JPH0441160B2 - - Google Patents

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JPH0441160B2
JPH0441160B2 JP24653183A JP24653183A JPH0441160B2 JP H0441160 B2 JPH0441160 B2 JP H0441160B2 JP 24653183 A JP24653183 A JP 24653183A JP 24653183 A JP24653183 A JP 24653183A JP H0441160 B2 JPH0441160 B2 JP H0441160B2
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peptide
antigen
boc
leu
gly
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JP24653183A
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Mitsuaki Yoshida
Haruo Sugano
Fumio Shimizu
Tetsuya Tachikawa
Nobuhiro Ikei
Atsuya Noda
Etsuro Hashimura
Kenichi Imagawa
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GAN KENKYUKAI
OOTSUKA SEIYAKU KK
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GAN KENKYUKAI
OOTSUKA SEIYAKU KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヒト白血病ウイルス(Adult T−
cell Leukemia Virus;ATLV又はHuman T−
cell Leukemia Virus;HTLV)に特異的な新
しい抗体の製造法に関する。 本明細書において、アミノ酸、ペプチド、保護
基、活性基、その他に関して略号で表示する場合
はIUPAC、IUBの規定或いは当該分野における
慣用記号に従うものとし、その例を次に挙げる。
またアミノ酸等に関して光学異性体がありうる場
合は、特に明記しなければL体を示すものとす
る。 Ser;セリン Leu;ロイシン Thr;スレオニン Asn;アスパラギン Gln;グルタミン Glu;クルタミン酸 Lys;リジン Pro;プロリン Tyr;トロシン Trp;トリプトフアン His;ヒスチジン Asp;アスパラギン酸 Gly;グリシン Ile;イソロイシン Ala;アラニン Phe;フエニルアラニン Arg;アルギニン Tos;p−トルエンスルホニル基 Boc;第3級ブトキシカルボニル基 ONP;p−ニトロフエノキシ基 Bzl;ベンジル基 OBzl;ベンジルオキシ基 Cl2−Bzl;2,6−ジクロルベンジル基 Cl−Z;2−クロルベンジルオキシカルボニル
基 ヒト白血病ウイルスは、成人T細胞白血病
(ALT)より分離され、該疾患との関連が注目さ
れているウイルスである。本発明者の吉田、菅野
は、遺伝子工学的手法をもちい、宿主細胞の
DNAに組込まれたプロウイルス遺伝子をクロー
ニング(cloning)し、その全塩基配列を決定し
た。これの基づいて該疾患ならびに該ウイルス感
染の診断・治療・予防の基礎を確立した。決定さ
れた上記ウイルス遺伝子の外殻(エンフ)蛋白前
駆体をコードする塩基配列は知られており 〔Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,80(1983)、
Biochemistry.p3621〕、該外殻蛋白前駆体は、
488個のアミノ酸から成る。 本発明者等は、上記の基礎的な情報を基にし、
更に研究を重ねた結果、ヒト白血病ウイルスの関
連蛋白(外殻蛋白)のハプテンとなり得る特定の
ペプチドを見い出し、これと担体との複合体から
成る免疫抗原から、ATLV又はHTLV及びこれ
に関連するペプチドと特異反応性を有し、該
ATLV又はHTLV関連蛋白等の精製に利用でき、
またATLV又はHTLV感染症の診断等を可能と
する新しい抗体を収得するに成功し、ここに本発
明を完成するに至つた。 即ち本発明は式 H−Tyr−Ser−Leu−Tyr−Leu−Phe−Pro
−His−Trp−Thr−Lys−OH (1) で表わされるペプチド、式 H−Pro−Asn−Arg−Asn−Gly−Gly−Gly
−Tyr−OH (2) で表わされるペプチド、式 H−Tyr−Ala−Ala−Gln−Asn−Arg−OH
(3) で表わされるペプチド及び式 H−Gly−Leu−Asp−Leu−Leu−Phe−Trp
−Glu−Gln−Gly−Gly−Leu−Tyr−OH (4) で表わされるペプチドからなる群より選ばれたヒ
ト白血病ウイルス開連ペプチドと担体との複合体
からなる免疫抗原を哺乳動物体に投与し、生成す
る抗体を採取することを特徴とするヒト白血病ウ
イルス抗体の製造法に係る。 本発明によれば入手容易な市販のアミノ酸を利
用して簡単な操作で容易に合成することができる
上記式(1)〜(4)で表わされるペプチドをハプテンと
して用いて作成した免疫抗原を用いることに基づ
いて、ウイルス関連蛋白に特異反応性を有する抗
体を、容易に、大量にしかも安定して収得するこ
とができる。該特異抗体は、これを例えばアフイ
ニテイークロマトグラフイー用担体と結合させ
て、該クロマトグラフに利用する等によりウイル
ス関連蛋白の精製に用いることができ、また該ウ
イルス関連蛋白の各種免疫測定法における特異抗
体として使用でき、ヒト白血病ウイルス感染の診
断、ひいては、成人T細胞白血病、皮膚型T細胞
リンパ腫等の成熟T細胞白血病・リンパ腫ならび
に関連する疾患の診断、研究等に有用である。 上記式(1)〜(4)で表わされるペプチドは、通常の
ペプチド合成法、具体的には「サ ペプチド
(The Peptides)」第1巻(1966年)〔Schroder
and Luhke著、Academic press,New York,
