JPH0438183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、人体に吹付ける清浄空気をエアーシ
ヤワー室内に吹込むノズル、そのノズルに空気を
循環供給する空気循環装置、その空気循環装置の
送風機と前記ノズルとの間に配置した高性能フイ
ルターを有するエアーシヤワー装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、エアーシヤワー装置は、クリーンルーム
などに出入りする人体や衣類から日常生活で付着
する少量の塵芥などを除去するためのものである
ため、送風機からノズルへの空気吹出路にだけ高
性能フイルターを設け、エアーシヤワー室から送
風機への循環空気吸込路にはフイルターを設けな
いか、あるいはラフフイルターのみを設けていた
（例えば特開昭62−183894号公報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、例えば有害なアスベストの撤去作業な
どのように大量の有害塵芥が付着する作業を対象
に人体や衣類から有害塵芥を除去すると共に有害
塵芥を回収する用途には適用できなかつた。その
理由は次の通りである。

多量の塵芥が高性能フイルターに送られるた
め、極めて目の細い高性能フイルターが短時間
で目詰りし、エアーシヤワー機能が無くなる。

高性能フイルターは目詰りすると塵芥が極め
て細い目に入り込むために再生が極めて困難で
ある。

多量の塵芥が送風機に吸い込まれるために送
風機のトラブルを生じやすい。

本考案の目的は、たとえば多量の有害な塵芥が
人体や衣類に付着している場合でも、人体や衣類
からの塵芥除去及び塵芥回収を良好に実行できる
ようにし、作業の安全性確保と公害防止に実用で
きるようにする点にある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために講じた本考案の技術
手段は、エアーシヤワー室を形成するシヤワーブ
ースと、人体に吹付ける清浄空気を前記エアーシ
ヤワー室内に吹込むノズルを備えた空気吹き込み
用チヤンバと、前記エアーシヤワー室からの排出
空気を前記空気吹き込み用チヤンバに循環供給す
る空気循環装置とを設けたエアーシヤワー装置に
おいて、下記［イ］〜［ハ］に記載した構成を備
えたことである。

［イ］ 前記シヤワーブースと、空気吹き込み用
チヤンバと、空気循環装置とは、夫々分離可能
に構成されている。

［ロ］ 前記シヤワーブースの床面の下側と、前
記空気循環装置の空気吸込路と、前記空気吹き
込み用チヤンバとの夫々に、塵埃除去用のフイ
ルターを設けるとともに、これらの各フイルタ
ーの空気浄化性能を、シヤワーブースの下側、
空気循環装置の空気吸込路、空気吹き込み用チ
ヤンバの順で、順次高めてある。

［ハ］ 前記空気循環装置の、前記エアーシヤワ
ー室側から前記送風機への循環空気吸込路に、
その空気吸込路に設けられたフイルターに対し
て下側から衝撃を与えて付着塵埃を落下除去す
る衝撃付与手段を設けるとともに、落下した塵
埃を受け止めて外部へ取り出し可能なダストパ
ンを設けてある。

〔作用〕

上記の技術手段を講じたことによる作用は次の
通りである。

ａ つまり、大量の有害な塵芥が人体や衣類に付
着していても、ノズルの清浄空気で人体や衣類
から除去された塵芥の大部分を、シヤワーブー
スからの排出空気に対するフイルターや、空気
循環装置の吸込側のフイルターで捕捉できるか
ら、送風機とノズルの間の高性能フイルターの
目詰りを十分に抑制して、良好なエアーシヤワ
ー機能を十分に実用可能な長時間にわたつて発
揮させることができ、作業の安全確保に十分に
実用できる。

ｂ また、空気循環装置の吸込側のフイルターに
対して、そのフイルターに捕捉された付着塵芥
を、下側から衝撃を与えて落下除去する衝撃付
与手段を設け、加えて、落下した塵埃を受け止
めて外部へ取り出し可能なダストパンを設けて
あるので、中間に位置するフイルターの再生を
可能とし、フイルター交換までの稼働時間をさ
らに増すことができる。

