JPH04353270A - 内燃機関用点火位置制御方法及び装置 - Google Patents

内燃機関用点火位置制御方法及び装置

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JPH04353270A
JPH04353270A JP12783891A JP12783891A JPH04353270A JP H04353270 A JPH04353270 A JP H04353270A JP 12783891 A JP12783891 A JP 12783891A JP 12783891 A JP12783891 A JP 12783891A JP H04353270 A JPH04353270 A JP H04353270A
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ignition
signal
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voltage
capacitor
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Hideki Yugawa
湯川 秀樹
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P11/00Safety means for electric spark ignition, not otherwise provided for
    • F02P11/02Preventing damage to engines or engine-driven gearing

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の点火位置を
制御する内燃機関用点火位置制御方法及び該方法を実施
するために用いる点火位置制御装置に関するものである
【0002】
【従来の技術】内燃機関の点火位置を回転数[rpm]
に応じて制御する点火位置制御装置として、機関の回転
に同期して所定の積分演算と比較演算とを行わせること
により点火位置を演算して、演算された点火位置で点火
信号を発生させるようにしたものが種々知られている。
【0003】従来のこの種の点火位置制御方法では、機
関の最大進角位置及び最小進角位置でそれぞれ最大進角
位置信号及び最小進角位置信号を発生する信号発電機を
用いて、これらの信号により積分動作を制御することに
より、最大進角位置信号の発生位置から最小進角位置信
号の発生位置までの区間を進角範囲とするように、点火
位置の演算を行わせていた。
【0004】図8は従来のこの種の点火位置制御方法に
より点火装置を制御する場合の信号波形を示したもので
、同図(A)は最大進角位置信号P1 ´及び最小進角
位置信号P2 ´を示し、同図(B)は点火コイルの1
次電流I1 の波形を示している。また同図(C)は機
関の正転時に点火コイルの2次側に得られる点火用の高
電圧Vh を示し、同図(D)は逆転時に点火コイルの
2次側に得られる点火用の高電圧Vh を示している。 図8(B)ないし(D)において破線の波形は点火位置
の進角が開始される回転数未満の低速時の波形を示し、
実線の波形は進角が終了した回転数以上の回転速度領域
における波形を示している。
【0005】尚図8の横軸のθは機関の回転角を示して
いる。またBTDCは機関の上死点TDCよりも位相が
進んでいることを示し、ATDCは上死点よりも位相が
遅れていることを示している。
【0006】図8に示した例では、機関の最大進角位置
θa (機関の上死点TDCから角度θa だけ進んだ
位置)で最大進角位置信号P1 ´を発生させ、最小進
角位置θb(上死点から角度θb だけ進んだ位置)で
最小進角位置信号P2 ´を発生させる。そして最大進
角位置信号P1 ´が発生した位置から最小進角位置信
号P2 ´が発生した位置までの角度θa −θb の
区間を進角範囲として、点火位置の演算を行わせる。機
関の低速時には、最小進角位置θb で点火コイルの1
次電流I1 を遮断させて点火コイルの2次側に高電圧
Vh を発生させ、この高電圧を点火プラグに印加して
点火動作を行わせる。機関の回転数の上昇に伴って点火
位置を進角させ、機関の高速時には最大進角位置θa 
で点火コイルの1次電流I1 を遮断させて点火動作を
行わせる。この種の点火位置制御装置により得られる点
火位置の回転数Nに対する特性の典型的な例を示すと図
9の通りである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】積分演算と比較演算と
を行って各回転数における点火位置を演算する従来の点
火位置制御方法においては、信号発電機が最大進角位置
信号P1 ´を発生してから最小進角位置信号P2 ´
を発生するまでの角度を進角幅としていたため、進角幅
が信号発電機の構成により決まっていた。そのため、進
角幅が異なる毎に異なる信号発電機を用意する必要があ
り、コストが高くなるのを避けられなかった。また図9
に示したように、機関の低速時の点火位置が一定である
と、機関の性格によっては、機関のアイドリング状態か
らスロットルを短時間開いて戻した場合に、機関の回転
数が低下する過程で負荷が急に重くなると、機関が停止
することがあった。例えば、図9の特性において、N1
 及びN2 をそれぞれ機関の始動回転数及びアイドリ
ング回転数とし、アイドリング状態からスロットルを急
に開いて直ちに戻したとする。このとき機関の回転数は
例えばN3 (例えば3000rpm)まで上昇した後
低下していくが、この回転数の低下の過程でたまたまヘ
ッドランプの点灯等により機関の負荷が急に重くなると
、機関の出力が不足してその回転数がN2 以下に低下
し、機関が停止することがあった。この現象はスナップ
エンストと呼ばれている。
