JPH0436393Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ドア枠の沓摺に係り、特に、打放し
仕上げされたコンクリート床に配設されて好適な
ドア枠の沓摺に関する。

［従来の技術］ 一般に、建築物の開口部に配置されるドア枠の
下部には、沓摺が一体結合されている。沓摺は、
ドア枠の構造強度を高める下枠的機能を備えると
ともに、該沓摺を介して隣接する２つの床面の見
切り的機能を備える。

他方、建築物の施工技術の発達により、コンク
リート床を打放し仕上げする工法が広く採用され
つつある。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来の沓摺１を打放し仕上げさ
れたコンクリート床２に配設する場合には、第７
図に示すように、 (A) コンクリート切断機によつて切断溝３を形成
する工程、 (B) コンクリート床２の２本の切断溝３に挟まれ
る部分をはつつて設置凹部４を形成する工程、 (C) 設置凹部４の底部に設けられるアンカー５に
沓摺１の接合材６を溶接する工程、 (D) 設置凹部４に配置された沓摺１の周囲にモル
タル７を充てんする工程が必要である。

すなわち、この場合には、コンクリート床２
の切断、はつり作業、モルタル７の充てん作業
が必要であつて、施工作業が複雑となり、施工
コストの増加、納期の長期化を招くという不都
合がある。

本考案は、打放し仕上げされたコンクリート床
に、ドア枠の沓摺を簡便かつ美麗に配設可能とす
ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、打放し仕上げされたコンクリート床
に配設されるドア枠の沓摺において、ドア枠の下
部に一体結合されてなる沓摺フレームと、コンク
リート床の打放し仕上げ面上に配置された沓摺フ
レームを該コンクリート床に固定する固定具と、
コンクリート床に固定された沓摺フレームの両側
外面に係着状態で被着され、該沓摺フレームの全
体および固定具を隠蔽する沓摺カバーとからなる
ようにしたものである。

［作用］ 本考案によれば、下記〜の作用効果があ
る。

沓摺フレームは打放し仕上げされたコンクリ
ート床の上面に固定具により固定され、沓摺カ
バーは上記沓摺フレームの両側外面に係着状態
で被着される。よつて、施工簡便である。

沓摺カバーは、沓摺フレームの全体および固
定具を完全に隠蔽する。よつて、外観美麗であ
る。

上記、により打放し仕上げされたコンク
リート床に、ドア枠の沓摺を簡便かつ美麗に配
設できる。

［実施例］ 第１図Ａ〜Ｃは本考案の第１実施例に係る沓摺
１０を打放し仕上げされたコンクリート床１１に
配設する工程を示す工程図、第２図は第１実施例
に係るドア枠１２を示す斜視図、第３図は第１実
施例が適用されてなる建築物１３を示す断面図で
ある。

この第１実施例に係る沓摺１０は、第１図に示
すように、沓摺フレーム１４と、固定具としての
打込みアンカ１５および固定ねじ１６と、沓摺カ
バー１７とからなる。

沓摺フレーム１４は、第２図に示すように、ド
ア枠１２の上枠１２Ａ、左右の縦枠１２Ｂ，１２
Ｃからなる三方枠の下部に一体結合されている。
沓摺フレーム１４は、例えば鋼板からなり、ロー
ル成形により、両側角部の全長に係合部１４Ａを
備えるＣ字状横断面を形成される。また、沓摺フ
レーム１４は、皿頭を備える固定ねじ１６を使用
可能とするため、その長手方向の所定位置に、抜
孔、皿絞り加工によつて皿状取付孔１４Ｂを形成
される。

打込みアンカ１５は、打放し仕上げされたコン
クリート床１１の所定位置に打込み固定され、固
定ねじ１６を螺着保持可能とする。

沓摺カバー１７は、例えばステンレス鋼板から
なり、沓摺フレーム１４の外面に被着されるもの
であり、ロール成形により、その内側寸法を沓摺
フレーム１４の外面寸法に略同一とするＣ字状横
断面を形成され、沓摺フレーム１４の係合部１４
Ａに弾発的に係合する係合部１７Ａをその両側部
に備えている。

