JPH0433996B2 - - Google Patents

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JPH0433996B2
JPH0433996B2 JP23949383A JP23949383A JPH0433996B2 JP H0433996 B2 JPH0433996 B2 JP H0433996B2 JP 23949383 A JP23949383 A JP 23949383A JP 23949383 A JP23949383 A JP 23949383A JP H0433996 B2 JPH0433996 B2 JP H0433996B2
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JP
Japan
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vane
pressure
vanes
rotor
cylinder
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Application number
JP23949383A
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English (en)
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JPS60132086A (ja
Inventor
Shigeru Suzuki
Shinichi Suzuki
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
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Publication date
Application filed by Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK filed Critical Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
Priority to JP23949383A priority Critical patent/JPS60132086A/ja
Publication of JPS60132086A publication Critical patent/JPS60132086A/ja
Publication of JPH0433996B2 publication Critical patent/JPH0433996B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C21/00Component parts, details or accessories not provided for in groups F01C1/00 - F01C20/00
    • F01C21/08Rotary pistons
    • F01C21/0809Construction of vanes or vane holders
    • F01C21/0818Vane tracking; control therefor
    • F01C21/0854Vane tracking; control therefor by fluid means
    • F01C21/0872Vane tracking; control therefor by fluid means the fluid being other than the working fluid

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ロータに保持された複数のベーンが
シリンダ内においてそのロータとともに回転させ
られることにより圧縮仕事を行うベーン圧縮機に
関し、特に、複数のベーンをシリンダの内周面に
向かつて付勢する技術の改良に関するものであ
る。
従来技術 円柱状をなし、自身の軸心まわりに回転させら
れるロータと、そのロータに上記軸心に平行に形
成された複数のベーン溝に摺動可能に嵌合された
複数のベーンと、それらロータとベーンとを収容
するシリンダとを含んで構成されるベーン圧縮機
が従来より提供されている。かかるベーン圧縮機
