JPH0438096Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はバレルの側壁に軸方向のスリツトを有
し、該スリツトよりバレル内の遊動ピストンに連
設されたドライバーの先端が突出し、スリツトは
スチールバンドにて密封されるようになつている
ロツドレスシリンダに関するものである。

従来の技術 この種のシリンダは周知のように、バレル内に
封入したピストンに一体に止着したドライバーの
先端を、バレルにピストンの軸線と平行に穿設し
たスリツトより外部に突出させ、インナーバンド
にて圧流体を密封するとともに、アウターバンド
にてスリツト内への防塵を行なうように構成さ
れ、圧流体供給口よりバレル内に圧流体を供給す
ることにより、ピストンと一体構成のドライバー
がスリツト内を移動し、ドライバーによつて被移
送体（図示せず）を移送するようになつている。
而して上記スリツトはドライバーの摺動抵抗を少
なくするため、スリツトの側壁とドライバーとの
間に遊隙を有している。以上の如くであるからこ
のままの状態でシリンダを作動させて、被移送体
を移送させるとき、ドライバーに軸線と直角方向
の荷重が作用すると、ドライバーがその荷重方向
へ傾き、スリツトの側壁と二本のバンドに摺接し
ながら移動するので、摺動抵抗が増大するばかり
でなく、正確な直線移動ができなくなり、精密機
械には使用不適であつた。更にこの種のシリンダ
は、圧流体を供給することにより、バレルの側壁
が両外側へ押し広げられてスリツトが広くなる傾
向がある。この広がり巾は圧流体の圧力の強弱、
又はピストンのストロークの長短等の条件により
種々変化するが、いずれにしてもこれによつて上
記の欠点は更に助長される。

又この種のシリンダにおいては、ドライバーが
ストロークエンドでストツパーに当接して停止す
るとき、大きな停止衝撃が発生し、各構成部材に
悪影響を与えたり加工精度を低下させる問題があ
つた。

上記したシリンダの欠点を是正するために、従
来は第５図に示すようにシリンダ１のドライバー
３に案内子１００を取付け、この案内子１００を
図示しないエンドプレートによつて両端を支持し
たガイドロツド２００によつて案内するようにし
たり、特開昭61−278607号公報の第２図、第５図
に示されているように、第５図に示したバレル１
Ａ上面の左右の稜角部３００にガイドレールを取
付け、この左右のガイドレールによつてドライバ
ー３を案内するようにしたものが提案されてい
る。又ガイドロツド２００を取付けているエンド
プレート（図示省略）にシヨツクアブソーバを取
付けて停止衝撃を緩衝するとともに、エンドプレ
ートに取付けるシヨツクアブソーバの取付位置を
取付長孔を利用して軸方向にずらすことによりス
トローク調整を行なうようにしていた。

考案が解決しようとする問題点 上記した二例の従来技術によれば、ドライバー
３が傾倒する欠点は防止することができる。然し
ながら前者の従来技術は、ガイドロツド２００を
シリンダ１の本体と別個に設けなければならない
ので装置が大型になつて広い取付空間を必要とす
る上にガイドロツドが変形し易く、産業ロボツト
の如き小型精密機械には不適当であつた。

また後者の従来技術は、上記大型化の欠点は除
かれるが、前記したように圧流体の供給によつて
スリツト４が両側へ広がることにより、稜角部３
００に夫々設けた一対のガイドレールの間隔もと
もに広がり、ガイド部分の摺動抵抗が大となつて
円滑な作動を欠く憾みがあつた。

更に上記した従来技術では、シヨツクアブソー
バをエンドプレートに取付けているので、ストロ
ークエンドにおける緩衝作用の目的は達するが、
定められた所定ストローク内での微調整を行ない
得るのみで、大巾なストロークの調整を行なうこ
とができず、シリンダ１を多目的に使用すること
はできなかつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記した従来装置の欠点を改良するた
めに、案内レールをスリツト穿設位置の一対の側
壁のいずれか一方側でバレル１Ａに一体的に取付
け、該案内レールによつて片持状態でドライバー
を案内し、かつ、シヨツクアブソーバを取付けた
台座を案内レールに取付位置の調整が自在なよう
に緊締固着し、従来装置の欠点を除くとともに、
センサスイツチ等の制御機構の取付けにも支障の
ないようにしたものである。

実施例 第１図及び第２図において、１１はバレル１Ａ
の左側の側壁９にバレル１Ａの略全長に亘る如く
に突設したベースで、該ベース１１上には、断面
形状逆台座状をなす案内レール１０が全長に亘つ
て一体的にピストン２の軸芯と平行に取付けら
れ、該案内レール１０には弧状の案内面１２が設
けられている。１３は連結板１４を介してドライ
バー３に取付けられた案内子で、この案内子１３
の下面には、上記案内レール１０に嵌合する逆台
形状の案内溝１５が設けられている。その案内面
１６にはベアリング等の転動部材１７が嵌合され
ており、該転動部材１７は上記案内面１２に転動
自在に接触し、これによつてドライバー３は、片
持状態で案内レール１０に保持されている。

