JPH0435637B2 - - Google Patents

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JPH0435637B2
JPH0435637B2 JP24008683A JP24008683A JPH0435637B2 JP H0435637 B2 JPH0435637 B2 JP H0435637B2 JP 24008683 A JP24008683 A JP 24008683A JP 24008683 A JP24008683 A JP 24008683A JP H0435637 B2 JPH0435637 B2 JP H0435637B2
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JP
Japan
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vane
cylinder
vanes
rotor
pressure
Prior art date
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Application number
JP24008683A
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English (en)
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JPS60132087A (ja
Inventor
Shinichi Suzuki
Shigeru Suzuki
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
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Publication date
Application filed by Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK filed Critical Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
Priority to JP24008683A priority Critical patent/JPS60132087A/ja
Publication of JPS60132087A publication Critical patent/JPS60132087A/ja
Publication of JPH0435637B2 publication Critical patent/JPH0435637B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C21/00Component parts, details or accessories not provided for in groups F01C1/00 - F01C20/00
    • F01C21/08Rotary pistons
    • F01C21/0809Construction of vanes or vane holders
    • F01C21/0818Vane tracking; control therefor
    • F01C21/0854Vane tracking; control therefor by fluid means
    • F01C21/0863Vane tracking; control therefor by fluid means the fluid being the working fluid

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ロータに保持された複数のベーンが
シリンダ内においてそのロータとともに回転させ
られることにより圧縮仕事を行うベーン圧縮機に
関し、特に複数のベーンをシリンダの内周面に向
かつて付勢する技術の改良に関するものである。
従来技術 ベーン圧縮機の一種に、円柱状をなし、自身の
軸心まわりに回転させられるロータと、そのロー
タに上記軸心に平行に形成された複数のベーン溝
に摺動可能に嵌合された複数のベーンと、それら
ロータとベーンとを収容し、内周面においてそれ
らベーンの先端縁と摺接するシリンダとを含む形
