JP2005527935A - 単結晶サファイア外殻を用いた高輝度放電ランプ - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、1999年2月1日に出願された、発明の名称が「Sapphire High Intensity Discharge Projector Lamp」である、米国特許出願第09/241,011号の継続出願である、2001年10月2日に出願された、発明の名称が「Sapphire High Intensity Discharge Projector Lamp」である、米国特許出願第09/969,903号の優先権の利益を主張する。
両出願ともその全てが本明細書中で参考として組み入れられている。
本発明は、画像投影、自動車用、医療用、通信用(光ファイバ)及び一般的な照明用等、様々な適用に適した放射線スペクトルを作り出す高輝度放電ランプに関する。
画像投影は、高輝度放電(HID)ランプにより作り出される可視光線の適用の主要分野の1つである。可視光線が最適化される従来のHIDランプは、該可視光線を調節して画像投影に特に適する可視光線とする重要な特性を有する。
通常そのようなHIDランプは、特定の間隔が空けられる2つの電極の間で、外殻の内側に形成されるプラズマ・アークから光を放つ。
HIDランプから放たれる光の放射線スペクトルは、該ランプに含まれる(充填)ガス及び他の物質次第で変化する。従来の投影システムにおいて、ランプからの光は一連の光学要素を介して集められ、画像ゲートを介して投影された画像を形成するためにスクリーンに投影される。画像ゲートで画像を形成する要素は、フィルム又は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、デジタル・マイクロ・ミラー・デバイス(DMD)又は反射型液晶パネル(LCoS)のような任意のタイプの光モジュレータとすることができる。
画像投影製品において、HIDランプの有用性は、その光学的効率、出力効率、演色性、アークの安定性(揺らぎがないこと)、アーク間隔、物理的な大きさ、原価、運転費及び全体的なシステム・コストで規定される。
HIDランプは、同様の性能を要する製品に紫外線(UV)又は赤外線(IR)を作り出すために設計することもできる。
石英の外殻を用いるHIDランプは、これら必要条件に合うが、PCA外殻は半透明であり、一般的には画像投影及び同様の用途には適さない。通常PCA外殻は、より大きな光源に適用の際、必要に応じて比較的大きな間隔を用いて組み立てられる。
更に最近、PCA外殻の代わりとしてHIDランプ外殻は多結晶サファイア(PCS)で生産される。PCA外殻と比較して、PCS外殻は光透過率及び外殻の他の特性を改善するが、PCS外殻は、ほとんどの画像ディスプレイ投影及び関連する適用に適さない微細な表面起伏を有する。従って、従来のHIDランプには主に石英外殻が用い続けられている。
更に、石英外殻は、ナトリウム又は水素のような多くの添加物を含有することができ、該添加物は放射された光のスペクトルを調整するのに重要である。
そのようなHIDランプからの光は、より互換性のあるCCTを達成するためにフィルターを通らなければならないが、フィルタリングによりランプの効率性を約30〜40%縮小する。金属ハロゲン化物の添加物は、より望ましいCCT(「金属ハロゲン化物」ランプ)への光スペクトルを調整する目的で通常水銀ランプに加えられる。
しかしながら、金属ハロゲン化物の有効性は、動作圧が、石英外殻ランプの最大の電流動作圧で最小の負担ポイントまで増加するので減少される。従来の画像投影システムは、広範囲なCCTの光源を用い、該範囲は典型的には、タングステン・ハロゲン・ランプで3,000°から3,300°K、金属ハロゲンHIDランプで4,000°から5,000°K、ショート・アーク・キセノン・ランプで5,500°から6,500°K、水銀ランプで7,000°K以上である。
ランプの間隔が短くなるにつれ、HIDランプの効能は減少され、また、プラズマ・アークに供給することができる動力は外殻材料の熱特性により制限される。より小さなアーク間隔ランプの効能を増すために、動作圧を増加させなければならない。
しかしながら、石英外殻特性は、HIDランプの使用が可能な圧力及び力の負荷率を約200atm及び約20W/cm2に制限する。更に、画像投影のような適用において、ランプは本質的に揺らぎが生じない。
アーク・ランプにおける揺らぎは、ランプの電球サイズ及び充填圧とパラメトリックに関連する。従来の石英外殻を用いる場合、揺らぎの生じない動作を実現するためにはランプ圧力が200atm未満のままである必要がある。
