JPH043889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車体に内蔵されるシートベルトのリ
トラクタ取付構造に関する。

（従来の技術） 従来の、車両シートベルトのリトラクタ取付構
造としては、例えば、第４図に示すようなものが
知られている。

このリトラクタ取付構造は、ドア０１のインナ
パネル０２の裏側にリトラクタ０３が固定され、
該リトラクタ０３にベルト出口０４が設けられ、
前記インナパネル０２を覆い、前記リトラクタ０
３の上方位置にベルト挿通用開口部０５が開設さ
れた内張り０６が設けられ、前記ベルト出口０４
から延びているシートベルト０７を車室内へ導く
ためのベルト挿通口０８が開口され、かつ、前記
ベルト挿通用開口部０５及び内張りのベルト挿通
用開口部０５の縁部０６１の内張り０６を覆つて
ベルト挿通用開口部０５部分に位置されるよう、
フイニツシヤ０９がインナパネル０２に取付けら
れたものであつた。

従つて、リトラクタ０３に巻取られたシートベ
ルト０７は、リトラクタ０３のベルト出口０４か
らフイニツシヤ０９のベルト挿通口０８を通つて
車室内へ導き出すことができるものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この従来のリトラクタ取付構造
は、ベルト出口０４と内張り０６との間隔が、部
品の寸法誤差や組付誤差等によつて一定でないた
めに、その間隔が狭くなり過ぎると内張り０６が
シートベルト０７に触れてシートベルト０７を痛
めたり、シートベルト０７の摺動抵抗が増えて、
巻取り不良や巻出し不良を引き起こすことがある
という問題点があつた。

また、内張り０６がベルト出口０４から十分に
離れている場合でも、第４図二点鎖線で示すよう
に内張り０６がフイニツシヤ０９によつてシート
ベルト０７側へ曲げられ、上述のような問題を起
こすことがあつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上述の問題点を解決することを目的
としてなされたもので、そのための手段として本
考案の車両シートベルトのリトラクタ取付構造
は、車体のインナパネルに、シートベルトを巻取
るリトラクタが固定され、該リトラクタには、シ
ートベルトを該リトラクタより外に導くベルト出
口が設けられ、前記インナパネルの車室内側に
は、前記インナパネル及び前記リトラクタを覆う
内張りが設けられ、該内張りには、シートベルト
を通すためのベルト挿通用開口部が前記リトラク
タの上方位置に開設され、前記ベルト挿通用開口
部及びその縁部を覆うと共に、前記ベルト出口か
ら延びている前記シートベルトを車室内へ導くた
めのベルト挿通口が開口されたフイニツシヤが、
インナパネルに取付けられている車両シートベル
トのリトラクタ取付構造において、前記フイニツ
シヤの少なくとも下部に、前記内張りのベルト挿
通用開口部の縁部を嵌め込む掛止部を設け、前記
ベルト出口の近傍と内張りとの間に、両者の間隔
を所定の間隔より狭めないように保たせる間隔保
持部材を設けたこととした。

（作用） 従つて、本考案の車両シートベルトのリトラク
タ取付構造では、内張りとインナパネルとの間隔
が狭く取付けられても、ベルト出口と内張りとの
間隔は間隔保持部材によつて所定の間隔より狭ま
らないように保たせることができる。

また、フイニツシヤの下部に掛止部を設けたた
めに、内張りのベルト挿通用開口部の縁部がフイ
ニツシヤで曲げられてシートベルトに当接したり
圧接したりすることがないようにできる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図に示
し、その構成を詳細に説明する。

２はリトラクタであつて、シートベルト４を巻
取るもので、このリトラクタ２は、ドア６後端の
インナパネル８の裏側に、ベースブラケツト１０
をネジ１２とボルト１４を締めて固定されてい
る。

尚、前記ボルト１４は、前記リトラクタ２をイ
ンナパネル８にしつかりと固定させるためのもの
で、前記ネジ１２はリトラクタ２が傾いて固定さ
れることがないよう位置決めさせるためのもので
ある。

また、前記インナパネル８はリトラクタ２の上
部でアウタパネル１６側に一端折曲されて段部１
８を形成して垂下されている。

２０はベルト出口であつて、前記リトラクタ２
に設けられたもので、前記シートベルト４をリト
ラクタ２より外に引き出すための口である。

２２は保護カバーであつて、前記シートベルト
４がベルト出口２０のエツヂに触れて傷ついた
り、切断したりすることがないようにするもの
で、この保護カバー２２は、樹脂によつて形成さ
れ、前記ベルト出口２０に嵌め込むと共に、上部
を前記ネジ１２で締めて設けられている。

尚、この保護カバー２２にはネジ１２の上下に
凸部２４，２４が形成され、前記シートベルト４
が金属のネジに触れて傷つかないようにしてい
る。

２６，２６は間隔保持部材とそての間隔保持突
起であつて、前記ベルト出口２０と後述の内張り
２８との間隔を少なくとも突起２６の高さだけ保
たせるもので、この間隔保持突起２６は、前記保
護カバー２２のベルト出口２０より微かに下の位
置に保護カバー２２と一体成形によつて設けられ
ている。