USA〕或いは「ペプチド合成」〔泉屋ら著、丸善
株式会社(1975年)〕に記載される如き方法に従
い、例えばアジド法、クロライド法、酸無水物
法、混酸無水物法、DCC法、活性エステル法
(p−ニトロフエニルエステル法、N−ヒドロキ
シコハク酸イミドエステル法、シアノメチルエス
テル法等)、ウツドワード試薬Kを用いる方法、
カルボジイミダゾール法、酸化還元法、DCC/
アデイテイブ(HONB、HOBt、HOSu)法等に
より製造できる。上記方法においては、固相合成
法及び液相合成法のいずれをも適用できる。通常
本発明のペプチドは、上記した一般のポリペプチ
ドの合成法に従い、例えば未端アミノ酸に順次1
個づつアミノ酸を縮合させる所謂ステツプワイズ
法により、又は数個のフラグメントに分けてカツ
プリングさせていく方法により製造される。より
詳細には、例えば固相合成法を採用する場合、C
末端アミノ酸をそのカルボキシル基によつて、不
溶性担体に結合させる。不溶性担体としては、反
応性カルボキシル基と結合性を有するものであれ
ば特に限定はなく、例えばクロロメチル樹脂、ブ
ロモメチル樹脂等のハロゲノメチル樹脂やヒドロ
キシメチル樹脂、フエノール樹脂、tert−アルキ
ルオキシカルボニルヒドラジド化樹脂等を使用で
きる。 次いでアミノ保護基を除去した後、式(1)〜(4)で
表わされるアミノ酸配列に従い順次アミノ基保護
アミノ酸を、その反応性アミノ基及び反応性カル
ボキシル基との縮合反応により結合させ、一段階
ずつ合成し、全配列を合成した後、ペプチドを不
溶性担体からはずすことにより製造される。 上記においてArg、Tyr、Glu、Gln、Thr、
Lys、Asp及びSerの各アミノ酸は、その側鎖官
能基を保護しておくのが好ましく、これは通常の
保護基により保護され、反応終了後該保護基は脱
離される。また反応に関与する官能基は、通常活
性化される。これら各反応方法は、公知であり、
それらに用いられる試薬等も公知のものから適宜
選択される。 アミノ基の保護基としては、例えばベンジルオ
キシカルボニル、Boc、tert−アミルオキシカル
ボニル、イソボルニルオキシカルボニル、p−メ
トロキシベンジルオキシカルボニル、CI−Z、
アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロア
セチル、フタリル、ホルミル、o−ニトロフエニ
ルスルフエニル、ジフエニルホスフイノチオイル
基等が挙げられる。 Argの保護基としては、Tos、ニトロ、ベンジ
ルオキシカルボニル、アミルオキシカルボニル基
等が挙げられる。 Ser及びThrの水酸基の保護基としては、例え
ば、Bzl、tert−ブチル、アセチル、テトラヒド
ロピラニル基等が挙げられる。 Tyrの水酸基の保護基としては、例えばBzl、
Cl2−Bzl、ベンジルオキシカルボニル、アセチ
ル、Tos基等が挙げられる。 Lysのアミノ基の保護基としては、例えばベン
ジルオキシカルボニル、Cl−Z、Cl2−Bzl、
Boc、Tos基等が挙げられる。 Glu及びAspのカルボキシル基の保護基として
は、例えばベンジルアルコール、メタノール、エ
タノール、tert−ブタノール等とのエステル化に
より行なわれる。 カルボキシル基の活性化されたものとしては、
例えば対応する酸クロライド、酸無水物又は混合
酸無水物、アジド、活性エステル(ペンタクロロ
フエノール、p−ニトロフエノール、N−ヒドロ
キシサクシンイミド、N−ヒドロキシベンズトリ
アゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミド等とのエステル)等
が挙げられる。尚ペプチド結合形成反応は、縮合
剤例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、カル
ボジイミダゾール等のカルボジイミド試薬やテト
ラエチルピロホスフイン等の存在下に実施し得る
場合もある。 以下、本発明に用いる上記特定のペプチドの製
造法につき上記式(1)のペプチドを例にとり反応行
程式を挙げて具体的に説明する。 【表】 性担体を示す。〓
上記において、Aの好ましいものとしては
Boc、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトロ
キシベンジルオキシカルボニル基等を、またR1
の好ましいものとしてはクロロメチル化ポリスチ
レン等をそれぞれ例示することができる。 また、各反応において、使用するアミノ酸が反
応に関与しない側鎖官能基を有する場合は、常法
通り、前述した保護基により保護され、これは不
溶性担体R1の脱離と同時に脱離される。 上記方法において、アミノ酸イと不溶性担体
R1との反応は、常法に従いアミノ酸イの反応性
カルボキシル基を利用して、これをR1と結合さ
せることによつて行なわれる。該反応は例えばク
ロロメチル化ポリスチレンを使用する場合は適当
な溶媒中、例えばトリエチルアミン、カリウム
tert−ブトキシド、炭酸セシウム、水酸化セシウ
ム等の塩基性化合物の存在下に行なわれる。溶媒
としては、例えばジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピ
リジン、クロロホルム、ジオキサン、ジクロロメ
タン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリド
ン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等又はこれら
の混合溶媒等を例示することができる。上記反応
は、通常0〜85℃、好ましくは25〜80℃程度、数
分〜24時間程度で終了する。アミノ酸と不溶性担
体との使用割合は通常後者1当量に対して前者を
過剰量、一般に1〜3倍当量とするのがよい。 かくして得られる一般式ロの固相化アミノ酸の
保護基Aの離脱反応は、常法により行なわれる。
該方法としては例えばパラジウム、パラジウム黒
等の触媒を用いる水素添加、液体アンモニア中金
属ナトリウムによる還元等の還元的方法、トリフ
ルオロ酢酸、塩化水素酸、弗化水素、メタンスル
ホン酸、臭化水素酸等の強酸によるアシドリシス
等を例示することができる。上記触媒を用いる水
素添加は、例えば水素圧1気圧、0〜40℃にて行