式のものがある。シリンダの両端の開口は、2個
のサイドプレートによつてそれぞれ閉塞されると
ともに、それらサイドプレートがロータの両端面
に実質的に密着するように配置されるのが普通で
あつて、そのようにして形成されるシリンダ内の
空間に、吸入側空間から例えば冷媒ガスを吸入し
て圧縮した後、吐出側空間に吐出するようにされ
るのである。
この種のベーン圧縮機においては、複数枚のベ
ーンが、それらの先端縁がシリンダ内周面に摺接
する向きに付勢される。例えば、2個のサイドプ
レートのいずれか一方の内側面に、ロータの軸心
を中心とする円環状の導圧溝を形成し、その導圧
溝を複数のベーン溝の最深部(底部)に連通させ
るとともに、その導圧溝に所定の導圧通路を経て
吐出側圧力を導き、その吐出側圧力をベーン後端
面に作用させてシリンダ内周面に向かう付勢力を
生じさせるのである。その吐出側圧力としては、
吐出ガス中からミスト状の潤滑油を分離するオイ
ル分離室内のオイル圧を利用することが多いので
あるが、従来においては、すべてのベーン溝に共
通の導圧溝を経て吐出側圧力が導かれるようにさ
れていた。
したがつて、圧縮機の起動時にすべてベーンに
対して一斉に吐出側圧力が作用し、ベーン先端縁
をシリンダ内周面に摺接させる向きの付勢力が生
じて、運転開始当初からすべてのベーンが正規に
圧縮仕事を行うこととなる。しかし、圧縮機の起
動時にはシリンダ内空間に潤滑油や液化した冷媒
が存在することが多く、そのため起動当初からす
べてのベーンが正規に働くと液圧縮を引き起こし
易い。液圧縮が起こると、負荷が異常に増大し、
また、異常高圧が発生してベーン等の破壊を招く
おそれもある。
このような液圧縮を防ぐために、運転開始当初
においては、すべてベーンの後端面に作用させら
れる吐出側圧力が徐々に増大するように、導圧通
路の途上にオリフイスを設けることも考えられる
が、その場合には、運転開始当初においてベーン
の後端面に充分な吐出側圧力が加えられるまでの
間、すべてのベーンがシリンダ内周面に当接した
り離間したりするチヤタリング現象を起こして、
振動や異音を招く。しかもそのチヤタリングが生
じている間は、有効な圧縮仕事が行われないた
め、吐出側圧力の上昇が遅くなり、そのことがベ
ーンのチヤタリング時間を長くするという悪循環
を招くのである。
発明の目的 本発明は、このような事情に基づいて為された
ものであり、その目的をするところは、ベーンの
チヤタリングをできる限り防止しながら、運転開
始当初の液圧縮を有効に回避することができるベ
ーン圧縮機を提供することにある。
発明の構成 本発明の要旨とするところは、前述のようなベ
ーン圧縮機において、複数のベーン溝を複数の群
に分け、各群ごとにベーン溝の深さを異ならせる
とともに深いベーン溝に嵌合するベーンを長く
し、かつ前記サイドプレートのロータ端面に実質
的に密着する面に直径の異なる複数の円環溝を設
けて各円環溝をそれぞれ各群のベーン溝に連通さ
せ、さらにそれら円環溝をそれぞれ流体通路によ
つて当該圧縮機の吐出側空間に連通させるととも
に、それら流体通路の一部のものに、吐出側空間
からベーン溝に向かう方向の流体の流れに抵抗を
与える抵抗付与手段を設け、かつその抵抗の大き
さを、当該圧縮機の運転開始当初の吐出側空間の
圧力が低い間は上記ベーンがロータの回転に伴つ
てシリンダ内周面に完全に追従することを許容せ
ず、その吐出側空間の圧力が定常圧力に達した後
は上記ベーンがシリンダ内周面に完全に追従する
ことを許容する大きさに選定したことにある。
なお、ここにおいてベーンがシリンダ内面に完
全に追従することを許容しないとは、ベーンがシ
リンダ内面に摺接する向きに移動することを積極
的に抑制することを意味するのみならず、ベーン
が一応はシリンダ内面に追従するが、その追従を
妨げる力が生じた場合にはベーンがシリンダ内周
面から容易に離間することを許すことをも含むも
のである。
発明の作用効果 上記のように構成すれば、深いベーン溝に嵌合
されるベーンが長くされることにより、複数の円
環溝が互いに連通させられることがなく、複数の
ベーン溝の群ごとに独立した経路を経てそれぞれ
吐出側圧力が供給される。しかも、互いに独立の
流体通路の一部のものに、吐出側空間からベーン
溝に向かう方向の流体の流れに抵抗を与える抵抗
付与手段が設けられるため、当該圧縮機の運転開
始当初において、その抵抗付与手段を有しない流
体通路を経てベーンに加えられる吐出側圧力は、
早い時期に十分な圧力に達してベーンにシリンダ