本発明の目的は、高輝度放電(HID)ランプの効率性、寿命及びスペクトルの安定性を改善することである。本発明は、従来の外殻材料を取り替えるためにランプの外殻に単結晶サファイア(SCS)を利用する。
本発明のSCS外殻ランプは、従来のHIDランプよりも、物理的により小さく、光をより効率的に生成し、より高輝度である安定したプラズマを生産することが可能である。SCS外殻ランプは、例えば、画像投影、自動車のヘッドランプ、光ファイバー光源のように小さく、光線の幅が細いことが必要とされる高出力光源製品に利用することができる。
これらの利点は、本発明のSCS外殻ランプをより高圧力及び高温で操作し、ワット当り、入力された電力以上に使用可能な光を作り出すことを可能とする。更に、SCSの優れた耐化学性は、適用のための特定のスペクトルにおいて光を作り出すために充填ガス及び添加物のより広範囲の使用を可能にする。
例えば、400nmから700nmのスペクトルにおける可視光線の放射のために、この汎用性は、4,000°Kから9,000°Kの狭い範囲で設定され、相関色温度を一定して保つことが可能となる。可視光線放射に加えて、本発明は同様の利点を備えた紫外線(200nmから400nm)及び近赤外線(700nmから約2500nm)スペクトルにおいて放射線放射を作り出すために利用することができる。
更に、SCS外殻ランプは、石英又は多結晶アルミナより、高い安定性を有する強度で、自動製造を行う技術の使用により、同一又は低コストで製造することができる。
他の実施例において、SCS外殻ランプは電極がなく、マイクロ波又は無線周波数放射線で動力を供給することができる。又はSCS外殻ランプは、電極及びマイクロ波パワーの両方を使用して、ハイブリッドとして操作することができる。
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して詳細に記載される。
電極リードのためのエンド・プラグ内に必要な穴は、従来の方法、レーザーによる穿孔、又は小さい直径のSCSチュービングにより作ることができる。本発明のSCS外殻ランプは、ランプの加熱及び冷却サイクルからの損失に関連する応力を最小化するために、ナノサイズのアルミナケイ酸塩のようなSCS構成要素に対する同様の熱膨張特性でシール材料を用いて優先的に組み立てることができる。
0.17〜5.5のmkmの広い光透過範囲は、紫外線(UV)、可視光及び赤外線(NIR)光の外殻の生産を理想的なものにする。またSCSは、フッ化水素、硫黄及び塩化水素に対して不溶性であり、HIDランプへの適用に関し最も重要なこととして、気体が抜けたり又は不透明になったりはしない。
SCSの作動温度は石英より高く、SCSはより高い熱伝導性を有する。未加工のSCSチュービングは、現在サフィコン(Saphikon)、京セラのような数多くの供給メーカーから入手が可能である。配達される市販のチュービング及びSCSチュービングは、円形断面の許容誤差を保つという問題を有する。このことは、適切な表面を適切に機械加工することにより処理される。すなわち、均一及び明確な壁の厚みを得るために、ダイヤモンドを用いた道具を用いて内部にリーマ仕上げを施し、外部に磨き仕上げを施す。
SCS外殻は、石英より高い外面温度を許容し、HIDランプへの適用において、石英の20W/cm3と比較して150W/cm3以上の伝導性熱流束を処理する。
光線は、レンズ18及び19でフレネル・プレート20及びLCDプレート21へ焦点が当てられる、該プレートは画像を形成する。画像はプロジェクター・レンズ23でスクリーンに焦点が当てられる。
図2Bにおいて、外殻100が用いられる。好ましくはPCA又はSCSから作られるプラグ200は、外殻100の端部を仕切る。プラグ200は、耐圧性及び耐化学性密閉を形成し、内部直径d及びプラグ200の放電に面する表面と隣接する箇所の内部にガスを含むために抗ハロゲン化物シール材料で外殻100に密閉される。
ハロゲン化物シール材料は、クリーブランドのフェローインク(Ferro Inc)のような供給メーカー、例えば、アルミニウム、チタン又はタングステン酸化物等の材料から構成される。そのような材料の融点は、約800℃から1,500℃であり、最も好ましくは、約1,200℃から1,400℃である。
電極ステム206は、電極ベース202に溶接で取り付けられる。電極ステム・クリアランス・ホール208は、クリアランスが小さすぎるため、毛管現象を介したガラスシール材料によってクリアランス・ホール208を満たすことができない電極ステム206、210の据え付けを可能とするため充分大きい。
充填の際、出口開口部は高融点ハンダで密閉される。ハンダは、中空チューブを介してレーザー・ビームで融解する。