【0008】更に従来の制御方法による場合には、図8
(D)に実線で示したように、機関の逆転時に、上死点
TDCの近く(角度θb )で点火動作が行われるため
、2サイクル機関の場合には、何等かの原因で機関が逆
転させられたときに逆転状態がそのまま維持される恐れ
があり、危険であった。例えば自動2輪車において、坂
道発進時に機関に逆方向の回転力が加わって機関が逆転
させられた場合に、機関が停止せずに、その逆転状態が
持続することがあり、この場合車両は、いきなり後方に
向けて発進するため、人身事故を引き起こすという危険
があった。
【0009】本発明の目的は、信号発電機の信号発生間
隔によらずに、回路定数により進角幅を調整できるよう
にして、信号発電機を変更することなく種々の進角幅の
点火特性を得ることができるようにした内燃機関用点火
位置制御方法及びこの方法を実施する点火位置制御装置
を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、機関の低速領域で回
転速度の低下に伴って点火位置を進角させることができ
るようにして、スナップエンストが発生するのを防止し
た内燃機関用点火位置制御方法及び装置を提供すること
にある。
【0011】本発明の更に他の目的は、機関の逆転時の
点火位置を上死点から大幅に遅らせることにより、機関
の逆転状態が継続する恐れをなくすことができるように
した内燃機関用点火位置制御方法及び装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の点火位置制御方
法では、積分コンデンサを所定の時定数で充電する回路
と該積分コンデンサを所定の時定数で放電させる回路と
を設け、内燃機関の最大進角位置よりも位相が進んだ設
定位置から最大進角位置までの間を前記積分コンデンサ
の充電期間とし、最大進角位置から次の設定位置までの
間を該積分コンデンサの放電期間として該積分コンデン
サの両端に積分電圧を発生させ、この積分電圧が基準電
圧を下回ったときに内燃機関用点火装置に点火位置を定
めるための点火信号を供給する。
【0013】本発明の点火位置制御方法において、機関
の高速時に点火位置を最大進角位置に固定する場合には
次のようにする。即ち、最大進角位置で上記積分電圧が
基準電圧を下回るようになる設定回転数よりも低い回転
速度領域では、上記積分電圧が基準電圧を下回ったとき
に内燃機関用点火装置に点火位置を定めるための点火信
号を供給し、設定回転数以上の回転速度領域では、最大
進角位置で内燃機関用点火装置に点火信号を供給する。
【0014】上記の方法において、積分コンデンサの充
電時定数は、最大進角位置よりも前の位置で積分コンデ
ンサの充電電圧が飽和するように設定しても良く、最大
進角位置まで積分コンデンサの充電が継続するように設
定しても良い。
【0015】上記の方法を実施する本発明の点火位置制
御装置は例えば、内燃機関の回転に同期して機関の最大
進角位置と該最大進角位置よりも位相が進んだ設定位置
とを検出する信号を発生する信号発生装置の出力を入力
として前記設定位置から最大進角位置までの区間第1の
状態を保持し他の区間は第2の状態を保持する制御信号
を発生する制御信号発生回路と、積分コンデンサと制御
信号が第1の状態にある期間を充電期間として積分コン
デンサを所定の時定数で充電する充電回路と制御信号が
第2の状態にある期間を放電期間として積分コンデンサ
を所定の時定数で放電させる放電回路と制御信号が第2
の状態から第1の状態になる際に積分コンデンサの残留
電荷を瞬時に放電させるリセット回路とを有する積分回
路と、積分コンデンサの両端に得られる積分電圧を基準
電圧と比較して該積分電圧が基準電圧を下回ったときに
低中速領域用の第1の点火位置決定信号を発生する第1
の点火位置決定信号発生回路と、最大進角位置で発生し
、次の設定位置までに消滅する高速領域用の第2の点火
位置決定用信号を出力する第2の点火位置決定信号発生
回路と、第1の点火位置決定用信号と第2の点火位置決
定用信号とを入力として両点火位置決定用信号が同時に
存在する条件が成立したときに点火信号を発生する点火
信号発生回路とにより構成することができる。
【0016】この場合にも、積分コンデンサの充電時定
数は、最大進角位置よりも前の位置で積分コンデンサの
充電電圧が飽和するように設定しても良く、最大進角位
置まで積分コンデンサの充電が継続するように設定して
も良い。
【0017】信号発生装置としては、誘導子を備えて内
燃機関と同期回転する回転子と、該誘導子により磁束変
化が与えられる磁路に信号コイルを巻回した信号発電子
とにより構成される公知の信号発電機を用いることがで
きる。この場合、機関の最大進角位置よりも位相が進ん
だ設定位置及び最大進角位置でそれぞれ極性が異なるパ
ルス状の信号を発生させるように、回転子と信号発電子
との位置関係を設定しておく。
【0018】また信号コイルを備えた信号発電機に代え
て、信号発電子側に磁束の変化を検知する素子としてホ
ール素子またはホールICを用いた信号発電機を用いる
こともできる。
【0019】
【作用】上記のように構成すると、積分電圧は、最大進
角位置より位相が進んだ設定位置から最大進角位置また
は最大進角位置の手前の位置まで一定の傾きで上昇して
最大進角位置から次の設定位置まで一定の傾きで下降す
る波形となる。この積分電圧が基準電圧を下回ったとき
に点火信号を発生させるようにすると、積分電圧は回転
数の上昇に伴う積分時間(積分コンデンサの充電時間)
の短縮に伴って低くなっていき、回転数の上昇に伴って
積分電圧が基準電圧を下回る位相が進んでいくため、回
転数の上昇に伴って点火位置を進角させることができる
。この場合、進角幅は積分定数を調整することにより種
々調整できるため、信号発生装置は種々の点火特性を得
る点火装置に対して共用することができ、信号発生装置
の標準化を図ってコストの低減を図ることができる。
