JPH04355410A - 通信線収納具および収納方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属管入り光ファイバ
や、高剛性を有する抗張力体を含んでなる光ケーブル等
の通信線の搬送や布設後の余長収納に用いられる通信線
収納具および通信線の収納方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、光通信技術の発展とともに、通信
線として光ファイバケーブルの用途が広がり、銅線が用
いられていた従来の通信線の分野への適用が広がってい
る。ところが、光ファイバケーブルは銅線と異なり、線
材の内部を光が伝搬するため、ケーブル中の光ファイバ
を他の光ファイバに接続する場合に、両線材の端面を正
確に突き合わす必要があり、接続作業に困難が多かった
。これを簡便に行なう方法として、両端にコネクタを取
り付けた通信線が用いられている。

【０００３】両端にコネクタを取り付けた光ケーブルを
用いる場合には、必要な長さのところでケーブルを切断
することができないから、各布設箇所ごとに布設長を正
確に調べた上で製造し、出荷しなければならない。とこ
ろが、布設現場の状況により、その長さが合わなかった
り、また、正確な布設長のケーブルを用いて布設したと
しても、布設後の建造物の増築等によりケーブルの長さ
を長くしたり、短くしたりする必要が生ずる。

【０００４】しかしながら、布設長を合わせて製造する
方法は、生産性を極端に低くするため、その採用は難し
い。しかも、上述したように、布設時または布設後に長
さの調整が必要なこともある。このような事情から、一
定長の通信線を製造しておいて、これを、より短い区間
に布設し、余長を何らかの手段で収納して使用すること
が考えられる。

【０００５】一方、このような通信網の拡大に伴い、光
ファイバケーブルを屋外で用いることが増加し、かつ、
従来の銅ケーブルに比較して圧倒的に伝送容量が大きい
ため、少ない心線数で用いる場合も増加しつつある。

【０００６】また、光ケーブルを各需要家に引き落とす
場合には、心線数は、１または２心で足りる。このよう
な光ファイバケーブルの例として、屋外での厳しい環境
や布設時の大きな張力に耐え得る金属管入りの光ファイ
バ等が「日立電線」Ｎｏ．９（１９９０−１）の第３７
〜４０頁などに報告されている。

【０００７】高い抗張力材を含む高剛性の通信線につい
ても、接続作業の面から、両端にコネクタを取り付けて
用いる場合が多く、余長処理の必要が生じている。

【０００８】余長を処理する技術としては、すでに、特
願平２−４１７８０９号明細書に提案した通信線収納装
置がある。ところが、この装置を高剛性の通信線に用い
た場合には、■　　通信線の剛性が高いため、その弾力
により通信線は、外へ広がろうとし、収納装置内で広が
ってしまって、巻き取ることができなくなる。■　　収
納時に通信線を内枠１回転につき１回捻ることにより、
巻きつけ時の捻りを吸収して、端末のコネクタ部の回転
を抑えているが、通信線の剛性が高い場合には、これを
捻ることができない。という問題がある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するためになされたもので、高剛性の通信線を
撚りを加えることがなく収納することができる通信線収
納具および収納方法を実現することを目的とするもので
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、請求項１にお
いては、２組の外枠を有する高い剛性の通信線の収納具
であって、前記外枠は、平面上に配列され、抜け止め部
を有し、かつ、外枠の隣接した部分が除かれており、通
信線は、前記２組の外枠に８の字を描いて収納されるこ
とを特徴とするものであり、請求項２においては、請求
項１における２組の外枠が、通信線を８の字形に収納し
た状態で中央より対向するように２つ折り状態となるこ
とを特徴とするものである。

【００１１】また、請求項３においては、通信線の収納
方法において、高い剛性を有する通信線を１平面上に設
けた２組の外枠の内面に８の字形に収納し、かつ、内面
により支持することを特徴とするものであり、請求項４
においては、請求項３において、通信線を８の字形に収
納した後に、外枠を２つに折り、前記２組の外枠を対向
して配置させることを特徴とするものである。

