JPH04370654A - 可変色照明装置およびそのための放電ランプ - Google Patents

可変色照明装置およびそのための放電ランプ

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JPH04370654A
JPH04370654A JP3174463A JP17446391A JPH04370654A JP H04370654 A JPH04370654 A JP H04370654A JP 3174463 A JP3174463 A JP 3174463A JP 17446391 A JP17446391 A JP 17446391A JP H04370654 A JPH04370654 A JP H04370654A
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JP
Japan
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arc tube
arc
discharge lamp
light
tubes
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Pending
Application number
JP3174463A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Hayashi
浩一 林
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
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Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、発生光の色度を変化
させることのできる可変色照明装置およびそのための放
電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】放電灯の発生光の色度を連続的に変化さ
せる装置としては、特公昭53−42386号公報や特
開昭63−198295号公報に開示されたものが知ら
れている。これらの装置では、放電灯内に封入する発光
材料として、放電灯内の電子エネルギーに依存して発光
色が変化する気体や蒸気を用い、放電灯の通電パルスの
波形を変化させることによって発光色を変化させている
。例えば、通電パルスの通電時間と休止時間との比を比
較的大きくすると青色の発光色が得られ、その比を比較
的小さくすると赤色の発光色が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような装
置では、例えば赤色の発色光を得る際には通電パルスの
休止時間を長くするので、放電灯に投入される電力が小
さくなり、照明用光源として十分な輝度が得られない場
合があるという問題があった。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、発生光の色度を
変化させることができる高輝度の照明装置およびその装
置に適した放電ランプを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、請求項1に記載した可変色照明装置は、互いに異な
る色度の光を外部に発する複数の発光管を有する放電ラ
ンプと、前記複数の発光管を点灯させるとともに、前記
複数の発光管の相対出力を調整する点灯手段とを備えて
いる。そして、前記複数の発光管のそれぞれは両端部が
同一の方向を向いている形状を有しており、各発光管の
前記両端部を互いに等しい方位に向けた状態で前記複数
の発光管が前記放電ランプの基部に固定されている。
【0006】請求項2に記載した放電ランプは、請求項
1の可変色照明装置に用いられる放電ランプである。
【0007】この放電ランプは高輝度放電ランプであっ
てもよく、前記複数の発光管のそれぞれは透光性セラミ
ックで形成されていることが好ましい。
【0008】また、前記透光性セラミックは、99.9
9mol%以上の高純度アルミナ微粉末を焼結した透光
性アルミナであり、かつ、平均粒径が1μm以下で、最
大粒径が2μm以下であることが好ましい。
【0009】さらに、前記複数の発光管は、青の波長域
の光を外部に発する第1の発光管と、緑の波長域の光を
外部に発する第2の発光管と、赤の波長域の光を外部に
発する第3の発光管とを含むのが好ましい。
【0010】ここで、「異なる色度の光を外部に発する
」とは、各発光管固有の発生光の色度が異なる場合のみ
でなく、各発光管固有の発生光の色度は同じであって、
発光管自身に着色したり、また、発光管の外側に色付き
フィルタを設けたりすることによって、外部に出射され
る光の色度が異なるようにした場合も含んでいる。
【0011】なお、日本工業規格(JIS  Z811
0)では、単色の光源光の色名と波長範囲との関係を次
のように規定している。 380〜455nm:青紫 455〜485nm:青 485〜495nm:青緑 495〜548nm:緑 548〜573nm:黄緑 573〜584nm:黄 584〜610nm:黄赤 610〜780nm:赤 ただし、この発明において、「青の波長域の光」とは3
80nm〜495nmの波長範囲の光を言い、「緑の波
長域の光」とは485nm〜573nmの波長範囲の光
を、「赤の波長域の光」とは573nm〜780nmの
波長範囲の光を言う。
【0012】
【作用】互いに異なる色度の発生光を有する3本の発光
管を用い、各発光管の相対出力を点灯手段で調整できる
ので、ランプ全体の発生光の色度を調整することができ
る。また、発光管のそれぞれは両端部が同一の方向を向
いている形状を有しており、各発光管の前記両端部を互
いに等しい方位に向けた状態で放電ランプの基部に固定
しているので、基部から各発光管に向かう方向に沿って
各発光管から出射される光が他の発光管によって妨害さ
れることがなく、大きな光束を得ることができる。この
結果、各発光管の輝度を合計した輝度で照明することが
できるので、高輝度のまま発生光の色度を変えることが
