JPH04352797A - ヒトプレプローtrh関連ペプチド - Google Patents

ヒトプレプローtrh関連ペプチド

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JPH04352797A
JPH04352797A JP3228139A JP22813991A JPH04352797A JP H04352797 A JPH04352797 A JP H04352797A JP 3228139 A JP3228139 A JP 3228139A JP 22813991 A JP22813991 A JP 22813991A JP H04352797 A JPH04352797 A JP H04352797A
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JP
Japan
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peptide
trh
group
amino acid
seq
Prior art date
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Application number
JP3228139A
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English (en)
Inventor
Masatomo Mori
昌朋 森
Masanobu Yamada
正信 山田
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトプレプロ−TRH
(Thyrotropin−releasing  h
ormone;甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)関連
ペプチドに関し、該ペプチドはこれを利用してヒトプレ
プロ−TRH抗原を作成でき、該抗原を哺乳動物に投与
することによって得られるTRH抗体は、甲状腺機能低
下の診断に利用でき、またヒトプレプロ−TRHの単離
精製に有利に利用できる。
【0002】
【従来の技術】TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモ
ン)は、1969年にギルマン(Guillemin)
やシャーリー(Schally)の2つのグループによ
り、それぞれウシ、ブタの視床下部から分離精製された
、3つのアミノ酸(グルタミン、ヒスチジン及びプロリ
ン)を構成アミノ酸とするペプチドである。該TRHは
、現在視床下部に限らず、大脳皮質や小脳等の脳内に広
く分布することが知られているが、当初下垂体からTS
H(Thyrotropin)を分泌させる作用を有す
ることから、上記の通りTRHと命名された[Guil
lemin,R.,et  al.,C.R.Acad
.Sci.,269,1870(1969);Scha
lly,A.V.,et  al.,Biochem.
  Biophys.  Res.Commun., 
 37,705(1969)]。
【0003】その後、該TRHはプロラクチンをも分泌
させることが判り、その作用は神経伝達物質や神経修飾
物質として多岐に亘ることが明らかにされている[Ja
ckson,I.M.D.,N.Engl.J.Med
.,306,145−155(1982)]。その他に
も、TRHは覚醒作用、抗うつ作用、自発行動の増強作
用、体温上昇、過呼吸、流涙、立毛等の作用を有するこ
とが知られており[中井康充,生体の科学,37,21
0(1986)]、臨床的には、下垂体TSH分泌能の
検査に常用され、下垂体機能不全の診断に、また甲状腺
機能亢進症、甲状腺機能低下症等の確定診断にもしばし
ば用いられている。
【0004】近年、分子生物学的手法により、上記TR
Hの遺伝子構造やその合成、分泌機序等について種々研
究がなされ、その結果、ラットTRHは5個の分子を含
む大きなプロ−TRHとして合成され、プロセッシング
によりTRHとなり分泌されることが判明した。リーチ
ャン(Lechan)らは、1986年にカエルのcD
NAから明らかとなったプロ−TRHのアミノ酸配列か
ら、プロ−TRHに対する抗体を作成し、このプロ−T
RH抗体を用いてラットのプロ−TRHcDNAのクロ
ーニングを行ない、プロ−TRHのmRNAが約170
0塩基対からなり、プロ−TRHが255個のアミノ酸
からなると報告した[Lechan,R.M.,et 
 al.,Science,231,159(1986
)]。またリー(Lee)らは、ラットの遺伝子ライブ
ラリーからTRHのcDNAとその合成プライマーとを
用いて、TRH遺伝子のクローニングに成功し、該遺伝
子が3つのエクソンと2つのイントロンからなり、転写
領域が2.6kbpであると報告した[Lee,S.I
.,et  al.,J.Biol.Chem.,26
3,16604(1988)]。更に、ヤマダ(Yam
ada)らは、ヒト肺線維芽細胞のゲノムDNAライブ
ラリーからラットのプレプロ−TRHcDNA断片を用
いてヒトプレプロ−TRHをコードする遺伝子の単離に
成功し、これがラットのTRH遺伝子と同様に3つのエ
クソンと2つのイントロンからなり、転写領域が3.3
kbpであること、約1050塩基対と650塩基対と
の2つのイントロンによって中断されたほぼラットと同
様の遺伝子構造を保有すること、第3エクソンでの残り
のペプチドでラットTRH遺伝子が5つのコピーを有す
るのに対してヒトTRH遺伝子は6つのTRH配列を保
有すること、ヒトプレプロ−TRHのペプチド構造は、
ラットのそれが255アミノ酸残基からなるのに対して
242アミノ酸残基からなること、ラットのプレプロ−
TRHとの相同性は核酸レベル及びアミノ酸レベルでそ
れぞれ73.3%及び59.5%であること等を報告し
た[Yamada,M.,et  al.,Mol.E
ndocrinol.,4(4)551−556(19
90)]。上記ヒトプレプロ−TRHのアミノ酸配列は
、配列番号:1に示される通りである。
【0005】また、TRHは甲状腺ホルモン分泌の点か
ら、下垂体に対してはポジティブに、甲状腺ホルモンか
らはネガティブに相互作用していると推測される。セガ
ーソン(Segerson)らは、プレプロ−TRHc
DNA・プロ−TRH抗体を用いた研究の結果、甲状腺
ホルモンとTRH分泌との関係につき、甲状腺ホルモン
が視床下部TRHの転写・翻訳にフィードバックをかけ
ることを明らかにした[Segerson,T.P.,
et  al.,Endocrinolgy,121,
98(1987)]。該報文中においてはまた、甲状腺
機能低下ラットでは正常ラットに比し、プロ−TRHm
RNAが2倍に増加しており、この増加は甲状腺ホルモ
ンの投与により抑制されることが示されている。更にそ
の後の研究(ブラント(Bulant)らによる、ラッ
トTRH遺伝子のTRHをコードする配列間の160−
169プレプロ−TRH(160−169)の合成ペプ
チドに対する抗体を使用した試験)から、ラットプレプ
ロ−TRHのプロセッシングによって、1分子当り5分
子のTRHが遊離すると同時に、1分子のプレプロ−T
RH(160−169)が遊離し、これがTRHの作用
を促進させていることが明らかとなった[Bulant
,M.,et  al.,J.Biol.Chem.,
263,17189(1988);Roussel,J
.P.,et  al.,18th  Annual 
 meeting  of  the  Europe
an  Thyroid  Association 
 Abstracts,148(1989)]。また、
プロ−TRHは、細胞内でプロテアーゼの作用により、
TRHアミノ酸配列の前後に存在するLys−Arg,
Arg−Argのベーシックアミノ酸部分を切断されて
、TRH又はその結合ペプチドとして遊離されることも
明らかとなったが、これが細胞内のどの部位でどのよう
なプロテアーゼにより行なわれるのかは未だ不明である
【0006】以上の現状より、本発明者らはヒトプレプ
ロ−TRHがTRH及びTRH結合ペプチドの分泌及び
生物活性の調節に強く関与すると考え、この観点より上
記ヒトプレプロ−TRHとTRHとの関係を解明するべ
く研究を重ねる過程において、上記関係の解明に最も重
要な要素の一つとしてヒトプレプロ−TRHに対して特
異的に反応する抗体を開発することが急務であり、該抗
体の作成のためのヒトプレプロ−TRH関連ペプチドの
開発が必要であるとの知見を得た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
はヒトプレプロ−TRHに対して特異的に反応する抗体
の作成のための抗原、殊にそのハプテンとなり得るヒト
プレプロ−TRH関連ペプチドを確立することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列を有することを特徴とする
ヒトプレプロ−TRH関連ペプチド、配列番号:3で表
わされるアミノ酸配列を有することを特徴とするヒトプ
レプロ−TRH関連ペプチド、配列番号:4で表わされ
るアミノ酸配列を有することを特徴とするヒトプレプロ
−TRH関連ペプチド、配列番号:5で表わされるアミ