内周面に摺接する向きの押出し力を与えるが、上
記抵抗付与手段が設けられた流体通路を経て別の
群のベーンに加えられる吐出側圧力は、その抵抗
付与手段で抵抗を与えられる分だけ圧力上昇が遅
くなる。従つて、圧力上昇が速い群のベーン溝に
嵌合されたベーンは運転開始当初からシリンダ内
周面に充分な押付け力をもつ摺接させられ、有効
な圧縮仕事を行うが、圧力上昇が遅くなる群のベ
ーン溝に嵌合されたベーンには、吐出側圧力が定
常圧力に達するまでの間はシリンダ内周面に完全
に追従するだけの押出し力が与えられない。その
ため、複数のベーンによつて仕切られる圧縮室が
吸入側空間および吐出側空間のいずれかに連通す
る時間が長くなり、シリンダ内の空間に潤滑油等
の液体が存在していても、そのような液体をシリ
ンダ内周面に完全に追従する群のベーンによつて
シリンダ外へ排除することができる。液圧縮の発
生を有効に回避することができる。
しかも、一部のベーンが有効な圧縮仕事を行わ
ないため、圧縮機全体としての吐出量が減少し、
吐出室の圧力上昇がすべてのベーンが有効に作用
する場合に比較して緩慢となり、これも液圧縮発
生の防止に寄与する。
また、前記抵抗付与手段を経ることなく吐出側
圧力が作用させられるベーンの群は、当該圧縮機
の運転開始当初からシリンダ内周面に完全に追従
させられて正規の圧縮仕事を行うため、当該圧縮
機の運転開始当初にすべてのベーンがチヤタリン
グを起こすような状態にした場合に比較すれば、
早い時期に吐出側空間の圧力が定常圧力に達す
る。それに伴つて抵抗付与手段を経て別の群のベ
ーンに供給される圧力も充分に上昇するため、シ
リンダ内周面に完全には追従しないでいたベーン
も完全に追従するようになって、他のベーンとと
もに正規の圧縮仕事を得る状態となる。したがつ
て、液圧宿を回避しながらチヤタリングの発生を
極力防止することができ、ベーン等の寿命が延長
され、かつ異音対策上も好都合なのである。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
第1図及び第2図は、本発明を自動車用空調装
置の冷媒ガス圧縮用ベーン圧縮機に適用した場合
の一例を示すものである。第1図において10は
シリンダである。シリンダ10の両端の開口は、
フロントサイドプレート12およびリヤサイドプ
レート14によつてそれぞれ閉塞されている。フ
ロントサイドプレート12の側には、フロントハ
ウジング16が配設されて吸入室18を形成して
おり、外部循環回路から帰還した冷媒ガスが図示
しない圧縮機の入口を経て吸入室18に導かれ、
さらにシリンダ10内に吸入されるようになつて
いる。また、シリンダ10およびフロント、リヤ
両サイドプレート12,14を内側に保持する状
態でリヤハウジング22が設けられており、フロ
ントハウジング16と結合されている。その結
果、シリンダ10の外側に吐出室24が形成され
ており、またリヤサイドプレート14の後ろ側に
オイル分離室26が形成されている。
吐出室24にはシリンダ10内で圧縮された冷
媒ガスが吐出され、これがリヤサイドプレート1
4に形成された連通孔28を経てオイル分離室2
6に導かれ、オイルフイルタ30を通過するとき
にその冷媒ガス中にミスト状で存在するオイルが
分離されて、オイル分離室26の下部に形成され
るオイル溜り32に貯溜される。一方、オイル分
離後の冷媒ガスは図示しない圧縮機出口から外部
循環回路に送り出される。
シリンダ10は、第2図に示すように横断面が
楕円形状の内周面34を備えており、その内側に
円柱状のロータ36が配設されている。このロー
タ36は、その外周面38がシリンダ内周面34
の短軸上の2位置(以下これらをロータトツプ位
置A,Bと略称する)において実質的に接触させ
られる状態で、自身の軸心まわりに回転させられ
るものであり、このロータ36によつてシリンダ
10内の空間は第一室40と第二室42とに仕切
られている。これら二つの室40,42のそれぞ
れの両端部には、互いに対をなす吸入孔44およ
び吐出孔46が設けられ、吸入孔44が第2図に
矢印で示すロータ36の回転方向において上流側
の位置を占め、吐出孔46が下流側の位置を占め
るようにされていて、それぞれ前記吸入室18お
よび吐出室24に連通させられている。そして、
双方の側の吐出孔46にはそれぞれリード式の吐
出弁48がリフト量規制部材50を介してボルト
52により固定されている。
ロータ36の両端面は、第1図から明らかなよ