できる。
【0013】この発明を、発光管を透光性セラミックと
した高輝度放電ランプに適用すれば、他の種類の放電ラ
ンプよりもより高輝度のランプとすることができる。
【0014】透光性セラミックを、高純度のアルミナを
焼結したアルミナであって、結晶粒子の平均粒径が1μ
m以下で、最大粒径が2μm以下の透光性アルミナとす
れば、従来の透光性アルミナに比べて極めて微細な結晶
構造を備える。MgO等の不純物は、焼結前のアルミナ
中にごく僅か(トータルで最大0.01mol%以下)
しか含まれていないので、不純物はアルミナに総て固溶
し、スピネル相などの粒界相がほとんど形成されない。 この結果、常温から放電時温度に亘っての機械的強度が
改善され、発光管を薄肉にすることができる。また、こ
の透光性アルミナは、可視光に対する直線透過率が大き
いので、放電ランプの輝度をさらに高めることができる
【0015】さらに、3原色の色に近い色度で外部に発
光する発光管を用いるようにすれば、色度座標系におけ
る広範囲の色度の発生光を得ることができる。
【0016】
【実施例】
A.実施例の構成 図1は、この発明の一実施例としての可変色照明装置の
構成を示す図である。この可変色照明装置は、放電ラン
プ6と、電力制御回路2と、調色制御回路3と、遠隔操
作装置4とを備えている。電力制御回路2は、交流電源
5に接続されている。図2(a)は、放電ランプ6の正
面図、図2(b)はその平面図である。
【0017】放電ランプ6のアルミナ製のベース601
の上にはガラス製の外管602が封止されている。外管
602内には透光性アルミナで形成された3本の発光管
611、612、613が設置されている。
【0018】各発光管は、U字形状を有しており、その
両端にある開口部の側面が互いに接合されている。3本
の発光管611〜613は、正三角形状に配置されてい
る。すなわち、図2(b)に示すように、各発光管の両
端の開口部の中心が、一点鎖線で示す仮想的な正三角形
の各辺の上に存在するように配置されている。これらの
発光管611、612、613には、後述するようにそ
れぞれ異なる2元以上の多元のアマルガムが封入されて
おり、3原色に近い色で発光する。
【0019】3本の発光管611、612、613は、
アルミナ製のベース601で共通に封止されている。図
3は、図2(b)のX−X線上の縦断面図、図4はベー
ス601の斜視図である。ただし、図3では図示の都合
上、外管602が省略されている。
【0020】ベース601の上面には、各発光管の開口
部の内径とほぼ等しい外径を有する円筒状の突起部62
1〜626が上方に突出している。各突起部621〜6
26の中央には、主電極631〜636が予め固定され
ている。突起部621、622は第1の発光管611の
開口部に挿入されて、その周囲が所定の封止部材SL(
例えばアルミナ系サーメットなど)で封止されている。 同様に、突起部623、624は第2の発光管612の
開口部に、また、突起部625、626は第3の発光管
613の開口部に挿入されて封止されている。
【0021】放電ランプ6の外部では、図1に示すよう
に、主電極用の接続ピン671〜676が電力制御回路
2に接続されている。
【0022】B.調色方法 第1の発光管611にはHg−In系の2元アマルガム
が封入されており、411nmおよび451nmの線ス
ペクトルの光(青紫色の光)を発光する。第2の発光管
612にはHg−Tl系の2元アマルガムが封入されて
おり、535nmの線スペクトルの光(緑色の光)を発
光する。また、第3の発光管113にはHg−Na系の
2元アマルガムが封入されており、589nmの線スペ
クトルの光(黄赤色の光)を発光する。なお、図1、図
2では発光管611、612、613にそれぞれB、G
、Rの字を記している。
【0023】図5は、発光管の相対出力と発光色との関
係を説明するためのxy色度図である。図において、A
点、B点、C点は、それぞれ発光管611、612、6
13の発色点を示している。放電ランプ6の発光色は、
色の加法則(加法混色)に従って、3つの点A、B、C
を頂点とする三角形の範囲において変更することが可能
である。例えば、第2、第3の発光管612、613の
出力を第1の発光管611の出力よりも大きく設定する
ことによって、D点に示す薄い黄緑色の発光色が得られ
る。
【0024】なお、ランプ6の点灯方向Tを、図2に示
すように、ベース601から各発光管のU字部に向かう
方向とすれば、各発光管から点灯方向Tに向かって出射
される光が他の発光管で妨害されることがない。したが
って、点灯方向Tに対して大きな光束を得ることができ
ると同時に、各発光管の相対出力を調整することよって
、点灯方向Tにおける発光色を色度座標系の等色関数で
示される通りに変化させることができる。
【0025】さらに、この実施例では複数の発光管を隣
接して配置しているので、以下に説明するように、各発
光管の調光可能な範囲が拡大されるという利点がある。 高輝度放電ランプの調光可能な範囲は10%程度であり
、白熱灯やハロゲンランプなどに比べて調光可能範囲が
著しく狭いことが知られている。これは、次のような理
由による。高輝度放電ランプにおいて光束を落とすため
に発光管への入力を抑えると、発光管内の温度が低下し
、これによって発光管内のIn,Tl,Na等の発光物
質の蒸気分圧が変化する。そして、これらの蒸気分圧が
所定の値以下になるとランプが失灯してしまう。発光管
が1本しかない従来の高輝度放電ランプでは、失灯しな
いで調光できる範囲は定格出力のせいぜい約90%程度
であった。
【0026】これに対して、上記実施例では図1、図2
に示すように複数の発光管を隣接して配置しているので
、各発光管から放射される熱が他の発光管に供給される
。従って、一本の発光管(例えば111)への入力を低
下させた時にも、他の2本の発光管112、113から
発光管111に熱が与えられる。この結果、発光管が一
本しか無いランプにおいてその発光管への入力を低下さ
せた場合に比べて、発光管111はより高温に保たれる
ことになる。したがって、発光管111の内部の発光物
質の蒸気分圧は変化しないので失灯しにくく、調光可能