において、上記複数のベーンは、それらの先端縁
がシリンダの内周面に摺接するように付勢されて
おり、これによりシリンダ内にロータの回転と共
に容積の変化する複数の空間(圧縮室)が形成さ
れ、この圧縮室内に吸入側空間から冷媒ガス等の
気体が吸入され、圧縮されて、吐出側空間に吐出
される。
ところで、上記複数のベーンをシリンダの内周
面に摺接する方向へ付勢するために、通常、ロー
タに形成されたベーン溝の最深部(底部)と吐出
側空間との間に導圧通路を設け、吐出側空間内の
圧力をベーン後端面に作用させることが行われて
いる。それゆえ、圧縮機の起動時には、ベーンが
遠心力(スプリングが配設される場合にはベーン
の遠心力とスプリングの弾性力)によつてシリン
ダの内周面に摺接し、それによつて吐出側空間の
圧力が上昇させられれば、その圧力が速やかにベ
ーンの後端面に作用させられて、ベーンの先端縁
がシリンダの内周面に押し付けられ、運転開始当
初から良好な圧縮仕事が行われることとなる。し
かし、圧縮機の起動時には、シリンダ内の空間に
潤滑油や液化した冷媒等が存在する場合が多く、
そのような状態で完全な圧縮仕事が行われると液
圧縮を引き起こし易く、負荷が異常に増大した
り、異常高圧が発生してベーン等の破壊を招く虞
れがあつたのである。
このような液圧縮の発生を防止するために、ベ
ーン溝と吐出側空間とを連通する導圧通路にオリ
フイスを設け、吐出側空間内の圧力が徐々にベー
ン後端面に作用させられるようにすることが考え
られる。しかしながら、この場合には、運転開始
当初においてベーンの後端面に充分な圧力が加え
られるまでの間、ベーンがシリンダの内周面に当
接したり離間したりするチヤタリング現象を起こ
し易く、振動や異音を発生してしまうのである。
しかも、そのチヤタリング現象が生じている間は
有効な圧縮仕事が行われないため、吐出側空間内
の圧力の上昇が遅くなり、それゆえにベーンのチ
ヤタリング時間が一層長くなるという悪循環を招
くのである。
発明の目的 本発明は、このような事情に基づいて為された
ものであり、その目的とするところは、ベーンの
チヤタリングをできる限り防止しながら、運転開
始当初の液圧縮を有効に回避することができるベ
ーン圧縮機を提供することにある。
発明の構成 本発明は、上記の目的を達成するために、前述
のようにロータと複数のベーンとシリンダとを含
んで構成されるベーン圧縮機において、当該圧縮
機の吐出側空間から前記複数のベーン溝に至る複
数の導圧通路を、ベーン背圧の吐出側空間内圧力
とほぼ同じ圧力上昇を可能とする圧力通路と、ベ
ーン溝に向かう方向の流体の流れに抵抗を与える
抵抗付与手段を設けてベーン背圧の圧力上昇が吐
出側空間内圧力の圧力上昇よりも遅延するように
した絞り通路とにて形成し、隣接するどのベーン
溝の組合せにおいても、少なくとも一方には抵抗
付与手段が設けられていることを特徴とするもの
である。
発明の効果 上記のように、複数のベーン溝を吐出側空間に
連通させる複数の導圧通路の一部のものに吐出側
空間からベーン溝に向かう方向の流体の流れに抵
抗を与える手段(抵抗付与手段)が設けられれ
ば、当該圧縮機の運転開始当初において、その抵
抗付与手段が設けられた導圧通路を経て吐出側空
間に連通させられている一部のベーン溝における
圧力上昇は、その抵抗付与手段では抵抗を与えら
れる分だけ吐出側空間の圧力上昇に比べて遅くな
る。また、抵抗付与手段を有しない導圧通路を経
て吐出側空間に連通させられている別のベーン溝
における圧力は、吐出側空間の圧力上昇とともに
速やかに上昇する。
したがつて、圧力上昇が速いベーン溝に嵌合さ
れているベーンは、ロータの回転に伴つてベーン
自身に作用する遠心力と吐出側空間から供給され
る圧力とによつて、運転開始当初からシリンダ内
周面に充分な押付け力をもつて摺接させられ、有
効な圧縮仕事を行うのに対し、圧力上昇が遅いベ
ーン溝に嵌合されているベーンは、吐出側空間の
圧力が定常圧力に達するまでの間は、そのベーン
自身に作用する遠心力に拘らずシリンダ内周面に
完全に追従することができない。したがつて、シ
リンダ内周面に追従しないベーンの両側の圧縮室
が実質的に連通することとなり、吸入側空間およ
び吐出側空間のいずれかに連通する時間が長くな
つて、シリンダ内の空間に潤滑油等の液体が存在
していても、そのような液体をシリンダ内周面に
完全に追従するベーンによつてシリンダ外へ排除
することができ、液圧縮の発生が有効に回避され