うにフロントサイドプレート12の内側面54と
リヤサイドプレート14の内側面56とに実質的
に密着させられて、上記第一室40と第二室42
との連通が阻止されており、そのロータ36の両
端面からは軸58および60が同心的に突出させ
られている。軸58はベアリング62を介してリ
ヤサイドプレート14によつて回転可能に支持さ
れる一方、軸60はベアリング64を介してフロ
ントサイドプレート12によつて回転可能に支持
されるとともに軸封装置66によつてシールされ
つつ吸入室18の外部へ突出させられており、そ
の突出端部において電磁クラツチを介して駆動源
たるエンジンに接続されるようになつている。
ロータ36には、第2図から明らかなように4
本のベーン溝68,68,70,70がロータ外
周面38からその半径方向に延びるように互いに
90度の等角度間隔で設けられており、いずれのベ
ーン溝もロータ36の軸心に平行な方向に形成さ
れ、かつロータ36の両端面に開放されている。
それら4本のベーン溝のうち、ロータ36の軸心
に関して対称な二つのベーン溝68,68はとも
に同一の深さを有しているが、比較的深く形成さ
れている。一方、それらベーン溝68,68に直
角で、かつロータ36の軸心に関して互いに対称
な二つのベーン溝70,70も互いに同一の深さ
を有しているが、ベーン溝68より浅く形成され
ている。すなわち、本実施例においては4本のベ
ーン溝が2群に分けられ、各群のベーン溝の長さ
が互いに異ならされているのである。
そして、深い方のベーン溝68,68には長い
ベーン72,72が、また浅い方のベーン溝7
0,70には短いベーン74,74がそれぞれロ
ータ36の半径方向に摺動可能に嵌合されてい
る。それらベーン72および74は、自身が嵌合
されているベーン溝68および70の溝深さ寸法
よりいずれもやや短い長さを有しており、各ベー
ン72および74の先端縁がロータ外周面38に
ほぼ一致するまで押し込まれた状態ではベーン7
2および74の後端面とベーン溝68および70
の最深部(底面)との間にある程度の間〓が残さ
れるようになつている。
このような長短2本ずつのベーン72,74は
いずれもロータ36の軸方向の寸法に等しい寸法
を有して、ベーン両側端面が第1図に示すフロン
トサイドプレート12の内側面54およびリヤサ
イドプレート14の内側面56にそれぞれ実質的
に密着するとともに、それらの先端縁においてシ
リンダ内周面34に摺接することにより、シリン
ダ10内の空間を4個の圧縮室、すなわち互いに
隣接する2枚のベーン72,74の間に挟まれた
空間に仕切る。それら圧縮室の容積はロータ36
の回転に伴い、前記第一室40側と第二室42側
とでそれぞれ増大した後、減少することとなる
が、容積が増大する間は吸入孔44に連通させら
れ、容積が一定量減少した後は吐出孔46に連通
させられるようになつている。
上記のような4本のベーン溝68および70の
うち、深い方のベーン溝68,68の底部は、ロ
ータ36の軸心を中心として形成された比較的小
径の円環溝76に連通させられており、また浅い
方のベーン溝70,70の底部は、その円環溝7
6と同心的に、かつそれより大径に設けられた別
の円環溝78に連通させられている。この小径の
円環溝76は、第1図から明らかなようにリヤサ
イドプレート14の内側面56に両ベーン溝68
の底部を通る円周に沿つて形成され、他方、大径
の円環溝78は、フロントサイドプレート12の
内側面54に浅い方のベーン溝70の各底部を通
る円周に沿つて形成されている。長いベーン72
は第2図に示すように最も突出した状態において
もその末端部が大径の円環溝78を塞ぎ得る長さ
とされており、円環溝76と78とは互いに連通
することのない独立の溝とされている。
それらのうち一方の円環溝76は、リヤサイド
プレート14に形成された流体通路80によつ
て、前記オイル分離室26の下部に形成されるオ
イル溜り32に連通させられているが、他方の円
環溝78は、フロントサイドプレート12に形成
された流体通路82と、シリンダ10に形成され
たオリフイス通路84と、上記流体通路80の一
部とを経て、オイル溜り32に連通させられてい
る。したがつて、吐出側空間たるオイル分離室2
6のオイル溜り32に貯溜されるオイルを、その
オイル分離室26の圧力によつて上記2通りの経
路を経て円環溝76と78とに独立に供給するこ
とが可能である。しかも、流体通路80と82と
の流通断面積は互いにほぼ等しくされているが、
