JPH04369690A - 吸音材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 　本発明は、リスニングルームや楽器練習室などの音響
処理に用いる吸音材に関するものである。

〔従来の技術〕

　リスニングルームや楽器練習室などにおける問題点に
、特定の周波数の音が強調されボンボンと響くブーミン
グ現象と呼ばれる現象がある。

これは、発生する音の波長と部屋の大きさとの関係によ
り、部屋が音に共振して生じる現象である。

すなわち、リスニングルームや楽器練習室などにおいて
、発生する２０乃至２０ＫＨｚの可聴領域の音の波長（
すなわち、１．７ｃｍ乃至１７ｍの波長）の中で、特に
低温域の音の波長が部屋の一辺の長さと同程度となるこ
とに起因して生じるもので、通常、コンサートホールの
ように室内空間が大きい場合には見られない現象である
。

このブーミング現象を解消するためには、部屋の壁面に
おいて、低音域の音を吸音するようにすればよい。

従来より吸音材としては第４図に示したように片側が開
口となっている箱１にグラスウール５を挿入し、その開
口をスピーカクロス６で閉塞したものが知られており、
これを壁面に取り付けて用いている。

〔発明が解決しようとする課題〕

　上記従来技術において、グラスウールは多孔質の吸音
材であり、その吸音率の周波数特性は第５図に示すよう
に高音域では大きい吸音率を有するが低音域になるに従
って吸音率は小さくなるのでブーミング現象に対しては
有効な手段とはなっていなかった。

なお、第５図は厚さ２０〔ｍｍ〕のグラスウールのもの
であり厚さを厚くするに従って吸音率の大きくなる周波
数は低音域側になるが、その場合は吸音材の厚みが厚く
なり部屋が狭くなるという問題があった。

本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは薄型で低音域の吸音率の大きな吸音
材を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

　本発明の要旨とするところの第１は、請求項（１）に
記載のように、油脂を吸着させた粉体よりなることを特
徴とする吸音材である。

本発明の要旨とするところの第２は、請求項（２）に記
載のように、粉体が一次粒子の凝集により形成される高
次粒子であることを特徴とする第１項に記載の吸音材で
ある。

本発明の要旨とするところの第３は、請求項（３）に記
載のように、吸着させる油脂に、高密度の微小粉体を充
填したことを特徴とする第２項に記載の吸音材である。

本発明の要旨とするところの第４は、請求項（４）に記
載のように、高密度の微小粉体が硫酸バリウムであるこ
とを特徴とする第３項に記載の吸音材である。

本発明の要旨とするところの第５は、請求項（５）に記
載のように、片側が開口となっている箱に油脂を吸着さ
せた粉体粒子を充填し、その開口を音響的に透明なシー
トで閉塞したことを特徴とする吸音部材である。

粉体２としては、例えば、一次粒子２１が凝集し、高次
粒子として存在するもの、例えば平均粒径１．７〜１５
０〔μｍ〕、かさ密度０．０６〜０．２８〔ｇ／ｃｍ３
〕の湿式シリカ等が使用される。油脂４としては、例え
ば亜麻仁油を重量比１：０．１〜１：１．５の割合で粉
体２に噴霧吸着させるものである。

またシート３としては通気性のある織物、例えばサラン
クロス、ガラスクロス、あるいは厚さが概ね０．０５〔
ｍｍ〕以下の薄膜、例えばポリエチレンシートビニルフ
ィルム等が使用される。また、片側が開口となっている
箱１は、木材、石こうボード、ケイカル板、木毛セメン
ト板、木片セメント板、木片セメント板などで構成され
る。

〔作用〕

　本発明の吸音材及び吸音部材は対象となる低音域の音
に対して、粉体の共振現象により音のエネルギを熱のエ
ネルギに変換し吸音する。

粉体の吸音周波数ｆと粉体の粒子間力Ｅ、かさ密度ρと
の間には なる関係がある。本発明では例えば、第２図に示した様
に、粉体２の一次粒子２１間に油脂４を吸着させる事に
より、粉体の粒子間力Ｅはそのままで、かさ密度ρを大
きくし、吸音周波数ｆを低くする。

〔実施例〕

　以下本発明を図示せる実施例に基づいて説明する。

第１図に示すのは吸音部材で、片側が開口となっている
箱１に一次粒子２１間に油脂４を吸着させ、高密度化し
た粉体２を充填し、その開口を音響的に透明なシート３
で閉塞した吸音部材である第３図は上記実施例において
、平均粒径７．５〔μｍ〕、かさ密度０．１３〔ｇ／ｃ
ｍ３〕の湿式シリカ（粉体）２に亜麻仁油（油脂）４を
１：０．６の重量比で噴霧し、かさ密度０．１９〔ｇ／
ｃｍ３〕、厚さ２０〔ｍｍ〕としたもの（第２図に示す
もの）の吸音率の周波数特性を表したグラフである。第
５図は本実施例において油脂を噴霧しなかったもの、第
６図はグラスウールの吸音率の周波数特性を表したグラ
フである。第６図と比べると６００〔Ｈｚ〕以下で、第
５図と比べると４００〔Ｈｚ〕以下で吸音率が上回って
いる。本実施例に示す吸音材では第２図に示した様に、
一次粒子２１間の間に多量の油脂４を吸着できるため、
より低周波域に吸音のピークを設定することができる。

第４図は本発明の第２の実施例である。すなわち、亜麻
仁油（油脂）４に高密度の微小粉体である硫酸バリウム
（粉体）５を分散させたものを、一次粒子２１の凝集に
より高次粒子となっている湿式シリカ２に噴霧し、一次
粒子２１間に、亜麻仁油４及び硫酸バリウム５が充填さ
れている事を示す模式図である。高密度の微小粉体であ
る硫酸バリウム５及びこの硫酸バリウム５が充填される
事により粉体２の粒子間力Ｅはそのままでかさ密度が高
くなり式（１）により、低周波域に吸音のピークを設定
することができる。

〔発明の効果〕

　本発明は粉体粒子の振動により音波のエネルギを吸収
する吸音材において、粒子に油脂もしくは高密度微小粉
体分散油脂を吸着させたものであるから、より低音域の
音に対して粒体の共振現象により音のエネルギを効率的
に熱エネルギに変換して吸音する。また請求項第５項の
ように構成すれば薄型の低音域吸音材となる。

【図面の簡単な説明】

　第１図は本発明に係る第１実施例を示す一部切り欠き
斜視図、第２図は同上の模式図、第３図は同上の実施例
の吸音率の周波数特性を表したグラフ、第４図は、本発
明に係る第２実施例の模式図である。第５図及び第６図
は従来例に係る吸音率の周波数特性を表したグラフであ
る。 １…箱、２…粉体、２１…一次粒子、３…シート、４…
油脂、５…高密度微小粉体。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】油脂を吸着させた粉体よりなることを特徴
   とする吸音材。
2. 【請求項２】粉体が一次粒子の凝集により形成される高
   次粒子であることを特徴とする第１項に記載の吸着材。
3. 【請求項３】吸着させる油脂に、高密度の微小粉体を充
   填したことを特徴とする第２項に記載の吸音材。
4. 【請求項４】高密度の微小粉体が硫酸バリウムであるこ
   とを特徴とする第３項に記載の吸着材。
5. 【請求項５】片側が開口となっている箱に油脂を吸着さ
   せた粉体粒子を充填し、その開口を音響的に透明なシー
   トで閉塞したことを特徴とする吸音部材。