JPH04357954A - 消臭剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アンモニア臭、及びそ
の他の悪臭に対して有効な植物抽出物より得られる消臭
剤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、人々の生活パターンは従来の家族
中心社会から個人中心へと変化してきている。食生活も
変化し、個食化傾向に従って加工の要らない電子レンジ
食品、インスタント食品が次々に開発されている。その
一方で品質や安全性に対する消費者の関心も高まってお
り、新鮮なもの、安全なものが強く求められている。

【０００３】これらの変化は新たな臭気問題を生み出し
ている。すなわちインスタント食品、電子レンジ食品等
ほとんど加工を必要としない小量包装の食品市場では、
品質を保持するための樹脂製容器臭が食品に移り味の低
下を引き起こしている。清涼飲料などに用いられる紙製
容器でも容器臭気の飲料への移行は深刻な問題となって
いる。そのほかにおいの強いものの包装では、異臭悪臭
が人々に不快感を持たせない工夫のなされることが求め
られている。

【０００４】従来、異臭悪臭除去の方法としては、臭気
成分を多孔質表面に物理吸着させて除去する方法、これ
らを化学結合による吸着や反応により除去する方法、悪
臭成分よりも強い芳香を持つものにより悪臭を感じさせ
なくする方法等が知られている。しかしながら、物理吸
着による方法では、吸着剤自身が短時間のうちに飽和状
態に達してしまうという欠点があり、化学吸着による方
法では悪臭の除去作用が化学反応であり、化学物質が人
体に悪影響を及ぼす可能性があるといった欠点が挙げら
れる。マスキングによる方法は、悪臭を覆い隠す芳香成
分が必ずしも使用者の嗜好に合わない場合、とくに食品
と一緒に用いる場合には不快になる場合がほとんどであ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決すべく発明されたものであり、消臭剤自身の臭
気は非常に弱く、天然物であるため人体に対しても安全
性が高く、安価に入手でき、特にトリメチルアミンやア
ンモニア、あるいはイソ吉草酸等の悪臭に対して、除去
能力は除去速度、除去量の両面において優れる消臭剤を
提供せんとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ユキ
ノシタ科植物の花びらの生物または乾燥物に、水を含む
有機溶媒による多段階抽出とｐＨ処理による成分の分画
を施し、得られた弱酸性成分を有効成分とした魚臭用消
臭剤である。ここでいうユキノシタ科植物とは、アジサ
イ属またはアマチャ属が特に適当である。

【０００７】製法としては、これら原料に極性溶媒、好
ましくはアセトン抽出を行い抽出物を得る。この抽出物
に水蒸気を加えて水蒸気蒸留することにより揮発生成分
を取り除く。得られた不揮発性成分を、酸、アルカリを
用いるｐＨ処理により強酸性画分、弱酸性画分、中性画
分、塩基性画分に分け、その弱酸性画分を消臭剤の抽出
原料として用いる。原料は、乾物として取り扱う場合は
、日陰に置いて自然乾燥、あるいは６０℃に設定したオ
ーブン中で水分を除去し乾燥させた後、ミキサーを用い
てこれを粉末化して上記抽出操作を行なう。

【０００８】生物として取り扱う場合は、生物に十分量
の抽出溶媒を加え、ホモジナイザーで磨砕の後、上記抽
出操作を行って消臭成分を得、実際の消臭に供する。

【０００９】

【作用】この抽出物は、植物から容易に得られる安全性
の高いものであり、魚臭の代表悪臭成分であるトリメチ
ルアミンや、脂肪性の悪臭成分であるイソ吉草酸に対し
て、除去速度、除去量の両方について著しく優れた効果
を持つものである。固形物自身の臭気はきわめて小さい
ため食品容器に用いても支障がなく、不快感をもたらす
こともない。原料も花を用いているため、精油除去の工
程を省くことができ安価である。

【００１０】臭気除去の作用機作としては、抽出物中に
含まれるユキノシタ科由来のポリフェノール類と悪臭物
質との中和、分解、酸化還元、包接作用等が複合的に行
われていると推定される。以下に実施例を挙げてさらに
詳しく本発明を説明する。

【００１１】

【実施例】アジサイの花生重５Ｋｇ相当に該当する冷凍
物をアセトン５Ｋｇと共にミキサーにかけて粉砕し、吸
引濾過して第一段階の抽出物を得た。この抽出物を減圧
濃縮したのち、第二段階の抽出操作として、濃縮物に水
蒸気を強く送り込んで水蒸気蒸留を行なった。