【0020】また本発明では、積分コンデンサの充電の
仕方により、低速時の点火特性を異ならせることができ
る。即ち、機関の全回転速度領域において設定位置から
最大進角位置まで積分コンデンサに継続的に充電電流を
流すように積分回路の充電時定数を設定しておくと、機
関の低速時から高速時まで点火位置が連続的に進角する
特性が得られる。また最大進角位置の手前の位置で積分
コンデンサの充電電圧が飽和するように積分コンデンサ
の充電時定数を設定しておくと、機関の低速時に積分電
圧が基準電圧を下回るまでの時間が一定になるため、回
転数の上昇に伴って点火位置が遅れる(回転数の低下に
伴って点火位置が進角していく)特性を得ることができ
る。低速時にこのような特性を得るようにしておくと、
機関のアイドリング状態でスロットルが短時間開かれた
後直ちに戻されて、回転数が低下していく過程で負荷が
急に重くなった場合に、点火位置を進角させて機関の出
力を増大させることができるため、機関が停止する(ス
ナップエンストが起る)のを防止することができる。
【0021】更に上記のように構成すると、機関の逆転
時の点火位置を上死点よりも大幅に遅れた位置に設定す
ることができるため、機関が何等かの原因で逆転させら
れたときに、その逆転状態が継続するのを防ぐことがで
き、安全性を向上させることができる。
【0022】
【実施例】図1は本発明の点火位置制御方法を実施する
装置の構成例を示したもので、同図において1は信号発
生装置2と、波形整形回路3と、フリップフロップ(F
/F)回路4とからなる制御信号発生回路、5は積分回
路、6は基準電圧を発生する基準電圧発生回路、7は第
1の点火位置決定信号発生回路、8は第2の点火位置決
定信号発生回路、9は点火信号出力回路である。
【0023】信号発生装置2は、内燃機関に取り付けら
れた信号発電機からなっていて、図2(A)に示したよ
うに、内燃機関の回転に同期して機関の最大進角位置よ
りも位相が進んだ設定位置θo を検出する信号Po 
と最大進角位置θ4 を検出する信号P1 とを発生す
る。波形整形回路3は、これらの信号Po 及びP1 
をパルス波形等の信号処理に適した波形に整形して信号
Po 及びP1 にそれぞれ対応する信号Vpo及びV
p1を発生する。
【0024】フリップフロップ回路4は信号Vpo及び
Vp1によりそれぞれセット及びリセットされて、最大
進角位置よりも位相が進んだ設定位置θo から最大進
角位置θ4までの区間第1の状態(例えば高レベルの状
態)を保持し、他の区間は第2の状態(例えば低レベル
または零レベルの状態)を保持する矩形波状の信号を制
御信号Vq (図2B)として出力する。
【0025】積分回路5は、積分コンデンサと、制御信
号Vq に応じて積分コンデンサを所定の時定数で充電
する充電回路と、制御信号Vq に応じて積分コンデン
サを所定の時定数で放電させる放電回路と、制御信号V
q が第2の状態から第1の状態に変化する際に積分コ
ンデンサの残留電荷を瞬時に放電させるリセット回路と
を有していて、制御信号が第1の状態を保持している期
間を積分コンデンサの充電期間とし、制御信号が第2の
状態を保持している期間を積分コンデンサの放電期間と
して、積分コンデンサの両端に積分電圧を得る。
【0026】従って積分回路5の積分コンデンサの両端
には、図2(C)に示すように、設定位置θo から最
大進角位置θ4 または最大進角位置θ4 の手前の位
置まで所定の傾きで上昇し、最大進角位置θ4 から次
の設定位置θo まで所定の傾きで下降する波形の積分
電圧Vi が得られる。
【0027】基準電圧発生回路6は、低電圧直流電源の
出力電圧を分圧して所定の大きさの基準電圧Vr (図
2C参照)を出力する。第1の点火位置決定信号発生回
路7は、積分回路5の積分コンデンサの両端に得られる
積分電圧Vi を基準電圧Vr と比較して積分電圧V
i が基準電圧Vr を下回ったときに第1の点火位置
決定信号Vf1を発生する。
【0028】第2の点火位置決定信号発生回路9は、制
御信号Vq を入力として、最大進角位置で発生し、次
の設定位置までに消滅する第2の点火位置決定信号Vf
2を発生する。
【0029】点火信号出力回路10は、第1の点火位置
決定信号Vf1と第2の点火位置決定信号Vf2とを入
力として両点火位置決定信号が同時に発生している条件
(第1及び第2の点火位置決定信号が共に高レベルの信
号であるときには両点火位置決定信号のアンド条件)が
成立したときに点火信号Vf を出力する。
【0030】ここで、図2(C)に実線で示したように
、設定位置θo から最大進角位置θ4 まで所定の傾
きで上昇する積分電圧Vi はを得たとすると、この積
分電圧は機関の回転数の上昇に伴う充電時間の短縮に伴
って低くなっていくため、該積分電圧が基準電圧Vr 
を下回る位相は機関の回転数の上昇に伴って進んでいき
、第1の点火位置決定信号が発生する位相は機関の回転
数の上昇に伴って連続的に進んでいく。機関の回転数が
設定値に達すると、最大進角位置で積分電圧が基準電圧
を下回っているようになり、第1の点火位置決定信号は
常に発生している状態になる。
【0031】従って機関の回転数が設定値以下の低中速
領域では、第1の点火位置決定信号が発生したとき(第
2の点火位置決定信号は既に最大進角位置で発生してい
る。)に第1の点火位置決定信号と第2の点火位置決定
信号とが同時に存在する条件が成立して、点火信号が発
生する。この点火信号は図1には図示しない点火回路に
供給される。点火回路は点火信号が与えられたときに点
火コイルの1次電流を急変させるように制御して、点火
コイルの2次側に点火用の高電圧Vh (図2D)を発
生する。
【0032】積分電圧が基準電圧を下回った時に発生す
る点火信号の発生位置は回転数の上昇に伴って進角して
いく。回転数が設定値に達し、点火位置が最大進角位置
まで進角した後は、第1の点火位置決定信号が常に発生