得るのである。
しかも、一部のベーンが有効な圧縮仕事を行わ
ないため、圧縮機全体としての吐出量が減少し、
吐出室の圧力上昇がすべてのベーンが有効に作用
する場合に比較して緩慢となり、これも液圧縮発
生の防止に寄与する。
また、前記抵抗付与手段を経ることなく吐出側
圧力が作用させられるベーンは、当該圧縮機の運
転開始当初からシリンダ内周面に完全に追従させ
られて正規の圧縮仕事を行うため、当該圧縮機の
運転開始当初にすべてのベーンがチヤタリングを
起こすような状態にした場合に比較すれば早い時
期に吐出側空間の圧力が定常圧力に達する。それ
に伴つて抵抗付与手段を経て別のベーンに供給さ
れる圧力も充分に上昇するため、シリンダ内周面
に完全には追従しないでいたベーンも完全に追従
するようになつて、他のベーンとともに正規の圧
縮仕事を行い得る状態となる。したがつて、液圧
縮を回避しながらチヤタリングの発生を極力防止
することができ、ベーン等の寿命が延長され、か
つ異音対策上も好都合なのである。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
第1図および第2図は、本発明を自動車用空調
装置の冷媒ガス圧縮用ベーン圧縮機に適用した場
合の一例を示すものである。第1図において10
はシリンダである。シリンダ10の両端の開口
は、フロントサイドプレート12およびリヤサイ
ドプレート14によつてそれぞれ閉塞されてい
る。フロントサイドプレート12の外側には、フ
ロントハウジング16が配設されて吸入室18を
形成しており、外部循環回路から帰還した冷媒ガ
スが図示しない圧縮機の入り口を経て吸入室18
に導かれ、さらにシリンダ10内に吸入されるよ
うになつている。また、シリンダ10およびフロ
ント、リヤ両サイドプレート12,14を内側に
保持する状態でリヤハウジング22が設けられて
おり、フロントハウジング16と結合されてい
る。その結果、シリンダ10の外側に吐出室24
が形成されており、また、リヤサイドプレート1
4の後ろ側にオイル分離室26が形成されてい
る。
吐出室24にはシリンダ10内で圧縮された冷
媒ガスが吐出され、これがリヤサイドプレート1
4に形成された連通孔28を経てオイル分離室2
6に導かれ、オイルフイルタ30を通過するとき
にその冷媒ガス中にミスト状で存在するオイルが
分離されて、オイル分離室26の下部に形成され
たオイル溜り32に貯溜される。一方、オイル分
離後の冷媒ガスは図示しない圧縮機出口から外部
循環回路に送り出される。
シリンダ10は、第2図に示すように横断面が
楕円形状の内周面34を備えており、その内側に
円柱状のロータ36が配設されている。このロー
タ36は、その外周面38がシリンダ内周面34
の短軸上の2位置(以下これらをロータトツプ位
置A,Bと略称する)において実質的に接触させ
られる状態で、自身の軸心まわりに回転させられ
るものであり、このロータ36によつてシリンダ
10内の空間は第一室40と第二室42とに仕切
られている。これら二つの室40,42のそれぞ
れの両端部には、互いに対をなす吸入孔44およ
び吐出孔46が設けられ、吸入孔44が第2図に
矢印で示すロータ36の回転方向において上流側
の位置を占め、吐出孔46が下流側の位置を占め
るようにされていて、それぞれ前記吸入室18お
よび吐出室24に連通させられている。そして、
双方の側の吐出孔46にはそれぞれリード式の吐
出弁48がリフト量規制部材50を介してボルト
52により固定されている。
ロータ36の両端面は、第1図から明らかなよ
うにフロントサイドプレート12の内側面54と
リヤサイドプレート14の内側面56とに実質的
に密着させられて、上記第一室40と第二室42
との連通が阻止されており、そのロータ36の両
端面からは軸58および60が同心的に突出させ
られている。軸58はベアリング62を介してリ
ヤサイドプレート14によつて回転可能に支持さ
れる一方、軸60はベアリング64を介してフロ
ントサイドプレート12によつて回転可能に支持
されるとともに軸封装置66によつてシールされ
つつ吸入室18の外部へ突出させられており、そ
の突出端部において電磁クラツチを介して駆動源
たるエンジンに接続されるようになつている。
ロータ36には、第2図から明らかなように4
本のベーン溝68,69,70,71がロータ外
周面38からその軸心に向かつて等角度間隔(90
度)で設けられており、いずれのベーン溝もロー
