JPH0217554Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は電動バリカンに係り、特に刃ユニツト
を収容した頭部と、その頭部と連続して設けられ
た握り部とを備えた電動バリカンに関するもので
ある。

［従来技術］ 電動バリカンは通常、固定刃ならびに可動刃な
どの刃ユニツトを装着、収容した頭部と、その頭
部と連続して設けられた握り部とを備えている。

この電動バリカンにおいて、刈り取り効率を上
げ、しかも刈り取り部分をラツプさせてトラ刈り
の発生を防止するために、前記頭部の幅（刈り取
り幅）は、比較的広く設計されている。そして従
来の電動バリカンは、この頭部とほぼ同一の幅で
握り部が延設されて、通常、握り部の断面形状が
扁平型の長方形をしている。

しかも、すき刈り板が設けられている側の握り
部の平面にスイツチ操作端が配置されている。

［考案が解決しようとする課題］ このように従来の電動バリカンは、握り部が頭
部とほぼ同じ幅広になつているため握り難く、特
に手が比較的小さく不慣れな婦女子が使用する場
合、握り難いために自由に取り扱うことができ
ず、使用中に落とし電動バリカンの一部を破損し
てしまうこともある。

また刈り取り時に毛屑が握り部の上側平面を伝
わつてバリカンを握つている手の方に滑り落ち、
そのために手の甲の上まで毛屑が溜つたり手に毛
屑が付いたりして、使用者に不快な感じを与えて
いた。

また、この時に、毛屑がスイツチ操作端の凹部
や隙間に入り込んで、使用後の掃除が面倒であつ
た。

さらに、電動バリカンを例えばテーブルなどの
上に置いておき、それを取り上げるときに、握り
部の下面がテーブル上面に当接して指先が入る隙
間がないため、握り難いなどの欠点を有してい
る。

本考案の目的は、このような従来技術の欠点を
解消し、取扱い性の良好な電動バリカンを提供す
るにある。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために、本考案は、刃ユニ
ツトを装着した頭部の後側中央部に、刈り取り進
行方向と同一方向に稜線が位置する断面形状がほ
ぼ三角形の握り部を連設し、この握り部の刈り取
り進行方向と直交する方向の幅を前記頭部の刈り
取り進行方向と直交する方向の幅よりも短くし
て、握り部の頭部連結部分両側に毛屑落下用の段
差を形成したことを特徴とする。

［作用］ 前述のように、握り部の幅を刃ユニツトを装着
した頭部の幅よりも狭くすることにより、非常に
握りやすくなり、不慣れな婦女子でも容易に且つ
確実に取り扱うことができ、従来のように電動バ
リカンを不意に落下させて損傷を生じるようなこ
とはない。

また、握り部の頭部連結部分の両側に毛屑落下
用の段差を形成し、しかも握り部の断面形状をほ
ぼ三角形にすることにより、毛屑が握手の前方で
落下して毛屑の付着が解消されたり、あるいは電
動バリカンの取り上げが容易で、しかも握手との
なじみが良好であるなどの利点を有する。

［実施例］ 次に本考案の実施例を図とともに説明する。

第１図および第２図は、第１実施例を説明する
ための電動バリカンの斜視図ならびに背面図であ
る。

本体ケース１と、それの前部に回動可能に設け
られたヘツドケース２（頭部）とは、ともに合成
樹脂で成形されている。図示していないが本体ケ
ース１には、電池、モータならびに回転一往復動
変換機構などが収納されている。また、ヘツドケ
ース２には、固定刃、可動刃ならびにすき刈り板
などの刃ユニツトが収納されている。この刃ユニ
ツトの機構は周知であるのでそれらの説明は省略
する。このヘツドケース２は、刈り取り効率を高
めるとともに、刈り取りのラツプ幅を広げてトラ
刈りの発生を抑制するために、幅ａを有する幅広
になつている。

前記本体ケース１は刈り取り進行方向ｃに向け
て延びており、その大部分はヘツドケース２より
も幅が狭く（幅ｂ）細長い握り部３となつてお
り、握り部３の断面形状はむすび形のようにほぼ
三角形をしている。この実施例の場合、握り部３
の上稜線４が、すき刈り板が設けられている側の
中央に位置するように構成されている。５はスイ
ツチ操作端で、握り部３の上稜線４を跨ぐように
くの字状をしており、握り部３の長手方向に沿つ
て摺動可能に設けられている。

前述のようにヘツドケース２の幅ａと本体ケー
ス１の幅ｂとの寸法の差により、第１図に示すよ
うに本体ケース１の頭部と連結される付け根部に
は両側には、毛屑落下用の段差１４が形成されて
いる。

第３図は、本考案の第２実施例を説明するため
の図である。この実施例で前記第１実施例と相違
する点は、握り部３の上稜線４を跨ぐスイツチ操
作端５が両方の下稜線６，６まで延びている点で
ある。このようにすれば、握り部３に対するスイ
ツチ操作端５の装着が確実である。