している状態になるため、最大進角位置で第2の点火位
置決定信号が発生すると同時に点火信号が発生する。ま
た図2(C)に破線で示したように、低速時に積分コン
デンサの充電電圧が飽和するように積分回路の回路定数
を設定しておくと、積分コンデンサの充電電圧が飽和し
ている間は、積分電圧Vi が基準電圧を下回るまでの
時間が一定になるため、積分電圧Vi が基準電圧を下
回る位置は、回転数が高いときほど遅れた位置となる。 従って積分コンデンサの充電電圧が飽和する低速領域に
おいては、回転数の上昇に伴って点火位置が遅れる(回
転数の低下に伴って点火位置が進角する)特性が得られ
る。
【0033】上記の点火装置により得られる点火位置θ
f の回転数Nに対する特性の一例を図3に示した。図
3において、回転数N2 以下の破線で示した特性は、
図2(C)に破線で示したように積分電圧を飽和させた
場合の特性である。
【0034】上記のように構成すると、進角幅θ4 −
θ2 は信号発生装置の出力信号Po ,P1 の発生
間隔Δθにより決まるのではなく、積分回路の回路定数
と基準電圧の大きさとにより決まる。従って進角幅が異
なる点火特性を得る場合に信号発生装置を共用すること
ができ、信号発生装置の標準化を図ってコストを下げる
ことができる。
【0035】また上記のように構成すると、機関の低速
時に積分コンデンサの充電電圧を飽和させるように積分
回路の回路定数を設定しておくことにより、低速領域で
回転数の低下に伴って点火位置が進角していく特性を得
ることができるため、前述のスナップエンストが生じる
のを防ぐことができる。
【0036】例えば図3において、N1 及びN2 を
それぞれ始動回転数及びアイドリング回転数とし、アイ
ドリング状態でスロットルが短時間開かれた後直ちに戻
されたとする。このとき機関の回転数は例えばN3 ま
で上昇した後直ちに低下し始める。この回転数が低下す
る過程でヘッドランプの点灯等により機関の負荷が重く
なると、回転数はアイドリング回転数N2 よりも更に
低くなるが、回転数がアイドリング回転数N2 以下に
低下すると点火位置が進角するため、機関の出力が増大
し、機関の停止を防止する。これによりスナップエンス
トが生じるのを防ぐことができる。
【0037】上記の構成において、機関が最大進角位置
で高速回転している状態で何等かの原因で機関が逆転さ
せられたとすると、逆転時の最大進角位置信号P1 は
θo の位置で発生するため、逆転時の点火位置はθo
 の位置となる。従って、信号PoとP1 の発生間隔
Δθを十分に大きく設定しておくことにより、機関の逆
転時の点火位置θo を上死点よりも大幅に遅れた位置
に設定することができ、機関の高速運転時に何等かの原
因で機関が逆転させられたときに、その逆転状態が継続
するのを防ぐことができる。
【0038】内燃機関用点火装置において、コンデンサ
放電式の点火回路が用いられる場合には、点火位置で点
火信号を与えるだけで点火動作を行わせることができる
ため、点火信号は点火位置で立ち上がるパルス状の波形
で良い。
【0039】しかし、電流遮断形の点火回路が用いられ
る場合には、点火位置よりも位相が進んだ位置で点火電
源コイルに短絡電流を流し、点火位置で該電流を遮断さ
せて高電圧を誘起させる必要があるため、点火信号は、
短絡電流を流し始める位置を定めるための情報と短絡電
流を遮断する位置(点火位置)の情報とを含む信号であ
る必要がある。このような場合には、点火位置決定信号
発生回路8内で所定の演算を行わせることにより、点火
コイルに1次電流を流し始める位置を演算する必要があ
る。この演算の具体例については後述の実施例において
説明する。
【0040】上記の実施例においては、進角が終了する
回転数以上の回転速度領域で点火信号を与えるために第
2の点火位置決定信号発生回路を設けているが、汎用の
機関においては、低速時から高速時まで点火位置を連続
的に進角させる特性を得れば済む場合がある。このよう
な場合には、第2の点火位置決定信号を発生させずに、
第1の点火位置決定信号のみにより点火信号を与えるよ
うにすればよい。この場合、機関の回転速度が設定値に
達して点火位置が最大進角位置まで進角した時点で点火
信号が得られなくなるため、機関が失火することになる
。従って特別の過回転防止回路を設けずに、機関の過回
転を防止することができる。
【0041】図4は電流遮断形の内燃機関用点火装置が
用いられる場合に用いる本発明の実施例を示したもので
、同図において図1の各部と同等の部分には同一の符号
を付してある。図4において10は電流遮断形の点火回
路で、この点火回路は、点火コイルIGと、ダーリント
ン接続された1次電流制御用スイッチとしての複合トラ
ンジスタT1 と、点火位置でトランジスタTR1 を
遮断させる遮断制御用スイッチとしてのトランジスタT
2 と、抵抗R1 と、機関の気筒に取付けられた点火
プラグPLとからなっている。点火コイルIGの1次コ
イルの一端と2次コイルの一端とが共通接続され、その
共通接続点が負極を接地したバッテリ(図示せず。)の
正極端子に接続されている。従ってトランジスタTR1
 のコレクタエミッタ間回路と点火コイルの1次コイル
との直列回路の両端にバッテリの電圧Eb が印加され
ている。
【0042】この点火回路において、トランジスタT2
 のベースに点火信号Vf が与えられていないときに
は、直流電源から抵抗R1 を通してトランジスタT1
 にベース電流が与えられて該トランジスタT1 が導
通する。トランジスタT1 が導通するとバッテリから
点火コイルの1次コイルとトランジスタT1 のコレク
タエミッタ間とを通して短絡電流(1次電流)i1 が
流れる。トランジスタT2 のベースに点火信号Vf 
が与えられると、該トランジスタT2 が導通するため
、トランジスタT1 のベース電位がほぼ接地電位まで
低下させられてトランジスタT1 が遮断状態にされる