ない得る。触媒の使用量としては通常100mg〜1g
程度とするのがよく、一般に1〜48時間程度で反
応は終了する。また上記アシドリシスは、無溶媒
下、通常0〜30℃程度、好ましくは0〜20℃程度
で約15分〜1時間程度を要して行なわれる。酸の
使用量は原料化合物に対し通常5〜10倍量程度と
するのがよい。該アシドリシスにおいて保護基A
のみを脱離する場合は酸としてトリフルオロ酢酸
又は塩化水素酸を使用するのが好ましい。更に上
記液体アンモニア中金属ナトリウムによる還元
は、反応液がパーマネントブルーに30行〜10分間
程度呈色しているような量の金属ナトリウムを用
い、通常−40℃〜−70℃程度にて行ない得る。 次いで得られる一般式ハの固相化アミノ酸とア
ミノ酸ニ(もしくはそのカルボキシル基の活性化
されたもの)との反応は、溶媒の存在下に行なわ
れる。該溶媒としては、ペプジド縮合反応に慣用
される公知の各種のもの、例えば無水ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、
クロロホルム、ジオキサン、ジクロロメタン、テ
トラヒドロフラン、酢酸エチル、N−メチルピロ
リドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド或いはこ
れらの混合溶媒等を例示することができる。また
該反応は、必要に応じて、通常のペプチド結合形
成反応に用いられる試薬、例えばN,N−ジシク
ロヘキシルカルポジイミド(DCC)、N−エチル
−N′−ジメチルアミノカルボジイミド、1−エ
チル−3−ジイソプロピルアミノカルボジイミ
ド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニ
ル−4−エチル)カルボジイミド等のカルボジイ
ミド類等の脱水縮合剤の存在下に行なうことがで
きる。アミノ酸ハとアミノ酸ニとの使用割合とし
ては、特に限定はないが、通常前者に対して後者
を等モル量〜10倍モル量、好ましくは等モル量〜
5倍モル量とするのがよい。脱水縮合剤の使用量
も特に限定はなく、通常アミノ酸ニに対して、好
ましくは等モル量程度使用される。反応温度はペ
プチド結合形成反応に使用される通常の範囲、一
般には約−40℃〜約60℃、好ましくは約−20℃〜
約40℃の範囲から適宜選択される。反応時間は一
般に数分〜30時間程度とされる。 かくして得られる一般式ホのペプチドは、上記
と同様に保護基Aの脱離後、式(1)で表わされるア
ミノ酸配列に従い、A−Trp−OH、A−His−
OH、A−Pro−OH、A−Phe−OH、A−Leu
−OH、A−Tyr−OH、A−Leu−OH、A−
Ser−OH、A−Tyr−OHの各アミノ酸もしくは
側鎖官能基を保護されたもの乃至そのカルボキシ
基を活性化されたものと順次縮合反応させること
により行なわれ、かくして一般式ヘで表わされる
ペプチドに誘導することができる。これら縮合反
応及び保護基Aの脱離反応は、それぞれ前期した
方法と同様にして行なわれる。 また得られるペプチドヘは、同様にして保護基
Aの脱離、アミノ酸の側鎖官能基の保護基の脱離
及び不溶性担体R1の脱離により、式(1)で表わさ
れるペプチドに誘導される。ここで側鎖官能基の
保護基及び不溶性担体R1の脱離反応は、保護基
Aの脱離反応と同様に行ない得、この場合酸とし
て弗化水素又は臭化水素酸を用いるのが好まし
い。尚、上記方法において使用される各アミノ酸
は、いずれも公知の市販品でよい。 以上のようにして製造された式(1)のペプチド
は、反応混合物からペプチドの分離手段例えば抽
出、分配、カラムクロマトグラフイー等により単
離精製される。 また、一般式(2)乃至(4)で表わされる各ペプチド
も、上記に準じて製造される。 かくして得られるペプチドは、これに125I、131
I等の放射性物質、パーオキシダーゼ(POX)、
キモトリプシノーゲン、プロカルボキシペプチダ
ーゼ、グリセロアルデヒド−3−リン酸脱水素酵
素、アミラーゼ、ホスホリラーゼ、D−Nase、
P−Nase、β−ガラクトシダーゼ、グルコース
−6−フオスフエートデハイドロゲナーゼ、オル
ニチンデカルボキシラーゼ等の各種酵素試薬等を
導入することにより、ラジオイムノアツセイ
(RIA)法又はエンザイムイムノアツセイ(EIA)
法において用いられる標識抗原として利用でき
る。上記放射性物質の導入は、通常の方法により
実施できる。例えば放射性ヨードは、クロラミン
Tを用いる酸化的ヨード化法〔W.M.Hunter
and F.C.Greenwood;Nature,194,495
(1962)、Biochem J.89,144,(1963)参照〕等
により行なわれ、酵素試薬の導入は、通常のカツ
プリング法例えばエルランガー(B.F.Erlanger)
らの方法〔Acta.Endocrinol.Suppl.,168,206
(1972)〕及びカロール(M.H.Karol)らの方法
〔Proc.Natl.Acad.Sci.,USA.,57,713(1967)〕
等の公知の方法によつて行なうことができる。 以下、上記のペプチドをハプテンとして利用し
た免疫抗原の製造方法につき詳細する。 上記抗原はペプチド(1)〜(4)のいずれかをハプテ
ンとし、これをハプテン−担体結合試薬の存在下
に、適当な担体と反応させることにより製造され
る。上記においてハプテンに接合される担体とし
ては、通常抗原の作成に当り慣用される高分子の
天然もしくは合成の蛋白質を広く使用できる。該
担体としては例えば馬血清アルブミン、牛血清ア
ルブミン、ウサギ血清アルブミン、人血清アルブ
ミン、ヒツジ血清アルブミン等の動物の血清アル
ブミン類;馬血清グロブリン、牛血清グロブリ
ン、ウサギ血清グロブリン、人血清グロブリン、
ヒツジ血清グロブリン等の動物の血清グロブリン
類;馬チログロブリン、牛チログロブリン、ウサ
ギチログロブリン、人チログロブリン、ヒツジチ
ログロブリン等の動物のチログロブリン類;馬ヘ
モグロブリン、牛ヘモグロブリン、ウサギヘモグ
ロブリン、人ヘモグロブリン、ヒツジヘモグロブ
リン等の動物のヘモグロブミン類;キーホールリ
ンペツトヘモシアニン(KLH)等の動物のヘモ
シアニン類;回虫より抽出された蛋白質(アスカ
ーリス抽出物、特開昭56−16414号公報、J.
