JPH0437240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、組立式ピストンにおける組立境界面
のガスシールのためにピストンリングが使用され
た構造に関するものである。

従来技術 従来において、熱膨張と耐圧性を受けるピスト
ンの形式には種々あるが、通常、一体成形されて
ピストンヘツド、リングランド。排油孔、ピスト
ンピン取付孔及びスカートを構成し、材質として
は、熱膨張が少なくて熱伝導が良く、重量が軽
く、作り易いことが満足出来る材料として、即
ち、アルミニウム合金等が用いられていた。

しかし、ピストンヘツドには、特に、高熱、高
圧が掛り、また、高熱かつ高圧にすることでエン
ジン効率が向上出来るので、可能の限りそれに耐
え得る材料が求められていたが、セラミツクス材
等を使用することによつて、工作上、困難であつ
た組立式ピストンが可能となつた。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、ピストンヘツドには高熱及び高
圧が掛る為に、それに耐え得れるようにピストン
ヘツドをセラミツクス材等が使用された組立式ピ
ストンが存在するようになつたが、材質の異なる
ピストンヘツドとスカートの組立であるが故に組
立境界面よりガス漏れを生じて不都合であつた。

そこで、本考案は、熱膨張の異なる材料よりな
る組立式ピストンであつても、組立境界面よりガ
ス漏れしないようガスシール出来るようにした組
立式ピストンが得られることを目的とするもので
ある。

問題点を解決すべき手段 本考案は、ピストン周面での組立境界面の位置
をフアストリングより上方に形成した組立式ピス
トンにおいて、ピストンのキヤビテイを分断しな
いようにピストンヘツドとスカートとを分割し、
該ピストンヘツドと該スカートとの組立境界面を
跨ぐように各々該ピストンヘツドと該スカートと
にリンググローブを刻設し、さらに該組立境界面
を覆うように該リンググローブにピストンリング
を内嵌させ、ガス圧の作用により該ピストンリン
グ周面と該リンググローブを形成する壁面とを面
接触させて、該組立境界面をシールしたことを特
徴とする組立式ピストンである。

なお、ピストンリングは円筒状でもよいが、ガ
スシールをより良好にする為にはピストンリング
内周面にカーボンシート等耐熱性のあるガスケツ
ト材を導入または取付けてもよいし、また、ピス
トンリング上下側面を内周面巾が狭められる方向
に傾斜したテーパ面にしてもよいし、またさら
に、その内周面に耐熱性であるガスケツト材を挿
入または取付けてもよい。

以下、図示により説明すると、第１図に示す如
く、耐熱、耐圧材料であるセラミツクス材等のピ
ストンヘツド１とスカート２とを、キヤビテイ１
ｃを分断しないようにして分割し、これらをボル
トナツト３締めした組立式ピストンであつて。こ
の組立式ピストンのピストン周面１ａ，２ａより
組立境界面１ｂ，２ｂに跨がつたリンググローブ
４を刻設し、該リンググローブにピストンリング
５が嵌着されている。

なお、６はフアストリングが嵌着される、７は
セカンドリングが嵌着される、そして、８はオイ
ルリングを嵌着させる各リンググローブであつ
て、９は排油孔である。１０はピストンピン取付
孔である。

作 用 従つて、ピストン周面でのフアストリングより
上方位置にピストンヘツド１とスカート２との組
立境界面１ｂ，２ｂを形成し、その境界面部分に
リンググローブ４を形成してピストンリング５を
嵌着することにより、シリンダ内の高熱高圧ガス
が掛つてもピストンリング５を縮める方向に押圧
して上記組立境界面１ｂ，２ｂをピストンリング
の面圧により塞いでガスシールをし、組立境界面
を伝わつてガス漏れすることを防止する。

実施例 以上によるガスシールの為のピストンリング５
には、種々の形状があつて、第２図ａの如き円筒
状ピストンリング５′であると、高熱高圧ガスで
外周面５′ａが押圧されて内周面５′ｂが組立境界
面１ｂ，２ｂを塞いでガスシールされ、第２図ｂ
の如き実施例の内周面巾を狭めた断面台形状ピス
トンリング５″であると、高熱高圧で外周面５″ａ
が押圧されると該ピストンリング側面のテーパ面
５″ｃが組立境界面位置のリンググローブ４″側壁
を圧接してガスシールされる。

そこで、第２図ｃの如き他の実施例である内周
面５ｂにカーボンシート等、耐熱性のあるガス
ケツト材５ｄを挿入または取付けた円筒状ピス
トンリング５であると、より良好に組立境界面
１ｂ，２ｂが塞がれてガスシールをすることが出
来、また、第２図ｄの如き内面周５′′′′ｂに耐熱
性のあるガスケツト材５′′′′ｄを挿入または取付
けた断面台形状ピストンリング５′′′′であると、
テーパ面５′′′′ｃのみならず内面周５′′′′ｂに
よつ
ても組立境界面のガスシールをすることが出来
る。

効 果 以上の結果、本考案は、耐熱耐圧に勝れた組立
式ピストンを得ることが出来、その組立式ピスト
ンの組立境界面のガスシールを簡単な構造で容易
に、しかも良好にするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、組立式ピストンの構造断面図であ
り、第２図は、組立式ピストン用ピストンリング
構造断面図であつて、ａは、円筒状ピストンリン
グ断面図、ｂは、断面台形状ピストンリング断面
図、ｃは、ガスケツト挿入または取付けの円筒状
ピストンリング断面図であり、そして、ｄは、ガ
スケツト材挿入または取付けの断面台形状ピスト
ンリング断面図である。 １……ピストンヘツド、２……スカート、１
ａ，２ａ……ピストン周面、１ｂ，２ｂ……組立
境界面、３……ボルトナツト、４……リンググロ
ーブ、５……ピストンリング、６，７，８……リ
ンググローブ、９……排油孔、１０……ピストン
ピン取付孔、５′……円筒状ピストンリング、
５″……台形状ピストンリング、５……ガスケ
ツト材挿入または取付け円筒状ピストンリング、
５′′′′……ガスケツト材挿入または取付け台形状
ピストンリング、５′ａ，５″ａ，５ａ，５
′′′′ａ……外周面、５′ｂ，５″ｂ，５ｂ，５
′′′′ｂ……内周面、５″ｃ，５′′′′ｃ……テー
パ面、
５ｄ，５′′′′ｄ……ガスケツト材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピストン周面での組立境界面の位置をフアスト
   リングより上方に形成した組立式ピストンにおい
   て、ピストンのキヤビテイを分断しないようにピ
   ストンヘツドとスカートとを分割し、該ピストン
   ヘツドと該スカートとの組立境界面を跨ぐように
   各々該ピストンヘツドと該スカートとにリンググ
   ローブを刻設し、さらに該組立境界面を覆うよう
   に該リンググローブにピストンリングを内嵌さ
   せ、ガス圧の作用により該ピストンリング周面と
   該リンググローブを形成する壁面とを面接触させ
   て、該組立境界面をシールしたことを特徴とする
   組立式ピストン。