これら相違する膨張及び縮小の割合は、熱の再循環を伴うシールの規模の縮小の原因となる。
ホール801は、電極ステム206、210よりも大きな最大径0.3mmとすることができる。特に電極ベース202、203を、より大きな開口部800、804に嵌め込む。この時この嵌め合いに、毛管作用でガラス充填剤で満たせるように適当なクリアランスがあるようにしておく。電極ベース202、203は、ニオブ又はチタンから構成させることができる。
ニオブ又はチタンは、サファイアの膨張係数(8×10−6K−1)に近い膨張係数をしている。電極ステム206は、例えば溶接などにより電極ベース202に付着させることができる。クリアランス・ホール801、803は、電極ステム206、210を備え付けることができるくらい大きい。この電極ステム206、210のクリアランスは、ガラス・シールされたクリアランス・ホール800のガラス充填材が、毛管作用によって入り込めないくらい小さい。
表2は石英とサファイアの様々な温度における引張強度の比較である。表3は石英とサファイアの間の熱伝導率の比較である。表2と表3の石英に対するデータは、熱伝導性に関する温度の動きをパラメータ化するために用いる。ランプの幾何学的配置及び、入力パラメータ即ち、圧力、出力、水銀(Hg)とキセノン(Xe)と他のガスの充填量という入力パラメータは、米国特許第5,497,049号から引用する。管の内壁に対する外壁の温度降下は以下のように計算する。
T=qWT/k
ここで、
T=内壁と外壁の間の温度降下、
q=熱流束[w/cm2]、
WT=壁の厚さ[cm]及び、
k=熱伝導率[w/cm・k]。
(熱応力)= E(T/2(1− ))
ここで、
(熱応力)=熱膨張率
E=ヤング率
=ポアソン率
(周応力)=圧力・d/2・WT)
ここで、
圧力=充填圧
WT=2.6mm
d=3.8mm
L=5mm
出力=70W
圧力=20atm
=0.5×10−6
E=11×10−6lb/in2
そして、この発光部の外壁温度が25°Cのとき、内壁は1400°Kとなり、この内壁温度では、dが3.8mmという小さな値における上記計算値での計算が成り立たない。この条件のもと、該発光部の応力の合計は、最大応力である7,000lbs/in2の53%となる。
a=8×10−6
E=11×10−6lb/in2
SCSは、25°Cの外壁温度のとき、331°Kの内壁温度となり、発光部の応力の合計は、最大許容応力の3.9%である。
SCSを外殻としたランプは、石英を外殻とするHIDランプと比べて向上した性能となるように最適化することが可能である。図3は、石英及びSCSを外殻とするランプの外壁温度の関数に対する内壁温度を示す。
Gr=c2(d/2)3(圧力)2
ここで、
圧力=水銀圧 [mg/cm2]
C=9.86
(注:水銀1mg/ccは、25°Cにおける1atmに等しい)。
プラグ300は、圧力及び化学薬品に耐性を有するシールを形成し、内径及びプラグ300の発生に直面する面によって区切られた域内にガスを含有するために外殻100にシールされる。プラグ300は、圧力及び化学薬品に耐性を有するシールを形成し、ガスを含有するために、qハロゲン化合物に耐性を有するガラス301とともに外殻100にシールされる。ガラス301は、例えばクリーブランドのフェローインク(Ferro Inc)のような供給メーカーが提供するようなアルミ、チタン、もしくはタングステン酸化物を含む材料からなる。このような材料の融点は、およそ1,300℃である。上述のように、より高温の動作のために、代替されるシール技術は、チタン又はタングステンが添加されたナノ構造を有するアルミナ―シリケート・セラミックを用いることである。ナノ構造を有する材料は50nm〜1000nmの粒径を有する。
(1)より良い光学効率を有する(例、SCS発光管のエタンデュと画像ゲート要素のエタンデュを適合させる)
(2)より良い出力効率を有する(例、視感度と言われ、L/wで測定される)。
(3)より良い演色を有する(例、ハイ・カラー・レンダリング・インデックス(High Color Rendering Index))。
(4)従来のHIDランプより高度なルーメンス維持でより長く維持することが可能(例、4倍〜5倍)。
(5)物理的な大きさがより小さい。
(6)原価を削減する。
(7)動作コストを削減し、製造精度を高める。
(8)システム・コストを削減する。
(9)例えば600気圧のような高圧力で揺らぎが生じない動作を可能にし、これにより、石英外殻を有する従来のHIDランプが達成するよりもより高い視感度を達成する。