オリフイス通路84の流通断面積はそれより小さ
くされていて、このように円環溝78に至る通路
を絞るオリフイス通路84が、オイル溜り32か
ら上記浅い方のベーン溝70に向かう方向のオイ
ルの流れに抵抗を与える抵抗付与手段を構成して
いるのである。
以上のように構成されたベーン圧縮機が、比較
的長時間停止状態に放置された場合においては、
その圧縮機内のオイル(潤滑油)が下がつてオイ
ル分離室26の下部に形成されたオイル溜り32
は勿論、吸入室18や室40,42の下部にも溜
つた状態にある。その状態で空調装置のスイツチ
がONとされてロータ36が回転させられると、
その回転開始初期において4枚のベーン72,7
2,74,74はロータ36の回転に伴う遠心力
によつて各先端縁がシリンダ内周面34に摺接す
る向きに付勢される。この時、浅いベーン溝70
にオイルを供給する流体通路82はオリフイス通
路84において絞られているため十分な流量のオ
イルが吸い込まれず、短いベーン74はシリンダ
内周面34に十分追従しないこととなつて圧縮仕
事は殆ど行わない。それに対して、深いベーン溝
68には十分な流通断面積を有する流体通路80
を経て十分な流量のオイルが吸い込まれ得るた
め、長いベーン72は第一室40側と第二室42
側とにおいて圧縮仕事を行い、吐出室24ならび
にオイル分離室26の圧力が上昇し始める。
オイル分離室26の圧力が上昇することによ
り、オイル溜り32に貯溜されているオイルが流
体通路80を経て円環溝76側に圧送され、その
オイル圧がベーン溝68,68の底部を経て長い
方のベーン72,72の後端面に作用させられ
る。また、オイル溜り32のオイルはオリフイス
通路84および流体通路82を経て円環溝78の
側にも供給され、そのオイル圧がベーン溝70,
70の底部を経て短い方のベーン74,74の後
端面にも作用させられる。
なお、オイル溜り32内のオイルには冷媒ガス
が溶解しているのが普通であり、また圧縮機の運
転開始当初において流体通路80および82等に
は冷媒ガスが存在することが多いため、オイル溜
り32から流体通路80および82側に押し込ま
れるオイルが直接的にベーン72および74の後
端面に作用するとは限らず、むしろそのオイルが
円環溝76および78などに存在する冷媒ガスを
圧縮し、そのガスを介して上記オイル圧力が各ベ
ーン72および74の後端面に作用するのが普通
である。
いずれにしても、圧縮機の運転開始当初におい
て流体通路80および円環溝76等を経てベーン
72,72の後端面に作用するオイル圧は、速や
かにそれらベーン72,72の先端縁をシリンダ
内周面34に完全に追従させて有効な圧縮仕事を
行わせるに足る圧力に達する。しかし、流体通路
82の側を経て短い方のベーン74,74の後端
面に作用させられる圧力は、その途上にオリフイ
ス通路84が設けられて、そこを流通するオイル
に対して絞り作用(言い換えれば流体通路80の
側より大きな流通抵抗)が与えられるため、圧縮
機の運転開始当初のオイル分離室26の圧力が比
較的低い間は長い方のベーン72,72の後端面
に作用する圧力より上昇速度が遅くなり、短い方
のベーン74,74に対してシリンダ内周面34
に完全に追従することを許容するに足る高さの圧
力は作用しない。
すなわち、オイル溜り32からベーン溝70,
70の底部に至る経路がすべてオイルで満たされ
ている場合には、オリフイス通路84の絞り作用
のために短い方のベーン74,74がロータ36
から十分な速度で突出することが許容されないた
め、それらの先端縁がシリンダ内周面34に対し
て殆ど摺接することがなく、他方、上記経路に多
量の冷媒ガスが存在する場合にはベーン74,7
4が一応はシリンダ内周面34に摺接し得るもの
の、その結果、圧縮仕事が行われてそれらの先端
面にやや高い圧力が作用した場合にはベーン7
4,74が容易に後退し、有効な圧縮仕事を行う
に足るほどシリンダ内周面34に追従しないので
ある。
したがつて、各ベーン70の上流側の圧縮室と
下流側の圧縮室との連通が許容される状態とな
り、長い方のベーン72,72によつて仕切られ
る2つの空間が吸入孔44と吐出孔46とのいず
れか一方に必ず連通し得ることとなる。そのため
シリンダ10内に潤滑油や液化した冷媒等の液体
が存在していても、それを圧縮室内に完全に閉じ
込めてしまうことがなく、長い方のベーン72,
72がその液体を吐出孔46あるいは吸入孔44
からシリンダ10外へ押し出すことにより、起動