タ36の軸心に平行な方向に形成され、かつ、ロ
ータ36の両端面に解放されている。そして、そ
れらベーン溝68乃至71には、それぞれベーン
72,73,74,75がロータ36の半径方向
に摺動可能に嵌合されている。ベーン72乃至7
5は、自身が嵌合されているベーン溝68乃至7
1の溝深さ寸法よりやや短い長さとされており、
各ベーン72乃至75の先端縁がロータ外周面3
8にほぼ一致するまで押し込まれた状態におい
て、ベーン72乃至75の後端面とベーン溝68
乃至71の最深部(底面)との間にある程度の隙
間が残されるようになつている。また、ベーン7
2乃至75は、いずれもロータ36の軸方向の寸
法に等しい寸法を有しており、ベーン両側端面が
第1図に示すフロントサイドプレート12および
リヤサイドプレート14の内側面54および56
に実質的に密着されられている。
一方、ベーン溝68乃至71の底面には、それ
ぞれロータ36の軸心に向つて、導圧通路の一部
を成す孔76,77,78,79が穿設されてお
り、それらの孔76乃至79は、前記リヤサイド
プレート14に支持されている軸58の端面から
ロータ36の軸心に沿つて形成されて導圧通路の
一部を成す液通路80に開口している。そして、
その液通路80は、軸58の端面とリヤサイドプ
レート14との間のこれもまた導圧通路の一部を
成す隙間82、およびリヤサイドプレート14に
下方に向かつて形成された液通路84を経て、前
記オイル分離室26の下部に形成されたオイル溜
り32に連通させられている。したがつて、吐出
側空間たるオイル分離室26の圧力が、オイル溜
り32に貯溜されるオイル(潤滑油)もしくはオ
イルと冷媒ガスとの混合物(以下、単にオイル等
という)を媒体として、液通路84、隙間82,
液通路80、および孔76乃至79を経て各ベー
ン溝68乃至71に供給され、この圧力がベーン
72乃至75の後端面に作用させられること(こ
れを以下ベーン背圧という)により、それらの先
端縁がシリンダ10の内周面34に押し付けられ
る。すなわち、4個の孔76乃至79が、それぞ
れ液通路80、隙間82、および液通路84と共
に、各ベーン溝68乃至71とオイル分離室26
とを連通させる複数個の導圧通路を形成している
のである。
このようなベーン72乃至75の先端縁がシリ
ンダ10の内周面34に押し付けられることによ
り、シリンダ10内には4個の圧縮室が形成され
る。この圧縮室の容積は、圧縮室がロータ36の
回転に伴つて前記第一室40或いは第二室42の
中央部に位置させられた時最大となり、ロータト
ツプ位置A或いはBにおいて最小となる。そし
て、各圧縮室はその容積増大時において吸入孔4
4に連通させられ、また、その容積が一定量減少
した後、吐出孔46に連通させられるようになつ
ている。
前記孔76乃至79のうち、絞り通路を形成す
る孔76およびその孔76と対峙する孔78の流
路断面積は、圧力通路を形成する孔77およびそ
の孔77と対峙する孔79の流路断面積より小さ
くされており、オイル溜り32から供給されるオ
イル等の流れに抵抗を与えるようになつている。
これにより、オイル溜り32からベーン溝68お
よび70に供給される圧力の伝達は、ベーン溝6
9および71に供給される圧力の伝達より遅くな
る。すなわち、4個のベーン溝68乃至71は、
ロータ36の円周方向において交互に配置されて
いるベーン溝68および70とベーン溝9および
71との2群に分けられ、一方の群のベーン溝6
8および70とオイル分離室26とを連通する導
圧通路には、その通路の一部をなし、しかも、オ
イル分離室26からベーン溝68および70に向
かう方向のオイル等(流体)の流れに抵抗を与え
る手段として、小径の孔76および78が設けら
れているのである。
以上のように構成されたベーン圧縮機は、シリ
ンダ10の室40,42内にオイルが溜つていな
い状態において、空調装置のスイツチが投入され
た場合には、ベーン72,74の後端面に作用さ
せられる圧力が、適正背圧、すなわちベーン7
2,74の先端縁をシリンダ内周面34に摺接さ
せるために必要な圧力に達するまでの間は、それ
らベーン72,74がシリンダ内周面34に接し
たり離れたりするチヤタリング現象が生ずるもの
の、本圧縮機においては、ベーン73,75の有
効な圧縮仕事によるオイル分離室26内の圧力上
昇に伴つて、ベーン72,74のチヤタリング現
象が比較的早期に止まり、速やかに定常運転状態
