて刈り取
られた毛屑はこれと連続するこの毛屑溜め部に押
しやられて滞留し、毛屑がある程度溜まれば本体
を逆さにしてふり払えば、容易に毛屑を排棄除去
することができる訳である。さらに頭部ケース１
ｂの上向き姿勢によつて頭部ケース１ｂの上面後
端部で頭部ケース１ｂと握り部ケース１ａとの枢
着部分の上方を覆うことができるため、該枢着部
分への毛屑の侵入を少なくすることができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の電気バリカンに
よれば、本体ケース１が握り部ケース１ａと、固
定刃２およびこれの上面に摺動する可動刃３を備
えた頭部ケース１ｂとからなり、握り部ケース１
ａと頭部ケース１ｂとは、頭部ケース１ｂが握り
部ケース１ａと略一直線状になる基本姿勢と上向
きに傾斜する姿勢とにわたつて支軸４まわりに相
対的に回動可能に枢支連結されている電気バリカ
ンであつて、上記頭部ケース１ｂは上記基本姿勢
において、上面が握り部ケース１ａの上面と略平
行な平坦面状に形成されるとともに、下面の少な
くとも前方側は、上面側に向けて傾斜する傾斜面
状に形成され、この頭部ケース１ｂの上面と傾斜
状下面とが交差する前端部分に、固定刃２および
可動刃３の刃先を配置したので、襟足も無理な握
り姿勢をとることなく容易に刈ることができるば
かりか、本体ケース１内への毛屑侵入を防止で
き、しかも握り手への毛屑付着の防止を図れると
ともに、本体上に毛屑を積極的に滞留保持させ易
すくし、毛屑を飛び散らせることなく、かつ払い
除き操作の回数も少なくし、容易に排棄除去でき
て使い勝手を良くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る電気バリカンを例示する
斜視図、第２図は側面図、第３図は内部の要部平
面図、第４図は内部の要部側面図、第５図は頭部
ケースを上向き姿勢にした状態の側面図である。 １……本体ケース、１ａ……握り部ケース、１
ｂ……頭部ケース、２……固定刃、３……可動
刃、４……支軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体ケース１が握り部ケース１ａと、固定刃
   ２およびこれの上面に摺動する可動刃３を備えた
   頭部ケース１ｂとからなり、握り部ケース１ａと
   頭部ケース１ｂとは、頭部ケース１ｂが握り部ケ
   ース１ａと略一直線状になる基本姿勢と上向きに
   傾斜する姿勢とにわたつて支軸４まわりに相対的
   に回動可能に枢支連結されている電気バリカンで
   あつて、上記頭部ケース１ｂは上記基本姿勢にお
   いて、上面が握り部ケース１ａの上面と略平行な
   平坦面状に形成されるとともに、下面の少なくと
   も前方側は、上面側に向けて傾斜する傾斜面状に
   形成され、この頭部ケース１ｂの上面と傾斜状下
   面とが交差する前端部分に、固定刃２および可動
   刃３の刃先を配置したことを特徴とする電気バリ
   カン。