【００１２】

【作用】２組の外枠を有しており、この外枠が、平面上
に配列され、抜け止め部を有し、かつ、外枠の隣接した
部分が除かれており、通信線は、２組の外枠に８の字を
描くように外枠の内面に収納される。収納の際に、通信
線は、その剛性によって、外枠の内側に内接した形で最
大径をとるように広がって外枠に固定される。収納され
た通信線は、８の字の中心部分で順序よく重ねられるた
め、巻き崩れが生じ難い。収納した通信線を繰り出す場
合には、引かれた部分の円弧が小さくなって、引き出し
やすい形態となるため、容易に繰り出しができる。また
、通信線の外部の巻き崩れなどは生じない。

【００１３】さらに、８の字取りにより収納することに
より、ケーブルに捻りを与えることなく収納することが
可能であり、ケーブルの剛性が高い場合もなんら問題な
く巻き取りが可能である。

【００１４】収納された通信線の８の字を円弧を重ねる
ように折ることにより、通信線の重なりにより最も厚み
の大きくなる重なり部分を、背板に垂直な配列から傾け
た配列に変えることができ、厚みを減らし、背板を壁面
に取り付けた場合の壁面からの突出を除くことができる
。

【００１５】

【実施例】図１は、本発明の一実施例を説明するための
斜視図である。図中、１，２は背板、１ａ，１ｂ，１ｃ
，１ｄ，２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄは固定爪、３は連結板
、４は通信線、４ａは通信線４の下口、４ｂは上口であ
る。この実施例では、固定爪１ａ，１ｂ，１ｃは、抜け
止めの鈎部を有し、背板１に取り付けられて第１の外枠
を構成しており、固定爪２ａ，２ｂ，２ｃも、同様に抜
け止めの鈎部を有し、背板２に取り付けられて第２の外
枠を構成している。背板１と背板２は、取り外し自在に
連結板３により一体化され、また、固定爪１ｄ，２ｄが
連結板３に取り付けられている。固定爪１ｄ，２ｄは、
通信線を案内するために設けられたもので、他の固定爪
より長くされており、鈎部は設けられていない。

【００１６】通信線４は、下口４ａを背板または連結板
に固定された後、固定爪により構成された第１および第
２の外枠内に、８の字状に収納される。収納に際して、
通信線は、その剛性によって広がろうとする方向に力が
働き、外枠によって支えられることになる。固定爪の鈎
部は、外枠から通信線がはずれることを防止する。固定
爪１ｄ，２ｄを設けることによって、通信線は８の字の
経路を取り易くなり、また、その中心に交差部分を容易
に揃えることができる。

【００１７】図２は、本発明の他の実施例の説明図であ
り、図１で説明した８の字取りした通信線を２つの円弧
を重ねるように折り曲げていく過程を示している。 （Ａ）図は、図１において、連結板を取り外した状態の
側面図であり、この状態では、固定爪１ｄ，２ｄは連結
板とともに、通信線から取り外されている。この状態か
ら、通信線は、８の字の重なり点付近を中心として折り
曲げられる。（Ｂ）図はその移行状態を示したものであ
り、重なり点は順次下方にずれながら、通信線が折り曲
げられて行く。背板１および２を適当なリンク機構やガ
イド機構等により角度を適当に変えながら移動できるよ
うにするのがよい。固定爪１ｂ，２ｂは、背板の傾斜に
つれて倒れるように構成されている。（Ｃ）図は、通信
線が折り曲げられた状態を示し、重なり点の厚みが小さ
くなって幅が広がる形態となる。

【００１８】図４は、本発明に用い得る通信線の一例で
あり、外径１２５μｍのガラスファイバ４１に、紫外線
硬化型樹脂被覆４２を施して外径を２５０μｍとした光
ファイバを、内径８００μｍ、外径１ｍｍのＳＵＳ３０
４からなるステンレス管４３中に収納し、さらに、表面
を肉厚２５０μｍのポリ塩化ビニル４４で被覆した金属
管入りファイバである。

【００１９】図１に示した装置を用いて、上述の通信線
３０ｍの上口と下口を固定して、巻き込みと繰り出しを
行なった。用いた装置は、通信線を８の字形に巻き取る
際、重なり点の横を支持する固定爪（図１における１ｄ
，２ｄ）を省略し、通信線が２５ｃｍ径の円周に外接す
るように固定爪を９０゜間隔に設けた背板２枚を折り曲
げ部を介して接合したものである。