Immun.,111,260〜268(1973)、J.Immun.,
122,302〜308(1979)、J.Immun.,98,893〜900
(1967)及びAm.J.Physiol.,199,575578(1960)
に記載されたもの又はこれらを更に精製したも
の);ポリリジン、ポリグルタミン酸、リジン−
グルタミン酸共重合体、リジン又はオルニチンを
含む共重合体等を挙げることができる。 ハプテン−担体結合試薬としては、通常抗原の
作成に当り慣用されているものを広く使用でき
る。具体的にはチロシン、ヒスチジン、トリプト
フアンを架橋結合させる、例えばビスジアゾタイ
ズドベンジジン(BDB)、ビスジアゾタイズド−
3,3′−ジアニシジン(BDD)等のジアゾニウ
ム化合物;アミノ基とアミノ基とを架橋結合させ
る、例えばグリオキサール、マロンジアルデヒ
ド、グルタールアルデヒド、スクシンアルデヒ
ド、アジポアルデヒド等の脂肪族ジアルデヒド
類;チオール基とチオール基とを架橋結合させ
る、例えばN,N′−o−フエニレンジマレイミ
ド、N,N′−m−フエニレンジマレイミド等の
ジマレイミド化合物;アミノ基とチオール基とを
架橋結合させる、例えばメタマレイミドベンゾイ
ル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4
−(マレイミドメチル)−ジクロヘキサン−1−カ
ルボキシル−N′−ヒドロキシスクシンイミドエ
ステル等のマレイミドカルボキシル−N−ヒドロ
キシスクシンイミドエステル類;アミノ基とカル
ボキシル基とをアミド結合させる通常のペプチド
結合形成反応に用いられる試薬、例えばN,N−
ジシクロヘキシカルボジイミド、N−エチル−
N′−ジメチルアミノカルボジイミド、1−エチ
ル−3−ジイソプロピルアミノカルボジイミド、
1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−
4−エチル)カルボジイミド等のカルボジイミド
類等の脱水縮合剤等を挙げることができる。また
上記ハプテン−担体結合試薬としては、p−ジア
ゾニウムフエニル酢酸等のジアゾニウムアリール
カルボル酸類と通常のペプチド結合形成反応試
薬、例えば上記脱水縮合剤とを組合せたものも使
用可能である。 上記免疫抗原の製造反応は、例えば水溶液もし
くはpH7〜10の通常の緩衝液中、好ましくはPH8
〜9の緩衝液中、0〜40℃、好ましくは室温付近
で行なわれる。該反応は通常約1〜24時間、好ま
しくは2〜5時間で完結する。上記において用い
られる代表的緩衝液としては、次のものを例示で
きる。 0.2N水酸化ナトリウム−0.2Mホウ酸−0.2M塩
化カリウム緩衝液、 0.2M水炭酸ナトリウム−0.2Mホウ酸−0.2M塩
化カリウム緩衝液、 0.05M四ホウ酸ナトリウム−0.2Mホウ酸−
0.05M塩化ナトリウム緩衝液、 0.1Mリン酸二水素カリウム−0.05M四ウ酸ナ
トリウム緩衝液、 上記においてハプテン、ハプテン−担体結合試
薬及び担体の使用割合は、適宜に決定できるが、
通常ハプテンに対して担体を1〜6倍重量程度、
好ましくは1〜5倍重量程度、及びハプテン−担
体結合試薬を1〜10倍モル程度用いるのがよい。
上記反応によりハプテン−担体結合試薬を仲介さ
せて担体とハプテンとが結合したペプチド−担体
複合体からなる所望の免疫抗原が収得される。 反応終了後得られる抗原は常法に従い、例えば
透析法、ゲル炉過法、分別沈澱法等により容易に
単離精製できる。 かくして得られる免疫抗原は、通常蛋白質1モ
ルに対してペプチドが平均5〜60モル結合したも
のであり、いずれも引き続き該抗原に対して特異
性の高い抗体の製造を可能とするものである。 該抗原を用いた本発明の抗体の製造は、上記抗
原を哺乳動物に投与し、生体内に所望抗体を産生
させ、これを採取することにより実施される。 抗体の製造に供せられる哺乳動物としては、特
に制限はないが、通常ウサギやモルモツトを用い
るのが好ましい。抗体の産生に当つては、上記に
より得られる抗原の所定量を生理食塩水で適当濃
度に希釈し、フロインドの補助液(Complete
Freund′s Adjuvant)と混合して懸濁液を調整
し、これを哺乳動物体に投与すればよい。例えば
ウサギに上記懸濁液を皮内注射(抗原の量として
0.1〜5mg/回)し、以後2週間毎に2〜10ケ月、
好ましくは4〜6ケ月間投与し免疫化させればよ
い。抗体の採取は、上記懸濁液の最終投与の1〜
2週間経過後、免疫化された動物から採取し、こ
れを遠心分離後、血清を分離することにより行な
われる。上記によれば、用いる免疫抗原に対して
優れた特異性を有する抗体を収得でき、これは
RIA法、EIA法等に利用してヒト白血病ウイルス
関連蛋白の定量に用い得る。 以下本発明を更に詳しく説明するため、式(1)乃
至(4)で表わされるペプチドの製造例及びこれによ
り得られるペプチドからの免疫抗原の製造例及び
該抗原からの本発明抗体の製造例を挙げるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 尚、各製造例におけるRf値はシリカゲル上の
薄層クロマトグラフイーにて下記混合溶媒を用い
て測定したものである。 Rf1……n−ブタノール−酢酸−水(4:1:
5) Rf2……n−ブタノール−ピリジン−酢酸−水
(30:20:6:24) <ペプチドの製造> 製造例 1 カリウム tert−ブトキシド471ミリ当量の
DMSO溶液36.7mlにBoc−Lys(Cl−Z)−OH
の7.92gを溶解し、クロロメチル化ポリスチレ
ン樹脂(財団法人蛋白質研究奨励会、2%ジビ
ニルベンゼン、メツシユ200〜400)14.46gを加
えて、80℃で30分間反応させる。樹脂を
DMSO、エタノール、50%酢酸、水、エタノ
ール及び塩化メチレンの順に、充分に洗浄し、
減圧乾燥して16.0gのBoc−Lys(Cl−Z)−樹脂
を得る。 一部を加水分解後アミノ酸分析を行なつた結
果アミノ酸0.272mmol/g樹脂であつた。 上記で得たBoc−Lys(Cl−Z)−樹脂3.0g
をクロロホルム30mlで3回洗浄後、50%トリフ
ルオロ酢酸(TFA)のクロロホルム溶液30ml
に加え、室温で20分間反応させる。樹脂をクロ
ロホルム30mlで1回、塩化メチレン30mlで5
回、10%トリエチルアミンの酸化メチレン溶液
30mlで3回、次いで塩化メチレン30mlで6回そ
れぞれ洗浄してH−Lys(Cl−Z)−樹脂を得
る。 Boc−Thr(Bzl)−OHの0.63gを塩化メチレ
ンに溶かした溶液25mlを上記H−Lys(Cl−Z)
−樹脂に加え、次いでDCCの0.42gを塩化メチ
レンに溶かした溶液5mlを加え室温で2時間反
応させる。樹脂を塩化メチレン30mlで6回洗浄
後、Boc−Thr(Bzl)−OHの0.63g及び1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール0.31gの塩化メチ
レン25mlに加え、次いでDCCの0.42gを塩化メ
チレンに溶かした溶液5mlを加え再度同様に反
応させる(二重カツプリング法)。樹脂を塩化
メチレンで充分に洗浄してBoc−Thr(Bzl)−
Lys(Cl−Z)−樹脂を得る。 上記と同様にして、Boc−Thr(Bzl)−Lys
(Cl−Z)−樹脂の脱Boc化を行ない、次いで下
記アミノ酸、側鎖官能基保護アミノ酸又はカル
ボキシル基の活性化されたアミノ酸を順次縮合
及び脱Boc反応に付す。 Boc−Trp−OH 0.62g Boc−His−OH 0.84g Boc−Pro−OH 0.44g Boc−Phe−OH 0.54g Boc−Leu−OH・H2O 0.51g Boc−Tyr(Cl2−Bzl)−OH 0.96g Boc−Leu−OH・H2O 0.51g Boc−Ser(Bzl)−OH 0.57g Boc−Tyr(Cl2−Bzl)−OH 0.96g かくしてH−Tyr(Cl2−Bzl)−Ser(Bzl)−Leu
−Tyr(Cl2−Bzl)−Leu−Phe−Pro−His−Trp
−Thr(Bzl)−Lys(Cl−Z)−樹脂の5.2gを得る。
このうち1.30gをアニソール1.5ml、1,2−エタ
ンジチオール0.75ml及び弗化水素15mlに溶かし、
−20℃で30分間、次いで0℃で30分間インキユベ
ーシヨンさせた後、過剰の弗化水素を減圧留去
し、残渣を10%酢酸にて抽出し、エーテルにて洗
浄する。水層を凍結乾燥し、ついでセフアデツク
スG−25(フアルマシア社、溶出液50%酢酸)に
よるゲル炉過、更にセフアデツクスLH−20(フ
アルマシア社製、1mMHCl)で2回分離を行な
つて精製して目的ペプチド(H−Tyr−Ser−
Leu−Tyr−Leu−Phe−Pro−His−Trp−Thr−
Lys−OH)の58mgを得る。以下このペプチドを
「ペプチドA」と呼ぶ。 Rf値: Rf1=0.03 Rf2=0.58 アミノ酸分析値:(日立835型にて分析) 分析値 Thr(1) 0.96 Ser(1) 0.94 Leu(2) 2.03 Tyr(2) 2.11 Phe(1) 1.02 Trp(1) 0.93 Lys(1) 1.02 His(1) 1.01 Pro(1) 0.97 尚上記アミノ酸分析値は、6N−塩酸による加
水分解後に測定した結果であり、以下の各例にお
いても同様である。従つて各例で得られるペプチ
ド中にAsn及びGlnが存在する場合、之等は夫々
Asp及びGluとして定量される。 製造例 2 製造例1のと同様にして得たBoc−Tyr(Cl2
−Z)−樹脂(0.294mmol/g樹脂)3gに、製造
例1のと同様にして、以下の各アミノ酸又はそ
の誘導体を順次縮合及び脱Boc化反応させる。 Boc−Gly−OH 0.39g Boc−Gly−OH 0.39g Boc−Gly−OH 0.39g Boc−Asn(Tos)−OH 0.78g Boc−Arg(Tos)−OH 0.95g Boc−Asn(Tos)−OH 0.78g Boc−Pro−OH 0.48g かくして、H−Pro−Asn(Tos)−Arg(Tos)−
Asn(Tos)−Gly−Gly−Gly−Tyr(Cl2−Z)−樹
脂3.14gを得る。このうち1.0gを弗化水素10ml
及びアニソール1mlと混合し、−20℃で30分間、
次いで0℃で30分間インキユベーシヨンした後、
過剰の弗化水素を減圧留去して10%酢酸にて抽出
し、エーテル洗浄を経て、凍結乾燥する。 次いでセフアデツクスG−25(フアルマシア社、
溶出液1M酢酸)によるゲル炉過、さらにHPLC
(10%アセトニトリル/0.05%三弗化酢酸、流速