な範囲が拡大される。
【0027】なお、一本の発光管111への入力を低下
させるときに、他の発光管112、113への入力を上
昇させるようにすれば、発光管111の温度低下を防止
ことができ、さらに低い入力レベルまで調光できる。こ
のように、この実施例では各発光管の調光可能な範囲が
拡大されるので、ランプ全体の発生光の色度もより広い
範囲で変更できるという利点がある。
【0028】C.装置の電気的構成と動作図6は、実施
例の電気的構成を示すブロック図である。 電力制御回路2は、3本の発光管611、612、61
3のそれぞれに対応する3つの調光器21、22、23
と3つの安定器24、25、26とを備えている。調光
器21〜23は半導体位相制御回路であり、各調光器に
は交流電源5が並列に接続されている。なお、各発光管
611〜613の定格電圧が異なる場合には、各調光器
に定格電圧の異なる交流電源を接続するようにしてもよ
い。
【0029】調色制御回路3は、入力部31と、出力配
分算定部32と、発光管出力算定部33と、3つの調光
信号出力部34、35、36とを備えている。また、遠
隔操作装置4は、色度設定部42と、ランプ出力設定部
43とを備えている。なお、遠隔操作装置4は、図1に
示すように指令を入力するためのキーと、ランプの運転
状態を表示するための表示部とを有している。
【0030】ランプの発光色や光束を変化させる場合に
は、オペレータが遠隔操作装置4のキーを押すことによ
ってランプの色度と出力とを設定する。色度は、例えば
xy色度座標系の座標値で入力する。図5に示すD点の
場合、xy色度座標系における座標値は(0.37,0
.45)となる。ランプの出力は、例えば各色度におけ
るランプの最大出力に対する相対出力(パーセント)で
入力する。遠隔操作装置4の色度設定部42とランプ出
力設定部43とは、それぞれキー入力された値に応じて
、色度信号Scとランプ出力信号Spとをそれぞれ発生
し、調色制御回路3の入力部31に伝送する。
【0031】色度信号Scは入力部31から出力配分算
定部32に与えられる。出力配分算定部32は、色度信
号Scで表わされる色度を実現するための3本の発光管
611〜613の全光束の相対値を、色の加法則に従っ
て決定する。
【0032】発光管出力算定部33は、出力配分算定部
32で算出された各発光管の全光束の相対値(すなわち
、出力の相対値)と、ランプ出力信号Spとに基づいて
、各発光管の出力レベルを算出する。この際、出力配分
算定部32で算定された相対出力値がもっとも大きな発
光管の出力レベルを、その発光管の定格出力と、ランプ
出力信号Spで表わされる相対出力(パーセント)とを
乗じたレベルに合わせる。例えば、3本の発光管の出力
の相対値が0.6:0.4:1.0であり、ランプ出力
信号Spで表わされる相対出力が70%である場合には
、各発光管の出力レベルはそれぞれ42%、28%、7
0%と設定される。
【0033】各発光管の出力レベルを示す信号は、発光
管出力算定部33から3つの調光信号出力部34〜36
に与えられ、調光信号出力部34〜36は、調光器21
〜23を制御するための調光信号(フェード信号)を発
生する。調光器21〜23では、調光信号出力部34〜
36から与えられた調光信号によって各発光管に流れる
電流の導通位相角が制御される。この結果、各発光管に
流れる電流が調整され、各発光管の全光束が調整される
。なお、各発光管の効率は電流に依存するので、全光束
は必ずしも給電量に比例しない。そこで、発光管出力算
定部33は、発光管の全光束と給電量との関係に応じて
、出力配分算定部32で決定された各発光管の全光束の
比を保つように、所定の較正曲線に従って、調光信号出
力部34〜36に与える信号を補正している。
【0034】このように、この実施例では、RGBの3
原色に近い発光色を有する3本の発光管を用い、各発光
管の相対出力を変化させることによって、ランプの発光
色を調整することができる。また、各発光管から点灯方
向Tに向かって出射される光が他の発光管で妨害される
ことがないので、点灯方向Tに対して大きな光束を得る
ことができると同時に、各発光管の相対出力を調整する
ことよって、点灯方向Tにおける発光色を色度座標系の
等色関数で示される通りに変化させることができる。
【0035】ところで、一般に放電管の光束は2つの主
電極の中間部分で最も大きく、図1に示すようなU字形
状の発光管611〜613では、屈曲部のところが最も
光束が大きい。この屈曲部は点灯方向Tに向かっている
ので、放電ランプ1は、特に点灯方向Tに対して光束が
大きいという利点がある。
【0036】さらに、各発光管がU字状の形状を有して
いるので、湾曲部に当たる発光位置から開口部までの距
離L(図2(a)参照)が短く、また、点灯方向Tに垂
直な断面の形状が小さいコンパクトな光源となる。上記
実施例の照明装置は、これらの特徴を有しているので、
小型で可変色な照明装置として最適である。
【0037】D.発光管の製造方法 まず、発光管の原料となるアルミナの微粉末の合成につ
いて説明する。このアルミナ微粉末を合成するには、熱
分解すると純度99.99mol%以上のアルミナにな
るアルミニウム塩を、その出発原料として用意する。こ
のような高純度のアルミナ合成用のアルミニウム塩とし
ては、アンモニウムミョウバン、或いはアルミニウム・
アンモニウム・カーボネート・ハイドロオキサイト(N
H4 AlCO3 (OH)2 )等を例示することが
できる。
【0038】こうして用意したアルミニウム塩を秤量し
、蒸留水及び分散剤を用いて一旦懸濁水溶液とし、これ
を噴霧乾燥法により乾燥させる。その後、熱分解してア
ルミナ単独の微粉末を得る。ここで、熱分解を行なうに
当たっては、大気中で、900〜1200℃、例えば1
050℃で2時間処理する。つまり、この噴霧乾燥及び
熱分解を経ることにより、平均粒径が0.2〜0.3μ
mで、純度が99.99mol%以上のアルミナ微粉末
が合成される。なお、合成されたアルミナ微粉末は、上
記粒径のアルミナ微粉末が凝集してこの粒径より大きな
2次凝集体として得られる。
【0039】次に、図7(a),(b)に示す形状の発