。これにより点火コイルの1次電流i1 が遮断され、
点火コイルの1次コイルに、1次電流i1 を流し続け
ようとする極性の高い電圧が誘起する。この電圧が点火
コイルにより更に昇圧されるため、点火コイルIGの2
次コイルに点火用の高電圧Vh が誘起する。この高電
圧は点火プラグPLに印加されるため、該点火プラグに
火花が生じて機関が点火される。
【0043】信号発生装置は、内燃機関に取付けられた
誘導子形の信号発電機からなり、該信号発電機の信号コ
イル2aは、図5(A)に示したように、機関の設定回
転角度位置(設定位置)θo 及び最大進角位置θ4 
でそれぞれ極性が異なるパルス状の信号Po 及びP1
 を発生する。図示の例では信号Po が正極性、信号
P1 が負極性となっている。ここでθ4 は内燃機関
の最大進角位置に一致するように設定されている。信号
Po ,P1 の発生間隔Δθ=θo −θ4 は、信
号発電機の誘導子の極弧角に相当している。尚図5にお
いてθo ,θ4 等の角度は機関の上死点TDCを基
準にして進角側に測っている。
【0044】波形整形回路3は、トランジスタT3 と
、ダイオードD1ないしD3 と、抵抗R2 ないしR
5 とコンデンサC1 及びC2 とからなっている。 信号コイル2aが正極性の信号Po を発生すると、こ
の信号Po がコンデンサC1 の両端の電圧を超えて
いる短い期間(信号Po が所定のスレショールドレベ
ル以上になっている期間)抵抗R2 を通してパルス信
号Vpoが出力される。また信号P1 が入力されると
、該信号P1 がコンデンサC2 の両端の電圧を超え
ている短い期間(信号P1 が所定のスレショールドレ
ベルレベル以上になっている期間)ダイオードD3と抵
抗R3 とダイオードD2 とを通して電流が流れる。 このときダイオードD3の両端の順方向電圧降下により
トランジスタT3 のベースエミッタ間が逆バイアスさ
れ、トランジスタT3 が遮断状態にされる。トランジ
スタT3 が遮断状態になっている短時間の間該トラン
ジスタT3 のコレクタの電位がほぼ電源電圧まで上昇
する。従って信号P1 が発生したときにトランジスタ
T3 のコレクタにパルス信号Vp1が得られる。
【0045】フリップフロップ回路4は、トランジスタ
T4 ないしT6と、抵抗R6 と、コンデンサC3 
とからなっている。波形整形回路3からパルス信号Vp
oが与えられると、トランジスタT4 が導通するため
トランジスタT5 が導通し、図示しない直流電源回路
からトランジスタT5 を通してコンデンサC3 が瞬
時に充電される(フリップフロップ回路がセットされる
)。波形整形回路3が、パルス信号Vp1を発生すると
、トランジスタT6 が導通状態になるため、コンデン
サC3 の電荷が該トランジスタT6 を通して瞬時に
放電する(フリップフロップ回路がリセットされる)。 従ってコンデンサC3 の両端には、図5(B)に示す
ように、設定位置θo から最大進角位置θ4 まで高
レベル状態(第1の状態)を保持し、最大進角位置θ4
 から次の設定位置θoまで低レベルの状態(第2の状
態)を保持する矩形波状の制御信号Vq が得られる。
【0046】積分回路5は、トランジスタT7 と、比
較器CM1 と、ダイオードD4 と、制御信号を微分
するためのコンデンサC4 と、積分コンデンサC5 
と、抵抗R7 ないしR11とからなっている。この積
分回路5においては、ダイオードD4 と抵抗R11と
により、制御信号Vq が高レベルの状態(第1の状態
)にある期間を充電期間として積分コンデンサC5 を
一定の時定数で充電する充電回路が構成され、比較器C
M1 と抵抗R8 ないしR10とにより、制御信号V
q が低レベルの状態(第2の状態)にある期間を放電
期間として積分コンデンサC5 を一定の時定数で放電
させる放電回路が構成されている。 またトランジスタT7 とコンデンサC4と抵抗R7 
とにより、積分コンデンサのリセット回路が構成されて
いる。この積分回路の動作は次の通りである。
【0047】制御信号Vq が発生すると、その立上が
りでコンデンサC4 を通してトランジスタT7 に瞬
時的にベース電流が与えられるため、リセット回路を構
成するトランジスタT7 が瞬時的に導通し、積分コン
デンサC5 を瞬時に放電させる。積分コンデンサC5
 が放電した後トランジスタT7 は遮断状態に戻る。 制御信号Vqが発生している期間は比較器CM1 の非
反転入力端子(+端子)に与えられている制御信号Vq
 のレベルが抵抗R9 の両端に得られる設定電圧より
も高いため、比較器CM1 の出力段は遮断状態になっ
ている。そのため、制御信号Vq が発生している期間
コンデンサC5 が抵抗R10と比較器CM1 の出力
段とを通しては放電することはない。トランジスタT7
 が遮断すると、制御信号Vq によりダイオードD4
 と抵抗R11とを通して積分コンデンサC5 が所定
の時定数で図示の極性に充電される。従って積分コンデ
ンサC5 の両端の積分電圧Vi は、制御信号Vq 
が発生している期間、図5に示すように上昇していく。 この積分電圧の波形は、機関の回転数がN1 からN4
 (N1 <N2 <N3 <N4 )へと変化するの
に伴って図示のように変化する。この例では、図5(C
)に示した回転数N1 の時の積分電圧に見られるよう
に、機関の低速時に、制御信号Vq が消滅する前に積
分コンデンサC5の充電電圧が飽和するように、積分コ
ンデンサC5 の充電時定数が設定されている。
【0048】最大進角位置θ4 で制御信号Vq が消
滅すると、比較器CM1 の出力段が導通状態になり、
該比較器CM1 の出力端子が接地につながるため、積
分コンデンサC5 の電荷が抵抗R10と比較器CM1
 の出力段とを通して一定の時定数で放電していく。従
って積分電圧Vi は図5(C)に見られるように、最
大進角位置θ4から次の設定位置θo まで所定の傾き