【００２０】この固定爪は、通信線と接する部分の長さ
が１２０ｍｍあり、背板を閉じて収納した通信線を重ね
る際には、折り曲げ部の反対方向に倒れる仕組みとなっ
ている。

【００２１】図３（Ａ）は、巻き取り時の状態を示す。 巻き取りは手作業により通信線を８の字の形態に収納し
ていくことが可能であるが、より作業を簡単化するため
に、背板１，２側における直径が、固定爪に外接する円
周よりわずかに小さく、作業者側に開いた円錐台形の巻
き取り用ガイド５，５を取り付けて行なった。

【００２２】作業は、半割にしたガイドパイプ６に通信
線４を通してから、ガイドパイプを一体化して保持し、
巻取用ガイド５，５の周囲を巡行させることにより、通
信線４を８の字形に巻き付けていくようにした。

【００２３】この装置により両端を固定した上記の通信
線３０ｍを巻き取るのに４分間を要した。この際、巻き
取った通信線４の上口、下口とも捻れが加わる現象は生
じなかった。

【００２４】さらに、図２で説明したように、通信線４
の８の字の円弧が重なるように８の字の重なり部を折り
曲げた結果、重なり部の厚みは６０ｍｍから３５ｍｍに
減少し、非常に薄くなり、壁面からの厚みが非常に薄い
状態での収納が可能となった。

【００２５】次に、図３（Ｂ）に示すように、収納され
た通信線を、引き出す実験をした。背板１，２に支持さ
れた引き出し用コーン７を、支持線８を用いて取り付け
、このコーン７を通して通信線４を引き出した。全長３
０ｍの引き出しを２．５分で完了した。

【００２６】巻き取り、引き出しのいずれの作業におい
ても、通信線の巻き乱れが発生することはなく、通信線
の上口、下口における回転もなく、短時間で作業を行な
うことができた。

【００２７】なお、上述した実施例では、外枠は、複数
の固定爪を用いたが、これに限られるものではなく、適
宜の枠体を用いることができる。また収納できる通信線
も、上述したステンレス管入りファイバのほか、高剛性
の抗張力体を備えた細径ケーブル全般に適用することが
可能である。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ステンレス管入りファイバのような剛性の高
いケーブルについても巻き取り、引き出しができ、余長
の収納や引き出しが必要とされる用途に用いると有効で
ある。

【００２９】また、８の字取りした通信線の重なり点を
折り曲げながら、２枚の背板を対向するよう重ね合わせ
ていくことにより、余長の収納作業が終了後に、通信線
収納具が、取り付けられた壁面から突出する厚みを小さ
くし、少ないスペースで収納することが可能となる。

【００３０】さらに本発明によれば、装置内にはケーブ
ルの端末はなく、ダストや水分などが収納具内に入るよ
うな悪条件のもとでも充分使用が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を説明するための斜視図であ
る。

【図２】本発明の他の実施例の説明図である。

【図３】本発明の実験装置の説明図である。

【図４】本発明に用い得る通信線の一例の断面図である
。

【符号の説明】

１，２　　背板 １ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ　　
固定爪 ３　　連結板 ４　　通信線

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　２組の外枠を有する高い剛性の通信線
   の収納具であって、前記外枠は、平面上に配列され、抜
   け止め部を有し、かつ、外枠の隣接した部分が除かれて
   おり、通信線は、前記２組の外枠に８の字を描いて収納
   されることを特徴とする通信線収納具。
2. 【請求項２】　　通信線を８の字形に収納した状態で中
   央より２組の外枠が対向するように２つ折り状態となる
   ことを特徴とする請求項１に記載の通信線収納具。
3. 【請求項３】　　高い剛性を有する通信線を１平面上に
   設けた２組の外枠の内面に８の字形に収納し、かつ、内
   面により支持することを特徴とする通信線の収納方法。
4. 【請求項４】　　通信線を８の字形に収納した後に、外
   枠を２つに折り、前記２組の外枠を対向して配置させる
   ことを特徴とする請求項３に記載の通信線の収納方法。