ノ酸配列を有することを特徴とするヒトプレプロ−TR
H関連ペプチド、配列番号:6で表わされるアミノ酸配
列を有することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連
ペプチド、配列番号:7で表わされるアミノ酸配列を有
することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプチ
ド及び配列番号:8で表わされるアミノ酸配列を有する
ことを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプチドに
より達成される。
【0009】本明細書において、アミノ酸、ペプチド、
保護基、活性基、その他に関する略号による表示は、I
UPAC、IUBの規定、当該分野での慣用記号及び/
又は「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成
のためのガイドライン」(特許庁調整課審査基準室編)
に従うものであり、その例を次に挙げる。また、アミノ
酸等に関して光学異性体があり得る場合、特に明示しな
ければL体を示すものとする。
【0010】Gly;グリシン、Ala;アラニン、V
al;バリン、Leu;ロイシン、Ile;イソロイシ
ン、Ser;セリン、Thr;スレオニン、Asp;ア
スパラギン酸、Glu;グルタミン酸、Asn;アスパ
ラギン、Gln;グルタミン、Lys;リジン、Arg
;アルギニン、Cys;システイン、Met;メチオニ
ン、Phe;フェニルアラニン、Tyr;チロシン、T
rp;トリプトファン、His;ヒスチジン、Pro;
プロリン、Br−Z;o−ブロムベンジルオキシカルボ
ニル基、cHex;シクロヘキシル基、4−CH3Bz
l;4−メチルベンジル基、Bzl;ベンジル基、CH
O;ホルミル基、Bom;ベンジルオキシメチル基、C
l−Z;o−クロロベンジルオキシカルボニル基、To
s;p−トルエンスルホニル基、Boc;第3級ブトキ
シカルボニル基。
【0011】本発明ペプチドは、ヒトプレプロ−TRH
に関連するものでり、該ヒトプレプロ−TRHに対して
特異的に反応する抗体の作成のためのハプテンとして有
用である。即ち、本発明ペプチドは例えばこれを適当な
担体と結合させて複合体とすることにより、ヒトプレプ
ロ−TRH及びその関連蛋白と特異反応性を有する抗体
を製造するための免疫抗原を作成でき、該抗原を利用し
て得られる抗体は、例えばこれをアフィニティクロマト
グラフィー用担体と結合させて該クロマトグラフに利用
して、ヒトプレプロ−TRH乃至その関連蛋白の精製に
利用できる。また上記抗体はヒトプレプロ−TRHの各
種免疫測定法における特異抗体としても利用でき、この
方法によってヒト−TRH関連疾患、例えば下垂体機能
不全、甲状腺疾患、精神神経疾患等の診断が行ない得る
。更に上記抗体はヒト−TRHの研究にも有用である。 また本発明のヒトプレプロ−TRH関連ペプチドは、こ
れを標識することによって標識ペプチドとして、生体内
のヒトプレプロ−TRHの分布やTRH関連酵素等の研
究にも利用することができる。
【0012】以下、本発明ペプチドにつきその製造方法
を詳述すれば、該ペプチドは、入手容易な市販のアミノ
酸を利用して簡単な操作で容易に合成することができる
。この合成は、通常のペプチド合成法、より具体的には
「ザ  ペプチド(The  Peptides)」,
第1巻(1966年)Schroder  and  
Luhke著,Academic  Press,Ne
w  York,U.S.A.や「ペプチド合成」,泉
屋ら著,丸善株式会社(1975年)に記載される如き
方法に従って、例えばアジド法、クロライド法、酸無水
物法、DCC法、活性エステル法(p−ニトロフェニル
エステル法、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル法
、シアノメチルエステル法等)、カルボジイミダゾール
法、酸化還元法、DCC/アディティブ(HONB,H
OBt,HOSu)法等により実施することができる。 上記各方法においては、固相合成法及び液相合成法のい
ずれをも適用できる。上記方法に従うペプチドの合成は
、一般的なペプチド自動合成機を用いて行ない得る。該
合成機の具体例としては、固相合成法に適用されるアプ
ライド・バイオシステム社製のアプライドバイオシステ
ム・モデル430A−ペプチドシンセサイザー等を例示
できる。
【0013】上記ペプチド合成は、一般的には末端アミ
ノ酸に順次1個ずつアミノ酸を縮合させていく所謂ステ
ップワイズ法により、又は数個のフラグメントに分けて
之等を合成後カップリングさせていく方法により、それ
ぞれ行なうことができる。より詳しくは、例えば固相合
成法を採用する場合、まず予めアミノ基を保護されたC
末端アミノ酸を、そのカルボキシル基によって、不溶性
担体に結合させる。ここで不溶性担体としては、反応性
カルボキシル基と結合性を有するものであれば特に制限
はなく、例えばクロロメチル樹脂、ブロモメチル樹脂等
のハロゲノメチル樹脂やヒドロキシメチル樹脂、フェノ
ール樹脂、tert−アルキルオキシカルボニルヒドラ
ジド化樹脂等を使用できる。次いで、上記アミノ酸より
アミノ保護基を除去した後、配列番号:2〜配列番号:
8で表わされるアミノ酸配列に従って、C末端から2番
目以降のアミノ基保護アミノ酸を順次、それらのそれぞ
れの反応性アミノ基と反応性カルボキシル基とを利用し
て縮合反応させて、一段ずつペプチドを合成し、全配列
を合成した後、最終的に所望のペプチドを不溶性担体か
らはずす。
【0014】上記方法において、Arg、Tyr、Gl
u、Gln、Thr、Trp、His、Cys、Lys
、Asp、Met及びSerの各アミノ酸は、上記縮合
反応に先立ってそれらの側鎖官能基を保護しておくのが
好ましく、これは通常の保護基により保護され、該保護
基は縮合反応後に脱離される。また、各アミノ酸の縮合
反応に関与する官能基は、通常活性化される。之等保護
、脱離及び活性化反応はそれぞれよく知られており、之
等の各反応に用いられる試薬も公知の一般的なものから
適宜選択できる。
【0015】アミノ基の保護基としては、例えばベンジ
ルオキシカルボニル、Boc、tert−アミルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、p−メト
キシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、アダマンチ
ルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタリル
、CHO、o−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニ
ルホスフィノチオイル基等を例示できる。カルボキシル
基の保護基としては、例えばアルキルエステル(メチル
、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル等のエ
ステル基)、ベンジルエステル基、p−ニトロベンジル
エステル基、p−メトキシベンジルエステル基、p−ク
ロロベンジルエステル基、ベンズヒドリルエステル基、
カルボベンゾキシヒドラジド基、トリチルヒドラジド基
等を例示できる。Argの保護基としては、例えばTo
s、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、アミルオキシ
カルボニル基等を例示できる。Ser及びThrの水酸
基の保護基としては、例えばBzl、tert−ブチル
、アセチル、テトラヒドロピラニル基等を例示できる。 Tyrの水酸基の保護基としては、例えばBzl、Br
−Z、アセチル、ベンジルオキシカルボニル、Tos基
等を例示できる。Lysのアミノ基の保護基としては、
例えばCl−Z、Boc、Tos、ベンジルオキシカル
ボニル基等を例示できる。Hisは例えばBom、ベン
ジルオキシカルボニル基等により、Cysは4−CH3
Bzl基等により、またTrpはCHO基等によりそれ
ぞれ保護される。Glu及びAspのカルボキシル基の
保護は、例えばベンジルアルコール、メタノール、エタ
ノール、cHex、tert−ブタノール等とのエステ
ル化により行ない得る。Metはまたスルホキサイド等
の形で保護することもできる。更にアミノ酸原料のカル
ボキシル基の活性化されたものとしては、例えば対応す
る酸クロライド、酸無水物、混合酸無水物等の他、アジ
ド、活性エステル(メタノール、エタノール、ベンジル
アルコール、ペンタクロロフェノール、p−ニトロフェ
ノール、N−ヒドロキシサクシンイミド、N−ヒドロキ
シベンズトリアゾール、1−ヒドロキシベンズトリアゾ
ール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド等とのエステル)等を例示できる。
【0016】尚、上記ペプチド結合形成反応は、適当な
縮合剤、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、カル
ボジイミダゾール等のカルボジイミド試薬やテトラエチ
ルピロホスファイト等の存在下に実施し得る場合もある
【0017】以下、本発明のヒトプレプロ−TRH関連
ペプチドの製造法につき、配列番号:4のペプチドを例