光管1Aの製造工程について、図8の工程図を用いて説
明する。なお、図7(b)は、図7(a)のY平面断面
図である。まず、上記のようにして得たアルミナ微粉末
(2次凝集体)に、アクリル系エマルジョンといった有
機バインダーやポリアクリル酸ソーダ等の解膠剤並びに
オクタノール等の消泡剤を蒸留水とともに配合し、これ
をプラスチック(ナイロン)ボールミルにて約24時間
に亘って湿式混合して過剰の凝集をほぐしつつ、アルミ
ナが上記溶媒中に均一に存在するスラリーを調製する(
工程1)。
【0040】なお、アルミナ微粉末に対する有機バイン
ダー等の配合比(重量比)は、アルミナ微粉末100g
に対して、次の通りである。 有機バインダー      3g 解膠剤              1g消泡剤   
       0.1g 蒸留水            55g
【0041】次
に、調製したスラリーから気泡を除去する(工程2)。 具体的には、ボールミルから取り出したスラリーを真空
デシケータ内の樹脂容器に入れ、樹脂容器内のスラリー
をマグネットスターラ等を用いて攪拌しつつデシケータ
内の空気を真空ポンプにて数分間(例えば約5分間)吸
引する。
【0042】その後、以下の工程を経て図7(a),(
b)に示す所望の成形体を、図9(a)に示す合わせ型
10を用いて成形する。この合わせ型10は、石膏等の
多孔質無機材料或いは石膏と同程度の機能を有する細孔
を具備する多孔質樹脂から形成された左右対象の型11
a,11bを、図9(a)に示すように接合して構成さ
れ、型11a,11bの接合面にスラリー注入空間13
を形成する。
【0043】各型11a,11bは、図9(b)に示す
ように、その接合面15a,15bに、型下端側で湾曲
した溝(キャビティ)13a,13bを備える。この溝
13a,13bは、先端に球状切り歯を備えるエンドミ
ルにて、次のようにして接合面15a,15bに切削さ
れている。
【0044】即ち、図10(a)に示すように、半径r
の球状切り歯を先端に備えるエンドミルEMを、型11
a,11bの接合面15a,15bからの切り込み深さ
をrにして、図中矢印Aに沿って移動させる。この場合
、切削開始位置Sから切削終了位置Eまでのエンドミル
EMの切削軌跡は、接合面15a,15bにおいて、図
10(b)に矢印Aで示す軌跡であり、この軌跡の往路
と復路との間隔Lは2rより小さく設定されている。
【0045】従って、接合面15a,15bには、図1
0(b)におけるX−X線断面端面図の図10(C)に
示すように、二つの円弧状の溝をその中央に接合面15
a,15bより僅かに低い凸条14a,14bを残して
接合させた形状の溝13a,13bが、エンドミルEM
により切削・形成される。なお、上記のように溝13a
,13bの切削に替えて、溝13a,13bの中央に凸
条14a,14bが形成されるよう造型することもでき
る。
【0046】上記した型11a,11bをその接合面で
接合して両型を固定し、合わせ型10とする(図9(a
)参照)。
【0047】次に、この合わせ型10のスラリー注入空
間13内に、工程2にて気泡除去後のスラリーを注入し
、所定時間放置する(工程3)。スラリーの注入に当た
っては、図11に示すように、合わせ型10の上面に設
置した円筒体17にスラリーを流し込む。なお、円筒体
17には、スラリー注入空間13の容積以上のスラリー
が注入される。また、円筒体17下面と合わせ型10の
上面とは、円筒体17下端に粘土19を管状に配置する
ことにより、シールされている。粘土に替えてゴムを用
いてもよい。
【0048】こうしてスラリー注入空間13内に注入さ
れたスラリーにおける溶媒成分(ここでは、蒸留水)は
、上記したようにスラリー注入後に所定時間放置される
間に、多孔質の各型11a,11bの孔に毛細管現象に
より吸引され型内に吸収される。このため、スラリー注
入空間13の壁面には、有機バインダー等によって結合
されたアルミナ粉末が壁面の表面に沿って均等に着肉さ
れ、図12に示すように、隣合う管状体がその中央で接
合したようなアルミナ層SAが形成される。
【0049】このスラリー注入後の放置時間は、上記ア
ルミナ層SAの厚さ、即ち後述する成形体の内径を決定
する。このため、形成されたアルミナ層SAの内径等が
所定の値になるよう、上記放置時間が予め実験等により
定められている。また、この放置時間及び型の大きさの
設定に当たっては、焼結時の体積収縮等も見込んで決定
される。本実施例における放置時間は、アルミナ層SA
の内径が約4.82mm、充填率が約58%となるよう
設定されており、この場合、3分以下とする。なお、ア
ルミナ層SAの外径はスラリー注入空間13によって定
まり、約5.54mmである。
【0050】なお、放置する間に亘って各型外側を負圧
に維持し、スラリー中の溶媒成分を型外に強制的に吸引
するような構成にしてもよい。このようにすれば、放置
時間を短縮することや、スラリー内の気泡を型を通して
直接除去したり、吸引を強くすることにより充填率をさ
らに上げることができる。
【0051】そして、所定時間放置後に、円筒体17内
部及びアルミナ層SAの内側に残存するスラリーを排泥
する(工程4)。その後、合わせ型10を分割して図7
(a),(b)に示す形状の発光管1Aの成形体を離型
し、成形体から溶媒が完全に抜けるまで成形体を乾燥さ
せる(工程5)。
【0052】次に、この成形体に大気中で1200〜1
300℃の所定焼結温度、例えば約1235℃で4時間
程度の熱処理を施すことにより、成形体を焼結する(工
程6)。この際、100℃/時間で昇温した。こうして
焼結することにより、その体積収縮は焼結前の成形体の
約83%となり、所望の寸法を得る。この時、充填率は
ほぼ100%(嵩密度3.976)となる。なお、焼結
を1200〜1300℃の温度範囲で行なうようにした
のは、焼結後の密度を理論密度に対して95%以上とし
て後工程の熱間静水圧プレスがかかるようにするととも
に、焼結体における粗大結晶の形成を回避するためであ
る。つまり、上記焼結を1200℃以下で行なうと、焼
結後の密度が理論密度に対して95%を下回り熱間静水
圧プレスがかからず、1300℃以上では焼結体におけ