に移行する。しかし、圧縮機が、比較的長時間停
止状態に放置され、その圧縮機内にオイルが下が
つて、オイル分離室26の下部に形成されたオイ
ル溜り32は勿論、吸入室18や室40,42の
下部にも溜つた状態において空調装置のスイツチ
が投入されてロータ36が回転させられると、そ
の回転初期において4枚のベーン72乃至75は
ロータ36の回転に伴う遠心力によつて、各先端
縁がシリンダ内周面34に摺接する向きに付勢さ
れる。この状態で圧縮室を圧縮行程域に移行させ
てゆくと、圧縮室内のオイル、液冷媒が圧縮室内
に完全に封じ込みされ、液圧縮が生起し、圧縮室
内の圧力は異常高圧となる。この時、ベーン溝6
9,71には充分な流量のオイル等が吸い込まれ
得るため、ベーン背面は、オイル分離室内圧力と
直ちに同圧となり、ベーン73,75の背圧が、
ベーン先端部を押圧する圧力に勝れば、ベーン先
端縁をシリンダ内周面34に完全に摺接させる
が、ベーン溝68,70には、孔76,78の絞
り作用によつて充分な流量のオイル等が供給され
ず、ベーン背圧はオイル分離室内圧力に直ちに追
従できないため、ベーン72,74の後端面に付
与される背圧が、ベーン先端部を押圧する圧力に
負け、該ベーン72,74は後退し、ベーン先端
縁はシリンダ内周面34から離れる。
したがつて、異常高圧となつている圧縮室と、
その室と隣接する圧縮室とが連通し、圧縮室容積
が拡大されるとともに圧縮室が吸入孔44または
吐出孔46のいずれか一方に必ず連通し得ること
となり、異常高圧状態は直ちに解消される。しか
し、ベーン背圧の高い側のベーン73,75先端
縁は、シリンダ内周面に摺接した状態で移行する
ため、そのベーンによつて圧縮室40,42内に
溜つているオイルは速やかにシリンダ10の外部
へ排出されるとともに、圧縮仕事を行つて吐出室
24ならびにオイル分離室26の圧力が上昇し始
める。
オイル分離室26の圧力が上昇することによ
り、オイル溜り32に貯溜されているオイルが液
通路84、隙間82、液通路80、および孔7
6,78を経てベーン溝68,70に圧送され、
ベーン72,74の背圧も漸次高まり、最終的に
は、孔77,79を介してそのオイル圧が作用さ
せられているベーン溝69,71内のベーン背圧
と等しくなる。
なお、オイル溜り32内のオイルには冷媒ガス
が溶解しているのが普通であり、また、圧縮機の
運転開始当初においては液通路80,84等にも
冷媒ガスが存在することが多いため、オイル溜り
32から液通路84,80等に押し込まれるオイ
ルが直接的にベーン72乃至75の後端面に作用
するとは限らず、そのオイルが冷媒ガスを圧縮
し、そのガスを介して各ベーン72乃至75の後
端面に作用する場合あるのである。
いずれにしても、圧縮機の運転開始当初におい
て、液通路84,80から孔77,79を経てベ
ーン73,75の後端面に作用する圧力は、速や
かにそれらベーン73,75の先端縁をシリンダ
内周面34に完全に追従させて有効な圧縮仕事を
行わせるに足る圧力に達するが、液通路84,8
0から孔76,78を経てベーン72,74の後
端面に作用させられる圧力は、オイル等がその孔
76,78を流通する際に絞り作用(孔77,7
9よりも大きな流通抵抗)を受けるため、前記ベ
ーン73,75に付与される背圧の圧力上昇より
も若干の遅れをもつて上昇する。したがつて、圧
縮仕事が行われてベーン先端面にベーン背圧より
高い圧力が作用した場合には、ベーン72,74
が容易に後退し、各ベーン72,74の上流側の
圧縮室と下流側の圧縮室との連通が許容される状
態となり、ベーン73,75によつて仕切られる
2つの空間が吸入孔44と吐出孔46とのいずれ
か一方に必ず連通し得ることとなるため、シリン
ダ10内に潤滑油や液化した冷媒等の液体が存在
していても、それを圧縮室内に完全に閉じ込めて
しまうことがなく、背圧の高い側のベーン73,
75がその液体を吸入孔44または吐出孔46か
らシリンダ10外へ押し出すことにより、起動時
における液圧縮が有効に回避される。そして、こ
れにより起動時における異常負荷の発生が防止さ
れ、ベーン等が破壊される心配が解消されるので
ある。
なお、圧縮機の運転開始当初においては、ベー
ン72,74が有効な圧縮仕事を行わないため、
圧縮機全体の吐出容量が自動的に減少させられ、
オイル分離室26内の圧力変化は、従来のすべて
のベーンが有効な圧縮仕事を行う圧縮機に比較し
てその圧力上昇が遅くなり、オイル分離室26内