で下降していく。設定位置で制御信号Vqが発生すると
前述の動作によりトランジスタT7 が瞬時的に導通し
てコンデンサC5 を放電させるため、積分電圧Vi 
は零に戻る。
【0049】基準電圧発生回路6は、抵抗R12及びR
13からなり、電源電圧を分圧して抵抗R13の両端に
基準電圧Vr を発生する。
【0050】第1の点火位置決定信号発生回路7は比較
器CM2 からなり、比較器CM2 は積分電圧Vi 
が基準電圧Vr を下回ったときに高レベルの第1の点
火位置決定信号Vf1を発生する。
【0051】機関の回転数が低い時(例えばN1 の時
)には、積分コンデンサの充電電圧が飽和しているため
、該積分電圧Vi が基準電圧Vr を下回るまでの時
間は一定になる。そのため積分電圧Vi が基準電圧を
下回る位置は、回転数の上昇に伴って遅れていく。回転
数が上昇していくと、積分コンデンサを充電する時間が
短くなっていくため、回転数がある回転数N2まで上昇
すると、積分コンデンサの充電電圧は飽和しなくなる。 この回転数から更に回転数が上昇していくと、積分コン
デンサの充電時間が短くなっていくため、積分電圧Vi
 のピーク値が低くなっていき、積分電圧Vi が基準
電圧Vr を下回る位置(低中速領域での点火位置)が
進んでいく。
【0052】第2の点火位置決定信号発生回路8は、ト
ランジスタT8 及びT9 と、比較器CM3 と、信
号微分用コンデンサC6 及びC8 と、積分コンデン
サC7 及びC9と、抵抗R14ないしR18と、ダイ
オードD5 とからなり、波形整形回路3から得られる
信号Vp1がコンデンサC6 を通してトランジスタT
8 のベースに与えられている。
【0053】第2の点火位置決定信号発生回路8におい
て、最大進角位置で波形整形回路3から信号Vp1が発
生すると、コンデンサC6 を通してトランジスタT8
 に瞬時的にベース電流が与えられるため、該トランジ
スタT8 が瞬時的に導通して積分コンデンサC7 の
電荷がトランジスタT8 を通して瞬時に放電する。そ
の後電源電圧により抵抗R15を通してコンデンサC7
 が一定の時定数で充電される。従って、積分コンデン
サC7 の両端には、図5(E)に示した通りの積分電
圧Vc1が得られる。
【0054】また設定位置θo で制御信号Vq が立
ち上がったときに、抵抗R16とコンデンサC8 とを
通してトランジスタT9 にベース電流が与えられる。 これにより、トランジスタT9 が導通して、積分コン
デンサC9 を放電させる。設定位置で制御信号Vq 
が発生してから一定の時間が経過すると、積分コンデン
サC8 の充電が終了するためトランジスタT9 が遮
断状態になる。そのため制御信号Vq によりダイオー
ドD5 と抵抗R18とを通して、積分コンデンサC9
が図示の極性に充電される。従って、積分コンデンサC
9 の両端には図5(E)に示したような波形の積分電
圧Vc2が得られる。
【0055】上記の積分電圧Vc1及びVc2は、比較
器CM3 に入力されて比較される。比較器CM3 は
、図5(F)に示したように、積分電圧Vc2が積分電
圧Vc1を超えたときに高レベルに立上がり、積分電圧
Vc2が積分電圧Vc1を下回ったときに低レベルに立
ち下がる第2の点火位置決定信号Vf2を出力する。第
2の点火位置決定信号Vf2の立上がり位置は常に最大
進角位置θ4 に一致しているが、その立ち下がり位置
は回転数の上昇に伴って進んでいく。この第2の点火位
置決定信号Vf2の立上がりが高速時の点火位置を決定
するための信号として用いられる。また該信号の立ち下
がりが点火コイルに1次電流を流し始める位置を決定す
るための信号として用いられる。
【0056】点火信号出力回路9は、上記比較器CM2
 の出力端子と比較器CM3 の出力端子とをアンド回
路を構成するように共通接続する回路と、両比較器の出
力端子の共通接続点を直流電源に接続する抵抗R19と
からなっている。この点火信号出力回路は、図5(G)
に示したように、第1の点火位置決定信号Vf1と第2
の点火位置決定信号Vf2とが同時に存在する条件が成
立したときに立上がり、該条件が消滅したときに立ち下
がる点火信号Vf を出力する。この点火信号Vf の
立上がり位置(点火位置)は、機関の回転数が設定値N
2 以下のときには回転数の上昇に伴って遅れていき、
回転数が設定値N2 を超える領域では、回転数の上昇
に伴って進んでいく。回転数が設定値N4 を超えると
点火信号Vf の立上がり位置が最大進角位置θ4 に
固定される。点火信号の立ち下がり位置(1次電流が流
れ始める位置)は、回転数の上昇に伴って進んでいく。
【0057】上記点火信号Vf が点火回路10のトラ
ンジスタT2 のベースに与えられると、該トランジス
タT2 が導通状態になるため、トランジスタT1 が
遮断状態になり、これにより、図5(H)に示したよう
に1次電流i1 が遮断されて、点火コイルの2次コイ
ルに図5(I)に示す高電圧Vh が誘起する。この高
電圧が点火プラグPLに印加されるため、該点火プラグ
に火花が生じて機関が点火される。点火信号Vf が消
滅するとトランジスタT2 が遮断状態になるため、ト
ランジスタT1 が導通して点火コイルに1次電流が流
れる。点火コイルに1次電流が流れ始める位置は回転数
の上昇に伴って進んでいくため、高速回転時に1次電流
が流れる時間が短くなり過ぎるのを防いで、高速時の点
火性能を確保することができる。
【0058】上記の実施例では機関の低速時に回転数の
上昇に伴って点火位置が遅れる特性を得るようにしたが
、低速時に積分コンデンサの充電電圧が飽和しないよう
に回路定数を設定しておくと、低速時から回転数の上昇
に伴って点火位置が進角する特性を得ることができる。
【0059】図6はコンデンサ放電式の点火回路11が
用いられる場合に適用する本発明の実施例を示したもの
で、図6において図4の各部と同等の部分には同一の符
号を付してある。