にとり、上記方法を反応工程式を挙げて詳述する。 [反応工程式]
【0018】
【化1】
【0019】[式中Aはアミノ基の保護基を、R1は不
溶性担体を示す。]上記Aの好ましいものとしては、B
oc、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベン
ジルオキシカルボニル基等を、R1の好ましいものとし
ては、クロロメチル化ポリスチレン等をそれぞれ例示で
きる。また、原料として使用するアミノ酸が反応に関与
しない側鎖官能基を有する場合は、該基は常法に従い、
前述した保護基により保護され、これは不溶性担体R1
の脱離反応と同時に脱離されるのがよい。
【0020】上記反応工程式に示す方法において、アミ
ノ基保護アミノ酸(イ)と不溶性担体R1との反応は、
常法に従い該アミノ酸(イ)の反応性カルボキシル基を
利用して行なうことができる。該反応は例えばクロロメ
チル化ポリスチレンを使用する場合は、適当な溶媒中、
例えばトリエチルアミン、カリウムtert−ブトキシ
ド、炭酸セシウム、水酸化セシウム等の塩基性化合物の
存在下に行なわれる。溶媒としては、例えばジメチルホ
ルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、ピリジン、クロロホルム、ジオキサン、ジクロロ
メタン、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピ
ロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等や之等の混
合溶媒を例示することができる。上記反応は、通常0〜
85℃程度、好ましくは25〜80℃程度、数分〜24
時間程度で終了する。アミノ基保護アミノ酸と不溶性担
体との使用割合は、通常後者1当量に対して前者を過剰
量、一般には1〜3倍当量とするのがよい。
【0021】かくして得られる一般式(ロ)の固相化ア
ミノ酸の保護基Aの脱離反応は、常法に従って行ない得
る。該方法としては、例えばパラジウム、パラジウム黒
等の触媒を用いる水素添加、液体アンモニア中金属ナト
リウムによる還元等の還元的方法、トリフルオロ酢酸、
塩化水素酸、弗化水素、メタンスルホン酸、臭化水素酸
等の強酸によるアシドリシス等を例示することができる
。上記触媒を用いる水素添加は、例えば水素圧1気圧、
0〜40℃程度にて行ない得る。触媒の使用量は、通常
100mg〜1g程度とするのがよく、一般に1〜48
時間程度で反応は完結する。また上記アシドリシスは、
無溶媒下、通常0〜30℃程度、好ましくは0〜20℃
程度で、約15分〜1時間程度を要して行なわれる。酸
の使用量は、原料化合物に対して通常5〜10倍程度と
するのがよい。該アシドリシスにおいて、保護基Aのみ
を脱離する場合は、酸としてトリフルオロ酢酸又は塩化
水素酸を使用するのが好ましい。更に上記液体アンモニ
ア中金属ナトリウムによる還元は、反応液がパーマネン
トブルーに30秒〜10分間程度呈色しているような量
の金属ナトリウムを用いて、通常−40℃〜−70℃程
度の温度条件下にて行なうことができる。
【0022】次いで、得られる一般式(ハ)の固相化ア
ミノ酸とアミノ基保護アミノ酸(ニ)(もしくはそのカ
ルボキシル基の活性化されたもの)との反応は、溶媒の
存在下に行なわれる。該溶媒としては、ペプチド縮合反
応に慣用される公知の各種のもの、例えば無水ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、クロ
ロホルム、ジオキサン、ジクロロメタン、テトラヒドロ
フラン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ヘキサメ
チルリン酸トリアミド等や之等の混合溶媒を使用するこ
とができる。また該反応は、必要に応じて、通常のペプ
チド結合形成反応に用いられる試薬、例えばN,N−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−エチル
−N′−ジメチルアミノカルボジイミド、1−シクロヘ
キシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボ
ジイミド等のカルボジイミド類等の脱水縮合剤の存在下
に行なうことができる。固相化アミノ酸(ハ)とアミノ
基保護アミノ酸(ニ)との使用割合は、特に限定はない
が、通常前者に対して後者を等モル量〜10倍モル量程
度、好ましくは等モル量〜5倍モル量程度とするのがよ
い。脱水縮合剤の使用量も特に限定はなく、通常アミノ
基保護アミノ酸(ニ)に対して好ましくは等モル量程度
とされるのがよい。反応温度はペプチド結合形成反応に
使用されている通常の範囲、一般には約−40℃〜約6
0℃程度、好ましくは約−20℃〜約40℃程度の範囲
から適宜選択される。反応時間は一般に数分〜30時間
程度とされるのが適当である。
【0023】かくして得られる一般式(チ)のペプチド
は、上記と同様に保護基Aの脱離反応後、配列番号:4
で表わされるアミノ酸配列に従って、A−Pro−OH
、A−Val−OH、A−Ser−OH、A−Trp−
OH、A−Leu−OH、A−Ala−OH及びA−T
yr−OHの各アミノ基保護アミノ酸もしくは側鎖官能
基を保護された上記各アミノ酸乃至それらのカルボキシ
ル基を活性化されたものと、順次縮合反応に供され、か
くして一般式(リ)で表わされるペプチドを誘導するこ
とができる。
【0024】之等の縮合反応及び保護基Aの脱離反応は
、それぞれ前記した方法と同様にして行ない得る。また
得られるペプチド(リ)は、同様にして保護基Aの脱離
、アミノ酸の側鎖官能基の保護基の脱離、及び不溶性担
体R1の脱離の各反応に供され、かくして所望の配列番
号:4で表わされるペプチド(4)に誘導できる。ここ
で側鎖官能基の保護基及び不溶性担体R1の脱離反応は
、保護基Aの脱離反応と同様にして行なうことができ、
この場合は酸として弗化水素又は臭化水素酸を用いるの
が好ましい。尚、上記方法において使用される各アミノ
酸は、いずれも公知の市販品でよい。
【0025】以上のようにして、製造された配列番号:
4のペプチド(本発明ペプチド(4))は、反応混合物
からペプチドの分離手段、例えば抽出、分配、カラムク
ロマトグラフィー等により単離精製することができる。
【0026】配列番号:2、配列番号:3、配列番号:
5〜配列番号:8で表わされる各ペプチドも、上記方法
に準じて製造できる。
【0027】また本発明ペプチドは、フェニルアセタミ
ドメチル樹脂の入った反応管の中で活性化されたBoc
−アミノ酸誘導体を、C末端より順次縮合反応させる固
相合成法を利用した自動ペプチド合成機により容易に短
時間で製造することができる。
【0028】上記に従い、合成されたペプチドのアミノ
酸分析は、例えば6N塩酸で減圧下、100℃、20時
間加水分解後、市販のアミノ酸分析機を利用して行ない
得る。即ち上記加水分解物をアルカリ条件下でフェニル
イソチオシアネート(PITC)をカップリングさせた
後、PTC化されたアミノ酸誘導体をHPLCで分析す
ることにより、各アミノ酸の分析が行ない得る。
【0029】かくして所望の本発明ヒトプレプロ−TR
H関連ペプチドを収得できる。
【0030】本発明ペプチドは、これに例えば125I
、131I等の放射性物質、キモトリプシノーゲン、グ
リセロアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素、グルコアミ
ラーゼ、パーオキシダーゼ(POX)、D−Nase、
P−Nase、グルコース−6−フォスフェートデハイ
ドロゲナーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−ガラク
トシダーゼ等の各種酵素、オルニチンデカルボキシラー
ゼ等の酵素系試薬等を導入することにより、ラジオイム
ノアッセイ(RIA)法やエンザイムイムノアッセイ(
EIA)法において用いられる標識抗原として利用する
ことができる。
【0031】上記放射性物質の導入は、通常の方法に従
い実施できる。例えば放射性ヨードの導入は、クロラミ
ンTを用いた酸化的ヨード法[W.M.Hunter 
 and  F.C.Greenwood,Natur
e,194,  495(1962);Biochem
.J.,89,144(1963)等参照]等に従って
行ない得る。この方法は、例えば0.2Mリン酸緩衝液
(pH7.4)等の適当な溶媒中で、クロラミンTの存
在下に、室温付近にて、10〜30秒程度を要して行な
い得る。用いられるペプチド、放射性ヨード及びクロラ
ミンTの使用割合は、例えばペプチド中のチロシン1分
子に放射性ヨード1個を導入する場合は、チロシン分子
1ナノモル当り放射性ヨード1ミリキュリー程度とすれ
ばよく、クロラミンTは同10〜100ナノモル程度用
いられるのがよい。またチロシン1分子当りに放射性ヨ
ードを2個導入する場合は、チロシン分子1ナノモル当
り放射性ヨードを2ミリキューリー程度用い、またクロ
ラミンTを10〜100ナノモル程度用いるのがよい。
【0032】上記酵素試薬の導入は、通常のカップリン
グ法、例えばエルランガー(B.F.Erlanger
)らの方法[B.F.Erlanger,et  al
.,Acta.Endocrinol.suppl.,
168,)206(1972)]やカロール(M.H.