ｃ また、空気循環装置の吸込側のフイルター
は、空気吹き込み用チヤンバに設けられる高性
能フイルターに比べては割合に目が大きいた
め、衝撃を与えることによつて付着塵埃を容易
に回収できて、フイルターの再生を効果的に実
行できると共に、これよりも流路上手側となる
シヤワーブース床下側に最も目の粗いフイルタ
ーが存在することによつて、空気循環装置の吸
い込み側フイルターの目をある程度細かく設定
して、空気吹き込み用チヤンバにおける高性能
フイルターでの負担を軽減することもできるの
で、高性能フイルターの耐久時間をより長くす
ることができる。

ｄ(1) さらに、送風機の吸い込み側のフイルター
で塵芥の大部分を除去するから、塵芥による送
風機をそのもののトラブルを少なくでき、この
面からも安全確保と公害防止に実用可能であ
る。

〔考案の効果〕

上記ａ〜ｄに記載の作用から、有害なアスベス
ト撤去作業などの多量の有害塵芥が人体や衣類に
付着する作業に対する安全確保と公害防止にも実
用できる、汎用性及び安全確保面において一段と
優れたエアーシヤワー装置を提供できるようにな
つた。

〔実施例〕

次に、第１図及び第２図に基づいて本考案の実
施例を説明する。

本考案のエアーシヤワー装置は、エアーシヤワ
ー室８を形成するシヤワーブースＡと、前記エア
ーシヤワー室８に対して清浄空気を吹き込むため
の送風機２等を内装したケース１とからなり、こ
のケース１は、人体に吹付ける清浄空気を前記エ
アーシヤワー室８内に吹込むノズル９を備えた空
気吹き込み用チヤンバ１ａと、前記エアーシヤワ
ー室８からの排出空気を前記空気吹き込み用チヤ
ンバ１ａに循環供給する空気循環装置１ｂとから
構成されている。そして、これらの空気吹き込み
用チヤンバ１ａと、空気循環装置１ｂ、及び前記
シヤワーブースＡとは、夫々分離可能に構成され
ている。

また、前記ケース１は下部にキヤスタを設けて
移動自在に構成されているとともに、空気吹き込
み用チヤンバ１ａに、空気循環装置１ｂからの空
気が吹き込まれる空気吹出路３と、エアーシヤワ
ー室８側に向かう多数のノズル９を付設した清浄
空気分配室４とを形成してあり、前記空気循環装
置１ｂは、循環空気吸込路５と、集塵室６とを区
画形成され、この集塵室６内に送風機２が設けら
れている。

そして、空気吹出路３から清浄空気分配室４へ
の流路に高性能フイルター７を設け、高性能フイ
ルター７からの清浄空気を清浄空気分配室４から
エアーシヤワー室８に吹込む多数のノズル９を、
向き調節自在にケース１に取付け、エアーシヤワ
ー室８の人体や衣類にノズル９からの清浄空気を
吹付けて、人体や衣類から付着塵芥などを除去す
るように構成してある。

エアーシヤワー室８の底部に、格子や孔穿き板
などから成る多孔状の歩み板１０を設け、歩み板
１０の下面にラフフイルター１１を付設し、ラフ
フイルター１１の下方に、ケース１の循環空気吸
込路５に接続した空気戻し路１２を形成し、ケー
ス１の集塵室６に前記ラフフイルター１１よりも
空気浄化性能の高い集塵用の中性能フイルター１
３を設け、人体や衣類から除かれた塵芥などを含
有する空気を送風機２に循環させると共に、ラフ
フイルター１１と中性能フイルター１３によつて
塵芥などを空気から分離して回収するように構成
してある。