(11)特定機器のために効果的に作られる。例えば、SCS外殻は、高い化学安定性を有し、これは、従来の石英発光管では用いられない多様な充填添加物及びガス(例えば、ナトリウム、水素、ネオン、塩素、硫黄、セレンなど)の使用を可能にし、画像投影もしくは他の特定の目的のために光のスペクトルがよりよく作られることが可能となる。加えて、多様な充填添加物は、消費者商品機器においてとりわけ好ましい、ランプからの水銀の除去を可能にする。
本出願は、1999年2月1日に出願された、発明の名称が「Sapphire High Intensity Discharge Projector Lamp」である、米国特許出願第09/241,011号の継続出願である、2001年10月2日に出願された、発明の名称が「Sapphire High Intensity Discharge Projector Lamp」である、米国特許出願第09/969,903号の優先権の利益を主張する。
両出願ともその全てが本明細書中で参考として組み入れられている。
本発明は、画像投影、自動車用、医療用、通信用(光ファイバ)及び一般的な照明用等、様々な適用に適した放射線スペクトルを作り出す高輝度放電ランプに関する。
画像投影は、高輝度放電(HID)ランプにより作り出される可視光線の適用の主要分野の1つである。可視光線が最適化される従来のHIDランプは、該可視光線を調節して画像投影に特に適する可視光線とする重要な特性を有する。
通常そのようなHIDランプは、特定の間隔が空けられる2つの電極の間で、外殻の内側に形成されるプラズマ・アークから光を放つ。
HIDランプから放たれる光の放射線スペクトルは、該ランプに含まれる(充填)ガス及び他の物質次第で変化する。従来の投影システムにおいて、ランプからの光は一連の光学要素を介して集められ、画像ゲートを介して投影された画像を形成するためにスクリーンに投影される。画像ゲートで画像を形成する要素は、フィルム又は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、デジタル・マイクロ・ミラー・デバイス(DMD)又は反射型液晶パネル(LCoS)のような任意のタイプの光モジュレータとすることができる。
画像投影製品において、HIDランプの有用性は、その光学的効率、出力効率、演色性、アークの安定性(揺らぎがないこと)、アーク間隔、物理的な大きさ、原価、運転費及び全体的なシステム・コストで規定される。
HIDランプは、同様の性能を要する製品に紫外線(UV)又は赤外線(IR)を作り出すために設計することもできる。
石英の外殻を用いるHIDランプは、これら必要条件に合うが、PCA外殻は半透明であり、一般的には画像投影及び同様の用途には適さない。通常PCA外殻は、より大きな光源に適用の際、必要に応じて比較的大きな間隔を用いて組み立てられる。
更に最近、PCA外殻の代わりとしてHIDランプ外殻は多結晶サファイア(PCS)で生産される。PCA外殻と比較して、PCS外殻は光透過率及び外殻の他の特性を改善するが、PCS外殻は、ほとんどの画像ディスプレイ投影及び関連する適用に適さない微細な表面起伏を有する。従って、従来のHIDランプには主に石英外殻が用い続けられている。
更に、石英外殻は、ナトリウム又は水素のような多くの添加物を含有することができ、該添加物は放射された光のスペクトルを調整するのに重要である。
そのようなHIDランプからの光は、より互換性のあるCCTを達成するためにフィルターを通らなければならないが、フィルタリングによりランプの効率性を約30〜40%縮小する。金属ハロゲン化物の添加物は、より望ましいCCT(「金属ハロゲン化物」ランプ)への光スペクトルを調整する目的で通常水銀ランプに加えられる。
しかしながら、金属ハロゲン化物の有効性は、動作圧が、石英外殻ランプの最大の電流動作圧で最小の負担ポイントまで増加するので減少される。従来の画像投影システムは、広範囲なCCTの光源を用い、該範囲は典型的には、タングステン・ハロゲン・ランプで3,000°から3,300°K、金属ハロゲンHIDランプで4,000°から5,000°K、ショート・アーク・キセノン・ランプで5,500°から6,500°K、水銀ランプで7,000°K以上である。
ランプの間隔が短くなるにつれ、HIDランプの効能は減少され、また、プラズマ・アークに供給することができる動力は外殻材料の熱特性により制限される。より小さなアーク間隔ランプの効能を増すために、動作圧を増加させなければならない。
しかしながら、石英外殻特性は、HIDランプの使用が可能な圧力及び力の負荷率を約200atm及び約20W/cm2に制限する。更に、画像投影のような適用において、ランプは本質的に揺らぎが生じない。
アーク・ランプにおける揺らぎは、ランプの電球サイズ及び充填圧とパラメトリックに関連する。従来の石英外殻を用いる場合、揺らぎの生じない動作を実現するためにはランプ圧力が200atm未満のままである必要がある。