Karol)らの方法[M.H.Karol,et  
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U
.S.A.,57,713(1967)]等の公知の方
法により行なうことができる。かくして製造される放射
性ヨードにより標識されたペプチドは、通常の分離手段
、例えば抽出、分配、カラムクロマトグラフィー、透析
、二抗体法等により単離、精製することができる。また
このようにして得られるペプチドは、必要に応じて凍結
乾燥させて保存しておくこともできる。
【0033】以下、本発明のヒトプレプロ−TRH関連
ペプチドをハプテンとして利用した免疫抗原の製造方法
につき詳述すれば、該免疫抗原は本発明ペプチド(配列
番号:2〜配列番号:8の各ペプチド)をハプテンとし
て、これをハプテン−担体結合試薬の存在下に、適当な
担体と反応させることにより製造することができる。上
記において、ハプテンに結合される担体としては、通常
抗原の作成に当り慣用される高分子の天然もしくは合成
の蛋白質を広く使用できる。該担体としては、例えば各
種動物の血清アルブミン類、血清グロブリン類、チログ
ロブリン類、ヘモグロブリン類、ヘモシアニン類や回虫
より抽出された蛋白質(アスカーリス抽出物、特公昭6
1−61350号公報等参照)の他、ポリリジン、ポリ
グルタミン酸、リジン−グルタミン酸共重合体、リジン
又はオルニチンを含む共重合体等を挙げることができる
【0034】ハプテン−担体結合試薬としては、通常抗
原の作成に当り慣用されているものを広く使用できる。 具体的にはチロシン、ヒスチジン、トリプトファンを架
橋結合させる、例えばビスジアゾタイズドベンジジン(
BDB)、ビスジアゾタイズド−3,3′−ジアニシジ
ン(BDD)等のジアゾニウム化合物;アミノ基とアミ
ノ基とを架橋結合させる、例えばグリオキサール、マロ
ンジアルデヒド、グルタールアルデヒド、スクシンアル
デヒド、アジポアルデヒド等の脂肪族アルデヒド類、チ
オール基とチオール基とを架橋結合させる、例えばN,
N′−o−フェニレンジマレイミド、N,N′−m−フ
ェニレンジマレイミド等のジマレイミド化合物、アミノ
基とチオール基とを架橋結合させる、例えばメタマレイ
ミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル、4−(マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−
カルボキシル−N′−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル等のマレイミドエステル類、アミノ基とカルボキシル
基とをアミド結合させる通常のペプチド結合形成反応に
用いられる試薬、例えばN,N−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド、N−エチル−N′−ジメチルアミノカルボ
ジイミド、1−エチル−3−ジイソプロピルアミノカル
ボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリ
ニル−4−エチル)カルボジイミド等のカルボジイミド
類、アミノ基とカルボキシル基とをアミド結合させる通
常のジイミド類等の脱水縮合剤等を挙げることができる
。また上記ハプテン−担体結合試薬としては、p−ジア
ゾニウムフェニル酢酸等のジアゾニウムアリールカルボ
ン酸類と通常のペプチド結合形成反応試薬、例えば上記
脱水縮合剤とを組み合わせたものも使用可能である。
【0035】上記免疫抗原の製造は、例えば水溶液もし
くはpH7〜10の通常の緩衝液中、好ましくはpH8
〜9の緩衝液中、0〜40℃程度、好ましくは室温付近
で行ない得る。該反応は通常1〜24時間程度、好まし
くは2〜5時間程度で完結する。上記において用いられ
る代表的緩衝液としては、例えば0.2N水酸化ナトリ
ウム−0.2Mホウ酸−0.2M塩化カリウム緩衝液、
0.2M炭酸ナトリウム−0.2Mホウ酸−0.2M塩
化カリウム緩衝液、0.05M四ホウ酸ナトリウム−0
.2Mホウ酸−0.05M塩化ナトリウム緩衝液、0.
1Mリン酸二水素カリウム−0.05M四ホウ酸ナトリ
ウム緩衝液等を例示できる。
【0036】上記においてハプテン、ハプテン−担体結
合試薬及び担体の使用割合は、適宜決定できるが、通常
ハプテンに対して担体を2〜6倍重量程度、好ましくは
3〜5倍重量程度、及びハプテン−担体結合試薬を5〜
10倍モル程度用いるのがよい。上記反応によりハプテ
ン−担体結合試薬を仲介させて担体とハプテンとが結合
したペプチド−担体複合体からなる所望のヒトプレプロ
−TRHの免疫抗原が収得される。
【0037】反応終了後、得られる抗原は常法に従い、
例えば透析法、ゲル濾過法、分別沈殿法等により容易に
単離精製できる。また、得られた抗原は通常の凍結乾燥
法により保存できる。
【0038】かくして得られる免疫抗原は、通常蛋白質
1モルに対してハプテンとしてのペプチドが平均5〜2
0モル程度結合したものであり、いずれも引き続き再現
性よく、該抗原に対して特異性の高い抗ヒトプレプロ−
TRH抗体の製造を可能とするものである。特に、上記
蛋白質に対するペプチドの結合モル比が1:8〜15の
範囲にあるものは、特異性が一層高く、高力価、高感度
の抗体を作成可能とするものであり好ましい。
【0039】上記抗原を用いて所望抗体を製造するには
、常法に従い、上記免疫抗原を哺乳動物に投与して生体
内に所望抗体(ポリクローナル抗体)を産生させてこれ
を採取する方法を採用できる。また上記免疫抗原で免疫
した哺乳動物の形質細胞(免疫細胞)と哺乳動物のミエ
ローマ細胞との融合細胞(ハイブリドーマ、hybri
doma)を作成し、これより所望抗体産生クローンを
選択し、該クローンを培養することにより、モノクロー
ナル抗体を製造、採取することもできる。上記各方法に
おける、操作等はいずれも公知である[Hanflan
d,P.,Chem.  Phys.  Lipids
,15,105(1975);Hanfland,P.
,Chem.  Phys.Lipids,10,20
1(1976);Koscielak,J.,Eur.