集塵室６に、ペダル１４に連動して、中性能フ
イルター１３に対して下側から衝撃を与えて付着
塵埃を落下除去するための衝撃付与手段として、
前記中性能フイルター１３をゆする除塵具１５を
設けてあるとともに、中性能フイルター１３から
落下する塵芥などを受けるダストパン１６を設
け、ダストパン１６をケース１から取出して塵芥
などを回収できるように構成してある。

ケース１のうちエアーシヤワー室８に臨む部分
に送風機２の操作スイツチ１７を設け、高性能フ
イルター７と中性能フイルター１３に目詰り状態
を検知するマノメータ１８ａ，１８ｂを設け、運
転及び維持管理を容易にしてある。

エアーシヤワー室８を形成するブースにおい
て、キヤスター付のフレーム１９にビニールなど
の帯電防止できる透明な覆い２０を着脱自在に取
付け、フレーム１９を分離組立て自在に形成し、
ブースの運搬や現場組立てを容易にしてある。ま
た、覆い２０のうち出入口に相当する部分はマグ
ネツト２１でフレーム１９に固定して、開閉を容
易にしてある。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

エアーシヤワー室８を形成するブースの具体構
造は適当に変更でき、例えば板金やガラスで形成
して揺動式ドアを設けてもよい。

ノズル９は設置数、形状、構造、その他におい
て適当に変更でき、例えば細長い吹出口を有する
ノズル９を駆動揺動自在に取付けてもよい。

ノズル９に空気を循環供給する手段は適宜変更
自在であり、例えば流路構成を変更してもよく、
それらを空気循環装置と総称する。

高性能フイルター７、中性能フイルター１３、
ラフフイルター１１は、夫々公知のものから適当
に選定すればよい。

中性能フイルター１３に対する外部操作自在な
除塵手段は、前記ペダル１４に連動させるものに
限らず、例えば、手で動かせるようにする等適当
に変更できる。

エアーシヤワー装置の用途や除塵目的は不問で
あり、風量や風速などは用途に見合つて適宜設定
すればよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
象を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は断面
図、第２図は分解斜視図である。 １……ケース、１ａ……空気吹き込み用チヤン
バ、１ｂ……空気循環装置、２……送風機、５…
…循環空気吸込路、７，１１，１３……塵埃除去
用のフイルター、８……エアーシヤワー室、９…
…ノズル、１６……ダストパン、Ａ……シヤワー
ブース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エアーシヤワー室８を形成するシヤワーブース
   Ａと、人体に吹付ける清浄空気を前記エアーシヤ
   ワー室８内に吹込むノズル９を備えた空気吹き込
   み用チヤンバ１ａと、前記エアーシヤワー室８か
   らの排出空気を前記空気吹き込み用チヤンバ１ａ
   に循環供給する空気循環装置１ｂとを設けるとと
   もに、下記［イ］〜［ハ］に記載した構成を備え
   たエアーシヤワー装置。 ［イ］ 前記シヤワーブースＡと、空気吹き込み
   用チヤンバ１ａと、空気循環装置１ｂとは、
   夫々分離可能に構成されている。 ［ロ］ 前記シヤワーブースＡの床面の下側と、
   前記空気循環装置１ｂの空気吸込路５と、前記
   空気吹き込み用チヤンバ１ａとの夫々に、塵埃
   除去用のフイルター７，１１，１３を設けると
   ともに、これらの各フイルター７，１１，１３
   の空気浄化性能を、シヤワーブースＡの下側、
   空気循環装置１ｂの空気吸込路５、空気吹き込
   み用チヤンバ１ａの順で、順次高めてある。 ［ハ］ 前記空気循環装置１ｂの、前記エアーシ
   ヤワー室８側から前記送風機２への循環空気吸
   込路５に、その空気吸込路５に設けられたフイ
   ルター１３に対して下側から衝撃を与えて付着
   塵埃を落下除去する衝撃付与手段を設けるとと
   もに、落下した塵埃を受け止めて外部へ取り出
   し可能なダストパン１６を設けてある。