JPH0438187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は住宅用、業務用を問わず熱交換換気を
行なう場合で、特にダクト接続による換気に有効
に利用できる換気装置に関する。

従来の技術 従来の熱交換換気装置は第１図に示すように、
送風装置本体１０１内に熱交換器１０２を有し、
この本体に給気、排気各々のダクト１０３，１０
４を接続して熱交換換気ができるようになつてい
た。

考案が解決しようとする課題 この場合、本体１０１内に熱交換器１０２を有
するため構造が複雑となり、寸法および重量も大
きくなつて取付場所の制約を受けていた。また熱
交換率を変えずに送風量を増すには、送風用の羽
根と電動機および熱交換器１０２を大きくしなけ
ればならず、装置が大きなものとなつて取付工事
も困難となつていた。

本考案は上記課題を解決するもので、取付場所
の寸法および強度の制約を軽減し、また取付現場
で、現場に合わせた換気量に設定するために送風
装置の送風量を変えても、熱交換効率が下らない
ように現場で調節できるようにして、取付工事の
作業性を向上させるとともに、性能が困難性をと
もなわずに維持できる換気装置を提供することを
目的とする。

課題を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するために、送風用の
羽根および前記羽根を駆動する電動機を内蔵し、
内部に２つの空気室を区画形成し、両側には前記
各空気室に連通するアダプターを設けた送風装置
と、この送風装置のそれぞれのアダプターに接続
される給排気一体形の熱交換ダクトと、一方に排
気専用ダクトおよび給気専用ダクトを接続する接
続アダプターを有し、他方に前記熱交換ダクトに
接続されるアダプターを設けた分岐ダクトとを備
え、前記熱交換ダクトは、内部に長手方向に配設
され給気路と排気路を区画形成する熱交換板を有
するとともに、長さを切断調整できるように合成
樹脂よりなり、前記送風装置および分岐ダクトの
アダプターに前記熱交換板の端部が係合する係合
部を設けた熱交換ダクト付換気装置の構成とした
ものである。

作 用 本考案は上記した構成により、送風装置が室内
からの空気の排気と、室外からの空気の給気を同
時に行うと、この排気空気と給気空気は、熱交換
ダクトを対向して通過する際に熱交換板により熱
交換され、そしてこの熱交換ダクトは、所定の熱
交換効率を得るために送風量に応じて長さを設定
し、また室内あるいは室外近傍の配管を排気専用
および給気専用のダクトにするように分岐ダクト
を介して接続した熱交換ダクトを適切な長さに切
断し、その長さを調整できるものである。

実施例 以下、本考案の一実施例について、第２図〜第
５図を参照しながら説明する。

第２図に示すように、後述する送風装置１は、
両端に給気排気一体形の熱交換ダクト２を接続し
ている。それぞれの熱交換ダクト２には、分岐ダ
クト３の一端を接続してあり、分岐ダクト３の他
端は排気専用ダクトおよび給気専用ダクト５のそ
れぞれに接続されている。そして送風装置１の両
側方向に１組ずつ配設される排気専用ダクト４と
給気専用ダクト５のうち一方は屋外へ、他方は室
内へ連通されて換気システムを構成している。

上記送風装置１は第３図に示すように、電動機
６の両軸端に送風用の羽根７が２個固着されてい
る。電動機６は、送風装置１内部を２つの空気室
に分離構成する仕切板８に固定されている。そし
て送風装置１の両側面には、熱交換ダクト２を接
続するアダプター９を設けてあり、その中央部に
設けられた凹部１０に、第４図に示す熱交換ダク
ト２の熱交換板１１を係合するとともに、外径ｄ
の熱交換ダクト２の外周部を、内径Ｄのアダプタ
ー９の内周部に嵌合するようになつている。また
熱交換ダクト２は、ダクト１２の内部の中央に長
手方向に配設された熱交換板１１を有し、この熱
交換板１１により給気路と排気路を区画形成した
給気排気一体構成のものであり、外周に断熱材１
３がテープ１４で固定されている。なお熱交換ダ
クト２は、合成樹脂の押出成形により製造され、
任意に切断し長さを調整できるものである。

第５図は第２図に示す分岐ダクト３の断面図
で、熱交換ダクト２を接続する一端のアダプター
１５の形状は送風装置１のアダプター９と同一で
ある。そして他端には排気専用ダクト４および給
気専用ダクト５を接続する接続アダプター１６が
設けられている。