J.Biochem.,37,214(1978)等参
照]。
【0040】上記ポリクローナル抗体の製造に当り、免
疫抗原で免疫される哺乳動物としては、特に制限はなく
、各種のものをいずれも使用できるが、通常家兎やモル
モット等が有利に用いられる。また免疫は一般的方法に
より、例えば上記免疫抗原の所定量を生理食塩水含有リ
ン酸緩衝液(PBS)や生理食塩水等で適当濃度に希釈
し、これにフロインドの補助液(完全フロインドアジュ
バント:Complete  Freund′s  A
djuvant)と混合して懸濁液を調製し、これを哺
乳動物に静脈内、皮内、皮下、腹腔内注射等により投与
すればよい。より具体的には、兎に上記懸濁液を皮内投
与(抗原量として約0.5〜5mg/回)し、以後2〜
4週間毎に2〜10ケ月、好ましくは4〜6ケ月間投与
して免疫化させればよい。抗体の採取は、上記懸濁液の
最終投与後、抗体が多量産生される時期、通常上記最終
投与の1〜2週間後に、免疫された動物から採血するこ
とにより実施でき、この血液から例えば遠心分離等によ
り血清を分離採取して、所望の抗体を収得できる。上記
方法によれば、用いる抗原の特殊性に基づいて、常に安
定してヒトプレプロ−TRHに対して非常に優れた特異
性を有し、しかも高力価、高感度の抗体を再現性よく収
得できる利点がある。
【0041】上記のごとくして得られる抗体は、殊にヒ
トプレプロ−TRHに特異反応性を有するものであり、
斯界で要望されているRIA法によるヒトプレプロ−T
RHの定量を高精度で可能とするものである。また該抗
体は、これを酵素や蛍光物質で標識することによってエ
ンザイムイムノアッセイ(EIA)法、フローレッセン
スイムノアッセイ(FIA)法等にも使用できる。更に
該抗体は公知の不溶化物質と反応させて不溶化抗体とす
ることもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明によればヒトプレプロ−TRH関
連ペプチドを提供でき、その利用によれば、ヒトプレプ
ロ−TRHに特異的な抗体の作成のための免疫抗原を作
成でき、該抗原を用いて得られる抗体は、甲状腺機能低
下の診断や、ヒトプレプロ−TRHの単離精製に有効に
利用できる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、配
列番号:2乃至配列番号:8で示される本発明ペプチド
の製造例を実施例として挙げ、次いで得られた各ペプチ
ドからの免疫抗原の製造例及び該抗原からの抗体の製造
例を参考例として挙げるが、本発明は之等に限定される
ものではない。
【0044】
【実施例1】ヒトプレプロ−TRH(Tyr−hTAP
−5:Tyr−192−224)ペプチドの合成保護ペ
プチドの合成は、自動合成機(Applied  Bi
osystems,Model  430A  Pep
tide  Synthesizer)を用いて、固相
合成法にて次の通り行なった。即ち、Boc−Glu(
OcHex)を結合させた4−フェニルアセタミドメチ
ル(Pam)樹脂(0.5ミリモル)の入った反応管の
中で活性化されたBoc−アミノ酸誘導体[Nα−アミ
ノ基の保護基としてBoc基を側鎖官能基として後述の
ものを用いたアミノ酸]をC末端側より順次縮合させた
。 縮合法としては、Arg及びGlnの場合にはDCC/
HOB法を、その他のアミノ酸の場合には対称酸無水物
法を採用した。側鎖官能基保護基としては、ArgはT
os基を、Asp及びGluはcHex基を、Cysは
4−CH3Bzl基を、SerはBzl基を、またTy
rはBr−Z基をそれぞれ用いた。
【0045】かくして得られた保護ペプチド樹脂(1g
)をアニソール(1ml)及びp−クレゾール(1ml
)の存在下に−2℃〜0℃にて1時間無水弗化水素(H
F)(10ml)で処理し、樹脂からのペプチドの脱離
と脱保護基反応を行なった。
【0046】減圧下にHFを除去し、残存物を凍結乾燥
させた収量は、約50mgであった。上記のようにして
得られた粗ペプチドをC18シリカゲルを担体とする逆
相HPLC[カラム:Nucleosil  5C18
’4mmI.D.×150mm、溶出:0.1%TFA
(アセトニトリルの10%〜60%直線濃度勾配法によ
る)、流速:1ml/分、検出:O.D.220nm]
、により精製して、目的とするペプチドを得た。この結
果、得られたペプチドの純度は97%であり、収量は3
0mgであった。
【0047】またカラムの溶出パターン(縦軸:O.D
.220、横軸:時間(分)]を図1に示す。
【0048】次に、上記で合成したペプチドの均一性を
みるために、0.1%TFAを溶媒として、アセトニト
リルの10%〜60%直線濃度勾配により溶出させる、
YMC−パックAカラム(4×150mm、YMC社製
)を用いたHPLCを行なって分析した。更に、6N塩
酸で減圧下に110℃で22時間加水分解を行ない、こ
れをPICO−TAGシステム(ウォーターズミリポア
守勢)を用いてフェニルチオカルバメート法によってア
ミノ酸組成の解析を行なった。ペプチドのアミノ酸配列
はガス相−シークエンサー(アプライド・バイオシステ
ムズ社製)で測定し、フェニルチオヒダントイン誘導体
は、アプライド・バイオシステムズ120Aフェニルチ
オヒダントイン分析機(アプライド・バイオシステムズ
社製)により同定した。尚、得られたペプチド中にAs
n及びGlnが存在する場合、之等はそれぞれAsp及
びGluとして定量される。その結果を後記表1に示す
【0049】表1より本発明で合成したペプチドのアミ
ノ酸分析結果は、理論値とよく一致することが判る。
【0050】上記で得られたペプチド(配列番号:8で
表わされるもの)の分子量は、3903.2と計算され
、該ペプチドの外観は無色の非結晶性粉末であった。 この合成ペプチドを、以下「Tyr−hTAP−5」と
略称する。
【0051】
【実施例2】ヒトプレプロ−TRH(hTAP−1;9
0−111)のペプチドの合成 保護ペプチドの合成は、自動合成機(Applied 
 Biosystems,Model  430A  
Peptide  Synthesizer)を用いて
、固相合成法にて次の通り行なった。即ち、Boc−H
is(Bom)を結合させた4−フェニルアセタミドメ
チル(Pam)樹脂(0.5ミリモル)の入った反応管
の中で活性化されたBoc−アミノ酸誘導体[Nα−ア
ミノ基の保護基としてBoc基を側鎖官能基として後述
のものを用いたアミノ酸]をC末端側より順次縮合させ
た。縮合法としては、Glnの場合にはDCC/HOB
法を、その他のアミノ酸の場合には対称酸無水物法を採
用した。 側鎖官能基保護基としては、GluはcHex基を、ま
たHisはBom基をそれぞれ用いた。
【0052】かくして得られた保護ペプチド樹脂(1g
)をアニソール(1ml)及びp−クレゾール(1ml
)の存在下に−2℃〜0℃にて1時間無水弗化水素(H
F)(10ml)で処理し、樹脂からのペプチドの脱離
と脱保護基反応を行なった。
【0053】減圧下にHFを除去し、残存物を凍結乾燥
させた収量は、約50mgであった。上記のようにして
得られた粗ペプチドをC18シリカゲルを担体とする逆
相HPLCにより精製して、目的とするペプチドを得た
。この結果、得られたペプチドの純度は98%であり、
収量は30mgであった。
【0054】上記で得られたペプチド(配列番号:2で
表わされるもの)の分子量は、2804と計算され、該
ペプチドの外観は無色の非結晶性粉末であった。この合
成ペプチドを、以下「hTAP−1」と略称する。
【0055】
【実施例3】ヒトプレプロ−TRH(hTAP−2;1
20−132)のペプチドの合成 保護ペプチドの合成は、自動合成機(Applied 
 Biosystems,Model  430A  
Peptide  Synthesizer)を用いて
、固相合成法にて次の通り行なった。即ち、Boc−H
is(Bom)を結合させた4−フェニルアセタミドメ
チル(Pam)樹脂(0.5ミリモル)の入った反応管
の中で活性化されたBoc−アミノ酸誘導体[Nα−ア
ミノ基の保護基としてBoc基を側鎖官能基として後述
のものを用いたアミノ酸]をC末端側より順次縮合させ
た。縮合法としては、Glnの場合にはDCC/HOB
法を、その他のアミノ酸の場合には対称酸無水物法を採
用した。 側鎖官能基保護基としては、Asp及びGluはcHe