1.0ml/分、ODS120T、4.6×250mm、東洋曹達株
式会社)によつて精製して、目的ペプチド(H−
Pro−Asn−Arg−Asn−Gly−Gly−Gly−Tyr−
OH)の36mgを得る。以下このペプチドを「ペプ
チドB」と呼ぶ。 Rf値: Rf1=0.01 Rf2=0.26 アミノ酸分析値:(日立835型にて分析) 分析値 Pro(1) 0.98 Asp(2) 1.89 Arg(1) 1.04 Gly(3) 3.10 Tyr(1) 0.99 製造例 3 製造例1のと同様にしてBoc−Arg(Tos)−
樹脂の0.075mmol/g樹脂を製造し、その5gに、
前記製造例1の及びと同様にして、以下のア
ミノ酸又はその誘導体を順次二重カツプリング反
応及び脱Boc化反応させる。 Boc−AsnONP 0.33g Boc−GlnONP 0.34g Boc−Ala−OH 0.18g Boc−Ala−OH 0.18g Boc−Tyr(Cl2−Z)−OH 0.45g かくしてH−Tyr(Cl2−Z)−Ala−Ala−Gln
−Asn−Arg(Tos)−樹脂5.19gを得る。このう
ち1.73gを弗化水素20ml及びアニソール2mlと混
合し、−20℃で30分間、次いで0℃で30分間イン
キユベーシヨンし、過剰の弗化水素を減圧留去し
た後、10%酢酸水溶液で抽出し、エーテルで洗浄
し、凍結乾燥した。 次いでセフアデツクスG−10(フアルマシア社、
溶出液10%酢酸)によるゲル炉過、セフアデツク
スLH−20(フアルマシア社、溶出液1mM塩酸)、
さらにHPLC(7.5%アセトニトリル/0.05%三弗
化酢酸、流速1.0ml/分、カラムODS120T、4.6mm
×250mm、東洋曹達株式会社)によつて精製して
目的ペプチド(H−Tyr−Ala−Ala−Gln−Asn
−Arg−OH)の29mgを得る。以下このペプチド
を「ペプチドC」とする。 Rf値: Rf1=0.01 Rf2=0.26 アミノ酸分析値:(日立835型にて分析) 分析値 Tyr(1) 0.98 Ala(2) 2.07 Glu(1) 1.04 Asp(1) 0.92 Arg(1) 1.00 製造例 4 製造例1のと同様にしてBoc−Tyr(Cl2
Bzl)−樹脂の0.29mmol/g樹脂を製造し、その3
gに、前記製造例1の及びと同様にして、以
下のアミノ酸又はその誘導体を順次二重カツプリ
ング反応及び脱Boc化反応させる。 Boc−Leu−OH・H2O 0.55g Boc−Gly−OH 0.39g Boc−Gly−OH 0.39g Boc−GlnONP 0.81g Boc−Glu(OBzl)−OH 0.74g Boc−Trp−OH 0.67g Boc−Phe−OH 0.59g Boc−Leu−OH・H2O 0.55g Boc−Leu−OH・H2O 0.55g Boc−Asp(OBzl)−OH 0.71g Boc−Leu−OH・H2O 0.55g Boc−Gly−OH 0.39g かくしてH−Gly−Leu−Asp(OBzl)−Leu−
Leu−Phe−Trp−Glu(OBzl)−Gln−Gly−Gly
−Leu−Tyr(Cl2−Z)−樹脂4.31gを得る。 その1gを弗化水素10ml、アニソール1ml及び
1,2−エタンジチオール0.5mlと混合し、−20℃
で30分間、次いで0℃で30分間インキユベーシヨ
ンした後、過剰の弗化水素を減圧留去し、50%酢
酸水溶液にて抽出し、エーテルにて洗浄後、凍結
乾燥する。次いでセフアデツクスLH−20(フア
ルマシア社、1mM炭酸水素アンモニウム)でゲ
ル炉過し、更にHPLC(29%アセトニトリル/
0.1M酢酸アンモニウム、pH=8.0、流速1.0μ/
分、カラムODS−120T、4.6mm×250mm、東洋曹
達株式会社)を用いて精製して、目的ペプチド
(H−Gly−Leu−Asp−Leu−Leu−Phe−Trp−
Glu−Gln−Gly−Gly−Leu−Tyr−OH)の43mg
を得る。以下これを「ペプチドD」と呼ぶ。 Rf値: Rf1=0.02 Rf2=0.69 アミノ酸分析値:(日立835型にて分析) 分析値 Tyr(1) 1.05 Leu(4) 4.09 Gly(3) 2.88 Glu(2) 2.04 Trp(1) 0.97 Phe(1) 1.05 Asp(1) 0.91 <免疫抗原の製造> 製造例 1 ペプチドの製造例1で得たペプチドAの2mg
(1.392mmol)及びアスカーリス抽出蛋白4mg
を、蒸留水3.0mlに加え、この溶液にジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(DCC)0.57mgを加
え、室温で2時間攪拌する。その後反応混合物
を3日間蒸留水で4℃で透析し、凍結乾燥し
て、免疫抗原5.8mgを得る。以下この抗原を
「抗原Ia」と言う。 抗原Iaはアスカーリス1mgに対してペプチドA
が平均0.164μmol結合したものである。 尚このペプチドとアスカーリスとの結合率
は、得られる抗原を更にセフアデツクスG−50
(溶出液:生理食塩水、検出:OD280nm、流出
速度:3ml/時間、分取量:1mlづつ)でゲル
炉過した際、未反応のアスカーリス及びペプチ
ドの存在は認められないことより、該ゲル炉過
によつてアスカーリスに結合したペプチドのフ