以下、上記沓摺１０を打放し仕上げされたコン
クリート床１１に配設する作業について説明す
る。

まず、第１図Ａに示すように、ドア枠１２に一
体結合されている沓摺フレーム１４をコンクリー
ト床１１の所定位置に位置決めし、沓摺フレーム
１４の取付孔１４Ｂに挿着した固定ねじ１６を、
予めコンクリート床１１の所定位置に打込み固定
されている打込みアンカ１５に螺着する。これに
より、ドア枠１２は、建築物１３の開口枠１８の
内部の第３図に示すような所定位置に位置決めさ
れることになる。この状態で、ドア枠位１２の上
枠１２Ａ、縦枠１２Ｂ、１２Ｃと開口枠１８と
が、接合鉄筋１９によつて接合される。

次に、第１図Ａ〜Ｂに示すように、上記沓摺フ
レーム１４の上面および両側面に沓摺カバー１７
を被着する。この時、沓摺カバー１７の係合部１
７Ａは、弾性的な拡張状態で沓摺フレーム１４の
両側面に沿つて押し込まれた後、沓摺フレーム１
４の係合部１４Ａに弾発的に係合する。

次に、第１図Ｃ、第３図に示すように、沓摺１
０によつて分割され、隣接することとなる２つの
床面に、相互に色彩、模様等を異にする絨緞２
０，２１を敷きつめる。第３図において、２２
は、ドア枠１２と開口枠１８の間に充てんされた
モルタル、２３はドアである。

上記第１実施例によれば、沓摺フレーム１４を
打放し仕上げされたコンクリート床１１の上面に
固定ねじ１６により固定し、沓摺フレーム１４の
両側外面に沓摺カバー１７を係着状態で被着する
ことにより、ドア枠１２の沓摺１０をコンクリー
ト床１１に配設することが可能となる。すなわ
ち、打放し仕上げされたコンクリート床１１を切
断したりはつることなく、またモルタルの充てん
作業を伴なうことなく、したがつて、沓摺１０の
配設作業を簡便化することが可能となり、施工コ
ストの低減、納期の短縮化を図ることが可能とな
る。

また、上記第１実施例によれば、沓摺カバー１
７が沓摺フレーム１４の外面の全体を覆い、固定
ねじ１６の頭部を隠すことになり、沓摺１０の意
匠を損なうこともない。また、沓摺フレーム１４
に対する沓摺カバー１７被着作業を建築物１３の
完工直前に行なうものとすれば、工期中に最も損
傷しやすい沓摺１０の表面に養生を施すことな
く、沓摺１０の表面を損傷のない美麗な沓摺カバ
ー１７によつて形成することが可能となる。

第４図は上記第１実施例に係る沓摺フレーム１
４の変形例としての沓摺フレーム３０を示す斜視
図である。この沓摺フレーム３０は、ロール成形
時に、前記係合部１４Ａと同様の係合部３０Ａを
形成するとともに、その上面に凹条部３０Ｂを形
成したものである。この沓摺フレーム３０は、凹
条部３０Ｂの所定位置に固定ねじ１６の取付孔３
０Ｃを抜孔加工することにより、例えば丸頭の固
定ねじ１６を使用可能である。なお、第４図に示
される凹条部３０Ｂと床面との間隙Ｇは、固定ね
じ１６を打込みアンカ１５に螺合する状態下にお
ける沓摺フレーム３０の上面の弾性的な曲げ変形
を可能とし、固定ねじ１６の締結部に該曲げ変形
に基づく弾発力を作用させることにより、固定ね
じ１６のゆるみ止めを図るための間隙である。

第５図Ａ〜Ｃは、本考案の第２実施例に係る沓
摺４０を打放し仕上げされたコンクリート床１１
に配設する工程を示す工程図である。沓摺４０
は、ドア枠の下部に一体結合されている沓摺フレ
ーム４１と、コンクリート床１１の打放し仕上げ
面上に配置された沓摺フレーム４１を該コンクリ
ート床１１に固定する固定具としての打込アンカ
１５および固定ねじ１６と、コンクリート床１１
に固定された沓摺フレーム４１および固定ねじ１
６の周囲に被着される沓摺カバー１７とからな
る。打込アンカ１５、固定ねじ１６、沓摺カバー
１７は前記第１実施例の沓摺１０におけると同一
である。沓摺フレーム４１は、アルミニウムの押
し出し成形により形成され、沓摺カバー１７の係
合部１７Ａが係合する両側の係合部４１Ａと、沓
摺カバー１７の幅方向中央部を支える凸条部４１
Ｂを備えるＥ字状横断面とされている。４１Ｃ
は、固定ねじ１６のための皿状取付孔である。ま
た、沓摺フレーム４１は、その横断面の両側に、
この沓摺フレーム４１が一体結合するドア枠の縦
枠に挿着される止めねじのためのねじ孔４１Ｄを
も押し出し形成されている。なお、第５図Ｃにお
いて、２１は絨緞、４２はプラスチツクタイルで
ある。