第４図は、本考案の第３実施例を説明するため
の図である。この実施例で前記第１実施例と相違
する点は、握り部３の上稜線４ならびに下稜線
６，６に跨がつてそれのほぼ全長にゴムや軟質塩
化ビニルなどからなる軟質シート７が貼着または
一体成形されていることと、スイツチ操作端５が
握り部３の傾斜面あるいは下面（実施例では例斜
面）に取り付けられている点である。

この実施例のように握り部３の各稜線４，６，
６を跨ぐように軟質シート７を貼着すれば、握り
部３を手で握つた時の感触が良いとともに、非常
に持ち易いという特長を有している。

これら第１実施例ないし第３実施例のように、
握り部３の上稜線４がすき刈り板が設けられてい
る側に位置するように構成されておれば、刈り取
り時に毛屑の一部がヘツドケース２の上面を伝わ
つて滑つて来ても、握り部３の先端部における上
稜線４のところで直ちに二方向に分けられ、傾斜
面を伝わつて下方へ落下する。そのため従来のよ
うに握つている手の甲の上まで毛屑が溜つたり、
手に毛屑が付いたり、またスイツチ操作端の凹部
や隙間に毛屑が入り込んだりすることが解消され
る。

さらにこれらの実施例の場合には、握り部３の
底面が電動バリカンを置く例えばテーブルなどの
上面に当接するから、電動バリカンががたつくこ
となく安定性が良い。

第５図ないし第７図は、本考案の第４実施例を
説明するための図である。この実施例で前記第１
実施例と相違する主な点は、握り部３の向きが反
対であるという点である。したがつて第７図に示
すように例えばテーブル８上に置いた電動バリカ
ンを取り上げるときに、指先９が握り部３の下方
まで回り込み、握り部３を容易につかむことがで
きる。また、握り部３のテーブル８などとの接触
面積が少ないため握り部３が傷つきにくいととも
に、スイツチ操作端５が握り部３の上側平面部１
０の下方に配置されているから、刈り取り時にお
けるスイツチ操作端５への毛屑の進入が軽減でき
る。

さらに握り部３の上側平面部１０は第５図およ
び第６図に示すように、本体ケースの握り部３の
先端部に設けられた幅広部１１の上面より若干上
方に突出しているとともに、上側平面部１０の先
端は先細り状になつている（第５図参照）。さら
に前記幅広部１１の両側後端縁１２は第６図に示
すように、上面から下面に向けて滑らかに傾斜し
ており、後端縁１２と先細り状になつた上側平面
部１０との間に毛屑の落下案内路１３（第５図参
照）が形成される。

このように上側平面部１０を一段高くして先端
を先細り状にし、幅広部１１の後端縁１２を傾斜
して落下案内路１３を形成すれば、すき刈り板が
設けられる側に上側平面部１０があつても、刈り
取り時には毛屑が落下案内路１３に導かれて下方
へ落下するから、毛屑が手につくことがほとんど
ない。また、断面形状が三角形にすることによ
り、機械的強度も向上し握り部を強いものとする
ことができる。

［考案の効果］ 本考案は前述のように、握り部の幅を刃ユニツ
トを装着した頭部の幅よりも狭くすることによ
り、非常に握りやすくなり、不慣れな婦女子でも
容易に且つ確実に取り扱うことができ、従来のよ
うに電動バリカンを不意に落下させて損傷を生じ
るようなことはない。

また、握り部の頭部連結部分に毛屑落下用の段
差を形成し、しかも握り部の断面形状をほぼ三角
形にすることにより、毛屑が握手の前方で落下し
て毛屑の付着が解消されたり、あるいは電動バリ
カンの取り上げが容易で、しかも握手とのなじみ
が良好であるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図はすべて本考案の実施例に係る電動バリカン
を説明するためのもので、第１図は、第１実施例
に係る電動バリカンの斜視図、第２図は、その電
動バリカンの背面図、第３図および第４図は、第
２実施例ならびに第３実施例に係る電動バリカン
の背面図、第５図は、第４実施例に係る電動バリ
カンの斜視図、第６図ならびに第７図は、その電
動バリカンの側面図および背面図ある。 １……本体ケース、２……ヘツドケース、３…
…握り部、４，６……稜線、１１……幅広部、１
３……落下案内路、１４……毛屑落下用段差、ａ
……ヘツドケースの幅、ｂ……本体ケースの幅、
ｃ……刈り取り方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刃ユニツトを装着した頭部の後側中央部に、刈
   り取り進行方向と同一方向に稜線が位置する断面
   形状がほぼ三角形の握り部を連設し、この握り部
   の刈り取り進行方向と直交する方向の幅を前記頭
   部の刈り取り進行方向と直交する方向の幅よりも
   短くして、握り部の頭部連結部分両側に毛屑落下
   用の段差を形成したことを特徴とする電動バリカ
   ン。