る粗大結晶の形成頻度が増し強度上不利となるからであ
る。
【0053】その後、この焼結体に、アルゴン雰囲気中
で、或いは20vol%以下の酸素を含有するアルゴン
雰囲気中で次の条件に基づく熱間静水圧プレスを施す(
工程7)。この際、200℃/時間で昇温した。こうし
て、工程6を経た焼結体に所望の透光性が発現し、透光
性アルミナの発光管1Aとなる。この熱間静水圧プレス
を施すに当たっては、焼結体をサファイヤビーズ(粒径
2mm)及びチタンスポンジに埋設して行なった。 処理温度          1200〜1250℃(
最適温度1230℃) 処理圧力          1000〜2000at
m(最適圧力1000atm) 処理時間                1〜   
   4時間(最適処理2時間) ここで、熱間静水圧プレスを上記温度範囲と圧力範囲で
行なうようにしたのは、所望する高い透光性を得るとと
もに機械的強度を改善し、熱間静水圧プレスをかけてい
る最中の破損を回避するためである。つまり、熱間静水
圧プレスを1200℃未満或いは1000atm未満で
行なうと透光性が発現するものの低い透光性しか得られ
なかったり、逆に1250℃を超えると異常粒成長を促
進させて機械的強度や透光性の低下を招き、2000a
tmを超えると焼結体中に存在するポアや傷などが極め
て微細であっても傷等が存在する箇所に応力集中が起こ
りクラックが発生したりするからである。
【0054】作製された発光管1Aは、内径が約4.0
mmであり、肉厚が約0.3mmであり、また開口部か
ら屈曲部までの高さが約20mmである。つまり、管路
長は約40mmである。なお、透過型電子顕微鏡(TE
M)による組織観察の結果、粒界には、光の散乱源とな
る粒界相の生成や原子レベルの空隙並びに格子欠陥等の
存在は認められなかった。発光管1Aの物性については
後述する。
【0055】こうして得られたアルミナ発光管1Aの内
外表面を、粒径0.5μmのダイヤモンド砥粒を付着さ
せたブラシにて、肉厚が0.2mm以下となるよう研削
研磨する(工程8)。この表面処理により、発光管表面
の凹凸等が除去されて表面における光の散乱が回避され
、透過率が改善される。なお、この表面処理とともに、
発光管1Aの開口部端面にもダイヤモンド砥石によって
研削研磨を施し、開口部端面に後述の封止部材の着座面
を形成する。また、0.05mm程度までの肉厚に研削
研磨しても、使用上差し支えない。
【0056】こうして作製された発光管1Aを3本準備
し、セラミック製のベース601(図4参照)でそれら
の開口部を封止する。この際、図13に示すように、3
本の発光管611、612、613の開口部を上に向け
、U字部を下に向けた状態でアマルガムAM1、AM2
、AM3を各発光管611、612、613に滴下する
。なお、各発光管611〜613に入れるアマルガムA
M1,AM2,AM3は、前述したように、それぞれH
g−In系、Hg−Tl系、Hg−Na系の2元アマル
ガムである。
【0057】一方、ベース601には主電極を予め固定
しておくとともに、突起部621〜626(図4参照)
の周囲に所定のペレット状の封止材をはめる。そして、
ベース601の突起部621〜626を3本の発光管の
開口部にはめ込んで加熱封着する。この際、内圧はアル
ゴン等の希ガスにより数十Torrに調整される。
【0058】上記のように、複数の発光管を1つのベー
ス601に封着するようにすれば、1回の作業で複数の
発光管を同時に封止することができるという利点がある
。また、ランプの構成部品の数を少なくできるので、ラ
ンプの製造が容易になるという利点がある。更に、上記
の方法では発光管のU字部を下方に向けた状態で封止す
るようにすれば、アマルガムが溜まっているU字部と、
封止部との間の距離が長くなり、従って、封止時の熱で
アマルガムが蒸発して発光管内から漏洩する量を少なく
抑えることができ、アマルガムを予め正確に計量してお
くことができるという利点もある。
【0059】なお、ベース601及びこれを固着するた
めの封止材の材質としては、例えば、上記発光管の表面
改質のためにCuO,NiO等の酸化物を含有したアル
ミナ系サーメットや、CaO−Al2 O3 −MgO
系のソルダーガラス等を例示することができる。上記ア
ルミナ系サーメットからなるベースは、管壁温度が約1
200℃に達するような発光管に適し、ソルダーガラス
からなるベースは、管壁温度が約900℃に達するよう
な発光管に適している。
【0060】ベース601及び封止材の材質として上記
ソルダーガラスを用いた場合には、封止材は、真空チャ
ンバー内で所定温度(約1370℃)に局部加熱されて
溶融し、冷却後に固化して発光管611〜613とベー
ス601とを完全に気密・封着する。
【0061】E.透光性アルミナの物性次に、本実施例
の発光管1Aと、比較品及び従来品について比較する。 その比較結果を表1、表2に示す。
【表1】
【表2】 評価項目は、500nmの波長の光に対する直線透過率
と、JIS  R1601による機械的強度(曲げ強度
,ワイブル係数)と、3,000 時間の連続点灯を行
なう耐久性とを採用した。
【0062】この際、直線透過率の測定に当たっては、
0.5mmの肉厚の板状の試料を別途作製してこれを測
定に供し、また、機械的強度の測定に当たっては、形状
,厚み等についてJIS  R1601に準じた試料を
別途作製してこれを測定に供した。なお、本実施例の発
光管1A又は比較品の発光管の代替え品となるこれら試
料の作製に際しては、上記した本実施例の各工程におけ
る諸条件に従った(表1、表2中にも一部記載)。また
、従来品の発光管の代替え品となるこれら試料の作製に
際しては、粒径を粗大化させた結晶構造となるよう従来
の方法で作製した。
【0063】耐久性の試験を行なうに当たっては、次の
発光管を用いた。従来品及び比較品の発光管は、内径は
本実施例の発光管1Aと同一とし、肉厚は従来品が約0
.6mm,比較品が約0.2mmである。また、各比較
品は、本実施例の発光管1Aと同様の工程を経て作製し
た。その焼結温度等については、表1、表2の通りであ
る。従来品の発光管は、粒径を粗大化させた結晶構造と
