JPH0436304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はXYプロツタのキヤリツジ支持装置に
関するものである。

（従来技術） 一般に、XYプロツタは製図板のＸ軸方向にＸ
レールを固定し、該Ｘレール上に沿つて摺動自在
なＸキヤリツジにＹレールを連結するとともに、
Ｙレールにはペンキヤリツジを摺動自在に設け、
該ペンキヤリツジにペン、カツタ等の保持部を連
結した構成である。このＸキヤリツジはＸレール
に沿つてＹレールをＸ軸方向に走行可能に支持
し、ペンキヤリツジはＹレールガイドに沿つてペ
ン保持部をＹ軸方向に走行可能に支持している
が、両キヤリツジがそれぞれのガイドレールに対
し正確に支持されていないと、画質が低下し、振
動が生じる原因となる。従来の支持装置にはブツ
シユ、スライドベアリング、ローラ等を用いる方
式のものがある。ブツシユによる支持装置はキヤ
リツジに固定されたブツシユを円柱状のガイドレ
ールに嵌合装着し、ブツシユをガイドレールに沿
つて走行させるものである。この方式は安価であ
るが、ガイドレールとブツシユとの間の間隙の大
小によつて走行の円滑が阻害されたり、ガタつき
が生じたりするので、寸法精度の管理が難しい欠
点がある。スライドベアリングによる支持装置に
よれば、ガタつきがなく動きもスムーズとなるが
高価であるという点で問題がある。また、ローラ
による支持装置は、Ｙレールガイドを円柱状とす
る一方、キヤリツジに設けたローラの外周面をＹ
レールガイドの周面の曲率と同じ凹面状溝として
形成し、この溝付きローラの外周面全体をＹレー
ルガイドの外周面に当接させて走行させるもの
で、この方式によれば、ローラはＹレールガイド
に対して線接触しているので、ガタつきはない
が、高価である。溝なしローラを使用することも
考えられるが、この場合はＹレールの両側面に沿
つて形成された平行な案内突条に沿つてローラを
走行させることになるが、案内突条は完全に平行
なものではないので、その寸法公差等によりロー
ラのスラスト方向にガタが発生する。このため、
ガタ防止用のローラを追加しなければならず、結
局コスト高になるという欠点がある。

（考案の技術的課題） 本考案は上記欠点を解消し、ローラ方式を採用
することによつて上記欠点を解消しようとするも
ので、特別の溝がなくともスラスト方向のガタつ
きがなく、振動音が生じることがないキヤリツジ
支持装置を提供することをその技術的課題とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するための手段として、本考案
におけるXYプロツタにおけるキヤリツジ支持装
置は、XYプロツタの作画面上に移動可能に設け
られたレールに対し少なくとも４個のローラを介
してキヤリツジを走行可能に支持するキヤリツジ
支持装置において、上記レール両側面にキヤリツ
ジ走行方向に沿つて平行に突設された上下２本の
ローラガイドの間に、上記キヤリツジのローラ
を、その側面とローラガイドとの間に隙間が形成
され、且つその周面が上記レール両側面に当接す
るように配置するとともに、上記キヤリツジ両側
のローラのうち交差方向に対応して設けられる各
一対のローラを、互いに上下逆方向に付勢し、且
つ上記各一対のローラの一側面を、付勢された側
のローラガイドに対し常に接するように支持した
ことを特徴とする。

（考案の作用、効果） 前記構成によれば、キヤリツジのローラのうち
交差方向に対応して設けられる各一対のローラ
は、互いに上下逆方向に付勢され、且つ上記各一
対のローラの一側面が、付勢された側のローラガ
イドに対し常に接するように支持されているの
で、たとえいずれか一方のローラガイドの一部に
寸法誤差が生じても、他方のローラガイドに側面
は当接するローラが上記寸法誤差を補正できるの
で、キヤリツジの走行にガタつきが生じることが
ない。このため、振動音が防止され、画質を向上
させることができる。

（実施例） 以下、図面によつて本考案をペンキヤリツジに
応用した場合の実施例につき説明する。なお、第
１図は本考案に係るXYプロツタにおけるキヤリ
ツジ支持装置の要部を示す正面図、第２図ａ，ｂ
はそれぞれ上記キヤリツジ支持装置におけるＹレ
ールとローラとの位置関係を示す平面及び側面か
ら示す説明図であり、第３図はXYプロツタの全
体概観図である。

上図においては符号ＡはXYプロツタを示す。
このXYプロツタＡは製図板１の作画面２上をＸ
方向に走行するＹレール３とＹレール３上をＹ方
向に走行するキヤリツジ４とを備え、Ｙレール３
とキヤリツジ４の走行により作画面２上に自由鵜
に作画するもので、図示しない制御部により移動
制御されるものである。

キヤリツジ４はＹレール３に沿つて走行自在に
設けられたキヤリツジ本体５と筆記具７を保持す
るペンベース６とから構成されている。キヤリツ
ジ本体５には左右に各１対ずつ４個のローラａ，
ｂ，ｃ，ｄが設けられるとともに、中央には駆動
用ローラ８が設けられ、さらに一側にはソレノイ
ド９が設けられている。ソレノイド９にはバネ１
０を介してプランジヤ１１が設けられ、バネ１０
によつて下方に付勢されている。キヤリツジ本体
５のローラａ，ｂ，ｃ，ｄはＹレール３の両側面
の長手方向に形成された後述のローラガイド２
０，２１に案内され、これによりキヤリツジ本体
５はＹレール３に沿つて転動走行可能に装着され
ている。