ラクシヨンと他の生成体(ペプチド2量体)の
フラクシヨンとを分離し、ペプチド2量体の標
準濃度の検量線を作成して、上記2量体の量を
求め、これを出発原料として用いたペプチドの
量から差し引いた値がすべてアスカーリスに結
合しているとして求めたものである。以下の抗
原の製造例においても同様とする。 ペプチドAの3mg及びアスカーリス抽出蛋白
6mgを、0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.2)3.0ml
に加え、この溶液に0.1%グルタールアルデヒ
ド0.46ml(4.176μmol)を加え、室温で2時間
攪拌する。その後反応混合物を3日間蒸留水で
4℃で透析し、凍結乾燥して、免疫抗原5.7mg
を得る。以下この抗原を「抗原Ib」と言う。抗
原Ibは、アスカーリス1mlに対してペプチドA
が平均0.149μmol結合したものである。 製造例 2 ペプチドの製造例2で得たペプチドBの5mg
(5.995mmol)及びアスカーリス抽出蛋白10mgを、
0.13M塩化ナトリウムを含む0.16Mホウ酸緩衝液
(pH=9.0)5mlに加え、この溶液にBDB溶液
3.35mgを加えて4℃で2時間攪拌する。上記
BDB溶液は0.2N塩酸20ml及びジメチルホルムア
ミド(DMF)3mlの混合溶媒にベンジジン83.25
mgを加え、氷冷下に攪拌し、これに亜硝酸ナトリ
ウム87.03mgの蒸留水2ml溶液を徐々に加え、30
分間攪拌することにより調整した。その後反応混
合物を3日間蒸留水で4℃下で透析し、凍結乾燥
して、免疫抗原13.7mgを得る。以下この抗原を
「抗原」と言う。抗原はアスカーリス1mgに
対してペプチドBが平均0.269μmol結合したもの
である。 製造例 3 ペプチドAの代りにペプチドの製造例3で得
たペプチドCを使用して、前記抗原の製造例1
のと同様にして免疫抗原8.7mgを得る。以下
この抗原を「抗原a」と言う。抗原aはア
スカーリス1mgに対してペプチドCが平均
0.373μmol結合したものである。 ペプチドBの代りにペプチドの製造例3で得
たペプチドCを使用して、前記抗原の製造例2
と同様にして免疫抗原8.6mgを得る。以下この
抗原を「抗原b」と言う。抗原bはアスカ
ーリス1mgに対してペプチドCが平均
0.313μmol結合したものである。 製造例 4 ペプチドAの代りにペプチドの製造例4で得
たペプチドDを使用して、前記抗原の製造例1
のと同様にして免疫抗原8.6mgを得る。以下
この抗原を「抗原a」と言う。抗原aはア
スカーリス1mgに対してペプチドDが平均
0.269μmol結合したものである。 ペプチドBの代りにペプチドの製造例4で得
たペプチドDを使用して、前記抗原の製造例2
と同様にして免疫抗原8.5mgを得る。以下この
抗原を「抗原b」と言う。抗原bはアスカ
ーリス1mgに対してペプチドCが平均
0.224μmol結合したものである。 <抗体の構造> 免疫抗原の製造例1で得た抗原a及びbの
それぞれ500μgを1.5mlの生理食塩水に溶解後、
これにフロインドの補助液1.5mlを加えて調整し
た懸濁液を、それぞれ数羽のウサギ(New−
Zealand white rabbits、2.5〜3.0Kg)に下記免
疫スケジユールに示す手順で、一回の抗原接種量
を500μg/bodyとして皮下投与し、更にその1
カ月毎に3回、最初に投与した量と同量を投与す
る。最終投与後7日経過してのち試験動物から全
採血し、これを遠心分離して抗血清(抗体)を得
る。 抗原aを投与した各ウサギより得られた抗体
を「抗体A」及び「抗体B」とする。また抗原
bを投与したウサギより得られる抗体を、各ウサ
ギ毎に「抗体C」、「抗体D」及び「抗体E」とす
る。 <免疫スケジユール> 期間(週) 抗原接種 0 第1回接種 2 第2回接種 4 第3回接種 6 第4回接種 8 第5回接種 10 第6回接種 製造例 2 免疫抗原の製造例2〜4で得た抗原、a、
b、a及びbを、それぞれ用いて前記抗体
の製造例1と同様の免疫スケジユールに従い免疫
し、抗原の第5回接種後に全採血し、以後同様に
して目的抗体を得る。 得られる各抗体を、用いた免疫抗原及びウサギ
毎に下記第1表に示す抗体No.を付し表示する。 【表】 <標識ペプチドの製造> ペプチドの製造例1で得たペプチドAをクロ
ラミンTを用いる方法で以下の通り標識化す
る。 即ち上記ペプチド5μgの0.5モルリン酸塩緩
衝液(pH7.5)10μにNa〔125〕(carrier
free N.E.N)1ミリキユーリーの0.5モルリン
酸塩緩衝液20μを加え、つぎにクロラミン
T20μの0.5モルリン酸塩緩衝液20μを加え
る。室温で25秒間攪拌してメタ重亜硫酸ナトリ
ウム(Na2S2O5)100μgの0.5Mリン酸塩緩衝
液20μを加えることで反応を終わらせる。次
いで反応液に10%の冷沃化ナトリウム水溶液
10μを加え、反応混合物をセフアデツクスG
−25のカラム(1.0〜50cm、溶出液0.1%BSA及
び0.01%NaN3を含む0.2モル酢酸アンモニウム
緩衝液、pH5.5)で精製して125で標識された
ペプチドAを得る。 該標識ペプチドの放射活性は、255μCi/μ
gであつた。 ペプチドの製造例2〜4で得たペプチドB〜
Dを上記標識ペプチドの製造例と同様の方法に