において一時的に発生する異常高圧が緩和され、
オイル分離室26内の膨張によるリヤハウジング
22の歪み、フロントサイドプレート12との嵌
合ずれの憂も無くなる利点がある。
以上詳述したように、本発明に係るベーン圧縮
機によれば、液圧縮を効果的に回避しながらチヤ
タリングの発生を極力防止し得て、ベーン等の寿
命が長くなるとともに異音対策上も好都合なので
ある。
なお、上述した実施例では、ベーン溝68乃至
71がロータ36の外周面に等角度間隔で4本設
けられているが、2本、3本或いは5本以上設け
てもよい。また、それらのベーン溝をロータ36
の半径方向に対して所定角度傾斜して設けた場合
でも本発明の利益は亨受し得、さらに、ベーン溝
を3群以上に分け、それぞれに対応した導圧通路
に異なる絞り効果を与えることも可能である。
また、前記孔76,78と並列に別の流体通路
を設け、その流体通路の途上に、オイル溜り32
からベーン溝68,70に向かう方向のオイルの
流れは阻止するが、それとは逆向き、すなわちベ
ーン溝68,70からオイル溜り32に向かう方
向の流れを許容する逆止弁を設けることもでき
る。このような場合には、ベーン72,74がベ
ーン溝68,70に押し込まれるとき、ベーン溝
68,70内のオイルが孔76,78を経ること
なく、充分大きな断面積の別の通路を経てオイル
溜り32に戻されることとなるため、ベーン7
2,74の押込みに伴う動力損失を小さくするこ
とができる。
また、前記実施例においては、1個ずつのベー
ン溝68および70をそれぞれオイル分離室26
に連通させる導圧通路としての孔76および78
自体の断面積が小さくされることにより抵抗付与
手段とされていたが、孔76,78の断面積は充
分大きくし、これらを液通路80と平行に形成し
た別の液通路を経てオイル分離室26と連通させ
るとともに、この別の液通路にオリフイスを設け
て、それら液通路およびオリフイスを2つのベー
ン溝68および70に共通の導圧通路および抵抗
付与手段とすることも可能であり、その他、種々
の形態で導圧通路および抵抗付与手段を設けるこ
とが可能である。
また、上記断面積の小さい孔やオリフイス等の
絞りに代えて減圧弁を抵抗付与手段として使用
し、オイル分離室26の圧力が低い間はベーン溝
68,70にオイルを供給しないようにすること
もできる。
さらに、ベーン溝68乃至71と連通させるべ
き吐出側空間としては、オイル分離室26のみな
らず吐出室24等別の吐出側空間と連通させるこ
ともできる。ただし、この場合には主として冷媒
ガスがベーン72乃至75の後端面に作用させら
れることとなる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づき、種々なる変更、改
良、組合わせ等を施した態様で本発明を実施し得
ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるベーン圧縮機
の縦断面図であり、かつ、第2図における−
断面図である。第2図は第1図おける−断面
図である。 10……シリンダ、26……オイル分離室、3
6……ロータ、68,69,70,71……ベー
ン溝、72,73,74,75……ベーン、7
6,77,78,79……孔、80,84……液
通路、82……隙間。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 円柱状をなし、自身の軸心のまわりに回転さ
    せられるロータと、該ロータにその軸心に平行に
    形成された複数のベーン溝に摺動可能に嵌合され
    た複数のベーンと、該ロータと該ベーンとを収容
    し、内周面において該ベーンの先端縁と摺接する
    シリンダとを含むベーン圧縮機において、 当該圧縮機の吐出側空間から前記複数のベーン
    溝に至る複数の導圧通路を、ベーン背圧の該吐出
    側空間内圧力とほぼ同じ圧力上昇を可能とする圧
    力通路と、ベーン溝に向かう方向の流体の流れに
    抵抗を与える抵抗付与手段を設けて前記ベーン背
    圧の圧力上昇が吐出側空間内圧力の圧力上昇より
    も遅延するようにした絞り通路とにて形成し、隣
    接するどのベーン溝の組合せにおいても少なくと
    も一方には抵抗付与手段が設けられていることを
    特徴とするベーン圧縮機。
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