この沓摺４０による場合にも、前記沓摺１０と
同様にして、打放し仕上げされたコンクリート床
１１に該沓摺４０を簡便かつ美麗に配設すること
が可能となる。

第６図Ａ〜Ｃは、本考案の第３実施例に係る沓
摺５０を打放し仕上げされたコンクリート床１１
に配設する工程を示す工程図である。沓摺５０
は、ドア枠の下部に一体結合されている沓摺フレ
ーム５１と、コンクリート床１１の打放し仕上げ
面上に配置された沓摺フレーム５１を該コンクリ
ート床１１に固定する固定具としての打込みアン
カ１５および固定ねじ１６と、該沓摺フレーム５
１および固定ねじ１６の周囲に被着される沓摺カ
バー５２とからなる。打込みアンカ１５、固定ね
じ１６は、前記第１実施例の沓摺１０におけると
同一である。沓摺フレーム５１は、例えば平鋼か
らなり、切削加工によつて、両側角部の全長に係
合部５１を形成されるとともに、長手方向の所定
位置に、固定ねじ１６のための皿状取付孔５１Ｂ
を穿設されている。沓摺カバー５２は、前記第１
実施例の沓摺１０における沓摺カバー１７と略同
一であり、沓摺フレーム５１の係合部５１Ａに弾
発的に係合する係合部５２Ａとの両側部に備えて
いる。

上記沓摺５０は、沓摺フレーム５１を平鋼によ
つて形成したことから、その背丈を低くすること
が可能となり、比較的薄肉のプラスチツクタイル
５３，５４を沓摺５０の両側に敷きつめる場合に
用いて好適である。この沓摺５０による場合に
も、前記沓摺１０と同様にして、打放し仕上げさ
れたコンクリート床１１に該沓摺５０を簡便かつ
美麗に配設することが可能となる。

なお、本考案の実施例において、沓摺カバーと
沓摺フレームとは接着剤等によつて結合されるも
のであつても良い。

［考案の効果］ 以上のように、本考案は、打放し仕上げされた
コンクリート床に配設されるドア枠の沓摺におい
て、ドア枠の下部に一体結合されてなる沓摺フレ
ームと、コンクリート床の打放し仕上げ面上に配
置された沓摺フレームを該コンクリート床に固定
する固定具と、コンクリート床に固定された沓摺
フレームの両側外面に係着状態で被着され、該沓
摺フレームの全体および固定具を隠蔽する沓摺カ
バーとからなるようにしたものである。したがつ
て、打放し仕上げされたコンクリート床に、ドア
枠の沓摺を簡便かつ美麗に配設することが可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ〜Ｃは本考案の第１実施例に係る沓摺
の配設工程を示す工程図、第２図はドア枠を示す
斜視図、第３図は建築物を示す断面図、第４図は
沓摺フレームの変形例を示す斜視図、第５図Ａ〜
Ｃは、本考案の第２実施例に係る沓摺の配設工程
を示す工程図、第６図Ａ〜Ｃは、本考案の第３実
施例に係る沓摺の配設工程を示す工程図、第７図
Ａ〜Ｄは従来の沓摺の配設工程を示す工程図であ
る。 １０，４０，５０……沓摺、１１……コンクリ
ート床、１２……ドア枠、１４，３０，４１，５
１……沓摺フレーム、１５……打込みアンカ、１
６……固定ねじ、１７，５２……沓摺カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 打放し仕上げされたコンクリート床に配設され
   るドア枠の沓摺において、ドア枠の下部に一体結
   合されてなる沓摺フレームと、コンクリート床の
   打放し仕上げ面上に配置された沓摺フレームを該
   コンクリート床に固定する固定具と、コンクリー
   ト床に固定された沓摺フレームの両側外面に係着
   状態で被着され、該沓摺フレームの全体および固
   定具を隠蔽する沓摺カバーとからなることを特徴
   とするドア枠の沓摺。