より125で標識して標識ペプチドB〜Dを得
る。 ○ 力価の測定 上記で得られる抗体の力価を次の通り測定す
る。即ち抗体をそれぞれ生理食塩水で10、102
103、104、105……倍に希釈し、これらのそれぞ
れ100μに、125標識ペプチド(上記で得られる
標識ペプチドを約9500cpmになるように希釈した
もの)0.1ml及び0.05モルリン酸塩緩衝液(pH=
7.4)〔0.25%BSA、10mM EDTA及び0.02%
NaN3を含む〕0.2mlを加え、4℃で24時間インキ
ユベートし、生成した抗体と125標識ペプチド
との結合体を、デキストラン−活性炭法及び遠心
分離法(4℃、30分間、3000rpm)により未反応
(結合しない)125標識ペプチドから分離し、そ
の放射線をカウントし、各希釈濃度における抗体
125標識ペプチドとの結合率(%)を測定する。
縦軸に抗体の125標識ペプチドとの結合率(%)
及び横軸に抗体の希釈倍率をとり、各々の濃度に
おいて結合率をプロツトする。結合が50%となる
抗体の希釈倍率即ち抗体の力価を求める。前記各
抗体の製造例で得た抗体A〜Oに関して得られた
結果を下記第2表に示す。 第2表 抗体No. 50%結合率 抗体A 2800 〃 B 20000 〃 C 5000 〃 D 9000 〃 E 37000 〃 F 20000 〃 G 25000 〃 H 12000 〃 I 12700 〃 J 2750 〃 K 20000 〃 L 260000 〃 M 60000 〃 N 3700 〃 O 175000 ○ 抗体のATLA特異性試験 供試試料として各種濃度のペプチドA及び下記
ATLA(ATL−associated antigen)サンプルを
使用する。 ATLAサンプル: MT−2〔Nature,296,p770〜771(1981)〕の
培養細胞5×109個に生理食塩水30mlを加えてホ
モジナイズし、次いで1時間遠心分離(105000×
g)して上清を採取し、リン酸緩衝食塩水
(PBS)で蛋白量を10mg/ml(この蛋白量は、大
塚アツセイ研究所製の総蛋白定量試薬である「ト
ネイン−TP」を用いた発色法により測定した)
に調整する(以下これを「MT−2上清」とす
る)。 また標準希釈剤として0.25%BSA、5ミリモル
EDTA及び0.02%のNaN3を含む0.05モルリン酸
塩緩衝液(pH7.4)を使用する。 各々の試験管に、標準希釈剤0.2ml、供試試料
0.1ml、抗体の製造例で得た抗体A又はB(最終,
抗体Aの場合5000倍釈剤、抗体Bの場合25000倍
希釈した)0.1ml及び上記各抗体に対応する125
標識ペプチド(上記で得られる標識ペプチドAを
約10000cpmになるように釈剤したもの)0.1mlを
入れ、4℃で72時間インキユベーシヨンした後、
ノーマルブタ血清(normal porcine serum)の
0.1mlを加え、次いでデキストランで被膜した活
性炭の懸濁液0.5mlを加え、4℃で30分間放置し、
次に4℃、3000rpmの条件下に30分間遠心分離を
行ない、抗体と125標識ペプチドとの結合体
(B)を、未反応(結合しない)125標識ペプチ
ド(F)から分離し、その放射線をカウントし、
各供試試料の濃度及び希釈率における(B)の百
分率(B%)を求める。得られる結果を第1図及
び第2図に示す。 第1図は抗体Aを用いた場合及び第2図は抗体
Bを用いた場合のそれぞれの結果であり、各図中
縦軸は結合%(B%/Bo×100:但し、Boは供
試試料濃度を0とした時の(B%)である)を、
横軸は供試試料濃度(ペプチドAの濃度及びMT
−2上清の蛋白濃度)を示す。また第1図及び第
2図において曲線イはペプチドAを、曲線ロは
MT−2上清をそれぞれ示す。各図より、本発明
により得られる抗体はATLA反応性を有するこ
とが判る。 上記において抗体A又はBに代え、抗体C乃至
抗体Oのそれぞれを用い(標識ペプチドもまた各
抗体に対応するものに代替する)、同様にいて
ATLA特異性試験を行なつた所、各抗体共同様
のATLA反応性を有することが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれペプチドA及び
ATLAサンプルと本発明により得られる抗体と
の親和性を示す曲線である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 H−Tyr−Ser−Leu−Tyr−Leu−Phe−Pro
    −His−Trp−Thr−Lys−OH で表わされるペプチド、式 H−Pro−Asn−Arg−Asn−Gly−Gly−Gly
    −Tyr−OH で表わされるペプチド、式 H−Tyr−Ala−Ala−Gln−Asn−Arg−OH で表わされるペプチド及び式 H−Gly−Leu−Asp−Leu−Leu−Phe−Trp
    −Glu−Gln−Gly−Gly−Leu−Tyr−OH で表わされるペプチドからなる群より選ばれたヒ
    ト白血病ウイルス関連ペプチドと担体との複合体
    からなる免疫抗原を哺乳動物体に投与し、生成す
    る抗体を採取することを特徴とするヒト白血病ウ
    イルス抗体の製造法。
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