本発明の目的は、高輝度放電(HID)ランプの効率性、寿命及びスペクトルの安定性を改善することである。本発明は、従来の外殻材料を取り替えるためにランプの外殻に単結晶サファイア(SCS)を利用する。
本発明のSCS外殻ランプは、従来のHIDランプよりも、物理的により小さく、光をより効率的に生成し、より高輝度である安定したプラズマを生産することが可能である。SCS外殻ランプは、例えば、画像投影、自動車のヘッドランプ、光ファイバー光源のように小さく、光線の幅が細いことが必要とされる高出力光源製品に利用することができる。
これらの利点は、本発明のSCS外殻ランプをより高圧力及び高温で操作し、ワット当り、入力された電力以上に使用可能な光を作り出すことを可能とする。更に、SCSの優れた耐化学性は、適用のための特定のスペクトルにおいて光を作り出すために充填ガス及び添加物のより広範囲の使用を可能にする。
例えば、400nmから700nmのスペクトルにおける可視光線の放射のために、この汎用性は、4,000°Kから9,000°Kの狭い範囲で設定され、相関色温度を一定して保つことが可能となる。可視光線放射に加えて、本発明は同様の利点を備えた紫外線(200nmから400nm)及び近赤外線(700nmから約2500nm)スペクトルにおいて放射線放射を作り出すために利用することができる。
更に、SCS外殻ランプは、石英又は多結晶アルミナより、高い安定性を有する強度で、自動製造を行う技術の使用により、同一又は低コストで製造することができる。
他の実施例において、SCS外殻ランプは電極がなく、マイクロ波又は無線周波数放射線で動力を供給することができる。又はSCS外殻ランプは、電極及びマイクロ波パワーの両方を使用して、ハイブリッドとして操作することができる。
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して詳細に記載される。
電極リードのためのエンド・プラグ内に必要な穴は、従来の方法、レーザーによる穿孔、又は小さい直径のSCSチュービングにより作ることができる。本発明のSCS外殻ランプは、ランプの加熱及び冷却サイクルからの損失に関連する応力を最小化するために、ナノサイズのアルミナケイ酸塩のようなSCS構成要素に対する同様の熱膨張特性でシール材料を用いて優先的に組み立てることができる。
0.17〜5.5のmkmの広い光透過範囲は、紫外線(UV)、可視光及び赤外線(NIR)光の外殻の生産を理想的なものにする。またSCSは、フッ化水素、硫黄及び塩化水素に対して不溶性であり、HIDランプへの適用に関し最も重要なこととして、気体が抜けたり又は不透明になったりはしない。
SCSの作動温度は石英より高く、SCSはより高い熱伝導性を有する。未加工のSCSチュービングは、現在サフィコン(Saphikon)、京セラのような数多くの供給メーカーから入手が可能である。配達される市販のチュービング及びSCSチュービングは、円形断面の許容誤差を保つという問題を有する。このことは、適切な表面を適切に機械加工することにより処理される。すなわち、均一及び明確な壁の厚みを得るために、ダイヤモンドを用いた道具を用いて内部にリーマ仕上げを施し、外部に磨き仕上げを施す。
SCS外殻は、石英より高い外面温度を許容し、HIDランプへの適用において、石英の20W/cm3と比較して150W/cm3以上の伝導性熱流束を処理する。
光線は、レンズ18及び19でフレネル・プレート20及びLCDプレート21へ焦点が当てられる、該プレートは画像を形成する。画像はプロジェクター・レンズ23でスクリーンに焦点が当てられる。
図2Bにおいて、外殻100が用いられる。好ましくはPCA又はSCSから作られるプラグ200は、外殻100の端部を仕切る。プラグ200は、耐圧性及び耐化学性密閉を形成し、内部直径d及びプラグ200の放電に面する表面と隣接する箇所の内部にガスを含むために抗ハロゲン化物シール材料で外殻100に密閉される。
ハロゲン化物シール材料は、クリーブランドのフェローインク(Ferro Inc)のような供給メーカー、例えば、アルミニウム、チタン又はタングステン酸化物等の材料から構成される。そのような材料の融点は、約800℃から1,500℃であり、最も好ましくは、約1,200℃から1,400℃である。
電極ステム206は、電極ベース202に溶接で取り付けられる。電極ステム・クリアランス・ホール208は、クリアランスが小さすぎるため、毛管現象を介したガラスシール材料によってクリアランス・ホール208を満たすことができない電極ステム206、210の据え付けを可能とするため充分大きい。