時における液圧縮が有効に回避される。そして、
これにより起動時における異常負荷の発生が防止
され、またベーン等が破壊されるような心配が解
消されるのである。また、圧縮機の運転開始当初
においては短い方のベーン74,74が有効な圧
縮仕事を行わないため、圧縮機全体の吐出容量が
減少することとなり、これも液圧縮発生の防止に
寄与する。なお、万一液圧縮気味になつた場合に
はベーン72,72は潤滑油等の追い出しを行う
間比較的大きな力を受けるが、これらは十分長い
部分においてベーン溝68,68によつて保持さ
れているため、潤滑油等の押出し時に作用する荷
重にも十分耐えられる。
上記のように、本圧縮機の運転開始当初におい
ては短い方のベーン74,74は有効な圧縮仕事
を行わないが、長い方のベーン72,72はオイ
ル分離室26の圧力が比較的低い段階から、シリ
ンダ内周面34に完全に追従し得るオイル圧が作
用させられて有効な圧縮仕事を行う。その圧縮仕
事によりオイル分離室26内の圧力は次第に上昇
して、定常圧力に達する。このオイル分離室26
内の圧力上昇に伴つて、オリフイス通路84の絞
り作用にかかわらず流体通路82側の圧力が流体
通路80側の圧力に接近していき、ついには実質
的に等しくなる。等しくなれば、短い方のベーン
74,74の後端面にも長い方のベーン72,7
2の後端面に作用させられる圧力と同等の圧力が
作用させられることとなるため、第3図に示すよ
うにシリンダ内周面34に完全に追従させられ、
運転開始当初から比較的短時間の間に短い方のベ
ーン74,74も長い方のベーン72,72と同
様に有効な圧縮仕事を行うようになり、以後は圧
縮機が定常運転状態に移行するのである。
ベーン74,74の後端面に作用させられる圧
力が定常圧力に達するまでの間は、それらベーン
74,74がシリンダ内周面34に接したり離れ
たりするチヤタリング現象が生ずるものの、長い
方のベーン72,72の有効な圧縮仕事によるオ
イル分離質26内の圧力上昇に伴つて、ベーン7
4,74のチヤタリング現象が比較的早期に止ま
るため、液圧縮を防止するのに必要な時間が経過
した後は、速やかに圧縮機が定常運転状態に移行
する。したがつて、ベーン74等の寿命低下を招
来することなく、また異音の発生を最小限に抑え
つつ液圧縮を効果的に回避することができるので
ある。
以上説明した実施例は、楕円状のシリンダ内周
面の2箇所にロータ36が実質的に接するように
配置されたタイプ(いわゆるボツシユタイプ)の
ベーン圧縮機に本発明を適用した例であるが、第
4図に示すようなベーン圧縮機に本発明を適用し
ても有効である。この実施例では、横断面が円形
のシリンダ内周面34の1箇所(ロータトツプ位
置A)にロータ36が実質的に接する状態で偏心
配置され、そのロータトツプ位置Aを挟んで吸入
孔44と吐出孔46とが設けられている。その他
の部分については第2図等に示した実施例と実質
的に同様であるため、同一の符号を付して対応関
係を示し、説明は省略するが、この実施例におい
ても前記実施例と実質的に同様な作用、効果が得
られる。
なお、これまで説明した実施例では深いベーン
溝68と浅いベーン溝70とが90度の等角度間隔
で交互に設けられ、それらに対応して長いベーン
72と短いベーン74とが設けられていたが、ベ
ーン溝を2本、3本あるいは5本以上設け、それ
らのうちの適数本を円環溝76に連通する深いも
のとし、残るものを円環溝78に連通する浅いも
のとして、深いベーン溝に長いベーンを、また、
浅いベーン溝に短いベーンをそれぞれ嵌合させる
ようにすることもできる。ただし、なるべく長い
ベーンと短いベーンとを同数かつ交互に配置する
ことが望ましい。そのようにすれば、ロータ36
に作用する半径方向の荷重を相殺させることがで
きるからである。さらにベーン溝およびベーンに
ついて言えば、ロータ36の半径方向に設ける以
外に、半径方向に対して所定角度傾斜して設けた
場合でも、本発明の利益は享受し得、また、ベー
ン溝を3群以上に分け、それぞれに対応した流体
通路に異なる絞り効果を与えることも可能であ
る。
また、前記オリフイス通路84と並列に別の流
体通路を設け、その流体通路の途上に、オイル溜
り32から前記円環溝78に向かう方向のオイル
の流れは許容しないが、それとは逆向き、すなわ
ち円環溝78側からオイル溜り32に向かう方向
の流れは許容する逆止弁を設けることもできる。
そのような逆止弁を設けた場合には、短い方のベ
ーン74,74がベーン溝70に押し込まれると