２８は内張りであつて、前記インナパネル８の
車室内側に設けられ、インナパネル８及びリトラ
クタ２を覆つて見映え良くするもので、この内張
り２８には、前記リトラクタ２の上方位置にシー
トベルト４を通すためのベルト挿通用開口部３０
が開設されている。

３２はフイニツシヤであつて、前記リトラクタ
２やインナパネル８やベルト挿通用開口部３０を
覆い隠すもので、このフイニツシヤ３２は、前記
インナパネル８にネジ３４，３４で固定され、か
つ、前記シートベルト４をベルト出口２０から車
室内へ導くためのベルト挿通口３６が開口され、
かつ、下部の左右２ケ所に前記内張り２８のベル
ト挿通用開口部３０の縁部２８１を嵌め込む掛止
部３８がフイニツシヤ３２に一体に内張りの厚さ
分の間隔を存して掛止片４０，４０を形成するこ
とで設けられている。

次に、実施例の作用を説明する。

インナパネル８の段差１８の寸法誤差等によつ
て、内張り２８とリトラクタ２のベルト出口２０
との間隔が狭くなり過ぎた場合において、保護カ
バー２２に間隔保持突起２６を形成させたため
に、内張り２８とベルト出口２０との間隔は間隔
保持突起２６の高さに保たれ、内張り２８がシー
トベルト４に当接や圧接することがないようにさ
せることができる。

また、内張り２８のベルト挿通用開口部縁３０
の縁部２８１が掛止部３８に嵌め込まれているた
めに、縁部２８１がシートベルト４の方向へ倒れ
込んでいて曲げられることがなくなり、シートベ
ルト４に当接や圧接することがないようにさせる
ことができる。

更に、前記のように間隔保持突起２６と掛止部
３８とが設けられているため、この間隔保持突起
２６と掛止部３８とにより、内張り２８のベルト
挿通用開口部３０の周囲即ち、ベルト挿通部の周
囲は、インナパネル８と内張り２８との間隔を所
定の間隔に保つことができ、シートベルト４はス
ムーズに動くことができる。

以上、本考案の実施例を図面により詳述してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計変更等があつても本考案に含まれる。

例えば、間隔保持部材として２個の間隔保持突
起２６，２６を設けたが、アーチ状に形成させる
等、突起には限られない。

また、間隔保持突起２６は、実施例では保護カ
バー２２に設けたが、他にベースブラケツト１０
に設けたり、掛止部３８を形成させるための掛止
片４０を下方に延設させた上で、該掛止片４０に
設ける等してもよい。

また、実施例ではリトラクタをドアの内部に設
けたが、センタピラー等他の車体インナパネルの
裏側に設けてもよい。

（考案の効果） 本考案の車両シートベルトのリトラクタ取付構
造によれば、内張りの取付誤差によつて内張りと
インナパネルとの間隔が狭くなつても、リトラク
タのベルト出口と内張りとの間隔を所定の間隔よ
り狭まらないように保たせることができるため、
内張りがシートベルトに当接や圧接してシートベ
ルトを傷つけたり、巻取り不良を起こしたりする
ことがないようにできる。

また、内張りのベルト挿通用開口部の縁部がフ
イニツシヤで曲げられてシートベルトに触れると
いつたことがないようにできるため、ベルト挿通
用開口部の縁部がシートベルトに当接や圧接して
シートベルトが傷つけられたり巻取り不良を起こ
したりすることがないようにできる。

さらに、上述の効果に加えて実施例では、間隔
保持部材をベルト出口の微かに下の保護カバーに
一体に設けたため、ベルト出口に対する間隔保持
部材の位置の組付誤差といつたことが生じない。

また、保護カバーのネジの上下に凸部を設けた
ために、シートベルトがネジに触れて傷つくこと
がないようにできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の車両シートベルトのリ
トラクタ取付構造を示す縦断面図、第２図は実施
例構造の要部を示す正面図、第３図は実施例構造
の要部を示す縦断面図、第４図は従来構造を示す
縦断面図である。 ２……リトラクタ、４……シートベルト、８…
…インナパネル、２０……ベルト出口、２６……
間隔保持突起（間隔保持部材）、２８……内張り、
３０……ベルト挿通用開口部、３２……フイニツ
シヤ、３６……ベルト挿通口、３８……掛止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体のインナパネルに、シートベルトを巻取る
   リトラクタが固定され、 該リトラクタには、シートベルトを該リトラク
   タより外に導くベルト出口が設けられ、 前記インナパネルの車室内側には、前記インナ
   パネル及び前記リトラクタを覆う内張りが設けら
   れ、 該内張りには、シートベルトを通すためのベル
   ト挿通用開口部が前記リトラクタの上方位置に開
   設され、 前記ベルト挿通用開口部及びその縁部を覆うと
   共に、前記ベルト出口から延びている前記シート
   ベルトを車室内へ導くためのベルト挿通口が開口
   されたフイニツシヤが、インナパネルに取付けら
   れている車両シートベルトのリトラクタ取付構造
   において、 前記フイニツシヤの少なくとも下部に、前記内
   張りのベルト挿通用開口部の縁部を嵌め込む掛止
   部を設け、 前記ベルト出口の近傍と内張りとの間に、両者
   の間隔を所定の間隔より狭まらないように保たせ
   る間隔保持部材を設けたことを特徴とする車両シ
   ートベルトのリトラクタ取付構造。