充填の際、出口開口部は高融点ハンダで密閉される。ハンダは、中空チューブを介してレーザー・ビームで融解する。
これら相違する膨張及び縮小の割合は、熱の再循環を伴うシールの規模の縮小の原因となる。
ホール801は、電極ステム206、210よりも大きな最大径0.3mmとすることができる。特に電極ベース202、203を、より大きな開口部800、804に嵌め込む。この時この嵌め合いに、毛管作用でガラス充填剤で満たせるように適当なクリアランスがあるようにしておく。電極ベース202、203は、ニオブ又はチタンから構成させることができる。
ニオブ又はチタンは、サファイアの膨張係数(8×10−6K−1)に近い膨張係数をしている。電極ステム206は、例えば溶接などにより電極ベース202に付着させることができる。クリアランス・ホール801、803は、電極ステム206、210を備え付けることができるくらい大きい。この電極ステム206、210のクリアランスは、ガラスシールされたクリアランス・ホール800のガラス充填材が、毛管作用によって入り込めないくらい小さい。
ΔT=qWT/k
ここで、
ΔT=内壁と外壁の間の温度降下、
q=熱流束[w/cm2]、
WT=壁の厚さ[cm]及び、
k=熱伝導率[w/cm・k]。
α(熱応力)=αE(ΔT/2(1−μ))
ここで、
α=熱膨張率
E=ヤング率
μ=ポアソン率
α(周応力)=圧力d/(2WT)
ここで、
圧力=充填圧
WT=2.6mm
d=3.8mm
L=5mm
出力=70W
圧力=20atm
α=0.5×10−6
E=11×10−6lb/in2
そして、この発光部の外壁温度が25°Cのとき、内壁は1400°Kとなり、この内壁温度では、dが3.8mmという小さな値における上記計算値での計算が成り立たない。この条件のもと、該発光部の応力の合計は、最大応力である7,000lbs/in2の53%となる。
a=8×10−6
E=11×10−6lb/in2
SCSは、25°Cの外壁温度のとき、331°Kの内壁温度となり、発光部の応力の合計は、最大許容応力の3.9%である。
SCSを外殻としたランプは、石英を外殻とするHIDランプと比べて向上した性能となるように最適化することが可能である。図3は、石英及びSCSを外殻とするランプの外壁温度の関数に対する内壁温度を示す。
Gr=cπ 2(d/2)3(圧力)2
ここで、
圧力=水銀圧 [mg/cm2]
C=9.86
(注:水銀1mg/ccは、25°Cにおける1atmに等しい)。
プラグ300は、圧力及び化学薬品に耐性を有するシールを形成し、内径及びプラグ300の発生に直面する面によって区切られた域内にガスを含有するために外殻100にシールされる。プラグ300は、圧力及び化学薬品に耐性を有するシールを形成し、ガスを含有するために、qハロゲン化合物に耐性を有するガラス301とともに外殻100にシールされる。ガラス301は、例えばクリーブランドのフェローインク(Ferro Inc)のような供給メーカーが提供するようなアルミ、チタン、もしくはタングステン酸化物を含む材料からなる。このような材料の融点は、およそ1,300℃である。上述のように、より高温の動作のために、代替されるシール技術は、チタン又はタングステンが添加されたナノ構造を有するアルミナ―シリケート・セラミックを用いることである。ナノ構造を有する材料は50nm〜1000nmの粒径を有する。
(1)より良い光学効率を有する(例、SCS発光管のエタンデュと画像ゲート要素のエタンデュを適合させる)
(2)より良い出力効率を有する(例、視感度と言われ、L/wで測定される)。
(3)より良い演色を有する(例、ハイ・カラー・レンダリング・インデックス(High Color Rendering Index))。
(4)従来のHIDランプより高度なルーメンス維持でより長く維持することが可能(例、4倍〜5倍)。
(5)物理的な大きさがより小さい。
(6)原価を削減する。
(7)動作コストを削減し、製造精度を高める。
(8)システム・コストを削減する。
(9)例えば600気圧のような高圧力で揺らぎが生じない動作を可能にし、これにより、石英外殻を有する従来のHIDランプが達成するよりもより高い視感度を達成する。
(11)特定機器のために効果的に作られる。例えば、SCS外殻は、高い化学安定性を有し、これは、従来の石英発光管では用いられない多様な充填添加物及びガス(例えば、ナトリウム、水素、ネオン、塩素、硫黄、セレンなど)の使用を可能にし、画像投影もしくは他の特定の目的のために光のスペクトルがよりよく作られることが可能となる。加えて、多様な充填添加物は、消費者商品機器においてとりわけ好ましい、ランプからの水銀の除去を可能にする。
Claims (24)