x基を、SerはBzl基を、TrpはCHO基を、T
hrはBzl基を、またHisはBom基をそれぞれ用
いた。
【0056】かくして得られた保護ペプチド樹脂(1g
)をアニソール(1ml)、p−クレゾール(1ml)
及び1,4−ブタンジオール(0.5ml)の存在下に
、−2℃〜0℃にて1時間無水弗化水素(HF)(10
ml)で処理し、樹脂からのペプチドの脱離と脱保護基
反応を行なった。
【0057】減圧下にHFを除去し、残存物を凍結乾燥
させた収量は、約50mgであった。上記のようにして
得られた粗ペプチドを実施例1と同様にしてC18シリ
カゲルを担体とする逆相HPLCにより精製して、目的
とするペプチドを得た。この結果、得られたペプチドの
純度は97%であり、収量は30mgであった。
【0058】またカラムの溶出パターンを図1と同様に
して図2に示す。
【0059】次に、上記で合成したペプチドの均一性を
みるために、実施例1と同様にHPLCにかけた後、同
様にしてアミノ酸組成及びアミノ酸配列を測定した。そ
の結果を後記表1に示す。
【0060】表1より本発明で合成したペプチドのアミ
ノ酸分析結果は、理論値とよく一致することが判る。
【0061】上記で得られたペプチド(配列番号:3で
表わされるもの)の分子量は、1599.3と計算され
、該ペプチドの外観は無色の非結晶性粉末であった。 この合成ペプチドを、以下「hTAP−2」と略称する
【0062】
【実施例4】ヒトプレプロ−TRH(hTAP−3;1
41−149)のペプチドの合成 保護ペプチドの合成は、自動合成機(Applied 
 Biosystems,Model  430A  
Peptide  Synthesizer)を用いて
、固相合成法にて次の通り行なった。即ち、Boc−P
roを結合させた4−フェニルアセタミドメチル(Pa
m)樹脂(0.5ミリモル)の入った反応管の中で活性
化されたBoc−アミノ酸誘導体[Nα−アミノ基の保
護基としてBoc基を側鎖官能基として後述のものを用
いたアミノ酸]をC末端側より順次縮合させた。縮合法
としては、対称酸無水物法を採用した。側鎖官能基保護
基としては、SerはBzl基を、TyrはBr−z基
をそれぞれ用いた。
【0063】かくして得られた保護ペプチド樹脂(1g
)をアニソール(1ml)、p−クレゾール(1ml)
及び1,4−ブタンジオール(0.5ml)の存在下に
、−2℃〜0℃にて1時間無水弗化水素(HF)(10
ml)で処理し、樹脂からのペプチドの脱離と脱保護基
反応を行なった。
【0064】減圧下にHFを除去し、残存物を凍結乾燥
させた収量は、約50mgであった。上記のようにして
得られた粗ペプチドを実施例1と同様にしてC18シリ
カゲルを担体とする逆相HPLCにより精製して、目的
とするペプチドを得た。この結果、得られたペプチドの
純度は98%であり、収量は30mgであった。
【0065】またカラムの溶出パターンを図1と同様に
して図3に示す。
【0066】次に、上記で合成したペプチドの均一性を
みるために、実施例1と同様にHPLCにかけた後、同
様にしてアミノ酸組成及びアミノ酸配列を測定した。そ
の結果を後記表1に示す。
【0067】表1より本発明で合成したペプチドのアミ
ノ酸分析結果は、理論値とよく一致することが判る。
【0068】上記で得られたペプチド(配列番号:4で
表わされるもの)の分子量は、1066.4と計算され
、該ペプチドの外観は無色の非結晶性粉末であった。 この合成ペプチドを、以下「hTAP−3」と略称する
【0069】
【実施例5】ヒトプレプロ−TRH(hTAP−4;1
58−183)のペプチドの合成 保護ペプチドの合成は、自動合成機(Applied 
 Biosystems,Model  430A  
Peptide  Synthesizer)を用いて
、固相合成法にて次の通り行なった。即ち、Boc−G
lu(OcHex)を結合させた4−フェニルアセタミ
ドメチル(Pam)樹脂(0.5ミリモル)の入った反
応管の中で活性化されたBoc−アミノ酸誘導体[Nα
−アミノ基の保護基としてBoc基を側鎖官能基として
後述のものを用いたアミノ酸]をC末端側より順次縮合
させた。 縮合法としては、Arg及びGluの場合にはDCC/
HOB法を、その他のアミノ酸の場合には対称酸無水物
法を採用した。側鎖官能基保護基としては、ArgはT
os基を、Asp及びGluはcHex基を、Serは
Bzl基を、TrpはCHO基を、またLysはCl−
Z基をそれぞれ用いた。
【0070】かくして得られた保護ペプチド樹脂(1g
)をアニソール(1ml)、p−クレゾール(1ml)
及び1,4−ブタンジオール(0.5ml)の存在下に
、−2℃〜0℃にて1時間無水弗化水素(HF)(10
ml)で処理し、樹脂からのペプチドの脱離と脱保護基
反応を行なった。
【0071】減圧下にHFを除去し、残存物を凍結乾燥
させた収量は、約50mgであった。上記のようにして
得られた粗ペプチドを実施例1と同様にしてC18シリ
カゲルを担体とする逆相HPLCにより精製して、目的
とするペプチドを得た。この結果、得られたペプチドの
純度は96%であり、収量は30mgであった。
【0072】またカラムの溶出パターンを図1と同様に
して図4に示す。
【0073】次に、上記で合成したペプチドの均一性を
みるために、実施例1と同様にHPLCにかけた後、同
様にしてアミノ酸組成及びアミノ酸配列を測定した。そ
の結果を後記表1に示す。
【0074】表1より本発明で合成したペプチドのアミ
ノ酸分析結果は、理論値とよく一致することが判る。
【0075】上記で得られたペプチド(配列番号:5で
表わされるもの)の分子量は、3543.4と計算され
、該ペプチドの外観は無色の非結晶性粉末であった。 この合成ペプチドを、以下「hTAP−4」と略称する
【0076】
【実施例6】ヒトプレプロ−TRH(Tyr−hTAP
−4;Tyr−158−183)ペプチドの合成保護ペ
プチドの合成は、自動合成機(Applied  Bi
osystems,Model  430A  Pep
tide  Synthesizer)を用いて、固相
合成法にて次の通り行なった。即ち、Boc−Glu(
OcHex)を結合させた4−フェニルアセタミドメチ
ル(Pam)樹脂(0.5ミリモル)の入った反応管の
中で活性化されたBoc−アミノ酸誘導体[Nα−アミ
ノ基の保護基としてBoc基を側鎖官能基として後述の
ものを用いたアミノ酸]をC末端側より順次縮合させた
。 縮合法としては、Arg及びGluの場合はDCC/H
OB法を、その他のアミノ酸の場合は対称酸無水物法を
採用した。側鎖官能基保護基としては、ArgはTos
基を、Asp及びGluはcHex基を、SerはBz
l基を、TrpはCHO基を、またLysはCl−Z基
をそれぞれ用いた。
【0077】かくして得られた保護ペプチド樹脂(1g
)をアニソール(1ml)、p−クレゾール(1ml)
及び1,4−ブタンジオール(0.5ml)の存在下に
、−2℃〜0℃にて1時間無水弗化水素(HF)(10
ml)で処理し、樹脂からのペプチドの脱離と脱保護基
反応を行なった。
【0078】減圧下にHFを除去し、残存物を凍結乾燥
させた収量は、約50mgであった。上記のようにして
得られた粗ペプチドを実施例1と同様にしてC18シリ
カゲルを担体とする逆相HPLCにより精製して、目的
とするペプチドを得た。この結果、得られたペプチドの
純度は97%であり、収量は30mgであった。
【0079】またカラムの溶出パターンを図1と同様に
して図5に示す。
【0080】次に、上記で合成したペプチドの均一性を
みるために、実施例1と同様にHPLCにかけた後、同
様にしてアミノ酸組成及びアミノ酸配列を測定した。そ
の結果を後記表1に示す。
【0081】表1より本発明で合成したペプチドのアミ
ノ酸分析結果は、理論値とよく一致することが判る。
【0082】上記で得られたペプチド(配列番号:4で
表わされるもの)の分子量は、3841.9と計算され
、該ペプチドの外観は無色の非結晶性粉末であった。 この合成ペプチドを、以下「Tyr−hTAP−4」と
略称する。
【0083】
【実施例7】ヒトプレプロ−TRH(hTAP−5;1
92−224)のペプチドの合成 保護ペプチドの合成は、自動合成機(Applied 
 Biosystems,Model  430A  
Peptide  Synthesizer)を用いて
