JPH0437205B2

JPH0437205B2 -

Info

Publication number: JPH0437205B2
Application number: JP57115470A
Authority: JP
Inventors: Yukio Masuda
Original assignee: Maeda Corp
Current assignee: Maeda Corp
Priority date: 1982-07-05
Filing date: 1982-07-05
Publication date: 1992-06-18
Also published as: JPS598833A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、構造物の基礎構築に際して設置する
ケーソンの沈設工法に関するものである。

［従来の技術、考案が解決せんとする問題点］基礎の構築作業におけるケーソンの沈設工法と
して一般には、オープンケーソン及びニユーマチ
ツクケーソン工法と呼ばれる沈設工法によつて行
われている。

而して、このオープンケーソン工法は函形ケー
ソン躯体の内部の土砂を掘削してその自重又は載
荷重によつて、掘削に伴つて沈下させて所定の深
さに達した時に掘削を止めて基礎コンクリートを
打設してケーソン躯体を指示させるものである
が、この工法による場合は、一般的に地下水位以
下では水替を行つて掘削するか、あるいは水中掘
削によるために、ケーソンは必ずしも鉛直に沈下
せず多少の傾斜をした構造物となり、また水替す
るために周辺の井戸枯れ生じたり、沈下に伴う周
辺地盤の引き込みも多く、その結果近隣の地盤沈
下を生じて隣接建物に被害を及ぼす等の欠点があ
る。

また、ニユーマチツクケーソン工法では、ケー
ソンの下部に、掘削作業を行うために必要な空間
を形成した位置に床版を設置して出入口を取りつ
け、作業室に圧搾空気を送り込んで作業室内の地
下水を排除しながら底部の土砂を掘削することに
よつてケーソンを沈設させる工法であるが、この
工法によれば、オープンケーソン工法に比較して
精度の高い沈設が可能であり揚水の必要もないの
で近隣の地下水を枯渇させる等の不都合は生じな
いが、オープンケーソンと同様に周辺地盤の引込
みの影響による近隣の地盤沈下を生じる欠点があ
る。

また、圧搾空気を使用するために酸欠空気発生
の原因となり、この圧気内での作業時間が短縮さ
れ、かつ特殊作業員を必要とする等その作業に
種々の制約を受ける等の欠点がある。

さらに、近隣の地盤沈下に対処するために、薬
液注入等による地盤改良、鋼矢板を周囲に打設し
てケーソン周辺土砂と近隣地盤との縁切りを行つ
て土砂引込の防止策等が講ぜられているが、何れ
も充分な効果が期待し得ないのが現状である。

［問題点を解決するための手段］本発明工法は前記従来の課題を解決するため
に、オープンケーソン沈設工法による沈設すべき
ケーソン躯体１の外周に適合するように予め泥水
掘削工法によつて壁状掘削を行い、その泥水を固
化し、又は凝結性止水剤を注入置換して固結止水
壁５を形成し、この止水壁５の内側にケーソン躯
体１を嵌挿してその内部の土砂を掘削しながら沈
下設置するケーソンの沈設工法を提案するもので
ある。

さらにこの発明は、オープンケーソン沈設工法
による沈設すべきケーソン躯体１の外周に適合す
るように予め泥水掘削工法によつて壁状掘削を行
い、その泥水を固化し、又は凝結性止水剤を注入
置換して固結止水壁５を形成し、この止水壁５の
内側に刃口部２の周辺の外径よりもその上部の外
径が小さいケーソン躯体１を嵌挿して、その内部
の土砂を堀削しながら沈下すると共に、ケーソン
躯体１の刃口部２の近傍の筒状部４の外周に設置
した内部から弾性材１１により外向きに弾圧力が
付与された可撓性止水板８を前記止水壁５に圧接
させ、かつその上部の止水壁５との空間に濃泥水
１２を充填して止水壁５の土圧、水圧等の外圧に
よる変形に対抗させつつケーソン躯体１を沈下設
置する基礎工事におけるケーソンの沈設工法を提
案するものである。

［実施例］以下この発明を図面の実施例について説明する
と、１はケーソン躯体にして、その目的に応じて
角筒形、円筒形に形成したもので、このケーソン
躯体１は、その下部内周に下広がりの刃口部２が
形成され、その上方には段差部３を設けて下部の
刃口部２より外径が多少小さい筒状部４が形成さ
れている。

このように構成したケーソン躯体１を使用して
本工法を施工するには、その沈下設置作業に先立
つて、ケーソン躯体１の外周に適合するように普
通の泥水掘削工法によつて止水壁５を、ケーソン
躯体１の沈下設置予定の深さより深い位置にある
例えば、不透水層６に達するまで造成し、またこ
の位置に不透水層が無い場合には、これに代えて
適当な範囲を止水性土に改良する。