なるよう従来の方法で作製した。
【0064】粒径の算出は、本実施例の発光管1A,比
較品,従来品の代替え品である上記板状の試料(直線透
過率の測定用に別途作製した試料)の表面をダイヤモン
ド砥粒にてラップし、更に水酸化カリウムで粒界エッチ
ングを施した後、走査型電子顕微鏡により試験片表面を
観察し、結晶粒子の輪郭を画像解析することにより行な
った。なお、画像解析に当たっては、結晶粒子を球体や
多角形体として仮定して、その直径や頂点間距離の最大
値を粒径算出に用いた。結晶粒子を球体と仮定して算出
した粒径の分布図を図14に示す。
【0065】直線透過率の測定については、上記別途作
製した試料を0.5mm厚とし両面を0.5μmの粒径
のダイヤモンド砥粒によりラップ仕上げした後、分光光
度計により求めた。
【0066】表1、表2からも明らかなように、本実施
例の発光管1Aは、平均粒径が1μm以下で最大粒径が
2μm以下の極めて微細な結晶粒子からなる透光性アル
ミナであるので、常温から放電時温度に亘っての機械的
強度(曲げ強度,ワイブル係数)が従来品及び比較品よ
り改善される。この結果、薄肉化を図ることができる。 具体的には、発光管としての肉厚が約0.2mmと従来
品(約0.6mm)の1/3であるにも拘らず、3,0
00 時間の連続点灯を経ても劣化や破壊は生じなかっ
た。そして、薄肉化により発光管自体の熱容量が小さく
なるため、発光管が速やかに所定温度まで昇温するので
、放電用の金属成分が蒸発して飽和蒸気圧となり発光が
安定するまでの始動時間を短縮化することができる。
【0067】また、スピネル相などの粒界相をほとんど
形成しないとともに、光の散乱因子となる結晶粒子内部
の結晶子界面を微小粒径に基づいて少なくしたことに起
因して、光が発光管1Aの壁面を透過する間における光
の散乱が抑制され、380〜760nmの波長の光(可
視光)に対する高い直線透過率(70%以上)を備える
。このため、この発光管1Aを用いた高圧放電灯により
透過輝度が改善される。
【0068】更に、従来のようにスピネル相等の粒界相
が存在しないことから、放電用金属蒸気成分(イオン)
による粒界への侵食(腐食)が抑制されて、発光管外へ
の放電用金属蒸気成分のリークが薄肉であっても阻止さ
れる。このため、発光管内における放電用金属蒸気成分
の残存量が初期の封入量のまま長期間維持され、高輝度
放電灯の長寿命化を図ることができる。
【0069】F.変形例 なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、
その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において
実施することが可能であり、例えば次のような変形も可
能である。
【0070】(1)上記実施例では、3本の発光管に異
なる2元アマルガムを封入することによって発光色を変
えていた。しかし、2元アマルガムの代わりに、金属ハ
ロゲン化物を封入してもよい。例えば、第1の発光管6
11にはInI3 等のインジウムのハロゲン化物を封
入し、第2の発光管612にはTlI等のタリウムのハ
ロゲン化物を、また、第3の発光管613にはNaI等
のナトリウムのハロゲン化物を封入してもよい。
【0071】(2)上記実施例では、発光管に封入する
発光物質を各発光管ごとに変えていたが、発光色を変え
るためには、耐熱性と透光性とを有する色付フィルター
を発光管の外側に直接設けることによってランプの外部
に出射される光の色を調整してもよい。
【0072】また、透光性アルミナの管の外周層として
、酸化クロムを約1mol%固溶させた赤色の外周層を
形成した発光管を用いてもよい。酸化クロムの代わりに
酸化ニッケルを固溶させると緑色の層となり、酸化コバ
ルトを固溶させると青色の層となる。なお、外周層の厚
みとしては、10μm程度が好ましい。透光性アルミナ
の管の外周層のみを着色する代わりに、発光管全体に上
記の酸化物を固溶させることによって発光管全体を着色
するようにしてもよい。
【0073】なお、上述のように、発光管自身を着色し
たり、発光管の外側に色付きフィルタを設けたりするの
と同時に、各発光管に封入する発光物質をかえて発光管
固有の発光色を変えるようにしてもよい。
【0074】(3)上記実施例では、3本の発光管を用
いていたが、3本に限らず、一般に2本以上の発光管を
用いればよい。図15は、2本と4本の発光管をそれぞ
れ用いた放電ランプの例を示す平面図である。図15(
a)のように2本の発光管を用いただけでは白色と等色
な発光色を得ることはできないが、2本の発光管の発光
色の組み合わせによって、数種類の色度に発光色を変化
させることは可能である。
【0075】図15(b)の例では、緑色の発光管を2
本用いている。RGBの3原色を用いて白色と等色な発
光色を得るには、R:G:Bの光束(lm)の比を1:
4.6:0.06にする必要がある。各色の発光管の全
光束を互いに異なる値に設計することも可能だが、緑色
の発光管の全光束を前記の比で示される程度に高めるの
は一般に容易ではない。従って、図15(b)のように
、緑色の発光管を赤色や青色の発光管よりも多く用いれ
ば、白色に近い発光色を得易いという利点がある。
【0076】(4)発光管は、両端における開口部が同
一の方向を向いている形状を有していればよく、図16
ないし図22に示すような種々の形状の発光管を利用す
ることができる。図16の発光管1Aでは、U字形の部
分の厚みが他の部分の厚みよりも厚くなっている。この
ような発光管を製造するには、厚肉の成形体を作り、こ
の成形体に焼結・熱間静水圧プレス等を施した後に研削
して壁面を薄肉化すればよい。こうして、図16に示す
ように、屈曲部の点灯範囲の壁面を外側に湾曲した壁面
とすれば、発光管からの点灯状態を、凸レンズを経て照
射されたような形態とすることができる。
【0077】図17(a)に示すように、断面が4角形
の管状体がその中央で接合したような発光管1Bを用い
ることもできる。この発光管1Bは、すわりがよくなる
ので、砥石等による研削研磨加工が容易となる。同時に
、発光管1Bの図中上下の側面を研削すれば、この側面