上記構成において電動機６の運転により、羽根
７が回転し、送風装置１の内部の２つの空気室を
第３図に示す矢印の方向に各々送風される。室内
からの空気は第２図の排気ダクト４、分岐ダクト
３、熱交換ダクト２、送風装置１、熱交換ダクト
２、分岐ダクト３および排気ダクト４を通つて屋
外へ排気される。同時に屋外からの新鮮な空気は
第２図の給気ダクト５、分岐ダクト３、熱交換ダ
クト２、送風装置１、熱交換ダクト２、分岐ダク
ト３および給気ダクト５を通つて室内へ給気され
る。そして室内が暖房もしくは冷房されて、排気
空気と給気空気に温度差がある場合、２つの空気
は、熱交換ダクト２を通過する際に熱交換板１１
により熱交換される。そして熱交換ダクト２は、
所定の熱交換効率を得るために、送風装置１の送
風量に応じて、任意の長さに切断調整することが
できる。一方、屋外および室内への連通口は、排
気側と給気側においてある程度の距離を隔てるこ
とがのぞましく、そのためこの近傍では排気専用
ダクト４および給気専用ダクト５による配管が行
われ、また送風装置１の設置箇所は、屋外および
室内への連通口から常に一定でなく建物によつて
異なり、さらに給気排気一体構成の熱交換ダクト
２では、途中で方向を曲げた配管は困難であり、
このようなことからも熱交換ダクト２の長さは切
断調整されることとなる。そして、熱交換ダクト
２に設けられた熱交換板１１の一端は送風装置１
のアダプター９の係合部となる凹部１０に、他端
は分岐ダクト３のアダプター１５の凹部に、それ
ぞれ係合するように構成されているので、現場に
おいて熱交換ダクトの長さを調整するように切断
しても、排気流と給気流の混合を確実に防止して
接続することができる。

考案の効果 以上の実施例から明らかなように本考案によれ
ば、送風装置に熱交換器を設けていないので、そ
の小形化ができ、取付場所に大きな空間を必要と
せず、かつ軽量化により送風装置の取付基盤の取
付強度をそれほど大きく必要とせず、取付場所お
よびその場所の強度についての制約が軽減でき
る。そして取付場所の状況に合わせて換気量を設
定する場合、すなわち電動機の回転を上げて送風
量を増しても、所定の熱交換効率を得るために
は、取付現場で熱交換ダクトを熱交換のための最
小の長さ以上に調整して切断すればよく、またダ
クト配管を、排気および給気のシヨートサーキツ
ト防止、送風装置の設置箇所、ダクトの曲折等に
より、熱交換ダクトの長さを切断調整して排気専
用および給気専用ダクトと使い分けて行うことが
でき、この切断が現場で行われても、排気流と給
気流の混合防止が確実になされることとなる。

このように取付工事を容易にかつ確実に行うこ
とができ、しかも性能が困難性をともなわずに維
持できる効果のある熱交換機能を有した換気装置
を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱交換換気装置の断面図、第２
図は本考案の一実施例の熱交換ダクト付換気装置
の外観側面図、第３図は同送風装置の断面図、第
４図は同熱交換ダクトの断面図、第５図は同分岐
ダクトの断面図である。 １……送風装置、２……熱交換ダクト、３……
分岐ダクト、４……排気専用ダクト、５……給気
専用ダクト、６……電動機、７……羽根、９……
アダプター、１０……凹部（係合部）、１１……
熱交換板、１５……アダプター、１６……接続ア
ダプター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送風用の羽根および前記羽根を駆動する電動機
   を内蔵し、内部に２つの空気室を区画形成し、両
   側には前記各空気室に連通するアダプターを設け
   た送風装置と、この送風装置のそれぞれのアダプ
   ターに接続される給排気一体形の熱交換ダクト
   と、一方に排気専用ダクトおよび給気専用ダクト
   を接続する接続アダプターを有し、他方に前記熱
   交換ダクトに接続されるアダプターを設けた分岐
   ダクトとを備え、前記熱交換ダクトは、内部に長
   手方向に配設され給気路と排気路を区画形成する
   熱交換板を有するとともに、長さを切断調整でき
   るように合成樹脂よりなり、前記送風装置および
   分岐ダクトのアダプターに前記熱交換板の端部が
   係合する係合部を設けた熱交換ダクト付換気装
   置。