次いで、この止水壁５の内側に沿うてケーソン
躯体１を位置させて、その上部の土砂７を掘削し
て逐次止水壁５に沿うて沈下させて所定の位置に
設置する。

止水壁５は、泥水掘削後この泥水を固化する
か、別に凝結性止水剤を注入置換するなどの工法
によつて形成し、これによつてこの止水壁５の内
側に沿つてケーソン躯体１を順次沈下させる際
に、ケーソン躯体１が正しく誘導沈下されると同
時に、外側の土砂と隔離されているために、周辺
の土砂を引き込むこともなく、従つて周辺の地盤
に変動を与えることなく沈設設置することが可能
となる。

また、沈下の摩擦抵抗も少ないために平滑な正
しい作業を行うことができる。

次に、このようにしてケーソン躯体１の沈下作
業を行うに当り、止水壁５が外側の土圧、水圧等
によつて変形するような場合には、これに対処す
るために、第３図に示すように、ケーソン躯体１
の刃口部２の上部の段差部３近傍の筒状部４の外
周部分、またはその上方近傍の外周に断面Ｌ型状
に屈曲した可撓性止水板８をボルト９、ナツト１
０などによつて設定してその上向きをなす先端部
外周を止水壁５に接触させ、この止水壁５の先端
部内周面とこれに相対する筒状部４の外周面との
間に介在された、例えばスプリングなどの弾性材
１１によつて内側から弾圧力を付与して可撓性止
水板８を止水壁５に圧接させ、さらにその上部空
間に濃泥水１２を充填して止水壁５に対する外圧
に対抗するように構成する。

そして、この濃泥水は、例えば、ケーソン躯体
１の壁内に通孔１３を設けてこれより注入し、あ
るいはこれより泥水の沈澱を防止するための攪拌
空気を送入し、あるいはまたケーソン設定の泥水
固結剤等を注入する際いに使用するものである。

また、このケーソン躯体１には、止水壁５に歪
みを生じた場合などに対処するために、第４図に
示すように、上記と同様に上下に設置した可撓性
止水板８，８の間に伸縮性材料１４を介装してそ
の歪みの間隙を補うようにするものである。

［発明の効果］以上のように本発明によれば、止水壁の内側に
沿つてケーソン躯体を順次沈下させることによ
り、ケーソン躯体が正しく誘導沈下されると同時
に、外側の土砂と隔離されているために、周辺の
土砂を引き込むこともなく、従つて周辺の地盤に
変動を与えることなく沈設設置することが可能と
なる。

さらに、ケーソン躯体の沈下作業を行うに当た
り、止水壁が外側の土圧、水圧等によつて変形す
るような場合において、ケーソン躯体の刃口部近
傍の筒状部外周に設置した内側から弾性材により
外向きに弾圧力が付与された可撓性止水板を止水
壁に圧接させ、かつその上部の止水壁との空間に
濃泥水を充填することにより、止水壁の土圧、水
圧等の外圧による変形に対抗させつつケーソン躯
体を沈下することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明工法による施工状態を示す縦断
側面図、第２図は同平面図、第３図及び第４図は
この発明によるケーソン躯体の沈下状況を示す要
部の縦断側面図である。１……ケーソン躯体、２……刃口部、３……段
差部、４……小径筒状部、５……止水壁、６……
不透水層、７……土砂、８，８……可撓性止水
板、９……ボルト、１０……ナツト、１１……ス
プリング、１２……濃泥水、１３……通孔、１４
……伸縮性材料。

Claims

【特許請求の範囲】１オープンケーソン沈設工法による沈設すべき
ケーソン躯体の外周に適合するように予め泥水掘
削工法によつて壁状掘削を行い、その泥水を固化
し、又は凝結性止水剤を注入置換して固結止水壁
を形成し、この止水壁の内側にケーソン躯体を嵌
挿してその内部の土砂を掘削しながら沈下設置す
ることを特徴とする基礎工事におけるケーソンの
沈設工法。２オープンケーソン沈設工法による沈設すべき
ケーソン躯体の外周に適合するように予め泥水掘
削工法によつて壁状掘削を行い、その泥水を固化
し、又は凝結性止水剤を注入置換して固結止水壁
を形成し、この止水壁の内側に刃口部周辺の外径
よりもその上部の外径が小さいケーソン躯体を嵌
挿して、その内部の土砂を掘削しながら沈下する
と共に、前記ケーソン躯体の刃口部近傍の筒状部
外周に設置した内側から弾性材により外向きに弾
圧力が付与された可撓性止水板を前記止水壁に圧
接させ、かつその上部の止水壁との空間に濃泥水
を充填して止水壁の土圧、水圧等の外圧による変
形に対抗させつつケーソン躯体を沈下設置するこ
とを特徴とする基礎工事におけるケーソンの沈設
工法。