、固相合成法にて次の通り行なった。即ち、Boc−G
lu(OcHex)を結合させた4−フェニルアセタミ
ドメチル(Pam)樹脂(0.5ミリモル)の入った反
応管の中で活性化されたBoc−アミノ酸誘導体[Nα
−アミノ基の保護基としてBoc基を側鎖官能基として
後述のものを用いたアミノ酸]をC末端側より順次縮合
させた。 縮合法としては、Arg及びGluの場合にはDCC/
HOB法を、その他のアミノ酸の場合には対称酸無水物
法を採用した。側鎖官能基保護基としては、ArgはT
os基を、Asp及びGluはcHex基を、Serは
Bzl基を、TyrはBr−Z基をそれぞれ用いた。
【0084】かくして得られた保護ペプチド樹脂(1g
)をアニソール(1ml)及びp−クレゾール(1ml
)の存在下に、−2℃〜0℃にて1時間無水弗化水素(
HF)(10ml)で処理し、樹脂からのペプチドの脱
離と脱保護基反応を行なった。
【0085】減圧下にHFを除去し、残存物を凍結乾燥
させた収量は、約50mgであった。上記のようにして
得られた粗ペプチドを実施例1と同様にしてC18シリ
カゲルを担体とする逆相HPLCにより精製して、目的
とするペプチドを得た。この結果、得られたペプチドの
純度は98%であり、収量は30mgであった。
【0086】またカラムの溶出パターンを図1と同様に
して図6に示す。
【0087】次に、上記で合成したペプチドの均一性を
みるために、実施例1と同様にHPLCにかけた後、同
様にしてアミノ酸組成及びアミノ酸配列を測定した。そ
の結果を下記表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】表1より本発明で合成したペプチドのアミ
ノ酸分析結果は、理論値とよく一致することが判る。
【0090】上記で得られたペプチド(配列番号:7で
表わされるもの)の分子量は、3781.2と計算され
、該ペプチドの外観は無色の非結晶性粉末であった。 この合成ペプチドを、以下「hTAP−5」と略称する
【0091】
【参考例1】■ヒトプレプロ−TRH免疫抗原(Tyr
−hTAP−5ag)の製造 実施例1で得られた本発明ペプチドTyr−hTAP−
5の7mg及び牛血清アルブミン(BSA)30mgを
0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)1.8
mlに溶かした。この溶液に0.02Mグルタールアル
デヒド溶液0.55mlを加えて混合し、暗所で4℃下
に24時間攪拌した。その後、反応混合物を48時間、
4℃下に水に対して透析した。上記透析中水を5回交換
した。その後、ペプチド−蛋白質複合体を含有する溶液
を凍結乾燥して、ヒトプレプロ−TRH免疫抗原6mg
を得た。以下、これを「Tyr−hTAP−5ag」と
略称する。
【0092】■各ヒトプレプロ−TRH免疫抗原の製造
実施例2〜7で得られた各ペプチドのそれぞれ7mg及
び牛血清アルブミン(BSA)30mgを0.1M酢酸
アンモニウム緩衝液(pH7.0)1.8mlに溶かし
た。この溶液に0.02Mグルタールアルデヒド溶液0
.55mlを加えて混合し、暗所で4℃下に24時間攪
拌した。その後、反応混合物を48時間、4℃下に水に
対して透析した。上記透析中水を5回交換した。その後
、ペプチド−蛋白質複合体を含有する溶液を凍結乾燥し
て、各ヒトプレプロ−TRH免疫抗原のそれぞれ6mg
を得た。以下、これらをそれぞれ「hTAP−1ag」
、「hTAP−2ag」、「hTAP−3ag」、「h
TAP−4ag」、「Tyr−hTAP−4ag」及び
「hTAP−5ag」と略称する。
【0093】
【参考例2】■ヒトプレプロ−TRH抗体(Tyr−h
TAP−5Ab)の製造 参考例1で得られた免疫抗原Tyr−hTAP−5ag
の100μgを生理食塩水1mlに溶解して乳化後、こ
れにフロインドの完全アジュバント1mlを加えて懸濁
液を作成した。この懸濁液を4羽の家兎(New−Ze
aland  White  Rabbit、体重3.
0〜3.5kg)に皮下投与し、4週間間隔で3回同量
を投与して追加免疫した。最終投与の10日後に、供試
動物から採血し、得られた血液を遠心分離して抗血清を
採取して、ヒトプレプロ−TRH抗体を得た。以下、こ
れを「Tyr−hTAP−5Ab」と略称する。
【0094】■各ヒトプレプロ−TRH抗体の製造参考
例2〜7で得られた各免疫抗原のそれぞれ100μgを
生理食塩水1mlに溶解して乳化後、これにフロインド
の完全アジュバント1mlを加えて懸濁液を作成した。 この懸濁液を4羽の家兎に皮下投与し、4週間間隔で3
回同量を投与して追加免疫した。最終投与の10日後に
、供試動物から採血し、得られた血液を遠心分離して抗
血清を採取して、各ヒトプレプロ−TRH抗体を得た。 以下、これらを「hTAP−1Ab」、「hTAP−2
Ab」、「hTAP−3Ab」、「hTAP−4Ab」
、「Tyr−hTAP−4Ab」及び「hTAP−5A
b」と略称する。
【0095】
【参考例3】■標識ペプチド(I125Tyr−hTA
P−5)の製造 配列番号:8で表わされるアミノ酸配列を有する本発明
ペプチドTyr−hTAP−5(実施例1で得られたも
の)を、クロラミンTを用いて、以下の通り標識した。
【0096】即ち、上記ペプチド5μgを溶解させた0
.5Mリン酸塩緩衝液(pH7.4)20μlに、[1
25I]Na(NEN)を1mCi(ミリキューリー)
含む0.2Mリン酸塩緩衝液を加え、次に20μlのク
ロラミンTを含む0.5Mリン酸塩緩衝液(pH7.4
)を加えた。混合物を室温で30秒間攪拌し、次に10
0μlのソジウムメタジサルフェート(SNC)を含む
0.5Mリン酸塩緩衝液の20μlを加えて反応を停止
させた。反応混合物をNucleosil  5C18
カラム(0.4×25cm)にかけ、0.1%TFA、
10%〜60%アセトニトリルの直線濃度勾配により溶
出させる逆相HPLCを行なって精製された標識ペプチ
ドを得た。以下これを「I125Tyr−hTAP−5
」と略称する。得られた精製ペプチドはアッセイ用緩衝
液[0.3%BSAを含む0.05Mリン酸緩衝液(p
H7.4)]にて希釈し、−25℃にて保存した。
【0097】■各標識ペプチドの製造 実施例2〜7で得られた本発明ペプチドhTAP−1、
hTAP−2、hTAP−3、hTAP−4、Tyr−
hTAP−4及びhTAP−5のそれぞれを、上記■と
同様にして125Iで標識して、標識ペプチドI125
hTAP−1、I125hTAP−2、I125hTA
P−3、I125hTAP−4、I125Tyr−hT
AP−4及びI125hTAP−5のそれぞれを得た。 之等を上記と同様にして希釈後、−25℃にて保存した
【0098】
【参考例4】各抗体力価の測定 参考例2で得られた各抗体の力価を以下の通り測定した
。即ち、各抗体をそれぞれ生理食塩水で10、102、
103、104、105…倍に希釈し、之等のそれぞれ
100μlに、参考例3で得られた各I125標識ペプ
チド(参考例3で得られた各標識ペプチドを約104c
pmになるように希釈したもの)0.1ml及び0.1
Mリン酸塩緩衝液(pH7.4)[0.1%BSA、0
.15M塩化ナトリウム及び0.01%NaN3を含む
]0.2mlを加え、4℃で24時間インキュベートし
、生成した各抗体と各I125標識ペプチドとのそれぞ
れの結合体を、デキストラン−活性炭法及び遠心分離法
(4℃、15分間、3000rpm)により、未反応(
未結合)I125標識ペプチドを分離し、その遠心分離
上清の放射能をカウントし、各希釈濃度における各抗体
の各I125標識ペプチドとのそれぞれの結合率(%)
を測定した。縦軸にI125標識ペプチドとの結合率(
%)を、横軸に抗体の希釈倍率をとり、それぞれの濃度
において結合率をプロットし、そのグラフより、上記結
合率が50%となる各抗体の希釈倍率、即ち抗体の力価
を求めた。得られた結果を下記表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
【参考例5】■hTAP−5Abのヒトプレプロ−TR
H特異性試験 上記アッセイ用緩衝液0.5mlを入れたポリスチレン
チューブ中で、以下の通りRIAを実施した。供試試料
として各種濃度の本発明ペプチドhTAP−5(配列番
号:7で表わされるもの、実施例1で得られたもの)を
用いた。また、標準希釈剤として0.1%BSA、0.