に生じていた凹部のくびれ程度が小さくなるので、放電
開始時及び放電中における熱応力などによる発光管の破
壊が起こりにくくなるという利点がある。また、図17
(b),(c)に示すように、屈曲部の点灯範囲の壁面
を外側或いは内側に湾曲した壁面に容易に研削成形する
ことができ、発光管からの光の照射状態は、凸レンズ或
いは凹レンズを経て照射されたような状態とすることが
できる。
【0078】更に、図18に示すように、電極が発光管
内に存在する範囲の開口部側面だけを互いに接合し、そ
の他の範囲はループ状となるような形状の発光管1Cと
してもよいことは勿論である。この発光管1Cによれば
、主電極を保持する開口部とこの開口部に対向する発光
位置との間の距離(図中記号L)、即ち発光管高さを低
くしても発光管内容積を増加させることができる。この
ため、放電用金属成分をより多く封入でき、コンパクト
でありながら輝度を増加させることができる。また、当
然に、点灯方向に対する高輝度放電灯の小型化が可能で
ある。
【0079】このような形状の他に、両端の開口部以外
は図18に示すようなループ状となるような形状であり
ながら、図19の斜視図に示すように、互いに接合した
開口部と上記ループ状部との連結部分で屈曲した形状の
発光管1Dとすることもできる。この発光管1Dによれ
ば、図中記号Lで表わす発光管高さがより低くなるので
、発光管、延いては高輝度放電灯を点灯方向に対して一
層小型にすることができる。
【0080】図20は、図19の発光管を3本用いた放
電ランプ6aを示す正面図と平面図である。このように
、各発光管の高さLが小さいので、ランプ全体の高さL
Lも小さく抑えることができる。また、図20(b)か
らわかるように、各発光管の発光部の大部分から出射さ
れる光が、発光管自身や他の発光管によって妨害されず
に点灯方向Tに出射される。従って、点灯方向Tへの光
束が大きくなるという利点がある。
【0081】図21は、図19の発光管1Dの未焼結成
形体を形成する際に使用される型10Aを示す図である
。この型は、交差した二つの接合面16a及び17aを
有する型18aと、同様な接合面16b及び17bを有
する型17bとから構成される合わせ型である。傾いた
接合面17a,17bは、互いに接合した開口部を形成
するための溝を備え、垂直な接合面16a,16bは、
ループ状部を形成するための溝を備えている。垂直な接
合面16a、16bの溝と、傾いた接合面17a、17
bの溝は、接合面の交差部で連結されている。
【0082】図22に示すように、管路が2ヶ所で変曲
し開口部の接合部と対向する直線管路を備えた略三角形
の発光管1Eとすれば、上記発光管1Dと同様に、図中
記号Lで表わす発光管高さがより低くなり、発光管、延
いては高輝度放電灯を一層小型にすることができる。
【0083】また、図23に示ように、2つの開口部が
接合されておらずに離れている発光管1Fを用いてもよ
い。ただし、上述した他の発光管のように2つの開口部
の側面が互いに接合されている発光管を用いれば、発光
管の開口部付近で発生した熱が反対側の開口部に与えら
れるので、発光管全体の温度上昇が早くなり、始動時間
が短縮されるという利点がある。
【0084】このように、この発明における発光管は、
その両端部が同一の方向を向いている形状を有していれ
ばよい。なお、1つの放電ランプ内で、異なるタイプの
発光管を使用してもよい。例えば、比較的大きな光束の
発光管(例えば緑色用の発光管)として図18や図19
の発光管1C,1Dのように内容積の大きな発光管を用
い、比較的小さな光束の発光管(例えば赤色用や青色用
の発光管)として図7の発光管1Aのように内容積の小
さな発光管を使用してもよい。異なる形状の発光管を用
いるようにすれば、これらの発光管の光束を所望の比に
調節することができ、従って、放電ランプ全体の色度の
調整可能範囲を色度座標上の所望の領域に設定できると
いう利点がある。
【0085】(5)上記実施例では、複数の発光管の開
口部を1つのベースで封止していたが、各発光管の開口
部を別々の封止部材で封止してもよい。図24は、1本
の発光管の開口部に固着される封止部材を示す斜視図で
ある。他のタイプの封止部材として、各発光管の各開口
部をそれぞれ別個に封止する封止部材を利用してもよい
【0086】図25は、発光管611aの開口部を封止
する封止部材640と、発光管611aを固定するベー
ス601aとを異なる部材とした他の例を示す図である
。ベース601aの上部には、発光管611aの外形に
即した穴が開けられており、また、その穴の下部には段
差が設けられている。発光管611aを上部からベース
601aの穴に差し込むと、段差部のところで止まるよ
うになっている。図25の放電ランプは、図25のよう
に上向きで使用するか、または横向きで使用するタイプ
のランプであり、発光管611aとベース601aとは
、相互の摩擦によって位置ずれが防止されている。発光
管611aの開口部は封止部材640の周囲において封
止剤SLで封止されている。なお、発光管611aとベ
ース601aとの位置ずれを確実に防止するために、図
25に破線で示すように、電極のリード線をベース60
1aの下面のところで一度L字状におり曲げてもよい。
【0087】このように1つのベースで複数の発光管を
同時に封止しない場合には、複数の発光管の両端部が互
いに等しい方位で配置されるように、各発光管の封止部
材を所定のベース(基部)に固定するようにすればよい
。すなわち、発光管を基部に直接的に固定してもよく、
間接的に固定してもよい。一般には、各発光管の両端部
を互いに等しい方位に向けた状態で、複数の発光管をラ
ンプの基部に固定すればよい。。
【0088】(6)上記実施例では、発光管材料として
、99.99mol%以上の高純度アルミナ微粉末を焼
結して形成し、平均粒径が1μm以下で、最大粒径が2
μm以下とした透光性アルミナを用いたが、他の透光性
アルミナを用いてもよい。また、Y2O3,MgO,Z
rO2 ,CaO,HfO2 ,AlNなどの他の透光
性セラミックを用いてもよい。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た発明によれば、互いに異なる色度の発生光を有する3