【0060】点火回路11は点火コイルIGと、点火プ
ラグPLと、点火エネルギー蓄積用コンデンサC10と
、ダイオードD11,D12と、サイリスタS1 と、
コンデンサC10に充電電流を供給して該コンデンサC
10を図示の極性に充電するコンデンサ充電用電源回路
(図示せず。)とからなる周知の回路である。
【0061】この点火回路において、点火エネルギー蓄
積用コンデンサC10は、内燃機関に取付けられた磁石
発電機内に設けられたエキサイタコイル等を電源とする
図示しない電源回路により図示の極性に充電される。こ
の充電電流は電源回路→コンデンサC10→ダイオード
D11及び点火コイルの1次コイル→電源回路の経路で
流れる。機関の点火位置でサイリスタS1 に点火信号
Vf が与えられると該サイリスタが導通してコンデン
サC10の電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる
。これにより点火コイルの鉄心で大きな磁束変化が生じ
るため、点火コイルの2次コイルに高電圧が生じ、点火
プラグPLに火花が飛ぶ。
【0062】このようなコンデンサ放電式の点火回路が
用いられる場合には、機関の点火位置でサイリスタS1
 にパルス状の点火信号を与えれば良い。従ってこの場
合には、点火コイルの1次電流の導通開始位置を定める
ための演算は必要とせず、第2の点火位置決定信号発生
回路は、最大進角位置で発生し、次の設定位置までに消
滅する第2の点火位置決定信号を発生すればよい。
【0063】そのためこの実施例では、比較器CM3 
と、電源電圧を分圧する抵抗R20及びR21とにより
第2の点火位置決定信号発生回路8´が構成され、制御
信号Vq が比較器CM4 の反転入力端子(−端子)
に、また抵抗R21の両端に得られる参照電圧が比較器
CM4 の非反転入力端子にそれぞれ入力されている。
【0064】更に点火信号出力回路9は、比較器CM2
 とCM3 の出力端子の共通接続点の電位が高レベル
に立上がったときにパルス状の点火信号Vf を出力す
る微分用のコンデンサC11を備えている。その他の構
成は図4の実施例と同様である。この実施例の各部の電
圧または電流波形を図7(A)ないし(H)に示した。
【0065】図4の実施例において、比較器CM3 は
、図7(E)に示したように、最大進角位置で制御信号
Vq が立ち下がると同時に高レベルに立上がり、設定
位置で制御信号Vq が立ち上がると零に立ち下がる矩
形波状の第2の点火位置決定信号Vf2を出力する。
【0066】回転数がN4 以下の領域では、第1の点
火位置決定信号Vf1が発生したときに第1の点火位置
決定信号Vf1と第2の点火位置決定信号Vf2とが同
時に存在する条件が成立するため、第1の点火位置決定
信号Vf1の発生位置で比較器CM2 の出力端子と比
較器CM3 の出力端子の共通接続点に図7(F)に示
すような矩形波状の信号Vf’が発生し、この信号Vf
 ´の立上がりでコンデンサC11を通して点火信号V
f (図7G)が出力される。
【0067】回転数がN4 を超える領域では、第1の
点火位置決定信号Vf1が高レベルの状態を保持するた
め、最大進角位置で第2の点火位置決定信号Vf2が発
生すると同時に点火信号Vf が発生する。
【0068】上記の実施例では、制御信号Vq が設定
位置から最大進角位置の間高レベルを保持し、最大進角
位置から次の設定位置までの間低レベルを保持するよう
にしたが、この制御信号は、設定位置から最大進角位置
までの区間と他の区間とを区別し得る信号であれば良く
、積分回路等の構成によっては、設定位置から最大進角
位置までの間低レベルを保持し、最大進角位置から次の
設定位置までの間高レベルを保持する信号であってもよ
い。即ち、制御信号は、設定位置から最大進角位置まで
の間第1の状態を保持し、最大進角位置から次の設定位
置までの間第2の状態を保持する信号であればよい。
【0069】また上記の実施例では、第1の点火位置決
定信号及び第2の点火位置決定信号を共に高レベルの信
号としたが、これらの信号を入力とする後段の回路の構
成によっては、これらの信号を低レベルの信号としたり
、互いに極性が異なる信号としたりすることができる。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、最大進
角位置より位相が進んだ設定位置から最大進角位置また
は最大進角位置の手前の位置まで一定の傾きで上昇して
最大進角位置から次の設定位置まで一定の傾きで下降す
る波形の積分電圧を得て、この積分電圧が基準電圧を下
回ったときに進角特性を得る点火信号を発生させるよう
にしたので、積分定数を調整することにより進角幅を種
々調整することができる。従って、種々の点火特性を得
る点火装置に対して信号発生装置を共用することができ
、信号発生装置の標準化を図ってコストの低減を図るこ
とができる。
【0071】また本発明では、積分コンデンサの充電の
仕方により、低速時の点火特性を異ならせることができ
る。即ち、機関の全回転速度領域において設定位置から
最大進角位置まで積分コンデンサに継続的に充電電流を
流すように積分回路の充電時定数を設定しておくことに
より、機関の低速時から高速時まで点火位置が連続的に
進角する特性を得ることができ、また最大進角位置の手
前の位置で積分コンデンサの充電電圧が飽和するように
積分コンデンサの充電時定数を設定しておくことにより
、低速時に回転数の上昇に伴って点火位置が遅れる(回
転数の低下に伴って点火位置が進角していく)特性を得
ることができる。低速時にこのような特性を得るように
しておくと、機関のアイドリング状態でスロットルが短
時間開かれた後直ちに戻されて、回転数が低下していく
過程で負荷が急に重くなった場合に、点火位置を進角さ
せて機関の出力を増大させることができるため、機関が
停止するのを防止することができる。
【0072】更に本発明によれば、機関が逆転した時の