- (a)25°Cで少なくとも155,000psiの引張強度を備える単結晶サファイアで形成されるとともに内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの円筒形状の発光管と、
(b)第1電極及び第2電極と、
(c)紫外線或いは可視領域の波長成分の光を発光管内で放出する充填材であって、前記第1電極と第2電極間にアークが発生し、充填圧力が120気圧を超えたときの色温度が6500°Kから7000°Kである充填材と、
からなり、連続的なフラッシュを用いない操作においても有効相関色温度が維持されることにより、ランプの視感度が高められることを特徴とする紫外線或いは可視光を発生させるための高輝度発生ランプ。 - 前記第1及び第2電極がタングステン電極であることを特徴とする請求項1記載のランプ。
- 前記視感度が60lm/wattを超えることを特徴とする請求項1記載のランプ。
- (a)単結晶サファイアで形成されるとともに、多結晶アルミナからの切換によって生ずる微細な表面の起伏をなくし、25°Cにおいて少なくとも155,000psiの引張強度を有し、内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの円筒形状の発光管と、
(b)電気アーク発生下で連続紫外線或いは光学的発光を発光管内で放出する充填材であって、充填圧力が120気圧以上で充填された充填材と、
(c)アークを発生させるために所定の間隔を設けて発光管内に配設される複数の電極と、
(d)発光管をシールするためのシールと、
からなり時間当たりの発光管の透過率の低下が実質的に減ぜられることによって、ランプの使用寿命が増加することを特徴とする連続紫外線或いは可視光を発生させるための高輝度発生ランプ。 - (a)対向する端部を有し、単結晶サファイアから形成されるとともに、内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの円筒形状の発光管と、
(b)前記発光管内で120気圧を超える圧力で充填されるとともに、電気アーク発生下で紫外線或いは光学的発光を放出する充填材と、
(c)前記発光管一端部に配設される第1電極と、他端部に配設されるとともに前記第1電極との間隔が2mm以下となるように配設され、前記第1電極との間にアークを発生させる第2電極と、
(d)第1及び第2電極それぞれと発光管とをシールするプラグと、
からなり、色の安定性が維持されることによって、ランプの使用寿命が増加することを特徴とする連続非フラッシュ紫外線或いは可視光を発生させるための高輝度発生ランプ。 - (a)25°Cで少なくとも155,000psiの引張強度を備える単結晶サファイアで形成されるとともに内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの円筒形状の発光管と、
(b)前記発光管内で、間隔をおいて配設される金属製或いは炭素製電極であって、電極間はアーク放出経路を有しアーク長を形成する電極と、
(c)前記発光管から延出する電極それぞれに接続される導線と、
(d)前記発光管内で120気圧を超える圧力で充填されるとともに、電気アーク発生下で紫外線或いは光学的発光を放出する充填材と、
からなりアークの安定性が維持され、ランプの使用寿命が増加することを特徴とする連続非フラッシュ紫外線或いは可視光を発生させるための高輝度発生ランプ。 - 前記アーク長が略2mmであって、前記内径が3.8mm以下であって、充填密度が30mg/cm3以上であることを特徴とする請求項6記載のランプ。
- (a)単結晶サファイア製であって、表面の起伏がなく、アルミナをその融点以上の温度で加熱して、内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの円筒形状に形成され、少なくとも150W/cm2の熱流束によっては劣化しない発光管と、
(b)前記発光管内に所定の間隔をもって配設される第1及び第2電極と、
(c)前記発光管内において、連続的かつ非フラッシュアーク放出下で紫外線或いは光学的発光を放出する充填材であって、該充填材が、水素、塩素、ナトリウム、スカンジウム、硫黄及びセレンのうち少なくとも1つを含有する充填材と、
からなりスペクトル出力が、太陽光応答曲線と非常に近似することによって、色演出が重要となる機器用のランプの有用性が増加されることを特徴とする連続可視光を発生するための高輝度発生ランプ。 - 視感度が75lmWを超えることを特徴とする請求項8記載のランプ。
- (a)内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの円筒形状の単結晶サファイア製の発光管と、