【００１２】揮発生成分を除去した後、不揮発生成分を
濃縮してエチルエーテルに溶解させた。ここでｐＨ処理
の第一段として、２規定濃度の塩酸水溶液を加えて抽出
を行い、分液ロートによりエーテル層と塩酸層とに分離
した。エーテル層を水洗の後、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液を加え、同様の抽出操作を施し、分画後水洗した
エーテル層に、１規定濃度の水酸化ナトリウム水溶液を
加えて分画抽出し、弱酸性成分を含む水酸化ナトリウム
層を得た。

【００１３】この水酸化ナトリウム層に塩酸を加えて液
性をｐＨ６程度にして、ここに含まれている弱酸性物質
を非解離分子として、これをエーテルを用いて抽出した
。このエーテル層を減圧乾固して消臭成分４ｇを得た。

【００１４】＜試験例１＞実施例で得た消臭成分につい
て、魚臭の主要悪臭成分であるトリメチルアミンに対す
る消臭効果を、消臭速度に注目して測定した。

【００１５】・試験方法 実施例で得た、固体消臭成分８０ｍｇを１５０ｍｌ　容
バイアルビンにトリメチルアミン１０００μｇ　と共に
封入した。注入後、随時ビン内のガスを１ｍｌ抜きとっ
てガスクロマトグラフにて分析し、ビン内のトリメチル
アミン残量を測定した。注入後、ビン内のガス残量が注
入初期の１割以下となったら、再び１０００μｇのトリ
メチルアミンを追加して同様の測定を継続した。結果は
抽出物の乾燥物１ｍｇが除去したトリメチルアミンの重
量（μｇ　）で表し、各時間におけるトリメチルアミン
除去量を図１に示した。図中、矢印はトリメチルアミン
の追加注入を意味する。

【００１６】この図１より、本発明による消臭剤原料は
、悪臭ガス注入後わずか３０分足らずで１１００μｇ　
ものトリメチルアミンのほとんどを除去する能力のある
ことが分かり、追加したガスについてもそのほとんどを
除去するのに１時間もかからない。また、成分１ｍｇの
悪臭除去量も優れており、１５時間のちには１ｍｇ当り
７４．６μｇ　ものガスを除去することが分かった。こ
れはわずか１５０ｍｌ　容の空間に注入された６．６ｍ
ｇ　ものトリメチルアミンの９０％以上を除去したこと
を意味し、本発明による消臭剤が魚臭を除去する能力に
優れることが分かる。

【００１７】＜試験例２＞実施例で得た消臭成分につい
て、悪臭成分であるアンモニアに対する消臭効果を、ア
ンモニア除去率（％）の時間経過を注目して測定した。 その結果を図２に示す。図によれば、第１回目のアンモ
ニア１０００μｇについては、約２０分で本発明の消臭
剤によって除去され、第２回目のアンモニア１０００μ
ｇｋ追加に対しても、満足すべき消臭効果が認められた
。

【００１８】＜試験例３＞実施例で得た消臭成分につい
て、脂肪系の悪臭成分であるイソ吉草酸に対する消臭効
果を、イソ吉草酸除去率（％）の時間経過を注目して測
定した。その結果を図３に示す。図３によれば、本発明
の弱酸性画分の消臭剤が、強酸性画分、中性画分、塩基
性画分のものに比較して、最も除去率が優れることが判
明した。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明の消臭剤は、魚臭
を始め、アンモニア臭、イソ吉草酸臭など、多くの種類
の悪臭に対して、除去する能力に優れる。原料の入手が
安価でかつ容易なうえ、製法も簡単でその効果も大きい
。消臭剤自身が極めて低臭であるため、不快感を与える
ことなく様々な分野でその効果を発揮するものである。 本発明の消臭剤の原料は、古来より飲用または漢方薬と
して用いられてきたものであり、安全性に対しても信頼
できるものである。以上のように本発明はきわめて効果
が高く、有効かつ実用的な発明といえる。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】各時間における、本発明の消臭剤である抽出物
乾燥物１ｍｇ当りが吸着したトリメチルアミンの量を示
したグラフ図である。

【図２】本発明の消臭剤が、アンモニアを吸着して除去
した割合を時間経過にしたがい示したグラフ図である。

【図３】本発明の消臭剤が、イソ吉草酸を吸着して除去
した割合を時間経過にしたがい示したグラフ図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ユキノシタ科植物の花びらの生物または乾
   燥物に、水を含む有機溶媒による多段階抽出とｐＨ処理
   による成分の分離を施し、得られた弱酸性成分を有効成
   分とした消臭剤。
2. 【請求項２】ユキノシタ科植物が、アジサイ属またはア
   マチャ属である請求項１に記載の消臭剤。