点火位置を上死点よりも大幅に遅れた位置に設定するこ
とができるため、機関が運転中に何等かの原因で逆転さ
せられたときに、その逆転状態が継続するのを防ぐこと
ができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法を実施する装置の構成例を示
すブロック図である。
【図2】(A)ないし(D)は本発明の制御方法を説明
するための信号波形図である。
【図3】本発明により得られる点火特性の一例を示した
線図である。
【図4】図1の装置の各部を具体的にした実施例を示し
た回路図である。
【図5】(A)ないし(I)は図4の各部の電圧または
電流の波形を波形図である。
【図6】図1の装置の各部を具体的にした他の実施例を
示した回路図である。
【図7】(A)ないし(H)は図4の各部の電圧または
電流の波形を波形図である。
【図8】(A)ないし(D)は従来の点火位置制御方法
を説明するための信号波形図である。
【図9】従来の点火位置制御方法により得られる点火特
性を示した線図である。
【符号の説明】
1…制御信号発生回路、2…信号発生装置、4…フリッ
プフロップ回路、5…積分回路、6…基準電圧発生回路
、7…第1の点火位置決定信号発生回路、8…第2の点
火位置決定信号発生回路、9…点火信号出力回路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  積分コンデンサを所定の時定数で充電
    する回路と該積分コンデンサを所定の時定数で放電させ
    る回路とを設け、内燃機関の最大進角位置よりも位相が
    進んだ設定位置から最大進角位置までの間を前記積分コ
    ンデンサの充電期間とし、最大進角位置から次の設定位
    置までの間を該積分コンデンサの放電期間として該積分
    コンデンサの両端に積分電圧を発生させ、前記積分電圧
    が基準電圧を下回ったときに内燃機関用点火装置に点火
    位置を定めるための点火信号を供給することを特徴とす
    る内燃機関用点火位置制御方法。
  2. 【請求項2】  積分コンデンサを所定の時定数で充電
    する回路と該積分コンデンサを所定の時定数で放電させ
    る回路とを設け、内燃機関の最大進角位置よりも位相が
    進んだ設定位置から最大進角位置までの間を前記積分コ
    ンデンサの充電期間とし、最大進角位置から次の設定位
    置までの間を該積分コンデンサの放電期間として該積分
    コンデンサの両端に積分電圧を発生させ、最大進角位置
    で前記積分電圧が基準電圧を下回るようになる設定回転
    数よりも低い回転速度領域では、前記積分電圧が基準電
    圧を下回ったときに内燃機関用点火装置に点火位置を定
    めるための点火信号を供給し、前記設定回転数以上の回
    転速度領域では、最大進角位置で内燃機関用点火装置に
    点火信号を供給することを特徴とする内燃機関用点火位
    置制御方法。
  3. 【請求項3】  前記最大進角位置よりも前の位置で前
    記積分コンデンサの充電電圧が飽和するように前記積分
    コンデンサの充電時定数が設定されていることを特徴と
    する請求項1または2のいずれかに記載の内燃機関用点
    火位置制御方法。
  4. 【請求項4】  内燃機関の点火位置を定める点火信号
    の発生位置を内燃機関の回転数に応じて制御する点火位
    置制御装置において、内燃機関の回転に同期して機関の
    最大進角位置と該最大進角位置よりも位相が進んだ設定
    位置とを検出する信号を発生する信号発生装置の出力を
    入力として、前記設定位置から最大進角位置までの区間
    第1の状態を保持し、他の区間は第2の状態を保持する
    制御信号を発生する制御信号発生回路と、積分コンデン
    サと、前記制御信号が第1の状態にある期間を充電期間
    として積分コンデンサを所定の時定数で充電する充電回
    路と、前記制御信号が第2の状態にある期間を放電期間
    として前記積分コンデンサを所定の時定数で放電させる
    放電回路と、前記制御信号が第2の状態から第1の状態
    になる際に積分コンデンサの残留電荷を瞬時に放電させ
    るリセット回路とを有する積分回路と、前記積分コンデ
    ンサの両端に得られる積分電圧を基準電圧と比較して該
    積分電圧が基準電圧を下回ったときに第1の点火位置決
    定信号を発生する第1の点火位置決定信号発生回路と、
    前記最大進角位置で発生し、次の設定位置までに消滅す
    る第2の点火位置決定信号を出力する第2の点火位置決
    定信号発生回路と、前記第1の点火位置決定信号と第2
    の点火位置決定信号とを入力として両点火位置決定信号
    が同時に存在する条件が成立したときに前記点火信号を
    出力する点火信号出力回路とを具備したことを特徴とす
    る内燃機関用点火位置制御装置。
  5. 【請求項5】前記最大進角位置よりも前の位置で前記積
    分コンデンサの充電電圧が飽和するように前記積分コン
    デンサの充電時定数が設定されていることを特徴とする
    請求項4に記載の内燃機関用点火位置制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6318186A (ja) * 1986-07-09 1988-01-26 Nippon Denso Co Ltd 内燃機関用点火装置

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JPS6318186A (ja) * 1986-07-09 1988-01-26 Nippon Denso Co Ltd 内燃機関用点火装置

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