次に、シヨツクアブソーバ１８の取付けは次の
ようにして行なわれる。１９は台座で、側面形状
がＬ形状をなし、その底面に上記案内レール１０
に嵌合する逆台形状の取付溝２０と、該取付溝２
０から上方に伸びるスリ割２１が設けられ、取付
溝２０の両側壁部分が僅かに弾性を有するように
なつている。而して案内レール１０への取付は、
台座１９の取付溝２０を案内レール１０に嵌合し
て位置決めした後、スリ割２１を介して台座１９
を左右方向（第４図）に貫通するように穿設した
取付孔２２に取付ネジ２３を螺合することによ
り、台座１９は案内レール１０に強固に緊締固着
されている。シヨツクアブソーバ１８は図面に示
すように、台座１９の突片２４に穿設した取付孔
２６に螺合し、かつロツクナツト２５にて固定さ
れている。尚シヨツクアブソーバ１８は、ロツド
２７に当つた衝撃を油又はバネにより緩衝する従
来広く使用されている形式のものであるからその
詳細は省略し、又第１図はドライバー３の移動方
向の両側（第１図）にシヨツクアブソーバ１８を
取付けたものを示している。

以上の如き本願実施例において、圧流体供給口
７，７ａのいずれか一方からバレル１Ａ内に圧流
体が供給されると、ピストン２はこれに押されて
右又は左に移動し、被移送体を所定ストロークだ
け移送する。その場合、上記したようにドライバ
ー３は案内レール１０によつて案内保持され、し
かも案内レール１０と案内溝１５とは蟻嵌合であ
るから、移動途中にピストン２の軸芯と直角方向
の負荷が作用してもドライバー３は傾斜すること
なくスムーズに案内される。又案内レール１０を
スリツト４の両側壁の一方側に設け、ドライバー
３を片持状態で案内しているので、圧流体の供給
によつてバレル１Ａの両側壁が押し拡げられて
も、ドライバー３は何等支障なくスムーズに案内
され、案内部分の摺動抵抗を極めて小さくするこ
とができる。又ドライバー３が片持状態で案内さ
れ、案内レール１０の取付はバレル１Ａの両側壁
のいずれか一方側だけで、他方側の側壁９ａはそ
のままの状態であるから、センサスイツチ等の他
の制御部材は、従来同様に他方側の側壁９ａに支
障なく取付けることができる。

また、上記のように移動して来たドライバー３
がストロークエンドに至ると、連絡板１４がシヨ
ツクアブソーバ１８に当つて衝撃が緩衝され、次
いでストツパーとしてのロツクナツト２５に当つ
て位置決めが行なわれる。又シリンダ１のストロ
ーク調整を行なう場合調整ストローク量が大巾な
時には、取付ネジ２３を緩め台座１９を案内レー
ル１０の所定の位置迄スライドさせ、当該位置に
前記と同様にして台座１９を緊締固着することに
よつて行ない、又微調整はロツクナツト２５を緩
め、シヨツクアブソーバ１８の取付位置を前後に
移動することによつて行なわれる。尚上記実施例
においてベース１１は、バレル１Ａに穿設したも
のについて述べたが、梱包輸送等の便を図るため
に、バレル１Ａとベース１１とを別体とし、使用
時にネジ等の締付部材により締付固定して両者を
一体とする設計変更を行つても良い。

考案の効果 本考案はバレルのスリツトの片側に一体的に設
けた案内レールにより、片持状態でドライバーを
案内するようにしたので、シリンダ全体をコンパ
クトにできて狭い取付場所であつても容易に取付
が可能であり、またバレルの両側壁が圧流体によ
つて変形しても小さな摺動抵抗で高精度の移送が
できる。また上記案内レールにシヨツクアブソー
バ台座を取付位置の変更を自在に取付けてあるの
で、大きなストロークの調整が自在であり、シリ
ンダの多目的使用を図り得る利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本願実施例を示し、第１図は平面図、第
２図は第１図Ａ−Ａ線断面図、第３図は部分側面
図、第４図は第３図Ｂ−Ｂ線断面図、第５図は従
来装置の断面図である。 １……ロツドレスシリンダ、１Ａ……バレル、
３……ドライバー、４……スリツト、１０……案
内レール、１３……案内子、１８……シヨツクア
ブソーバ、１９……台座、２０……取付溝、２１
……スリ割、２３……取付ネジ、２５……ロツク
ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ バレルの側壁に軸方向のスリツトを有し、該
   スリツトよりバレル内の遊動ピストンに連設さ
   れたドライバーの先端が突出し、スリツトはス
   チールバンドにて密封されるようになつている
   ロツドレスシリンダにおいて、スリツトの片側
   においてバレルと一体的にピストンの軸芯と平
   行な案内レールを設け、ドライバーに取付けた
   案内子を上記案内レールに案内させるととも
   に、シヨツクアブソーバを取付けてある台座の
   取付溝を、上記案内レールに長手方向へ摺動自
   在に嵌合させ、その台座を取付位置調整自在に
   案内レールに緊締固着してなるロツドレスシリ
   ンダ。 ２ 台座の取付溝には長手方向のスリ割が設けら
   れ、弾性的に案内レールの案内面に嵌合するよ
   うにした実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   ロツドレスシリンダ。