15M塩化ナトリウム及び0.01%NaN3を含む0
.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)を使用し
た。
【0101】各試験管に、標準希釈剤0.4ml、供試
試料液0.1ml、参考例2の■で得た抗体hTAP−
5Ab0.2ml及びI125標識ペプチド(参考例3
で得た標識ペプチドを約10000cpmになるように
希釈したもの)0.2mlを入れ、これにノーマルヒツ
ジ血清(normal  sheepserum)(1
/200)0.1mlを加え、4℃で48時間インキュ
ベートした。次に、希釈抗ウサギ・ヒツジ抗体(獣内分
泌研究所若林先生より供与)200μl(アッセイ用緩
衝液の2%溶液)を加えて、更に4℃で48時間インキ
ュベートした。次いで、デキストランで被膜した活性炭
の懸濁液0.5mlを加え、4℃で30分間放置し、次
に4℃、3000rpmの条件下に30分間遠心分離を
行ない、抗体とI125標識ペプチドとの結合体及び未
反応(未結合)I125標識ペプチドを分離し、その放
射能をγカウンターでカウントし、用いた抗体の力価に
相当する結合率(B0)を100%として、各供試試料
の濃度及び希釈倍率における抗体とI125標識ペプチ
ドとの結合体(B)の百分率を求めた。
【0102】得られた結果を図7に示す。
【0103】図中、縦軸は結合%(B0/B×100)
を、横軸は供試試料の濃度を示す。
【0104】また、配列番号:2、配列番号:3、配列
番号:4、配列番号:5及び配列番号:8のそれぞれの
本発明ペプチド及びプロ−TRHペプチドにつき、之等
のそれぞれを入れた試験管に、上記と同様にして標準希
釈剤0.4ml及び供試試料0.1mlを加えて、同一
試験を行ない、供試試料と上記各ペプチドとの交叉反応
性を調べた。
【0105】尚、プロ−TRHペプチド(Lys−Ar
g−Gln−His−Pro−Gly−Arg−Arg
)は、実施例1に準じて合成して使用した。
【0106】その結果、hTAP−5Abは、配列番号
:2、配列番号:3、配列番号:4及び配列番号:5の
本発明ペプチドならびにプロ−TRHペプチドとは交叉
反応性を示さなかったが、配列番号:7(hTAP−5
)のペプチドとは100%の交叉反応性を示した。また
配列番号:8(Tyr−hTAP−5)とは10.27
%の交叉反応性を示した。
【0107】■hTAP−1Abのヒトプレプロ−TR
H特異性試験 供試試料として配列番号:2で表わされる本発明ペプチ
ドhTAP−1を用いて、上記■と同様の方法によって
、hTAP−1Abのヒトプレプロ−TRH特異性試験
を行なった。
【0108】得られた結果を図8に示す。
【0109】更に、配列番号:3、配列番号:4、配列
番号:5及び配列番号:7のそれぞれの本発明ペプチド
及びプロ−TRHペプチドとの交叉反応性を上記■と同
様にして検討した。
【0110】その結果、hTAP−1Abと配列番号:
3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:7の各本
発明ペプチド及びプロ−TRHペプチドとの交叉反応性
は、hTAP−1(配列番号:2のペプチド)との交叉
反応性を100%として、認められなかった。
【0111】■hTAP−2Abのヒトプレプロ−TR
H特異性試験 供試試料として配列番号:3で表わされる本発明ペプチ
ドhTAP−2を用いて、上記■と同様の方法によって
、hTAP−2Abのヒトプレプロ−TRH特異性試験
を行なった。
【0112】得られた結果を図9に示す。
【0113】更に、配列番号:2、配列番号:4、配列
番号:5及び配列番号:7のそれぞれの本発明ペプチド
及びプロ−TRHペプチドとの交叉反応性を上記■と同
様にして検討した結果、hTAP−2Abと配列番号:
2、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:7の各本
発明ペプチド及びプロ−TRHペプチドとの交叉反応性
は、hTAP−2(配列番号:3のペプチド)との交叉
反応性を100%として、認められなかった。
【0114】■hTAP−3Abのヒトプレプロ−TR
H特異性試験 供試試料として配列番号:4で表わされる本発明ペプチ
ドhTAP−3を用いて、上記■と同様の方法によって
、hTAP−2Abのヒトプレプロ−TRH特異性試験
を行なった。
【0115】得られた結果を図10に示す。
【0116】更に、配列番号:2、配列番号:3、配列
番号:5及び配列番号:7のそれぞれの本発明ペプチド
及びプロ−TRHペプチドとの交叉反応性を上記■と同
様にして検討した結果、hTAP−2Abと配列番号:
2、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7の各本
発明ペプチド及びプロ−TRHペプチドとの交叉反応性
は、hTAP−3(配列番号:4のペプチド)との交叉
反応性を100%として、認められなかった。
【0117】■hTAP−4Abのヒトプレプロ−TR
H特異性試験 供試試料として配列番号:5で表わされる本発明ペプチ
ドhTAP−4を用いて、上記■と同様の方法によって
、hTAP−4Abのヒトプレプロ−TRH特異性試験
を行なった。
【0118】得られた結果を図11に示す。
【0119】更に、配列番号:2、配列番号:3、配列
番号:4及び配列番号:7のそれぞれの本発明ペプチド
及びプロ−TRHペプチドとの交叉反応性を上記■と同
様にして検討した結果、hTAP−4Abと配列番号:
2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:7の各本
発明ペプチド及びプロ−TRHペプチドとの交叉反応性
は、hTAP−4(配列番号:5のペプチド)との交叉
反応性を100%として、認められなかった。また配列
番号:6のペプチド(Tyr−hTAP−4)とは92
.3%の交叉反応性が認められた。
【配列表】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1に従うヒトプレプロ−TRH(
Tyr−hTAP−5:Tyr−192−224)関連
ペプチドの逆相HPLCによる精製時の溶出パターンを
示すグラフである。
【図2】本発明実施例3に従うプレプロ−TRH(hT
AP−2;120−132)関連ペプチドの逆相HPL
Cによる精製時の溶出パターンを示すグラフである。
【図3】本発明実施例4に従うプレプロ−TRH(hT
AP−3;141−149)関連ペプチドの逆相HPL
Cによる精製時の溶出パターンを示すグラフである。
【図4】本発明実施例5に従うプレプロ−TRH(hT
AP−4;158−183)関連ペプチドの逆相HPL
Cによる精製時の溶出パターンを示すグラフである。
【図5】本発明実施例6に従うプレプロ−TRH(Ty
r−hTAP−4;Tyr−158−183)関連ペプ
チドの逆相HPLCによる精製時の溶出パターンを示す
グラフである。
【図6】本発明実施例7に従うプレプロ−TRH(hT
AP−5;192−224)関連ペプチドの逆相HPL
Cによる精製時の溶出パターンを示すグラフである。
【図7】本発明参考例5の■に従うhTAP−5Abの
ヒトプレプロ−TRH特異性試験の結果を示すグラフで
ある。
【図8】本発明参考例5の■に従うhTAP−1Abの
ヒトプレプロ−TRH特異性試験の結果を示すグラフで
ある。
【図9】本発明参考例5の■に従うhTAP−2Abの
ヒトプレプロ−TRH特異性試験の結果を示すグラフで
ある。
【図10】本発明参考例5の■に従うhTAP−3Ab
のヒトプレプロ−TRH特異性試験の結果を示すグラフ
である。
【図11】本発明参考例5の■に従うhTAP−4Ab
のヒトプレプロ−TRH特異性試験の結果を示すグラフ
である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を
    有することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプ
    チド。
  2. 【請求項2】配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を
    有することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプ
    チド。
  3. 【請求項3】配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を
    有することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプ
    チド。
  4. 【請求項4】配列番号:5で表わされるアミノ酸配列を
    有することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプ
    チド。
  5. 【請求項5】配列番号:6で表わされるアミノ酸配列を
    有することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプ
    チド。
  6. 【請求項6】配列番号:7で表わされるアミノ酸配列を
    有することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプ
    チド。
  7. 【請求項7】配列番号:8で表わされるアミノ酸配列を
    有することを特徴とするヒトプレプロ−TRH関連ペプ
    チド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5830866A (en) * 1994-09-12 1998-11-03 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Corticotropin release inhibiting factor and methods of using same
US6039956A (en) * 1994-09-12 2000-03-21 Pennsylvania, Trustees Of The University Of, The Corticotropin release inhibiting factor and methods of using same for treating behavioral symptoms in an anxiety disorder

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US5830866A (en) * 1994-09-12 1998-11-03 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Corticotropin release inhibiting factor and methods of using same
US6039956A (en) * 1994-09-12 2000-03-21 Pennsylvania, Trustees Of The University Of, The Corticotropin release inhibiting factor and methods of using same for treating behavioral symptoms in an anxiety disorder

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