(b)前記発光管内で、アーク放出下で紫外線或いは光学的発光を放出する充填材と、
(c)前記発光管内で、2mm以下の間隔をおいて配設される第1電極と第2電極と、
からなりアークが少なくとも1000°Cで前記間隔で発生し、前記発光管の内部温度の表面温度が1400°C以上であり、前記発光管内の利用可能なパワー密度が高められ、高輝度機器への有用性が高められることを特徴とする連続非フラッシュ紫外線或いは可視光を発生させるための高輝度発生ランプ。 - 発光管内への伝導熱流束が150W/cm2以上であり、前記発光管内の利用可能なパワー密度が高められ、高輝度機器への有用性が高められることを特徴とする請求項10記載のランプ。
- 前記発光管が対向する端部及び内壁を有し、
(e)多結晶アルミナと単結晶サファイアのうち1つからなるエンドプラグと、
(f)チタン或いはタングステンが添加されたガラスからなるシールであって、エンドプラグと前記内壁において前記発光管の他端をシールするシールを更に有することを特徴とする請求項10記載のランプ。 - 前記発光管内壁が他端近傍において対向する溝部を有し、
(g)ニオブ或いはタンタルからなる2つの端部をシールするプレートであって、前記発光管内壁上のそれぞれの溝部に取付けられるプレートを更に備えることを特徴とする請求項12記載のランプ。 - 単結晶サファイア製であって、表面の起伏がなく、アルミナをその融点以上の温度で加熱して、内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの円筒形状に形成される発光管を有し、該発光管内壁には、前記発光管の第1端部近傍に第1溝部が形成され、前記第1端部に対向する第2端の近傍に第2溝部が形成され、
ニオブとタンタルのうち1つからなる2つの端部シールプレートであって、前記第1及び第2溝部のそれぞれに取付けられるプレートを備え、
端部シールプレートが発光管内部の対向する端部付近の溝に配設され、マイクロ波とRFエネルギのうち1つが前記端部シールプレート周囲に案内されることを特徴とする可視光を発生させるための非電極式高輝度ランプ。 - (a)単結晶サファイア製であって、1,400°Cで4,500psi以上の管破裂圧力を有し、1,400°Cで56,000psiの最大引張強度を有し、内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの円筒形状に形成される発光管と、
(b)前記発光管内に配設される第1及び第2電極と、
(c)前記発光管内に充填され、前記第1電極と第2電極間にアークが発生し、充填圧力が120気圧を超えたときの色温度が6500°Kから7000°Kである充填材と、
からなり、連続的なフラッシュを用いない操作においても有効相関色温度が維持されることを特徴とする高輝度発生ランプ。 - 前記ランプが非フラッシュ連続モードで操作され、相関色温度が予め定められた値に維持され、ランプの見かけ視感度が60lm/W以上に増加され、前記予め定められた値が前記ランプを用いる特定機器に対応していることを特徴とする請求項15記載のランプ。
- 前記視感度が75lm/Wを超えることを特徴とする請求項16記載のランプ。
- 前記第1及び第2電極が所定の間隔をおいて配設され、該所定間隔が2mm以下であることを特徴とする請求項15記載のランプ。
- 発光管内への伝導熱流束が150W/cm2を超えることを特徴とする請求項15記載のランプ。
- 発光管内への伝導熱流束が100W/cm2から150W/cm2の間にあることを特徴とする請求項15記載のランプ。
- 単結晶サファイア製であって、内径1mmから25mm、外径が少なくとも2mmの略円筒形状に形成され、回転なしで50W/cm3以上のパワー密度で1,400°Cの温度に耐える内面を有する発光管と、
少なくとも1,000°C以上で、マイクロ波或いはRF電場を発生する機器によって前記発光管内で発生するプラズマからなることを特徴とする紫外線或いは可視光のうち少なくとも1つを発生させるための非電極式ランプ。 - タンタルとニオブのうち1つからなり、前記発光管内壁上のそれぞれの溝部に取付けられる端部プレートを更に備えることを特徴とする請求項21記載のランプ。
- 前記端部プレートのそれぞれがエネルギ空間内のそれぞれの端部付近に設置され、マイクロ波とRFエネルギのうち少なくとも1つが2つの端部プレートによって前記ランプ内部に案内されることを特徴とする請求項22記載のランプ。
- 20気圧以上の圧力を有することを特徴とする請求項21記載のランプ。
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