き、流体通路82内のオイルがオリフイス通路8
4を経ることなく、十分大きな断面積の別の通路
を経てオイル溜り32に戻されることとなるた
め、ベーン74,74の押込みに伴う動力損失を
小さくすることができる。
また、圧縮機の運転開始当初においてオイル溜
り32からベーン溝70の側に向かうオイルの流
れに抵抗を与える抵抗付与手段しとては、これま
で説明したオリフイス通路84等の固定絞り手段
に限らず、例えば円環溝78とオイル溜り32と
を結ぶ通路の途上に減圧弁を設け、オイル分離室
26の圧力が低い間は円環溝78にオイルを供給
しないようにすることもできる。
また、その円環溝78およびもう一方の円環溝
76について言えば、それぞれフロントサイドプ
レート12およびリヤサイドプレート14に形成
する以外に、その形成対象を逆にしてもよく、さ
らに両サイドプレート12および14のうち、い
ずれか一方のサイドプレートにそれら円環溝76
と78とを並設してもよい。
さらに、それら円環溝76および78に連通さ
せるべき吐出側空間としては、オイル分離室26
のオイル溜り32に限らず、吐出室24等別の吐
出側空間に連通させることもできる。ただし、こ
の場合には主として冷媒ガスがベーンの後端面に
作用させられることとなる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づき、種々なる変更、改
良、組合わせ等を施した態様で本発明を実施し得
ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるベーン圧縮機
の縦断面図であつて、かつ第2図における−
断面図である。第2図は第1図における−断
面図であり、第3図は第2図において短い方のベ
ーンがシリンダ内周面に追従する状態を示す部分
断面図である。第4図は本発明の別の実施例を示
す横断面図であつて、第2図に相当する図であ
る。 10……シリンダ、12……フロントサイドプ
レート、14……リヤサイドプレート、24……
吐出室、26……オイル分離室、32……オイル
溜り(吐出側空間)、34……シリンダ内周面、
36……ロータ、44……吸入孔、46……吐出
孔、54……フロントサイドプレートの内側面、
56……リヤサイドプレートの内側面、68……
深いベーン溝、70……浅いベーン溝、72……
長いベーン、74……短いベーン、76,78…
…円環溝、80,82……流体通路、84……オ
リフイス通路(抵抗付与手段)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 円柱状をなし、自身の軸心のまわりに回転さ
    せられるロータと、該ロータにその軸心に平行に
    形成された複数のベーン溝に摺動可能に嵌合され
    た複数のベーンと、該ロータと該ベーンとを収容
    し、内周面において該ベーンの先端縁と摺接する
    シリンダと、該シリンダの両端の開口をそれぞれ
    閉塞するとともに、前記ロータの端面に実質的に
    密着する2個のサイドプレートとを含むベーン圧
    縮機において、 前記複数のベーン溝を複数の群に分け、各群ご
    とにベーン溝の深さを異ならせるとともに深いベ
    ーン溝に嵌合するベーンを長くし、かつ前記サイ
    ドプレートの前記ロータ端面に実質的に密着する
    面に直径の異なる複数の円環溝を設けて各円環溝
    をそれぞれ各群のベーン溝の底部に連通させ、さ
    らにそれら円環溝をそれぞれ別個の流体通路によ
    つて当該圧縮機の吐出側空間に連通させるととも
    に、それら流体通路の一部のものに、前記吐出側
    空間から前記ベーン溝に向かう方向の流体の流れ
    に抵抗を与える抵抗付与手段を設け、かつ、その
    抵抗の大きさを、当該圧縮機の運転開始当初の前
    記吐出側空間の圧力が低い間は前記ベーンが前記
    ロータの回転に伴つて前記シリンダ内周面に完全
    に追従することを許容せず、該吐出側空間の圧力
    が定常圧力に達した後は該ベーンが該シリンダ内
    周面に完全に追従することを許容する大きさに選
    定したことを特徴とするベーン圧縮機。
JP24008683A 1983-12-20 1983-12-20 ベ−ン圧縮機 Granted JPS60132087A (ja)

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