これに対し、ペンベース６の中間部はキヤリツ
ジ本体５の下面に設けられた支持部１３に回動自
在に支持されている。そしてペンベース６の一側
の端部はソレノイド９のプランジヤ１１の下方に
臨み、他側は上方に屈曲され、上端部にはペンヘ
ツド部１４が形成されている。ペンヘツド部１４
には筆記具７の保持手段（図示せず）が設けられ
ている。また、キヤリツジ本体５の底部とペンベ
ース６との間にはバネ１６が設けられている。

上記構成により、ペンベース６は支持部１３を
はさんで上記一側の端部がバネ付勢されたソレノ
イド９のプランジヤ１１によつて押圧される一
方、上記他側においてキヤリツジ本体５の下面に
形成された突起部１５に係合している。したがつ
て、ソレノイド９をオンすることによりプランジ
ヤ１１が引込んだときはその分だけペンベース６
はフリーとなつて上下方向に揺動し、ペン７の先
端は作画面２に接面するが、このときキヤリツジ
本体５の底部とペンベース６との間に設けられた
バネ１６によつて筆圧が決定される。

次に、上記XYプロツタＡにおいて上記各ロー
ラａ，ｂ，ｃ，ｄはキヤリツジ本体５の両側に設
けられた各回転軸１７に回転自在に軸支されてい
る。また、Ｙレール３の両側面にはキヤリツジ本
体５の走行方向に上下２本の突条状のローラガイ
ド２０，２１が平行に形成され、これら各側の上
下ローラガイド２１，２１の間に上記各ローラ
ａ，ｂ，ｃ，ｄが、その側面とローラガイド２
０，２１との間に隙間が形成され、且つその周面
が上記Ｙレール３の両側面に当接するように配置
されている。また、上記キヤリツジ両側のローラ
のうち交差方向に対応して設けられる各一対のロ
ーラａ，ｄ及びｂ，ｃは、互いに上下逆方向に付
勢され、且つ上記各一対のローラａ，ｄ及びｂ，
ｃの一側面は、それぞれ付勢された側のローラガ
イド２０及びローラガイド２１に対し常に接する
ように支持されている。つまり、ローラａとロー
ラｄとは上部ローラガイド２０に接するように、
またローラｂとローラｃとは下部ローラガイド２
１に接するように支持されている。そして、上部
ローラガイド２０に接するローラａ，ｄは回転軸
１７に設けられたバネ２２によつて上方に付勢さ
れ、下部ローラガイド２１に接するローラｂ，ｃ
は弾性体から構成されている。これらのローラが
各ローラガイド２０，２１に案内されて転動する
ことによりキヤリツジ本体５がＹレール３に沿つ
て走行する。

ところで、前述のように、上記Ｙレール３は通
常の場合アルミニウム又はその合金等を押出成形
することによつて製作され、ローラガイド２０，
２１もこのとき同時に成形されるので、成形時に
成形誤差が出るのは技術的に避けられない。ま
た、輸送時等になんらかの外力が加わつてわずか
ながら変形することもあり、これらの原因により
上下ローラガイド２０，２１の平行は完全でない
場合が多い。

しかしながら、上記構成においてキヤリツジ本
体５をＹレール３に沿つて走行させると、キヤリ
ツジ本体５のローラのうち交差方向に対応して設
けられる２つのローラａ，ｃは、それぞれ上部の
ローラガイド２０に接し、別のローラｂ，ｃは反
対の下部ローラガイド２１に常に接するように支
持されているから、たとえローラガイド２０，２
１の一部に寸法誤差があつて非平行になつても、
相対応するどちらかのローラがこの誤差を補正す
るので、スラスト方向にガタつきが生じることが
ない。したがつて、ガタつきによる振動音を防止
し、画質を向上させることができる。

なお、ローラａ，ｂ，ｃ，ｄを常にローラガイ
ド２０，２１に接触させるための手段としては、
バネや弾性体に限定されない、公知の他の手段に
よつてもよい。また、ローラの数も４個以上あつ
てもよい。さらに、上述のキヤリツジ支持装置は
Ｘレール上に沿つて手動自在に設けられたＸキヤ
リツジにも応用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るXYプロツタにおけるキ
ヤリツジ支持装置の要部を示す正面図、第２図
ａ，ｂはそれぞれ上記キヤリツジ支持装置におけ
るＹレールとローラとの位置関係を示す平面及び
側面から示す説明図であり、第３図はXYプロツ
タの全体概観図である。 符号Ａ……XYプロツタ、ａ，ｂ，ｃ，ｄ……
ローラ、３……Ｙレール、４……キヤリツジ、５
……キヤリツジ本体、６……ペンベース、１７…
…回転軸、２０，２１……ローラガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 XYプロツタの作画面上に移動可能に設けられ
   たレールに対し少なくとも４個のローラを介して
   キヤリツジを走行可能に支持するキヤリツジ支持
   装置において、 上記レール両側面にキヤリツジ走行方向に沿つ
   て平行に突設された上下２本のローラガイドの間
   に、上記キヤリツジのローラを、その側面とロー
   ラガイドとの間に隙間が形成され、且つその周面
   が上記レール両側面に当接するように配置すると
   ともに、上記キヤリツジ両側のローラのうち交差
   方向に対応して設けられる各一対のローラを、互
   いに上下逆方向に付勢し、且つ上記各一対のロー
   ラの一側面を、付勢された側のローラガイドに対
   し常に接するように支持したことを特徴とする
   XYプロツタのキヤリツジ支持装置。