本の発光管を用い、各発光管の前記両端部を互いに等し
い方位に向けた状態で放電ランプの基部に固定している
ので、基部から各発光管に向かう方向に沿って各発光管
から出射される光が他の発光管によって妨害されること
がなく、大きな光束を得ることができる。この結果、各
発光管の輝度を合計した輝度で照明することができるの
で、高輝度のまま発生光の色度を変えることができると
いう効果がある。
【0090】請求項2に記載した放電ランプは、上述の
可変色照明装置に適した放電ランプである。
【0091】また、請求項3に記載したように、請求項
2の放電ランプを、発光管を透光性セラミックとした高
輝度放電ランプに適用すれば、他の種類の放電ランプよ
りもより高輝度のランプとすることができるという効果
がある。
【0092】請求項4に記載したように、透光性セラミ
ックを、高純度のアルミナを焼結したアルミナであって
、結晶粒子の平均粒径が1μm以下で、最大粒径が2μ
m以下の透光性アルミナとすれば、従来の透光性アルミ
ナに比べて極めて微細な結晶構造を備え、また、スピネ
ル相などの粒界相がほとんど形成されない。この結果、
常温から放電時温度に亘っての機械的強度が改善され、
発光管を薄肉にすることができるという効果がある。ま
た、この透光性アルミナは、可視光に対する直線透過率
が大きいので、放電ランプの輝度をさらに高めることが
できるという効果がある。
【0093】さらに、請求項5に記載したように、3原
色の色に近い色度で外部に発光する発光管を用いるよう
にすれば、色度座標系における広範囲の色度の発生光を
得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例としての可変色照明装置の
構成を示す図。
【図2】放電ランプの正面と平面を示す図。
【図3】ベースと発光管の断面を示す部分断面図。
【図4】ランプのベースの斜視図。
【図5】発光管の相対出力と発光色との関係を説明する
ためのxy色度図。
【図6】実施例の電気的構成を示すブロック図。
【図7】実施例の発光管の形状を説明するための説明図
【図8】発光管の製造工程を説明するための工程図。
【図9】発光管の製造に用いる合わせ型の斜視図。
【図10】合わせ型の製造過程を説明するための説明図
【図11】発光管の製造工程を説明するための説明図。
【図12】発光管の製造工程を説明するための説明図。
【図13】ランプの組立工程を説明するための説明図。
【図14】発光管を構成する透光性アルミナの粒径分布
を表わすグラフ。
【図15】複数本の発光管を有する放電ランプの他の例
を示す平面図。
【図16】発光管の変形例を示す説明図。
【図17】他の発光管を示す説明図。
【図18】他の発光管を示す説明図。
【図19】他の発光管を示す説明図。
【図20】図19の発光管を用いたランプを示す図。
【図21】図19の発光管を製造するための型を示す図
【図22】他の発光管を示す説明図。
【図23】他の発光管を示す説明図。
【図24】発光管の開口端部に固着される封止部材の斜
視図。
【図25】発光管をベースに固定する他の方法を示す説
明図。
【符号の説明】
1A〜1F…発光管 2…電力制御回路 3…調色制御回路 4…遠隔操作装置 5…交流電源 6…放電ランプ 6a…放電ランプ 10…型 10A…型 11a…型 13…スラリー注入空間 13a…溝 14a…凸条 15a…接合面 16a…接合面 16b…接合面 17…円筒体 17a…接合面 17b…型 18a…型 19…粘土 21…調光器 24…安定器 31…入力部 32…出力配分算定部 33…発光管出力算定部 34…調光信号出力部 42…色度設定部 43…ランプ出力設定部 100g…アルミナ微粉末 601…ベース 602…外管 611…発光管 612…発光管 613…発光管 621…突起部 623…突起部 625…突起部 631…主電極 671…接続ピン AM1…アマルガム EM…エンドミル SA…アルミナ層 SL…封止部材 Sc…色度信号 Sp…ランプ出力信号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  発生光の色度を変更可能な可変色照明
    装置であって、互いに異なる色度の光を外部に発する複
    数の発光管を有する放電ランプと、前記複数の発光管を
    点灯させるとともに、前記複数の発光管の相対出力を調
    整する点灯手段とを備え、前記複数の発光管のそれぞれ
    は両端部が同一の方向を向いている形状を有しており、
    各発光管の前記両端部を互いに等しい方位に向けた状態
    で、前記複数の発光管が前記放電ランプの基部に固定さ
    れていることを特徴とする可変色照明装置。
  2. 【請求項2】  互いに異なる色度の光を外部に発する
    複数の発光管と、前記複数の発光管を固定するための基
    部とを備え、前記複数の発光管のそれぞれは両端部が同
    一の方向を向いている形状を有しており、各発光管の前
    記両端部を互いに等しい方位に向けた状態で前記複数の
    発光管が前記基部に固定されていることを特徴とする放
    電ランプ。
  3. 【請求項3】  請求項2記載の放電ランプであって、
    当該放電ランプは高輝度放電ランプであり、前記複数の
    発光管のそれぞれは透光性セラミックで形成されている
    放電ランプ。
  4. 【請求項4】  請求項3記載の放電ランプであって、
    前記透光性セラミックは、99.99mol%以上の高
    純度アルミナ微粉末を焼結した透光性アルミナであり、
    かつ、平均粒径が1μm以下で、最大粒径が2μm以下
    である放電ランプ。
  5. 【請求項5】  請求項4記載の放電ランプであって、
    前記複数の発光管は、青の波長域の光を外部に発する第
    1の発光管と、緑の波長域の光を外部に発する第2の発
    光管と、赤の波長域の光を外部に発する第3の発光管と
    を含む放電ランプ。
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